人材育成で大切なことを9つ紹介!新人・中堅・管理職の階層別ポイントやおすすめのフレームワークを紹介
更新日: 2025.4.13
公開日: 2025.4.13
OHSUGI
「人材育成で大切なことはなに?」
「階層ごとの育成ポイントは?」
「おすすめのフレームワークにはどのようなものがある?」
人材育成で大切なことについて、上記の疑問をもつ人事労務の担当者もいるのではないでしょうか。
人材育成は、企業の大切な資源である従業員をパワーアップさせる手段です。適切に育成できれば業務効率が高まり、自社の発展に活かせるでしょう。
本記事では、人材育成で大切な9つのことを紹介します。階層ごとに注意すべきポイントや、必要なスキル、おすすめのフレームワークもあわせて解説するので、ぜひご一読ください。
人事労務管理のペーパーレス化には、以下のメリットがあります。
- 入社手続きがオンラインで完結し、差し戻しなどやりとりにかかる時間を削減できる
- システム上で年末調整の書類提出ができ、提出漏れや確認にかかる工数を削減できる
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このように、システムによってペーパーレス化を進めると、人事労務管理にかかる工数を削減し、注力したい業務に時間を割くことが可能です。 システムを利用したペーパーレス化について気になる方は、こちらからクラウド型人事管理システム「ジンジャー人事労務」の紹介資料をご覧ください。

1. 人材育成で大切な9つのこと
人材育成で大切なことは以下の9つの項目です。
- 目的と目標を明確化しておく
- スキルを見える化し現状を把握する
- 中長期的な育成計画を立てる
- 従業員のモチベーションに配慮する
- 人材育成システムを整備する
- 指導する側の育成も実施する
- 実践の場を提供する
- 人材育成に有効なフレームワークを利用する
- 階層ごとに適した育成計画を練る
具体的に解説していきます。
1-1. 目的と目標を明確化しておく
人材育成を成功へと導くためには、目的をはっきりさせたうえで、目指すべきゴールを設定することです。
従業員をどのような人材に育てるのかをあらかじめ決めておかなければ、育成の方向性が定まらず、成否も判定できません。全社的な取り組みとして、経営陣とも連携を取りながら、企業のビジョンに則した育成を実施するのが大切です。企業が目指す方向と、育てる人がぶれないように留意しましょう。
設定した目的と目標は、従業員本人に理解してもらうことも大切です。
このとき、難易度が高すぎる目標を設定するのは避ける必要があります。努力しても届かない目標では、従業員のやる気をそぐでしょう。いきなり高い目標を掲げるのではなく、段階を踏んでクリアできるような目標設定をおこなうのが大切です。
1-2. スキルを見える化し現状を把握する
従業員のもつスキルを見える化し、現状を把握するのも人材育成には重要です。
現時点でのスキルレベルを押さえることで、従業員に不足しているスキルや、伸ばすべきスキルが明確化します。
一般的に、スキルマップを利用すると、スキルの見える化に効果的です。スキルマップとは、業務に必要なスキルや能力を精査し、個々のスキルレベルを数値化した一覧表を指します。上手に活用すれば人材育成の助けになるでしょう。
1-3. 中長期的な育成計画を立てる
人材育成の際には、中長期的な育成計画を立てましょう。
結果を急ぐあまり短期的な計画を立てると、思ったような成果が得られません。フィードバックをおこないながら、段階的に計画を遂行していきましょう。
段階ごとに期日を決めておくのも有効です。具体的な育成スケジュールがつかみやすくなり、モチベーションが保ちやすくなります。
リソース管理も大切です。業務の多忙を言いわけにして後回しにしていたのでは、育成計画ははかどりません。人材育成は未来への投資と思って時間を確保してください。
1-4. 従業員のモチベーションに配慮する
従業員のモチベーションに配慮するのも人材育成には大切です。
周囲がいくらお膳立てしても、本人にやる気がなければ計画の進行に支障が出ます。従業員自ら学びたい・成長したい気持ちになるよう工夫しましょう。
モチベーションには内的モチベーションと外的モチベーションがあります。
モチベーションの種類 | 概要 |
内的モチベーション | 自身の内面的な要因
簡単には上下しにくい 存在意義などが該当 |
外的モチベーション | 外面的な要因
簡単に上下しやすい 賃金や生活ぶりなどが該当 |
上記のような特徴があるので、組み合わせて活用するのが効果的です。
従業員の自主性や自発性をうながすようにも配慮しましょう。従業員が受け身の状態では、なかなかモチベーションにつながりません。自発的に学べる環境をつくり、自ら進んで成長できるよう導くのが大切です。
1-5. 人材育成システムを整備する
人材育成の成功のためには、システムを整備しましょう。
育成の仕組みが整っていれば、スムーズに育成計画を遂行しやすくなります。例えば、階層ごとに社内研修制度やOJT制度のルールづくりをおこなっておくと効率的です。
また、学習内容の定着率を正確に評価できるよう、人事評価制度を導入するのも効果があります。努力に見合った評価を得られれば、従業員のやる気にもつながるでしょう。
面談ではただ成否を評価するだけでなく、適切なフィードバックをおこないます。研修を受けただけでは実践的なスキルは身につきにくいため、フォロー体制を用意してサポートしましょう。
1-6. 指導する側の育成も実施する
人材育成を担当する指導者側の育成も実施しましょう。
教える側の能力不足があれば、教えられる側は伸びません。業務都合で時間が取れない場合には、いつでも学べるe-ラーニングを活用しましょう。
1-7. 実践の場を提供する
学んだことを実践できる場を設けるのも、効率的に人材育成を進めるうえで重要です。
単に座学で知識を得ただけでは、現場で役立つスキルはなかなか身につきません。学んだ内容が定着するようアウトプットの場を提供し、試行錯誤を繰り返しながら身に着くよう指導しましょう。
ミスに寛容な雰囲気の現場であれば、従業員が挑戦しやすくなります。
1-8. 人材育成に有効なフレームワークを利用する
人材育成に有効なフレームワークを利用すれば、計画を円滑に進められます。
目標管理やスキル管理、効果測定に有効なフレームワークが存在するので、ぜひ活用しましょう。
フレームワークの具体例については後述します。
1-9. 階層ごとに適した育成計画を練る
階層ごとに適した育成計画を練るのも重要です。
新入社員とベテラン社員とでは学ぶべき内容が異なります。立場や能力に応じて学習内容を設定しましょう。
階層別の育成ポイントは次項で紹介します。
2. 階層別|人材育成のポイント
階層別の人材育成ポイントは以下のとおりです。
階層 | 人材育成ポイント |
新入社員 | 社会人の基本マナー・心構えの習得
企業の経営理念に対する理解 |
中堅社員 | マネジメントスキルの習得
新入教育に必要な指導者スキルの習得 |
管理職 | 経営者目線の獲得
企業のもつビジョンへの深い理解と実現能力の習得 従業員の評価・育成スキルの習得 |
新入社員には、社会人の基礎知識とともに自主性も身につけさせます。中堅社員は、次期管理職の候補生として、今後必要になるマネジメントスキルの習得が重要です。
管理職は、今後経営に携わる幹部候補生として、経営に関する知識やスキル全般を学びます。育成計画を練る際の参考にしましょう。
3. 人材育成に必要な3つのスキル
人材育成に必要となるおもなスキルは以下のとおりです。
- コミュニケーションスキル
- 観察力
- 思考力
具体的に解説します。
3-1. コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、人材育成において重要です。
企業は人と人とのつながりで成立しています。何を伝えられているのか把握できなければ、意図と異なる挙動を取り、育成が円滑に進められません。
教える側は、相手に伝わりやすいコーチングスキルを身につけるとさらに効果的です。
3-2. 観察力
観察力は、人材育成の指導者側にとって肝となるスキルです。教育相手の本質を見抜く目がなければ、的外れな指導をおこなう可能性があります。
従業員ごとに適した接し方ができるよう、鋭い観察眼で柔軟に対応する度量が必要です。
3-3. 思考力
人材育成の場では思考力も重要です。とくに、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは重要視されます。
ロジカルシンキングは、論理的に理論を展開する手法で、相手の納得感につながる大切な思考法です。一方のクリティカルシンキングは、思い込みを取り払ったフラットな思考法のため、固定観念からの脱却に役立ちます。
どちらのスキルも人材育成に役立つため、身につけるよう努めましょう。
4. 人材育成に活用できる3つのフレームワーク
人材育成に活用できる代表的なフレームワークとしては、以下の3つが挙げられます。
フレームワーク | シーン | 概要 |
カッツモデル | 人材育成計画の立案 | 3つの階層ごとに、3つのスキルの学習割合を設定
下層:テクニカルスキルを重視 上層:コンセプチュアルスキルを重視 中間層:ヒューマンスキルと上記2つをバランスよく設定 |
SMARTの法則 | 目標設定 | 以下を検討
Specific(具体的か) Measurable(数値化可能か) Achievable(現実的に達成できるか) Relevant(業務との関連性があるか) Time-bound(期限を設定しているか) |
カークパトリックモデル | 教育効果の評価 | レベル1(反応):満足度
レベル2(学習):スキルの習得度 レベル3(行動):業務への活用度 レベル4(結果):企業への成果 |
人材育成の各フェーズで活用し、効果的に計画を推進しましょう。
5. 人材育成で大切なことを把握し自社の発展に活かそう
人材育成には、大きくわけて9つの大切なことがあります。ポイントを把握したうえで計画を遂行すれば、人材育成の成功率が高まるでしょう。
ぜひ効率的に人材育成を実施し、自社の発展に活かしてください。
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