目標設定の重要性や設定するときの注意点を詳しく紹介
更新日: 2024.5.22
公開日: 2023.5.30
OHSUGI
目標設定は、チームを管理する上でなくてはならないプロセスです。具体的かつ明確な目標がないと、進むべき方向や選択すべき手段が見えてきません。目標設定の重要性を理解して、メンバーの士気や業務効率が向上する目標を設定しましょう。
目標設定の重要性や効果的な目標を設定する方法、さらには目標を設定するときの注意点を紹介します。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 目標設定とは?
チーム管理に目標設定が必要といわれるのは、目標があることでチームが行動を起こしやすくなるためです。目標設定とは何なのか、目的との違いを交えて紹介します。
1-1. ゴールに向けて具体的な指標を設定すること
目標設定とは、最終ゴールを達成する上で必要となる具体的な指標を決めることです。チームメンバーで目標を共有することで、個々のメンバーが何をすべきかを自分自身で判断しやすくなります。
ただし効果的な目標を設定するためには、自社の経営戦略はもちろん、チームメンバーのスキル・実績についても深い理解が必要です。
1-2. 目的との違い
目的とは、最終ゴールです。これに対し目標は、最終ゴールに至るまでに目指すべき指標を指します。目的を達成するために目標があると考えればよいでしょう。
例えば、市場シェア率1位を達成したいというのは目的です。これを達成するためには、営業の件数を増やしたりWebサイトのコンバージョン率を上げたりなどが必要となります。
一方、営業の訪問件数を○件増やす、コンバージョン率○%アップを目指すなどと設定した場合、これらは目的ではありません。目的を達成するために設定される目標です。
企業では、目標は複数階層で設定されるのが一般的です。一例をいうと、大きい方から、企業目標、部署目標、チーム目標、個人目標などがあります。目標を階層別に設定することで、目的達成までのルートがより具体的・現実的になるのがメリットです。
2. 目標設定のメリット
適切な目標を設定することは、目的達成までにかかる時間・ルートの短縮につながります。目標設定の重要性を見ていきましょう。
2-1. 作業効率の向上につながる
目標を設定すれば、社員一人ひとりがすべきことが見えやすくなります。まず何をすべきか、どのくらいの時間でこなすべきかの把握が容易になり、ムダなプロセスを省略することが可能です。
また目標の未達は、社員が自分自身を振り返るチャンスとなります。目標が達成できなかった原因を探すことで、社員は業務のムダや非効率なやり方に気付くはずです。改善点が分かれば、社員の作業効率はより一層向上します。
2-2. 社員のモチベーションを維持できる
着地点が明確であるほど、社員一人ひとりのモチベーションが途切れません。目指すべき地点から逆算して、今何をすべきかを判断できます。働き方にも緩急をつけやすく、ダラダラとただ働くだけの時間が減るはずです。
また目標が細かく設定されていれば、クリアするたびに達成感を得られます。一人ひとりが成果を実感しやすいことも、目標設定のメリットです。
2-3. 進捗管理が容易になる
目標達成のためのマイルストーンを細かく設定すれば、進捗管理もスムーズになります。一つクリアしたらまた次…と順を追ってステップが進むため、社員が次のアクションに迷うこともありません。
また進捗管理表の作成により、チーム全体の状況を可視化・共有できます。達成が遅れている目標は致命的になる前に対策できる上、デッドラインに向けてスパートをかけることも容易です。
3. 目標設定の方法
目標は、内容、方法、期限などを正しく設定することが必要です。目標設定のステップを具体的に紹介します。
3-1. 目標の根拠を明確化する
目標の種類には、今ある課題を解決するために設定する発生型目標と、個人の意志で目標を設定する設定型目標があります。目標を設定するときは、どちらのタイプに該当するか考えましょう。
二つの目標の種類の違いは、合意形成のしやすさです。課題解決のための発生型目標は、メンバーの理解を得やすくなります。一方で設定型目標は、なぜこの目標なのかという強い根拠がないと、合意を得るのは困難です。
例えば社員の売上目標について、○%アップするとした場合、なぜ○%アップする必要があるのか、なぜ売上目標のアップが必要なのかという議論が起こる可能性があります。
目標の種類に合わせ、「なぜ」の部分を明確にしてください。
3-2. SMARTによって具体的な目標を設定する
目標の方向性が決まったら、より具体的な内容を決めます。目標を決めるときにおすすめのフレームワークがSMARTの法則です。これは目標設定に必要な五つの要素の頭文字を取ったもので、組織や個人が目標を設定するときに使われます。
- 具体的(Specific):具体的かつ曖昧さが排除されている
- 測定可能(Measurable):数値で効果測定できる
- 到達可能(Achievable):現実的な数値が設定されている
- 価値のある(Relevant):取り組む価値があると思える
- 時間制限のある(Time-bound):明確かつ根拠のある期限が設定されている
上記の要素を全て満たせば、納得感がありつつも非現実的ではない目標を設定できるはずです。
3-3. 目標達成までに必要なタスクを洗い出す
目標を達成するために、どのようなタスクや行動が必要かを洗い出します。
必要なタスクを洗い出すには、適切な現状把握が必要です。目標と現状にどのくらいのギャップがあるのかを知り、ギャップを埋めるためにすべきことをピックアップしていくとよいでしょう。
例えば、売上○%を実現するために、あと△%不足しているのであれば、△%アップのために何ができるのかを考えます。営業1人につき□件ノルマを増やす、Webサイトからのコンバージョンを上げるため、広告を△件増やすなど、さまざまな方法が見つかるはずです。
目標が計画倒れで終わらないよう、数値まで明確にして「To Do」を考えてください。
4. 目標設定の注意点
目標設定は必要ですが、思いつきで作ったような目標は社員のモチベーション低下につながります。目標を設定するときの注意点を見ていきましょう。注意点を押さえれば目標設定におけるコツにつながります。
4-1. 柔軟性を持たせること
目標は、あくまでも現時点の状況に即したものです。将来状況が変わったときは、柔軟に対応しなければなりません。状況の変化を読み取れずに古い数値・目標に固執すると、目標設定の意味がなくなってしまいます。例えば、さまざまな要因によって目標設定シートに記載した進捗に変化があった場合は、軌道修正が求められます。
環境の変化に柔軟に対応するためには、目標設定の時点で状況が変化する可能性を組み込んでおくことが重要です。最初から別のブランも想定しておくことで、いざというとき柔軟に目標数値や方向性を変えられます。
4-2. 公平であること
チームや社員に目標を課すときは、負担の大きさが偏らないよう注意します。目標の難易度に差があると合意を得にくい上、社員のモチベーションも下がるかもしれません。全員が同じ目標に向かって邁進するためには、個々の負担に差が出ることは控えるべきです。
チーム全体で同じ負担を共有すれば、メンバー同士のつながりが強まったりチームの一体感が高まったりといったメリットがあります。
コミュニケーションの密度は、業務効率や業務成績はもちろん、職場の雰囲気にも直結するものです。目標設定を誤って、職場がギスギスしないよう注意しましょう。
4-3. 時間軸を細かく刻むこと
目標は中長期的なものと短期的なものを設定します。目標達成までの期間が空きすぎないよう注意が必要です。
目標未達の状態が長すぎると、社員のモチベーションを保てません。短期目標で成功体験を積み重ねていくことが、中長期のより大きな目標達成につながります。ゴールまでの道筋を逆算し、細かく目標を設定しましょう。
4-4. 少し難しい目標を設定する
設定する目標は少し難しいものにしましょう。簡単な目標では従業員のスキルアップやモチベーションアップにつながりません。一方、少し難しい目標であれば従業員のスキル、モチベーションのアップが期待できます。そのため、従業員が努力すれば達成できるような目標を設定しましょう。
4-5. 過去の目標を参考にする
過去の目標を参考にするのも効果的です。例えば評価者である上司が過去に設定した目標を共有して参考にしてみましょう。目標の参考があれば、設定の際の精度向上が期待できます。また、部下は上司も同じような目標を設定していたので共感できます。
4-6. 目標について相談できる雰囲気を作り出す
従業員が目標を設定したとしても、適切な目標かどうかを本人が判断できない可能性もあります。適切な目標を設定できているかどうか、相談しやすい雰囲気を作り出しましょう。このような雰囲気を作り出すことで、目標設定で悩む従業員も相談しやすくなるでしょう。
4-7. 定期的な振り返りをする
定期的な振り返りは目標設定に沿って行動できているかを確認するうえで大切です。また、定期的な振り返りで上司がフィードバックをすれば、従業員のモチベーション向上にもつながります。
5. 適切な目標設定が業務効率向上につながる
目標を設定することは、作業効率の向上や社員のモチベーションアップに有効です。進捗管理もしやすく、社員が目的意識を持って働きやすくなります。
ただし曖昧かつ具体性のない目標は、社員にとって負担です。どこを目指せばよいか分からない目標は避け、数値を伴った具体的な目標を設定しましょう。
業務効率化が声高にいわれる昨今、目標なしに働くことは時代の流れに逆行しています。「どのような」「何のために」「いつまでに」という要素をしっかり抑えて、有益な目標設定をおこなってください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
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