KPIマネジメントとは?重要性や設定の手順を詳しく紹介
更新日: 2024.4.3
公開日: 2023.4.4
OHSUGI
ビジネスで最終目標(KGI)に到達するためには、中間目標であるKPIを設定する必要があります。
そのKPIを適切に管理するのがKPIマネジメントです。
本記事では、KPIマネジメントの基礎知識や重要性、設定の手順、実施するときのポイントについて解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. KPIマネジメントとは?
KPIマネジメントとは、KPIを活用して目標を達成するまでの進捗を管理するマネジメント方法のことです。
企業は経営戦略において、まず最終目標(KGI)を決め、そこに到達するまでに必要な中間目標(KPI)を設定します。
KPIはただ設定すればよいというわけではなく、計画どおりに進んでいるかどうかを逐一チェックし、もし遅延や停滞が発生していたら適宜対策を講じなければなりません。
KPIマネジメントは、KPIを適切に設定し、なおかつそのKPIが問題なく進行しているか、無事達成されているかどうかを管理する手法です。
KPIマネジメントには、KPIそのもののほか、以下2つの要素が必要です。
1-1. KGI
KGIとは、ビジネスで最終的に目指すべきゴールを指標化したもので、日本語では重要目標達成指標(Key Goal Indicator)と呼ばれています。
KPIはKGIを達成するために設定するものですので、KPIはKGIから逆算して決めていくのが基本となっています。
KGIを達成するためには、複数のKPIを設定し、一つずつ着実にこなしていくことが大切です。
1-2. CSF
CSFとはCritical Success Factorの略称で、日本語では重要成功要因という意味です。
KGIを達成するために何が必要かを明確化したもので、CSFを数値化したものがKPIです。
例えばKPIが契約数3,000の場合のCSFは「契約数を増やすこと」になります。
一般的には、まずKGIを定め、それを達成するために必要なCSFを洗い出してから、各CSFに具体的な数値をあててKPIを設定します。
2. KPIマネジメントの重要性
KPIマネジメントが重要とされる理由は、大きく分けて3つあります。
2-1. ビジネス環境の変化
現代はどの産業も飽和状態になっており、限りあるシェアの奪い合いが加速化しています。
激しい競争に勝つためには、既存のやり方をなぞるだけでなく、消費者のニーズを的確に把握して的確なアプローチをおこなわなくてはなりません。
KPIマネジメントによって目標達成に必要な要素や指標を明確化すれば、時代や消費者ニーズに沿って効率よく経営戦略を進めていくことができます。
2-2. 働き方や人材の多様化
近年は働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、ワークスタイルや人材の多様化が進んでいます。
働き方や人材の幅が広がると、社会ニーズに柔軟に対応できるようになる一方、組織としての足並みが乱れてしまいがちです。
KPIマネジメントによって、企業が目指すべき方向をはっきり提示すれば、働き方や人材が多様化しても、従業員全員が一丸となって同じ方向に歩んでいくことができます。
2-3. 生産性向上への期待
現代日本は少子高齢化の影響で、深刻な働き手不足に陥っています。
少ない人手で生産性を向上するためには、ワークフローを可視化し、どこにどの程度の労働力を分配すべきか、慎重に検討する必要があります。
KPIマネジメントを導入すれば、KPI達成のためにどのくらいの労働力が必要か、労働力に過不足がないかなどをチェックできるため、限られた人材を有効活用して生産性の向上を目指せます。
3. KPIマネジメントにデメリットはある?
KPIマネジメントはメリットだけではありません。デメリットも発生しかねません。例えば、KPIマネジメントによって設定した目標を達成できなかった従業員がいれば、プレッシャーになる可能性があります。またKPIで設定された目標達成だけを意識してしまい、顧客満足度に意識を向けられない可能性も考えられます。
4. KPIマネジメントの設定手順
KPIマネジメントをおこなう場合の主な手順を6つのステップに分けて解説します。
4-1. ステップ1. KGIを設定する
まずは最終目標であるKGIを設定します。
KPIはKGIをもとに設定するものですので、具体的かつ明確な目標を設定する必要があります。
例えば「年間売上高◯万円」「売上前年比◯%達成」など、定量的な数値を設定します。
4-2. ステップ2. 設定したKGIと現状を比較する
ステップ1で設定したKGIは今後の目標ですので、当然現状とはギャップがあります。
KPIはそのギャップを埋めるための手段ですので、まずはKGIと現状を比較し、何がどのくらい足りないのかを確認しておきましょう。
4-3. ステップ3. KGIと現状を分析する
ステップ2で把握したKGIと現状のギャップを分析し、KGI達成のためには何が必要なのかを検討します。
KGIと現状のギャップを精査すると、自社の弱みや課題が浮上してきますので、その問題を解決するためにはどうすればよいか考えてみるとよいでしょう。
4-4. ステップ4. CSFの設定
課題や問題の解決方法がわかったら、その結果をもとにCSFを設定します。
CSFはKGI達成のために必要なアクションであり、かつKPIのもとになる重要な指標です。
後述するKPI設定では、CSFに具体的な数値をあてていくことになりますので、「新規顧客を増やす」「ブランド力を向上させる」など明確な表現で設定していきましょう。
4-5. ステップ5. KPIを設定する
ステップ4で設定したCSFを数値化し、KPIを設定します。
KPIは、一つひとつがKGIを達成するための大事なステップになりますので、KGIから逆算し、目標を確実に達成するために必要な数値を設定していくことが大切です。
4-6. ステップ6. KPIの進捗をチェックする
KPIが当初の計画どおりに進行しているか、逐一チェックします。
計画よりも達成度が低い場合は、必要に応じて戦略やKPIの見直しが必要になります。
5. KPIマネジメントを実施するときのポイント
KPIマネジメントを実施する際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
5-1. KPIが現場に与える影響を考慮する
従業員の活動指針はKPIに大きく左右されます。
例えば保険会社の場合、顧客のニーズに沿った商品を販売し、その後に丁寧なフォローやサポートをおこなっていく必要があります。
こうした業界で売上高の増加を重視したKPIを設定してしまうと、従業員は顧客ニーズを無視して高額な商品ばかりを提案することになりかねません。
顧客ニーズに合わない商品を販売すると、一時的に売上が増加しても、顧客満足度が低下して長期的には顧客離れから来る売上低迷に陥る可能性があります。
KPIを設定するときは現場に与える影響も十分考慮することが大切です。
5-2. KPIは適宜見直しが必要
KGIの達成にかける期間は年単位のケースが多く、場合によっては中途で時代や市場の変化の影響を受けることがあります。
KPIを当初の設定のまま放置していると、変化に対応できず、現場に混乱を招いたり、負担をかけたりする原因となります。
KPIは適宜見直しをおこない、時代や市場の変化などに応じて、修正や改善を加えるようにしましょう。
5-3. 達成できなかった場合の対策を考えておく
KPIはいついかなるときもスムーズに達成できるとは限らず、ときには期限までに目標到達に至らないこともあります。
多少の誤差であればKGI達成に大きな影響をもたらすことはありませんが、目標を大幅に下回る場合は何らかの対策を講じなければなりません。
そのときになってから慌てて対策を講じると、KGI達成までの計画に大幅な遅延が発生する可能性がありますので、あらかじめ達成できなかった場合の対策を用意しておくことが大切です。
また「KPIを10%以上下回ったら対策を講じる」など、一定の基準を設けておくと、もしもの場合に迅速に対応できます。
6. KPIマネジメントを実施して最終目標へのスムーズな到達を目指そう
KGIを達成するためには、KPIを設定し、それをスムーズに進行していくことが重要なポイントです。
ただ、KGIに至るまでのプロセスのどこかに遅延や停滞が生じると、KGIの達成が難しくなる可能性があります。
当初設定したKGIを確実に達成するために、KPIマネジメントを実施し、その進捗を適切に管理することが成功の秘訣です。
ビジネスの在り方が多様化し、人材不足などの問題も抱えている現代日本では、KPIを適切に管理することが求められていますので、積極的にKPIマネジメントに取り組んでみることをおすすめします。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
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