入社手続きにかかる時間はどのくらい?準備スケジュールを公開
更新日: 2023.9.1
公開日: 2020.12.9
NOMURA
新入社員が入社してくるときには、入社手続きが必要です。いろいろな手続きが必要ですが、どのくらいの時間がかかるものなのでしょうか。
こちらの記事では、入社手続きにかかる時間や準備のスケジュールについて見ていきましょう。
1. 入社手続きにかかる時間の目安
内定から入社手続きにはある程度の時間がかかります。しかも在職中で転職活動をしていて新しい会社に入社するのか、離職中もしくは新卒で入社するのかによっても異なります。
では在職中、離職中もしくは新卒で入社手続きにどのくらいの時間がかかるのか考えましょう。
1-1. 在職中の場合
在職中の方の場合、入社手続きには時間がかかることがあります。
前の職場で中核を担っていたような方の場合には、入社手続きに加えて引き継ぎなども必要となります。
重い責任を与えられていたり、役職についていたりする社員の転職では、内定通知への返信から入社手続きを経て初出勤するまでに3ヶ月程度かかるケースもあるでしょう。
1-2. 離職中、新卒の場合
すでに前職を退職してから採用されたり、新卒で入社したりする方の場合には入社手続きにかかる時間は短くなります。
入社手続きには入社諾否や入社日の決定、必要書類に提出や雇用契約の締結などいくつかのステップがあります。
離職中もしくは新卒の内定者の場合、内定通知をもらってからすぐに入社手続きに入ることができるでしょう。
その場合には、内定通知をもらった月末プラス1ヶ月程度が入社にかかる時間の目安となります。おおよそ1ヶ月半から2ヶ月程度を入社手続きに費やすことになるでしょう。
2. 入社手続きで一番時間がかかること
入社手続きにはいろいろなステップがあるので、一つひとつのステップを確認しながら進めていく必要があります。入社手続きの中には時間がかかるものもあり、しっかりとスケジューリングすることが重要です。
では入社手続きで一番時間がかかることについて見ていきましょう。
2-1. 内定者にとって一番時間がかかること
内定者にとって最も時間がかるのは、会社に提出する書類を揃えることでしょう。
特に新卒で入社する方の場合には、必要書類を揃えるだけで一苦労かもしれません。
しかし会社に提出する必要書類が欠けていると、入社後トラブルになるだけでなく雇用保険や健康保険、所得税・住民税などの手続きがうまくいかないことがあるので注意が必要です。
面倒くさいと思っても、時間をかけて一つずつ書類を揃えるようにしましょう。
入社時には新入社員の氏名や住所を確認するための住民票、マイナンバーの提出が求められます。
特定の資格を所有していることを証明するための自動車運転免許証や他の資格証明書、合格証明書などの提出が求められることもあります。
さらには、会社から発行された雇用契約書や入社承諾書は署名捺印して、会社に提出しなければなりません。厚生年金の手続きのためには年金手帳が必要となり、会社によっては身元保証書の提出が必要であるかもしれません。
このほかにも、健康診断書、給与振込先申請書、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書が必要な場合もあります。
もし、同じ年内に前職を退職して中途採用で入社するのであれば、雇用保険被保険者証や源泉徴収票が必要書類に入ってくるでしょう。
どんな書類が必要になるかは会社から指示が来るので、必ずチェックして漏れのないように書類を揃えるようにしましょう。
2-2. 総務担当にとって一番時間がかかること
新入社員にとっても入社手続きには時間がかかりますが、受け入れる総務担当も入社手続きにはかなりの業務が伴います。総務担当にとって一番時間がかかるのは、帳簿作成と保険関係の手続きでしょう。
企業では法定三帳簿と呼ばれる、作成・保管が義務付けられている帳簿があります。労働者名簿、賃金台帳、出勤簿の3つですが、すべての新入社員の情報を記入するのはかなり時間のかかる作業です。
特に賃金台帳は正社員だけでなく、契約社員、パート・アルバイトなどすべての従業員の情報を記入しなければなりません。加えて出勤簿も全社員を対象に記入が必要で、3年間の保管義務があります。
さらに、入社手続きには各種保険の手続きや税金の手続きが必要です。正社員であれば、健康保険と厚生年金への加入手続きを行わなければなりません。
新入社員を雇用してから5日以内に健康保険・厚生年金被保険者資格取得届を年金事務所や健康保険組合に提出します。
雇用保険は、31日以上の雇用契約と週20時間以上の所定労働時間という条件を満たした場合に加入しなければなりません。新入社員を雇用した月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出する必要があります。
また、所得税と住民税の手続きもあります。
もし中途採用の社員が住民税を普通徴収から特別徴収に変更したいのであれば、給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書を担当する市区町村役場の住民税担当課に提出しなければなりません。
3. 入社手続きの一般的なスケジュール
入社手続きにはある程度の時間がかかり、揃えるべきものも多いので、スケジューリングが非常に重要です。
入社手続きの一般的なスケジュールについて知っておくと、いつまでに何をしなければならないかを把握できるでしょう。
3-1. 必要書類の案内
内定通知を送付し、内定者から承諾の連絡を受けたなら入社手続きの最初のステップ、「必要書類の案内」が必要です。入社手続きには非常に多くの書類が必要です。不足しているとスムーズな手続きが行えません。
そのため、できるだけ前もって必要書類の案内をしておくことが望ましいでしょう。
内定の受諾後に面接がある場合はその日に、そうでない場合は入社日に提出してもらうことができます。
3-2. 労働条件通知書の作成
必要書類の案内とともに、労働条件通知書の作成も行います。
雇用契約書は法律上義務ではありませんが、労働条件通知書は労働者に交付することが義務付けられています。遅くとも入社日には労働条件通知書を手渡せるようにしておくべきです。
3-3. 備品の準備
新入社員が初出勤日からスムーズに業務を行うためにはさまざまな備品が必要です。デスクやイスはもちろんのこと、パソコンや事務用品、社員証、名刺が必要なもあるでしょう。
こうした備品をしっかり揃えることで、新入社員のやる気を起こさせることもできます。
3-4. 必要書類の受理・確認
入社日に必要書類を受け取ったなら、書類に不備や不足がないかを確認します。書類に不備や不足があった場合には、速やかに本人に知らせましょう。
3-5. 帳簿の作成
企業に作成・保管が義務付けられている法定三帳簿の作成を行います。労働者名簿、賃金台帳、出勤簿にはそれぞれ作成時のルールがあるので、それに則って作成を行いましょう。
3-6. 保険・税金の手続き
新入社員から提出してもらった書類を用いて、雇用保険、健康保険、厚生年金、住民税、所得税の手続きを行います。場合によっては社員にさらに書類を提出してもらわなければならないこともあります。
雇用保険や健康保険、厚生年金は期限が決められているので、社員の入社後速やかに手続きを行うようにしましょう。
4. 入社手続きには時間がかかるので十分前もって準備を始めよう
入社手続きは、新入社員にとっても企業にとっても時間がかかる業務です。スケジュールがしっかり決まっているので、遅れることなく書類を揃えたり手続きをしたりすることが重要です。
もし郵送・受理・修正などの入社手続きの業務を電子化していないのでしたら、システムを導入し電子化することで工数削減が可能です。つまり、入社手続きにかかる時間を短縮できるというわけです。入社手続きの電子化について気になる方はこちらの記事をご覧ください。
参考記事▶入社手続きを電子化するメリット・デメリットを徹底解説
電子化するしないにかかわらず前もってスケジューリングし、手続きを済ませることで、余裕のある準備を行うようにしましょう。
紙で雇用契約書を取り交わしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・労働条件通知書を交付するために来社してもらったり、郵送したりするのが手間
・早く働き始めてほしいが、雇用契約の締結に時間がかかってしまう
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、雇用契約書の電子化です。システムを利用して雇用契約書を電子化すると、オンライン上で雇用契約書の締結や労働条件通知書の交付ができ、時間と場所を選ばずスピーディーに雇用契約を締結することができます。
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