対話型組織開発とは?診断型との違いや活用方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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対話型組織開発とは?診断型との違いや活用方法を徹底解説

管理計画戦略会議をまとめる女性

「対話型組織開発って何?」

「診断型組織開発と何が違うの?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。対話型組織開発は従業員が主体となって課題を発見し、解決策を生み出す手法です。

本記事では、対話型組織開発の概要や診断型との違い、導入メリットなどについて詳しく解説します。

対話を活用した組織づくりに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。


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1. 対話型組織開発とは

他民族にまたがるミーティング

対話型組織開発とは、対話を通じて組織内の関係性を変革し、持続的な成長を促す手法です。対話を重ねることで組織全体の認識を変え、主体的な変革を生み出します。

対話型組織開発が注目されているのは、現代の変化が激しいビジネス環境のなかで、従来のトップダウン型の指示では迅速な対応が難しいためです。対話型組織開発では、組織内のメンバーが共通の目的を持ち、相互理解を深めることで自律的に課題解決を進められます。

例えば、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際、従業員が変化に適応するには、自分ごととして捉えることが重要です。

対話型組織開発では経営層から現場までが意見を交わし、組織全体の納得感を高めながら組織変革を進められます

2. 対話型組織開発と診断型組織開発との違い

資料に基づく議論

対話型組織開発と診断型組織開発の違いは以下のとおりです。

項目 対話型組織開発 診断型組織開発
アプローチ 組織メンバー同士の対話を通じて変革を促す 外部コンサルタントが課題を診断し、解決策を提示する
目的 組織内の関係性や文化の変化を重視する 課題を特定し、迅速な問題解決を目指す
意思決定 従業員が主体的に関わる 上層部が外部の意見をもとに決定する
メリット
  • ・メンバーの納得感が高い
  • ・柔軟な対応ができる
  • ・客観的な視点で課題を特定できる
  • ・短期間で具体的な解決策を得られる
  • ・データを活用した意思決定ができる
デメリット
  • ・経営層の理解を得るのが難しい
  • ・意思決定に時間がかかる
  • ・現場の納得感を得にくい
  • ・コンサルタントへの依存が生じる場合がある

診断型は分析重視、対話型は関係性重視の手法といえます。

診断型では外部コンサルタントが調査をおこない、改善策を経営層に提案するのが一般的です。一方、対話型では従業員が主体となり、対話を重ねながら現場に合った施策を模索し、柔軟に対応します。

どちらの手法も一長一短があり、組織の状況や目的にあわせて使い分けることが重要です。

3. 対話型組織開発がもたらすメリット

オフィスでのウォーキング

対話型組織開発がもたらすメリットは、以下のとおりです。

  1. 組織内の関係性が向上して成功循環モデルが生まれる
  2. 心理的安全性が高まり創造性と生産性が向上する
  3. 実際の課題を現場主導で解決できる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

3-1. 組織内の関係性が向上して成功循環モデルが生まれる

対話型組織開発を導入すると組織内の関係性が深まり、組織全体の成果向上につながる成功循環モデルが生まれます。

成功循環モデルとは「関係性の質→思考の質→行動の質→結果の質」のポジティブな連鎖を生み出すフレームワークです。

関係性の質が高い組織では、情報共有が活発になり、成果向上につながる好循環が生まれます

3-2. 心理的安全性が高まり創造性と生産性が向上する

対話型組織開発を導入すると、組織内の心理的安全性が向上し、従業員が自由に意見を表明しやすくなります。

心理的安全性とは、従業員が「自分の意見を言っても否定されない」「失敗しても責められない」と感じられる状態のことです。

心理的安全性が高まると従業員は意見を出しやすくなり、チーム内のコミュニケーションが活発になります。結果として、組織の創造性や生産性の向上にもつながるでしょう。

3-3. 実際の課題を現場主導で解決できる

対話型組織開発を導入すると、現場の従業員が主体的に課題を発見し、解決策を考える文化が生まれます。

従来のトップダウンの意思決定では、現場の実情と乖離した施策が実行され、従業員が「やらされ感」を抱くことも少なくありません。

一方、対話型組織開発では、従業員が自ら解決策を考えるため納得感が高まり、実行力のある施策が生まれます

現場主導で課題を解決することで、実態に即した施策が実行され、組織全体のパフォーマンス向上が期待できるのです。

4. 対話型組織開発を効果的に進めるためのポイント

ステップアップのイメージ

対話型組織開発を効果的に進めるためのポイントは以下のとおりです。

  1. 多様なメンバーを対話に参加させる
  2. 安心して意見を出せる環境を整える
  3. 目指すゴールを明確にする

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

4-1. 多様なメンバーを対話に参加させる

対話の場には、部門や役職を超えた多様なメンバーを参加させることが大切です。

毎回同じメンバーだと意見が偏り、新しい発想が生まれにくくなります。さまざまな立場の人が参加することで、思い込みを排除し、本質的な課題を見つけやすくなるのです。

例えば、営業・マーケティング・開発チームのメンバーを混ぜた対話の場を設けることで、従来のやり方を見直すアイデアが生まれます。

意図的に異なる立場のメンバーを集め、固定観念を打破しましょう。

4-2. 安心して意見を出せる環境を整える

対話の場では、だれもが安心して発言できる環境を作ることが不可欠です。

発言を批判される雰囲気では、従業員は意見を控えがちになり、対話の意味が薄れます。

対話を促進するためにも、リーダーやファシリテーター(進行役)が否定的な反応を避け、全員が発言しやすい環境を整えましょう

意見が尊重される環境を作ることで対話が活発になり、組織の成長を促進できます。

4-3. 目指すゴールを明確にする

対話型組織開発では、対話の前に「何のために議論するのか」を明確にし、全員が共通認識を持つことが大切です。

目的がないまま話し合いを続けると、意見がまとまらず、結論が出ないことも少なくありません。

話し合いの方向性を明確にすることで、組織の結束力が強まり、実効性のあるアクションへとつなげられます。

5. 対話型組織開発で活用できる主な手法

エグゼクティブ会議

対話型組織開発で活用できる主な手法を4つご紹介します。

  1. AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)
  2. フューチャーサーチ
  3. OST(オープンスペース・テクノロジー)
  4. ワールド・カフェ

それぞれの特徴と進め方を、詳しく見ていきましょう。

5-1. AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)

AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)は、組織の強みや成功体験に焦点を当て、前向きな変革を促す手法です。

組織や個人の強みを最大限に活かすためのビジョン共有に役立ちます。

AIの進め方は以下のとおりです。

1.発見フェーズ 過去・現在・未来の成功体験を話し合う
2.夢フェーズ 「ありたい姿」を明確にする
3.設計フェーズ 実現に向けた方法を計画する
4.実行フェーズ 計画を行動に移す

成功体験をもとに未来を描き、実行に移すことで、組織全体のモチベーションやエンゲージメントを高められます。

5-2. フューチャーサーチ

フューチャーサーチは、異なる立場のメンバーが一堂に会し、組織の未来を話し合う手法です。

多様な視点を取り入れ、組織の方向性を明確にするのに役立ちます。

フューチャーサーチの進め方は以下のとおりです。

1.過去を振り返る 組織の歴史や経験を共有する
2.現在を探る 組織が抱える課題を明確化する
3.未来を描く 「ありたい姿」を定義する
4.共通意図の整理する 組織としての方向性を統一する
5.アクションプランを作成する 実行可能な計画を策定する

上記の流れで進めることで、関係者全員が共通の意図を持ち、未来の実現に向けて動き出せます。

5-3. OST(オープンスペース・テクノロジー)

OST(オープンスペース・テクノロジー)は、参加者がテーマを提案し、自主的に議論を進める手法です。

参加者が主体的に関わると当事者意識が高まり、納得感のある意思決定が可能になります。

OSTの進め方は以下のとおりです。

1.テーマ設定 参加者が議論したいテーマを提案する
2.セッション実施 興味のあるテーマについて議論する
3.成果共有 対話で生まれた気づきやアクションプランを全体で共有する

上記の流れに沿って議論することで、組織の課題解決や新たな可能性の発見につながります。

5-4. ワールド・カフェ

ワールド・カフェは、リラックスした雰囲気の中で少人数の対話を繰り返し、アイデアを共有する手法です。

自由な発言を促し、新たな気づきを得るのに適しています。

ワールド・カフェの進め方は以下のとおりです。

1.テーマ設定 全員で共通のテーマを設定する
2.セッション実施 4~5人のグループで話し合う
3.成果共有 異なるグループのメンバーと意見交換する
4.意見を統合 最初のグループに戻り、全体の意見を整理する
5.全体共有 話し合いの成果を全員で共有する

少人数のグループでの話し合いを繰り返しながら、意見を交換・統合することで、参加者の発想が広がり、組織やチームの課題解決にもつながります。

6. 対話型組織開発を活用して組織の成長につなげよう

チームとしての結束

変化の激しい時代に組織が成長し続けるためには、対話型組織開発の考え方を取り入れ、実践することが不可欠です。

対話型組織開発は現場主導で課題解決を進められるため、納得感のある施策が実行されやすく、組織の持続的な成長につながります

対話型組織開発を効果的に進めるには、対話の目的を明確にし、従業員が発言しやすい環境を作ることが大切です。

AIやフューチャーサーチ、OSTなどの対話手法を活用することで、組織に適した方法で変革を進められます。

組織の成長に向け、対話型組織開発を活用しましょう。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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