人事計画とは?人事計画書の作り方や注意点を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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人事計画とは?人事計画書の作り方や注意点を詳しく解説

オフィスで話し合いをしている

人事計画を適切に立案できれば、人材の有効活用につながります。人材の配置や採用を最適化することで、企業の生産性アップを実現できるでしょう。

一方で、「なぜ必要なのかわからない」「正しい作り方がわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。人事計画を実施する場合、メリットや作り方など基本的な知識を把握しておくことが重要です。また、要員計画や人員計画、人事採用計画のような、意味を混同されやすい言葉との違いを知っておく必要もあるでしょう。

本記事では、人事計画と要員計画・人員計画・人事採用計画の違い、メリットや計画書の作り方などを解説します。

そもそもなぜ人事データの管理は必要?
その必要性と活用価値を解説

企業として人事データを適切に管理することはとても重要ですが、そもそもなぜ人事情報の管理が必要であり、その先に大きな活用価値があることについても、正しく理解できていますか?
人事情報は、適切な人材配置、従業員のモチベーションの管理、公平な評価制度など、企業として健全な経営をおこなう上で欠かせない情報です。

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1. 人事計画とは?

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人事計画とは、組織が事業を実施するにあたり、量的・質的な見地でどのくらいの人材が必要とされるのか計画することです。人材の活用と整理によって人事の最適化を目指します。

英語では「manpower planning」や「human resources planning」と言い、外資系の企業では英語表記の方がよく使われているかもしれません。

人事計画を実施する目的は、適切な配置や異動、採用により、組織の生産性を向上させることです。事業にあわせた新規部署の設立や不要な人材の整理を、経営計画と連動させておこないます。

自社の現状に即した人員計画を立てるためには、「人事計画書」の作成が必要です。人事の重要な指針になるので、正しい作り方をチェックしておきましょう。

2. 人事計画と要員計画・人員計画・人事採用計画の違い

目安をメモしている

人事計画と混同されやすい以下の言葉について違いをまとめました。

  1. 人事計画と要員計画の違い
  2. 人事計画と人員計画の違い
  3. 人事計画と人事採用計画の違い

それぞれの言葉との違いをチェックして、正しく使い分けましょう。

2-1. 人事計画と要員計画の違い

人事計画と要員計画の違いは以下の通りです。

人事計画 要員計画
意味 量的・質的な見地でどのくらいの人材が必要なのか計画すること 人材採用や人材配置・異動などの人員に関する計画のこと
経営目標との連動 事業計画の遂行
目的 人材の配置・異動・採用により組織の生産性を向上させること 人材の配置・採用・育成により事業計画を成し遂げること

人事は「人材の確保・活用のための仕組みや環境」、要員は「物事のために必要な人員」という意味です。

要員計画では、事業計画を成し遂げるために部署・役職ごとに必要な人数を算出して、計画を立てます。人材の数はもちろん、従業員の雇用形態やスキルをあわせて考慮することが重要です。

それぞれの軸や目的の違いを把握したうえで、人事計画や要員計画を立案しましょう。

2-2. 人事計画と人員計画の違い

人事計画と人員計画の違いは以下の通りです。

人事計画 人員計画
意味 量的・質的な見地でどのくらいの人材が必要なのか計画すること 事業計画に必要な人材の「量」を計画すること
目的 人材の配置・異動・採用により組織の生産性を向上させること 要員計画の達成につなげること

人員とは「組織を構成する人の数」のことです。要員計画の範囲に含まれており、その一部と考えるとわかりやすいでしょう。

要員計画が土台としてあり、その中で人員の量にフォーカスしてプランを立案することが人員計画の特徴です。人事計画と言葉は似ていますが、意味は異なるので混同しないように注意してください。

2-3. 人事計画と人事採用計画の違い

人事計画と採用計画の違いは以下の通りです。

人事計画 人員採用計画
意味 量的・質的な見地でどのくらいの人材が必要なのか計画すること 採用活動の指標となる計画について立案すること
目的 人材の配置・異動・採用により組織の生産性を向上させること 下記の策定により採用活動を最適化すること

・採用する人数

・人材の要件

・選考の方法

・採用にかかるコスト

・採用スケジュール

・退職者数

・異動者数

要員計画と人員計画をふまえたうえで、採用に絞って計画を立案することが人事採用計画の特徴です。

人材の活用を目的とする、人事計画の一部と考えることもできるでしょう。

3. 人事計画を立てる4つのメリット

重要なことを表している

人事計画を立案するメリットは以下の4つです。

  1. 人材を有効に活用できる
  2. 優れた人材を育てられる
  3. 事業運営を効率化できる
  4. コストを削減できる

ここでは、これらのメリットについて解説していきます。

3-1. 人材を有効に活用できる

人事計画を立てるメリットとして、人材を有効に活用できることが挙げられます。社内全体の状況に応じた人事が可能となり、適材適所で人材を配置できるためです。

従業員の能力を最大限引き出すことで、限られたリソースを有効活用できます。適切な配置や異動を実現すれば、組織の生産性を高められるでしょう。

さらに一人ひとりにあわせて配置をおこなうことで、エンゲージメント(組織に対する愛着心)のアップが期待できます。エンゲージメントアップによる定着率の向上は、採用や教育にかかるコストの削減というメリットにもつながります。

3-2. 優れた人材を育てられる

人事計画を立てることは優秀な人材の育成に役立ちます。事前の準備として人事調査を実施することで人材の見極めができ、成長につながる最適な配置が実現できるためです。

最大限に実力が発揮できる部署に、優秀な人材をアサイン(任命)できるでしょう。成長できる環境を用意することで、将来の幹部候補など特別な人材を育成できます。

3-3. 事業運営を効率化できる

事業と従業員の能力が一致することで、事業運営を効率化できます。配置の最適化により、個人が持つパフォーマンスやモチベーションを引き出せるためです。

それぞれが適した仕事をおこなうことで、一人ひとりが事業運営のための業務をスピーディーに遂行できます。事業運営の効率化によって、組織の生産性を高められることがメリットです。

3-4. コストを削減できる

人事計画を立てて人材を整理・再配置することで、無駄なコストの削減が可能です。例えば即戦力となる人材を中途採用すれば、育成コストを抑えられるでしょう。

また、業務のシステム化や定型業務の委託の検討も人事計画に含まれるため、これらを総合的に見て人事計画を立案することで、コスト削減と同時に人手不足の解消や業務負担の軽減にもつなげることができます。

4. 人事計画書の作り方

人物情報から精査する

人事計画書の作り方は、下記のような手順になります。

  1. 人事情報を整理する
  2. 人員と人件費を算出する
  3. 人事計画書としてまとめる

実際に作成する場合は、上記の3つのステップを参考にしてください。

4-1. 人事情報を整理する

まずは、部署ごとに人員の情報を収集して整理しましょう。

情報項目に決まりはありませんが、下記のような情報を収集してデータベースを作成するのが一般的です。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 家族構成
  • 職位
  • 所属
  • 給与
  • 異動履歴
  • 保有資格
  • 異動希望
  • 人事考課
  • キャリア志向

このような情報から一人ひとりのデータを分析することで、適切な配置や異動が可能になります。情報だけで適切な判断をするのが難しい場合は、各部門の責任者に人材の状況をヒアリングすることもおすすめです。

また、必要に応じて人事管理システムの導入を検討しましょう。管理システムは人事情報を一元で管理できるので、必要な情報を簡単に参照できます。

4-2. 人員と人件費を算出する

事業を実施するうえで必要な人員・人件費を算出します。現在の状況を把握して、将来必要になる人事ニーズを予想しましょう。

また、人事ニーズに対応するための推奨事項を明確にします。新しい人員を採用する場合は、採用人数や新入社員の給与を決めておくことが大事です。

必要な人員の算出方法は、「マクロ的手法」と「ミクロ的手法」に分けられます。それぞれの計算式をチェックしておきましょう。

マクロ的手法 (労働分配率×付加価値率×年間売上高)÷1人分の人件費
(目標売上高×適正人件費率)÷1人分の人件費
ミクロ的手法 総業務量÷(所定労働時間×1人の標準業務量)

4-3. 人事計画書としてまとめる

人事情報と人員・人件費の算出結果をもとに、人事計画書を作成しましょう。どこにどの人材が必要なのか、量的・質的な見地から明確にします。

人事計画書に抜けや漏れがあると、適切な配置や異動・採用がおこなえません。情報を念入りに分析したうえで、作成しましょう。

また、自社用に最適化したテンプレートを作成しておくと便利です。記入すべき必要事項を洗い出しておけば、新しく作成するときに役立ちます。

5. 人事計画を作成する際の3つの注意点

3つのポイントを表している

人事計画を作成する際の注意点は以下の3つです。

  1. 経営計画と事業計画をチェックする
  2. 過去の人事計画の課題を明らかにする
  3. 人事計画を実行したあとに効果を測定する

3つの注意点をチェックしておくことで、適切な人事計画が立案できます。

5-1. 経営計画と事業計画をチェックする

人事計画の作成では、経営計画と事業計画をチェックします。経営計画と事業計画の違いは以下の通りです。

経営計画 自社のビジョンや目標を達成するための長期的な取り組みを示した計画
事業計画 経営目標を達成するために短期的・戦術的な視点からおこなう計画

人事計画は経営計画と連動させることで、適切に策定することが可能です。

そのうえで、事業計画に記載された事業目標を達成するために、必要な人材を明確にする必要があるので、人事計画の際には、あらかじめ経営計画と事業計画をチェックしておきましょう。

人事計画では、この2つをベースとしたうえで、人材の配置と整理をおこなうことが重要です。

5-2. 過去の人事計画の課題を明らかにする

過去の人事計画を分析して課題を洗い出し、解決につなげます。

計画通りに実行できた項目と、そうでなかった項目を洗い出しましょう。

例えば、人事計画書通りの採用ができなかった場合、詳しい原因を調査します。課題を明らかにしたうえで、具体的な対策を組み込みましょう。

5-3. 人事計画を実行したあとに効果を測定する

人事計画を実行したあとは、効果を測定して結果が出ているか確認することが重要です。効果が不明なままだと、目的が達成できているかわかりません。

採用した社員や配置転換をした社員が、実際に活躍できているかチェックしましょう。

想定した結果がでない場合、現場でなんらかの問題が発生している可能性があります。ヒアリングで現場の声を聞き、人員計画を見直すなどの対応が必要です。

6. 人事計画を立てて組織の生産性を向上させよう

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人事計画を立案すれば、人材を有効に活用できます。また、優れた人材の育成やコストのカットなどさまざまなメリットが得られます。

人材の有効活用やメリットを得るには、量的・質的な観点からどれくらいの人材が必要なのか、明確にすることが重要です。そのため、人事計画書を作成する場合は、ざっくりと算出するのではなく、人事情報の収集・整理や人員・人件費などをできるだけ正確に算出しましょう。

プラスαで、経営計画と事業計画を確認する、効果を測定するなどの注意点もあわせて確認しておくと安心です。

自社の現状に即した人事計画を立案して、組織の生産性を向上させましょう。

そもそもなぜ人事データの管理は必要?
その必要性と活用価値を解説

企業として人事データを適切に管理することはとても重要ですが、そもそもなぜ人事情報の管理が必要であり、その先に大きな活用価値があることについても、正しく理解できていますか?
人事情報は、適切な人材配置、従業員のモチベーションの管理、公平な評価制度など、企業として健全な経営をおこなう上で欠かせない情報です。

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OHSUGI

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クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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