帰属意識を高めるには?低くなる原因と改善策を解説
更新日: 2025.3.29
公開日: 2025.3.29
OHSUGI
「従業員の帰属意識を高める方法が知りたい」
「従業員の帰属意識が低いのはなぜ?」
「帰属意識を高める改善策は?」
従業員の帰属意識について、上記の疑問をもつ人事労務の担当者もいるのではないでしょうか。
ビジネスにおける帰属意識とは、所属企業に順応している意識です。
帰属意識が高ければ、企業への思い入れが強くなり、業務へのモチベーションアップにつながります。結果、業績アップにも貢献できるでしょう。
本記事では、従業員の帰属意識を高めるにはどのようにすればよいか解説します。帰属意識を高めることでもたらされるメリットや、成功事例についてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
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1. 帰属意識を高める4つの取り組み
帰属意識を高めるおもな取り組みとしては、以下の4つが挙げられます。
- 社内のコミュニケーションを促す
- インナーブランディングで企業理念を浸透させる
- 労働環境や待遇を改善する
- 人事評価制度を充実させる
具体的な内容は次のとおりです。
1-1. 社内のコミュニケーションを促す
帰属意識を高めるには、社内のコミュニケーションを促す取り組みが有効です。
従業員間の交流が進めばお互いへの親しみが湧き、力を合わせて業務に取り組む前向きな意識が芽生えます。協力体制を取るなかで連帯感が生まれ、バックボーンとなる企業に対しても自然と愛着を感じるようになるでしょう。
社内コミュニケーションを推進する具体的な施策例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 定期的に1on1ミーティングをおこなう
- チャットを導入する
- 社内イベントを開催する
定期的に1on1ミーティングをおこなえば、業務進捗や問題を共有するほか、上司と部下の間で交流が進み、信頼関係の構築に役立ちます。
また、チャットを導入すれば、メールより気軽にやり取りがおこなえるため、社員間の交流が図りやすいでしょう。
忘年会や球技大会のような社内イベントも、日常業務とは別のアプローチから社員間の交流が図れます。
1-2. インナーブランディングで企業理念を浸透させる
インナーブランディングで企業理念を従業員に浸透させるのも、帰属意識を高める方法として有効です。
インナーブランディングとは、社内向けのブランディングを指します。企業のもつ価値観やブランドイメージを従業員に伝えて共感を生むことで、企業理念の定着を狙う活動です。
ブランディングを社内に向けておこなえば、自社の掲げるビジョンに対する従業員の理解が深まります。全社で目指すべき共通目標を設定すれば、連帯感も生まれ、帰属意識を高めるのに役立つでしょう。
インナーブランディングは、経営陣によるメッセージの発信や社内報、ポスター、ホームページなどを活用して実現させます。オフィスのデザインやレイアウトに、企業理念を反映させるのも有効です。
1-3. 労働環境や待遇を改善する
帰属意識を高めるには、労働環境や待遇の改善も有効です。
働きやすい環境に整備されれば、従業員の抱えるストレスが緩和され、企業に対する満足感につながります。業務へのやりがいにもつながるため、帰属意識の向上に貢献可能です。
労働環境や待遇の改善方法としては、以下のものが挙げられます。
- ワークライフバランスを考慮したフレキシブルな働き方を導入する
- オフィスのレイアウトを工夫する
- 給与を改善する
フレックスタイム制やリモートワークなどの勤務体制を導入すれば、従業員の多様な価値観にマッチした企業運営が可能です。
また、フリーアドレス制を取り入れ自由に席を選べるようにすれば、従業員のリフレッシュや部門間を横断したコミュニケーションにも役立ちます。
オフィスに休憩ラウンジやドリンクバーなどを設置し、従業員の憩いの場として提供する方法も有効です。
1-4. 人事評価制度を充実させる
人事評価制度の充実も、帰属意識を高めるのに利用できます。
従業員は、正当に評価されていないと感じると、心理的にも身体的にも会社から離れていくものです。
人事評価制度を見直し、個人の役割や目標を設定のうえ達成度を適切に評価すれば、従業員のモチベーションアップにつながります。連動して帰属意識も向上していくので、風通しのよい評価システムを構築しましょう。
2. 帰属意識を高める2つのメリット
帰属意識を高めれば、以下のような2つのメリットを享受できます。
- 従業員の離職を抑制する
- 業務効率が改善する
詳しく解説していきます。
2-1. 従業員の離職を抑制する
帰属意識を高めれば、従業員の離職を抑制可能です。
帰属意識が高い社員は企業への思い入れが強くなっています。仕事へのやりがいから働き続ける意欲が湧き、定着率がアップするでしょう。
従業員の採用や育成にかかるコストが抑えられるため、経営の効率化にも役立ちます。
2-2. 業務効率が改善する
業務効率の改善も、帰属意識を高めることでもたらされるメリットです。
一般的に帰属意識の高い従業員は、高いモチベーションで業務に取り組んでいます。メンバーと連携を取りながら前向きに作業に取り組むため、業務効率が向上するでしょう。
意欲的でポジティブな言動は周囲にも伝播しやすいため、チームや部署、ひいては全社的な業務の改善効果も期待できます。
3. 帰属意識を高めた成功事例
帰属意識を高めた成功事例として、以下の2つを紹介します。
- 新入社員研修が帰属意識のアップに貢献|株式会社manebi
- ボランティア活動で帰属意識が向上|サントリーグローバルスピリッツ
具体的な内容は次のとおりです。
3-1. 新入社員研修が帰属意識のアップに貢献|株式会社manebi
eラーニング教材や集合研修を提供する株式会社manebiでは、新入社員研修に関するアンケート調査を実施しました。対象者は、2021年卒の新入社員105名です。
同社の調査によると、新入社員研修の結果、自社への理解や帰属意識が高まったと回答した人の割合が全体の67.5%に達しました。研修により、従業員間のコミュニケーションや企業理念への理解が進んだため、帰属意識の向上につながったと見られます。
3-2. ボランティア活動で帰属意識が向上|サントリーグローバルスピリッツ
アメリカにあるサントリーグループ傘下のビームサントリー(現:サントリーグローバルスピリッツ)では、地域社会活動へ積極的に取り組んでいます。ボランティア活動に力を入れる同社では、社員主体でボランティアグループの運営をおこなっているそうです。
企業側は、年間最大3日間のボランティア休暇を設けて社員をサポートしています。ボランティア活動を通じ、チームや組織内での対話を促すことにより、帰属意識の向上につながっているそうです。
参考:グループ各社のサステナビリティ|サントリーホールディングス株式会社
4. 帰属意識が低い3つの原因
帰属意識が低くなる原因には、以下の3つが挙げられます。
- 企業理念や経営方針へ賛同できない
- 終身雇用が減少した
- 価値観が多様化した
具体的な内容は次のとおりです。
4-1. 企業理念や経営方針へ賛同できない
従業員が企業理念や経営方針へ賛同できない場合、帰属意識が低下します。
経営陣に対する不信感から心理的な距離が生じたり、業務に価値を見出せなくなったりして、企業への愛着が薄れていくでしょう。
人事評価制度が無い場合や、制度の判断基準が不透明な場合にも、企業に対する不信感が募って帰属意識が低下します。
4-2. 終身雇用が減少した
終身雇用が減少している実情も、従業員の帰属意識を低くする原因です。
近年では、定年まで特定の企業で働き続けるのではなく、キャリアアップの一環で転職する風潮が見られます。業務に大きな不満が無くても、永続的に勤務する意識が薄れているため、帰属意識も低下しやすいでしょう。
4-3. 価値観が多様化した
価値観の多様化も、帰属意識を低下させる原因です。
昨今では、ワークライフバランスを重視した働き方を選択する人も増加しています。
リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務など自由度の高い勤務を続けることで、社員間の交流が減り、思い入れも減少するでしょう。
部署内の連帯感が薄れることで、従業員の帰属意識は低くなります。
5. 従業員の帰属意識を高め離職防止と経営の効率化に活かそう
帰属意識を高めるには、社内のコミュニケーションを活性化させ、インナーブランディングや労働環境の改善に配慮するのが大切です。
帰属意識を高めれば、従業員の離職を防ぎ経営の効率化が図れるため、ぜひ社内体制を整えてください。
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