入社手続きはいつまでに行うべき?雇用保険や社会保険の対応期限を解説! | jinjerBlog

入社手続きはいつまでに行うべき?雇用保険や社会保険の対応期限を解説!

従業員を採用した時に行う入社手続きの中には、期限が設けられているものもあります。

期限までに手続きを済ませないと、新入社員の労働環境や生活に支障をきたすおそれがありますので、採用が決まったら速やかに手続きを開始することが大切です。

今回は、入社手続きをいつまでに行うべきか、もし遅れた場合はどんなリスクがあるのかなど、気になる情報をまとめました。

入社手続きが遅れた場合の対処法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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入社手続きは確実に対応する必要がありますが、社会保険の資格取得手続きや雇用契約の締結など対応しなくてはならない項目が多く、漏れや遅れが発生してしまうこともあるのではないでしょうか。

当サイトでは、入社手続きに必要な書類や入社手続き業務のフローをまとめた「入社手続き完全マニュアル」を無料配布しております。

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1. 入社手続きはいつまでに行うべき?社会保険や各種税金の対応期限は?

ストップウォッチ

入社手続きは多岐に亘りますが、申請や届出の期限はそれぞれ異なります。いずれも重要な手続きですが、同時進行が難しい場合は、申請手続きが迫っているものから優先的に着手しましょう。

ここでは、入社手続きの種類ごとに届出や申請の期限をまとめているので、総務担当者の方は確認しておきましょう。

1-1. 出勤簿・労働者名簿・賃金台帳の作成は雇用開始日から

法定三帳簿と呼ばれる労働者名簿、賃金台帳、出勤簿は、法律によって作成・保管が義務づけられているため、従業員を採用したら、全従業員の分を必ず作成しなければなりません。

特に労働日数や労働時間数などを記載する出勤簿は、後述する雇用保険手続きの添付書類として使用しますので、雇用日に合わせて作成しましょう。

1-2. 社会保険の手続きは雇用開始から5日以内

健康保険や厚生年金といった社会保険関係の手続きは、入社手続きの中で最も期限が短く、雇用開始から5日以内に届出を出さなければなりません。

加入手続きに必要な「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」は、年金事務所または健康保険組合に備え付けられているものを利用するか、あるいは日本年金機構のHPから書式をダウンロードすることもできます。

なお、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、以下3つの方法のいずれかで提出します。

・年金事務所または健康保険組合の窓口に提出
・郵送で提出
・電子申請

提出期限が雇用から5日以内と間がないうえ、書類は従業員本人に記載してもらう必要がありますので、雇用が決まったら書類を渡し、最低でも翌々日までには提出してほしい旨を伝えましょう。

短期間での提出のため対応が遅れる可能性が考えられ、人によっては郵送に手間取ってしまったり窓口に行けないなどのケースがあるでしょう。郵送や手渡しでやっていると、修正が発生した際に、手続きが間に合わない可能性が高くなります。システム化すれば、すぐに差戻・提出ができるので、おすすめです。入社手続きの電子化が気になる方は、以下の記事をご覧ください。

参考記事▶入社手続きを電子化するメリット・デメリットを徹底解説

添付書類は特にありませんが、配偶者や子どもなどの被扶養者がいる場合は、別途「健康保険被扶養者(異動)届」を提出してもらう必要があります。

また、被扶養者が20歳以上60歳未満の配偶者の場合は、「国民年金第3号被保険者関係届」も合わせて出してもらいましょう。

1-3. 雇用保険の手続きは雇用日の翌月10日まで

雇用保険の加入手続きは、雇用した日の翌月10日までが期限です。

雇用した日が月始めなら1ヶ月ほど猶予がありますが、月末に雇用した場合は10日ほどしか時間がありませんので、優先的に手続きを進めましょう。

雇用保険の手続きに必要な「雇用保険被保険者資格取得届」は、ハローワークの窓口でもらうか、またはハローワークインターネットサービスから書式をダウンロードして使用します。

必要事項は人事・採用担当者が記入しますが、「個人番号」や「被保険者番号」は、従業員のマイナンバーカードや雇用保険被保険者証を確認しないと記載することができません。

事前にマイナンバーカードの写しや、雇用保険被保険者証を出してもらわなければなりませんので、余裕を持って必要書類の提出を求めましょう。

1-4. 所得税・住民税関係の手続きは最初の給与計算・支払日まで

配偶者や被扶養者がいる従業員は、配偶者控除や扶養控除の適用対象となります。

実際に控除を受けられるかどうかは配偶者や被扶養者の年収・年齢などによって異なりますが、配偶者または被扶養者の有無や状況を確認するために、従業員には必ず「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいます。

月々の給与から差し引かれる源泉徴収税は、これら控除の有無によって変動しますので、必ず初回の給与支払日までに書類を提出してもらいましょう。

あわせて、従業員から申告された控除対象扶養親族などの状況や月給、徴収税額などを記録する「給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」を初回の給与計算日までに作成し、会社に保管しておきます。

2. 入社時に社会保険や税金の手続きで必要となる書類

書類を管理する女性

先述した通り、各種保険や税金の申請手続きには、あらゆる書類を提出する必要があります。
ここでは、各書類について詳しく紹介するので、総務担当の方は確認しておきましょう。

2-1.社会保険の手続きで必要な書類

健康保険や厚生年金といった社会保険の手続きで必要な書類は、以下の4点です。
配偶者の有無など、世帯構成によって提出してもらう書類の数は異なるので注意しましょう。

1. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届とは、社員が社会保険に加入する場合に提出が必要な書類です。
社員に作成してもらう必要はなく、企業側で用意する書類になります。

一般的に保険証を社員の手元に渡すのには10日以上かかるため、社員の要望に応じて「健康保険被保険者資格証明書」を年金事務所から交付してもらうとよいでしょう。

2. 健康保険被扶養者(異動)届

新入社員に配偶者や子どもなど被扶養者がいる場合に必要な書類です。

3. 年金額の改定通知書のコピーまたは年金証書

新入社員が年金受給者の場合に必要な書類です。
現在受け取っている年金額が確認できるものを提出してもらいましょう。

4. 国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3号該当)届

新入社員の配偶者が、国民年金の第3号被保険者に該当する場合に必要な書類です。
第3号被保険者は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、原則年収130万円未満の方が加入できます。

2-2.雇用保険の手続きで必要な書類

雇用保険の手続きで必要となる書類は以下の通りです。
雇用形態に応じて、必要書類は異なるので注意しておきましょう。

1. 雇用保険被保険者資格取得届

社員を新たに雇った際、ハローワークに提出する書類です。

外国人を雇用する場合には、在留資格、在留期間、国籍・地域等の記載も必要です。
また、令和2年3月以降新たに雇用する場合、在留カード番号の届出も必要となっているので注意しましょう。

2. 雇用保険被保険者証

前職で雇用保険の被保険者だった場合、資格取得届に記入するため必要な書類です。
基本的に会社が保管しており、新入社員は退職時に受け取っているはずですが、紛失してしまっている場合にはハローワークで再発行してもらうことも可能です。

3. 労働者名簿

3~6については、事業主として初めて雇用保険被保険者資格取得届をする際、届け出期限を過ぎている場合など、特定の場合でのみ必要になります。基本的には雇用保険被保険者資格取得届のみ提出すれば問題ありません。

労働者名簿は、労働基準法によって作成・保管が義務付けられている書類です。
入社時に1人に対して1枚作成し、労働者の情報に変更があった場合には修正する必要があります。

4. 出勤簿またはタイムカード

出勤簿またはタイムカードには、「氏名」「出勤日」「出勤日ごとの始業・終業時刻、休憩時間等」が記載します。
労働者名簿同様、作成が義務付けられているので確実に作成しておく必要があります。

5. 雇入通知書(パートタイマーの場合)

雇入通知書とは、「賃金」や「労働時間」などの労働条件を明示した書類です。
パートタイム労働者が雇用保険に加入する場合には、本書類の提出が必要です。

6. 派遣契約書(派遣労働者の場合)

派遣契約書とは労働者と派遣会社の間で結ばれる契約書で、雇入通知書と同様、労働条件を明示した書類です。
派遣労働者が雇用保険に加入する場合には、本書類の提出が必要です。

2-3.所得税・住民税の手続きで必要な書類

1~2の書類は給与計算のために必要になり、提出の必要はありませんが、3の給与所得者異動届出書は期日までに提出する必要があるため、注意しましょう。

1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

本書類を提出することで、所得税の扶養控除等の控除を受けることが可能です。
社員の配偶者や扶養家族の所得状況を記載する必要があり、その状況に応じて毎月の給与から引かれる控除額が決まります。

2. 源泉徴収票

前職での給与と、いくら所得税を支払っているかを確認するための書類です。
年末調整をおこなう際に必要となります。

3. 給与所得者異動届出書

給与所得者異動届出書とは、住民税の支払いを前の職場から継続して特別徴収で支払う場合に必要な書類です。前職を退職した翌月の10日までに市区町村に提出する必要があります。

期限を過ぎてしまった場合には、「特別徴収への切替申請書」が必要となるので注意しましょう。

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3. 入社手続きが遅れた場合に考えられるリスク

では何らかの理由で入社手続きが遅れてしまった場合、どうなってしまうのでしょうか。手続きごとに考えられるリスクをまとめました。

3-1. 法定三帳簿の作成が遅れた場合

法定三帳簿を作成・保管は労働基準法で義務づけられていますので、作成が遅延すると労働基準法違反となり、それぞれ30万円以下の罰金を科せられる可能性があります。

もし法定三帳簿すべてを作成・保管していなかった場合、30万円×3=90万円の罰金となりますので、雇用日に間に合うよう準備しておくことが大切です。

3-2. 社会保険の手続きが遅れた場合

法人および従業員を常時5人以上使用している事業所は、社会保険に加入することが義務づけられています。

社会保険は2年前までさかのぼって加入できますので、手続きされないまま長期間が経過した場合、過去2年にわたる社会保険料を一括で請求される可能性があります。

社会保険料は企業と従業員で折半して支払いますが、過去2年分ともなるとかなりの高額になるため、従業員との間でトラブルが発生するおそれがあります。

また、健康保険法第208条では、正当な理由なく被保険者の資格の取得に関する事項を届け出なかった場合、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と定めています。

さらにニュースやSNSなどで社会保険未加入が報じられた場合、社会的な信用も失い、今後の経営に大きな支障を来すリスクがあります。

3-3. 雇用保険の手続きが遅延した場合

雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある従業員を雇用した場合、加入が義務づけられています。

雇用保険の加入手続きを行わなかった場合、雇用保険法第84条により「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。

社会保険同様、雇用保険も2年前まで遡って手続きを行えますが、やはりそれまでの雇用保険料はまとめて請求されますので要注意です。

3-4. 控除の手続きが遅延した場合

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出が遅れた場合、その従業員は年末調整の対象外になります。

扶養控除が適用されると節税になりますので、手続きが遅延すると本来より高い税金を払わざるを得なくなります。

1月31日までなら再年末調整を行うことが可能ですが、それ以降は従業員本人に確定申告してもらうことになりますので、会社側のミスで遅延した場合はトラブルのもとになることも考えられます。

4. 入社手続きが遅れた場合、遅延理由書が必要になることもある

入社手続きが遅れた場合、追加で書類の提出を求められることがあります。

社会保険や雇用保険の手続きが60日以上遅延した場合には、従業員が勤務していたことを証明する賃金台帳や出勤簿の写しを提出しなければなりません。

さらに、入社手続きの遅延が6ヶ月以上に及んだ場合には、遅延の理由を記載した「遅延理由書」の提出が必要となります。

このように、追加書類の提出を求められないように、時間に余裕を持って必要な手続きを行うことが大切です。
遅延をしてしまった場合でも、気付いた時点で速やかに手続きを行うことで、不要な手間を省くことができます。

5. 入社手続きを期限までに完了させて、リスクを回避しよう!

入社時に必要な雇用保険や社会保険の加入手続き、および控除の申請手続きなどは、それぞれ提出期限が設けられています。

期限を過ぎても遡って申請することは可能ですが、添付書類が増えたり、従業員との間にトラブルが発生したりするリスクがあるため、期限内に手続きを済ませることを心がけましょう。

提出書類についても解説しているので、どの書類をいつまでに提出してもらうのか計画を立てておくとよいでしょう。修正してもらうことも踏まえて、できるだけ早めに書類を回収しておくのがおすすめです。

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