不動産売買におけるIT重説のポイントをわかりやすく解説
更新日: 2023.1.27
公開日: 2022.9.14
MEGURO
不動産売買におけるIT重説は、2021年4月より本格運用が開始されました。これにより、不動産の売買契約時、場所を選ぶことなく不動産取引の重要事項説明が受けることが可能となります。
今回は、不動産売買におけるIT重説の重要性や方法、注意点などを中心に解説していきます。
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目次
電子帳簿保存法の改正や5月の宅建業法改正により、オンライン契約が推進されています。
従来、重要事項説明書は対面での実施が義務付けられていましたが、「IT重説」の運用により不動産業者と入居予定者が顔を合わせる必要がなくなりました。
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・宅建業界の現状
・IT重説とは何か
・IT重説の実施フロー
・電子契約サービスについて
1. 不動産売買におけるIT重説の重要性
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、不動産売買において、顧客と不動産会社双方の間で非対面での売買契約が可能となるよう、国土交通省ではIT重説の推進を行ってきました。
実際、2021年4月には、不動産売買におけるIT重説が開始され、非対面での取引完結も可能となっています。
また、IT重説の導入によって、顧客側からは遠方からでも重要事項説明を受けることができるようになり、物件の契約までがスムーズに進められるようになった点が大きなメリットです。
そのほか、スマートフォンなどの端末を用意して簡単に利用できるようになったり、契約手続きの内容を録画して残すことができるようになったりするなど、不動産売買におけるIT重説には、従来の不動産売買取引にはなかった利点が複数挙げられます。
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2. 不動産売買におけるIT重説の方法
ここからは、不動産売買をする際のIT重説の方法について解説します。
不動産売買でIT重説に準備するものやIT重説に対応できる物件、不動産売買におけるIT重説の具体的な流れについて紹介していきますので、参考にしてください。
2-1. 売買でのIT重説に準備するもの
不動産売買でのIT重説には、以下の4つについて、環境を整えたうえで実施する必要があります。
・不動産会社と顧客側双方でやり取りできるIT環境
・重要事項説明書の事前送付
・説明前の重要事項説明書準備とIT環境確認
・顧客側で宅地建物取引証を視認できたことを確認
これらの環境が揃っていない場合には、原則、IT重説を行うことができません。
また、IT重説では、実際に重要事項説明書を確認しながら説明を受けなければなりませんので、事前に書類を不動産会社から顧客側に送付しておくことを忘れないようにしましょう。
2-2. IT重説の対応物件
IT重説に対応できる物件は、基本的に以下の2つの条件を満たした物件となります。
・不動産会社側でIT重説に対応した物件
・顧客側からIT重説の同意が得られている物件
これら2つの条件を満たさない物件については、IT重説を利用することはできず、対面による重要事項説明書の読み合わせが必要となります。
2-3. 不動産売買におけるIT重説の具体的な流れ
不動産売買におけるIT重説の具体的な流れは以下のとおりです。
◇不動産売買でのIT重説の流れ
1.不動産会社から顧客に必要書類を送付する
2.IT重説を実施する
3.顧客から書類を返送してもらい、手続きを実施する
不動産売買でIT重説を行う際には、まず顧客側に重要事項説明書等の送付を行わなければなりません。
現状、重要事項説明書に関する書類については、オンラインでの交付が不可となっており、宅地建物取引士が記名・押印した資料を顧客側に事前に送付しておく必要があるためです。
また、IT重説実施時には、あらかじめ、IT重説を問題なく実施できるインターネット環境を整えておかなければなりません。
顧客は、IT重説実施後に、重要事項説明書に記名・押印を行い、不動産会社に1部を返送します。
不動産会社側は、顧客から返送された書類をもとに、以降の手続きを実施していきます。
3. 不動産売買におけるIT重説の注意点
不動産売買においてIT重説を実施する場合には、以下の3つの点に注意する必要があります。
◇不動産売買におけるIT重説の注意点3つ
1.お互いにIT環境が整っている必要がある
2.書面のデジタル化は認可されていない
3.図面での資料提示時に工夫が必要な場合もある
以下、具体的にこれら3つの注意点について確認していきましょう。
3-1. お互いにIT環境が整っている必要がある
IT重説を実施する際、顧客側・不動産会社双方でIT環境が整っている必要があります。具体的には、お互いにテレビ会議やウェブ会議をするのに問題のない端末や機器、安定した通信環境などの準備が必要です。
そのほか、インターネットを利用する際には、セキュリティについての検討も重要となります。
このように、IT重説を実施するためには、環境が整っていることが前提となるため、環境そのものが準備できない場合にはIT重説自体の実施ができないということは頭に入れておかなければなりません。
3-2. 書面のデジタル化は認可されていない
IT重説を行う場合には、あらかじめ重要事項説明書の書面送付が義務付けられています。
重要事項説明書については、宅地建物取引士の記名・押印したものを準備しておかなければなりません。
IT重説が終了した後には、重要事項説明書に顧客側が記名・押印して不動産会社側に返送する必要があります。
このように、原則、重要事項説明書などの書類については、電子ファイルのやり取りを行うことは認められていませんので、注意しましょう。
3-3. 図面での資料提示時に工夫が必要な場合もある
顧客に図面での資料を提示する際、顧客側の端末の画面サイズによっては、参照が難しい場合もあります。
そのため、顧客が資料を見てわかりやすいように、資料に番号をふったり、付箋やマーカーを利用したりといった工夫を行う必要があります。
顧客側の視点に立って、わかりやすい資料提示方法を考えなければならない点を考えた場合には、負担を感じることもあると考えておきましょう。
4. IT重説の実施マニュアル
国土交通省では、「ITを活用した重要事項説明実施マニュアル」として、IT重説をスムーズに実施するためのマニュアルを国土交通省ホームページにて公開しています。
こちらのマニュアルには、IT重説を実施するにあたって、遵守するべき事項や方法などが記載されていますので、一度目を通しておくとよいでしょう。
5. 不動産売買でのIT重説を活用してより円滑な取引を目指そう
新型コロナウイルスの感染拡大はとどまるところを知らず、不動産売買におけるIT重説は需要が高まる傾向にあります。IT重説のメリットを理解し、上手に活用して、スムーズな取り引きを目指していきましょう。
なお、顧客側と不動産会社側でIT重説を行える環境を整えることができ、IT重説に対応した物件の売買であれば、IT重説は可能です。
IT重説を実施する際には、具体的な手順をおさえ、正しい手順で手続きを実施していきましょう。
電子帳簿保存法の改正や5月の宅建業法改正により、オンライン契約が推進されています。
従来、重要事項説明書は対面での実施が義務付けられていましたが、「IT重説」の運用により不動産業者と入居予定者が顔を合わせる必要がなくなりました。
IT重説の概要を正しく理解したい方や法改正で何が変わったのか把握したい方はぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。
▼「【宅建業法の改正に伴う変化とは?IT重説の運用方法」資料でお悩み解決!
・宅建業界の現状
・IT重説とは何か
・IT重説の実施フロー
・電子契約サービスについて
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