成果評価とは?能力評価・情意評価との違いを詳しく解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2023.4.4
OHSUGI
成果評価は一定期間内に出した成果を評価する方法です。従業員が成果を出すことに集中するため、業績アップが期待できます。
しかし、当然デメリットもあるため、導入前に理解しておくことが大切です。
本記事では、成果評価とは何かを詳しく解説します。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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1. 成果評価とは?
成果評価とは人事評価のひとつで、業績評価とも呼ばれます。これは一定期間内における業績・成果を評価する方法で、具体的には売上高や成果に対する貢献度が評価の対象といえます。
業績や成果は会社の利益に直結します。そのため、業績評価を人事や賞与などの処遇決定に用いる目的で導入する企業も少なくありません。
成果評価は年初や企業の決算期に合わせて目標を設定し、1年を経過したタイミングで目標と結果を比較して評価を決定します。
定量的な基準で評価できるため、目標設定に対して達成なのか未達なのかが明確にわかります。評価を決めやすく、評価される側の従業員の納得度が高いのも成果評価の特徴です。成果評価の結果を人事評価シートに記載します。書き方や成果評価の捉え方を誤ってしまうと、正当な評価を下せない可能性があります。
2. 成果評価と能力評価・情意評価の違い
人事評価には成果評価以外にも以下のような種類があります。
人事評価の種類 | 概要 |
能力評価 |
|
情意評価 |
|
成果評価と、能力評価・情意評価の大きな違いは成果を評価の対象としない点です。
能力評価は、評価期間に関係なく従業員が保有している能力を評価します。しかし、成果が重視される傾向にある昨今においては、評価対象が変わりつつあります。
近年では、評価期間中に成果を得るために発揮した能力、すなわち「発揮能力」を評価する企業が増えています。
一方、情意評価は仕事に取り組む姿勢ややる気を評価の対象とします。成果とはまったく切り離しているため、従業員の日頃の言動が評価されます。
具体的には新しいプロジェクトのメンバーに立候補したというような積極性や、会議でファシリテーターを務め意見の集約やメンバーとの調和を図ったなどの強調性などが評価対象です。
3. 成果評価のメリット・デメリット
成果評価のメリット・デメリットを解説します。
3-1. 成果評価のメリット
まずは、成果評価のメリットからみていきましょう。
メリット1. 従業員のモチベーションが上がる
成果が適正に評価されれば従業員のモチベーションはアップします。会社に認められたと実感できれば、より高い意識を持って今後の業務に励んでくれるでしょう。
また、評価基準を明確にすれば「目標達成のために何をすればよいのか」を従業員が自ら考えるようになります。成果を出すために業務のプロセスなどを見直したり、自ら率先して業務効率向上を目指したりと、会社によい影響を与える効果があります。
成果評価によって常に刺激を受ける環境が構築できれば、従業員の潜在的な能力を引き出したり、スキルアップなどを目指すきっかけになったりすることが期待できます。
メリット2. 会社の業績が上がる
従業員が成果評価による刺激を受け、モチベーションを維持したまま目標達成に向けて業務を遂行することで、個人はもちろん、チーム・部署・会社として大きく業績を上げることが可能です。
個々の仕事に対する意欲が維持されれば、さらに大きい目標の達成も不可能ではないでしょう。
メリット3. 従業員の成長につながる
成果評価における結果を知れば、目標と現状の差がひと目で理解できます。今の自分に何が足りないのか、何をすれば目標が達成できるのかなどを考え、それを解決するために行動する力が身に付きます。
これを繰り返すことで目標達成までのプロセスを自ら描き、それを実行する習慣が身に付きます。成果評価は従業員の成長にも効果を発揮します。
3-2. 成果評価のデメリット
次に、成果評価のデメリットは以下のとおりです。
デメリット1. 短期の目標を設定しがち
成果評価は一般的に1年の期限を設けて運用します。そのため、目先の成果にとらわれ、中長期での成果を出しにくくなります。
毎年成果として結果が残せればよいという考え方もありますが、会社を継続するためには中長期の視点も不可欠です。成果評価は、それを疎外する可能性があります。
デメリット2. チームの連携が弱まる
成果評価では個人の成果が評価の対象です。そのため、自分の成果を出すことに集中し、チームに目が行かなくなります。その結果、チームとしての連携が弱まる可能性があります。
最悪のケースでは、自分の成果を優先するあまりほかのメンバーをフォローせず、人間関係が悪化することもあります。成果評価を導入する場合は、チーム・部署などの「組織」を意識することも忘れてはいけません。
デメリット3. 不公平を被る部署がある
営業職のように、成果が数値化されやすい部署は成果評価に向いています。
しかし、事務職のように直接会社の利益を生み出さない部署においては成果による評価は困難です。
正当に評価されない従業員から不満が出て、離職などのトラブルになるケースもあるようです。
4. 適切な成果評価をおこなうためのコツ
適切な成果評価をおこなうためのコツを4つ紹介します。
4-1. 評価基準を明確にする
成果評価には適正な評価基準が必要です。評価する人によって評価結果が異なると、評価される従業員の不満が高まります。
まずは評価基準を定め、マニュアルなどを作成します。次に従業員への周知を徹底しましょう。
また、評価結果のズレを最小限に抑えるためには、評価者による評価結果のすり合わせも有効です。このプロセスを経てから最終的な評価結果を決定すれば、従業員が評価結果を受け入れやすくなります。
4-2. 成果までのプロセスを評価基準に追加する
成果評価は成果ありきの評価方法です。そのため、よい結果が出ればいいという冷徹な側面もあります。
そのため、成果評価に成果までのプロセスを加えることも検討しましょう。
これにより、結果だけの評価から脱却できます。この方法なら、バックヤード業務の評価もスムーズになります。
4-3. 評価結果は面談などで通達する
評価結果をどのように伝えるかも重要なポイントです。書面で通達するだけでは、評価結果の根拠を正しく伝えられない可能性はあります。
また、従業員が評価結果をどのように受け止めたかも理解できず、今後の業務に生かすことができません。
評価結果は面談などの機会を設けて通達するのが望ましいです。しっかりとフィードバックをおこなうと従業員のモチベーションが上がるという報告もあるため、ぜひ実践してみましょう。
4-4. 評価制度と昇進は切り離して考える
成果評価の結果は昇進制度とは結び付けないようにしましょう。というのも、業績は市場の影響を受けやすく公平性を欠く可能性があるためです。
成果評価はボーナスなどの評価指標として用いるようにし、昇進や昇給とは切り離して考えましょう。
5. 成果評価は成果までのプロセスも考慮して評価しよう
成果評価は能力評価や情意評価と違い、一定期間内に出した業績や成果を評価する方法です。成果を適正に評価することで業績アップや従業員のモチベーションアップが期待できる反面、中長期の目標が立てにくくチームの連携を弱めるなどの問題点もあります。
成果評価を導入する際は評価基準の統一・周知を徹底したり、成果までのプロセスを評価項目に加えたりして、従業員が不満を持たないように配慮しましょう。
人事評価には成果評価以外の方法もあります。ほかの方法を比較し、自社にもっとも合う評価方法を導入しましょう。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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