300名以上の企業の、人事担当者の4割強が 「人事戦略策定にむけて人事データを活用している」と回答するも、 そのうち約7割が「人事データの収集に対して課題を感じている」と回答 ー 人事データの管理、蓄積、活用に関する実態調査結果 ー
公開日: 2023.8.29 jinjer Blog 編集部
クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:桑内 孝志 以下、jinjer)は、従業員数が300名以上の企業の人事担当者384名を対象に、「人事データの管理、蓄積、活用」に関する実態調査を実施しました。
■調査サマリー
■調査の背景
近年、働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に後押しされ、IT技術を活用して業務やビジネスを変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がさらに加速しています。
その中でも、昨今は生成AIへの注目から『データマネジメント』が重要視されてきており、人事労務領域においても、人事データを活用して、企業戦略に活かそうとする企業が多いように思います。
ただ、実際には「人事データの活用目的」、「収集/管理方法」、「どんなデータを集めると企業戦略に活かせるのか?」を明確に理解して、組織改善を実現できない企業を多く見かけます。上記について、実際にどの程度の企業において人事データの活用目的を設定しているのか、また目的が明確化している企業は実際にどのようなデータをどのような方法で集めているのか(目的が明確化していない企業は何につまずいているのか)、といった実態を調査し、人事データの利活用に悩む企業様に改善のヒントを与えたい、という思いで調査を実施いたしました。
■約8割の企業が人事戦略を策定する上で、人事データの活用を「重要である」と回答し、実際に活用している企業は4割強という結果に。
人事戦略を策定する上で、人事データの活用をどの程度重要であるかについて質問したところ、4割強が「非常に重要である(46.9%)」、3割強が「どちらかというと重要である(32.3%)」と回答しました。
「非常に重要である」「どちらかというと重要である」と回答した企業のうち、人事戦略を策定する上で、実際に人事データを活用している企業は、約4割強でした。
一方で、6社に1社は「活用したいけど活用の仕方がわからない(16.9%)」という実態も明らかとなりました。
人事データを十分に活用している企業もいるようですが、まだまだ課題は多いことがうかがえます。
■「人事データを活用している」と答えた人事担当者の中で、約7割強が「人事データを活用した人事戦略ができている」と回答。
人事データを活用していると答えた人事担当者を対象に、「人事データを活用して人事戦略へ活かせているか」と質問したところ、「非常に活かせていると思う」が31.1%、「どちらかと活かせていると思う」が44.7%と、そのうちの約7割強が人事データを活用した人事戦略ができているという回答が得られました。
300名以上の企業のうち、7割弱はすでに人事データを活用して人事戦略に対して取り組みはじめている、という風潮になってきているようです。
■企業によって、実際に人事データを活用する目的はさまざまだったが、その中でも最も多かった活用目的のトップ3は、「適切な人事評価制度の構築」「モチベーションと生産性の分析」「従業員エンゲージメントの向上」に。
実際に人事データを活用する企業へ、人事データを活用する目的を聞いてみたところ、企業ごとにかなりバラつきが表れました。その中で最も多かった目的は「適切な人事評価制度の構築(39%)」。次いで「モチベーションと生産性の分析」「従業員エンゲージメントの向上」という結果になりました。
雇用の流動性が高まってる昨今において、適切な人事評価制度を構築した上で従業員のエンゲージメントの向上を試み、企業の生産性をあげていくにはどうしていくべきか、と悩む人事担当者が多くいることがうかがえます。
■利用目的に付随して、人事データとして収集している項目のトップ3は、「評価情報」「勤怠情報」「給与情報・有休消化率(同率)」。
人事データの利用目的に付随して、どのような人事データ項目を収集しているか?という質問をしたところ、最も多かった回答が「評価情報(48.1%)」、次いで「勤怠情報(41.7%)」、「給与情報・有休消化率(38.3%)」でした。
前の質問で回答が多かった「適切な人事評価制度の構築」という目的に沿って、人事評価に必要な情報を集めている企業様が多いと考えられます。
■分析の元となる人事データの収集方法は「Googleフォームなどのアンケートツールで収集」、人事データの管理方法は「人事系システムで管理」が最も多かった。
分析で扱う人事データの収集方法で最も多かったのは「Googleフォームなどのアンケートツールで収集(41.3%)」、次いで「従業員から直接ヒアリングして収集(34.1%)」、「紙のアンケートで収集(27.7%)」となりました。
また集めた人事データをどのように管理しているかを質問したところ、管理方法で最も多かったのは「人事系システムで管理(57.2%)」、次いで「ExcelやGoogleスプレッドシートで管理(33.7%)」という結果となりました。
■そもそも、活用するための人事データ項目収集に「課題を感じている」と答えた企業は、約7割。
利用目的にあわせて、膨大な人事データを収集する際に、「課題を感じている」「どちらかというと課題を感じている」と答えた企業は、約7割にのぼりました。
■人事データを収集する過程で、具体的に課題を感じているポイントで最も多かった課題のトップ3は、「データ活用に関して組織全体のリテラシーが低い」「マスタデータのマネジメントができていない」「部署やシステムごとにデータが散在し、正しく情報を収集・管理できていない」。
人事データを集める過程で「課題を感じている」「どちらかというと感じている」と答えた人事担当者を対象に、具体的にどのようなポイントで課題を感じているかを質問したところ、最も回答が多かった課題のトップ3は、「データ活用に関して組織全体のリテラシーが低い(34.1%)」「マスタデータのマネジメントができていない(32.6%)」「部署やシステムごとにデータが散在し、正しく情報を収集・管理できていない(31.1%)」という結果になりました。
人事データを活用した人事戦略をおこなう企業が増えているものの、元となる人事データを収集、蓄積、管理するという前工程における課題は多く存在するようです。
■一方で、現状「人事データの活用をしない」「活用方法がわからない」と答えた企業(3割弱)が、実際に取り組まない理由として最も多かったのは「社内で話が挙がらない」という回答に。
現状「人事データの活用をしない」「活用方法がわからない」と回答した企業へ、なぜその選択肢をとっているのかその理由を質問したところ、理由のトップ3が「社内で話が挙がらない(26.7%)」、次いで「経営戦略と人事戦略の紐づけがおこなえていない・活用できる部署(人)がいない(21.7%※同率)」、「人事情報をリアルタイムに収集できていないため収集に手間がかかる(17.5%)」と回答しました。
主に、知識不足や目的意識の統制が成されていないことが起因して、取り組めていない企業が多い傾向にありそうです。
【調査概要】
・調査概要:「人事データの管理、蓄積、活用」に関する実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2023年8月9日〜同年8月11日
・調査対象:従業員300名以上の企業に務める人事業務に携わる担当者 384名
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
■jinjer CPO(最高プロダクト責任者)松葉からのコメント
AIの進化とDXの新たな波が時代を彩る中、データの深みが中心的役割を担っています。人事領域においては、精緻な人事データを基盤に組織の脈動を正確に捉え、戦略的な一手を放つことが必要となってきています。組織の生産性を高め、人的資本を可視化/最適化するため、人事データベースの構築はこれからの時代において、より不可欠な要素へとなっていくことでしょう。
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