業績管理とは?目的や実践手法・効率化のポイントを解説
更新日: 2025.3.21
公開日: 2025.3.18
OHSUGI
「業績管理とはどのようなもの?」
「業績管理の実践方法は?」
「業績管理に課題点はある?」
業績管理について、上記の疑問をもつ人事労務の担当者もいるのではないでしょうか。
業績管理は、企業目標を達成するための取り組みを管理する手法です。経営状況を正確に把握し、効果的な施策を取るために重要なため、上手に活用しなければなりません。
本記事では、業績管理の概要や実現方法について解説します。実践のコツや課題点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
人事労務管理のペーパーレス化には、以下のメリットがあります。
- 入社手続きがオンラインで完結し、差し戻しなどやりとりにかかる時間を削減できる
- システム上で年末調整の書類提出ができ、提出漏れや確認にかかる工数を削減できる
- 人事情報がひとつにまとまり、複数のシステムやエクセルファイルで管理する必要がなくなる
このように、システムによってペーパーレス化を進めると、人事労務管理にかかる工数を削減し、注力したい業務に時間を割くことが可能です。 システムを利用したペーパーレス化について気になる方は、こちらからクラウド型人事管理システム「ジンジャー人事労務」の紹介資料をご覧ください。

1. 業績管理とは
業績管理とは、ある企業が売上や販売数などに関して立てた目標に対し、進捗状況や達成度合いを管理することをさします。
定期的な業績の見直しにより、企業の状態を客観視できるため、方向性の決定にも役立つでしょう。
業績管理は企業運営の向上に無くてはならないもののため、効率的に管理するのが肝要です。
業績管理には、月次決算や四半期ごとの決算なども含まれます。
2. 業績管理が必要な3つの理由
業績管理が必要な理由としては以下の3つが挙げられます。
- 経営状況を正確に把握し向上させる
- 社内リソースを最適化する
- 人事評価制度の活性化につながる
具体的に解説していきます。
2-1. 経営状況を正確に把握し向上させる
業績管理は、企業の経営状況を正確に把握し向上させるのに役立ちます。
設定した目標との開きをつかめば、経営状況の見える化によって利益を妨げる要素が把握可能です。経営施策を随時見直せば、経営の問題点を解消しやすくなります。
2-2. 社内リソースを最適化する
社内リソースの最適化に役立つ点も、企業に業績管理が必要な理由です。
業績管理によってリソースの過不足を正確に把握しやすくなり、適切に配分しやすくなります。なお、ここでいうリソースとは、従業員や資材、コスト、時間などです。
従業員の増員や資材の投入などを実施した結果、生産性の向上につながるでしょう。
2-3. 人事評価制度の活性化につながる
業績管理は、人事評価制度の活性化にもつながります。
従業員の進捗や成績が具体的な数値としてわかりやすくなるため、適正な人事評価に活用可能です。
適切に人事評価されれば、従業員のモチベーションアップにつながるため、業務の効率化も見込めます。
3. 業績管理に利用する2つの指標
業績管理に利用する主な指標は以下の2つです。
- KGI
- KPI
具体的な内容は次のとおりです。
3-1. KGI
KGI(Key Goal Indicator)とは、重要目標達成指標とよばれる、経営目標の最終的なゴールです。
年間の売上や業界シェアの目標など、企業の経営ビジョンに直結する数値目標に使用します。
例えば、「次年度までに売上額を10%アップする」「来期のLPサイトのCVRを20%改善する」などの施策がKGIです。
3-2. KPI
KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標、もしくは重要経営指標とよばれる中間目標をさします。
KPIは、最終目標のKGIに到達する前段階で随時設けられるチェックポイント的位置づけで、最終目標達成の軌道修正をする材料です。
KPIは、KGIに至るプロセスを数値化できるため、従業員のタスクが精査できます。継続的な改善のヒントを得て、前向きにKGIの施策を構築可能です。
KPIの具体例としては、売上10%アップのKGIに対して「今月新規顧客を10件獲得」「広告を展開」などが挙げられます。CVR20%改善のKGIに対するKPI例は「キャッチコピーの精査」「申込ボタンの最適化」などです。
4. 業績管理の課題点
業績管理には、以下のようにいくつかの課題点も存在します。
- データの収集・分析に時間と労力がかかる
- 管理ツールによっては情報がリアルタイムで更新されない
- 結果的にタイムラグが発生し、業務の効率化に活かしきれない
業績管理に必要なデータを集めて分析するには、時間と人員のコストがかかります。社内リソースは限られているため、計画的に推進しないと通常業務を圧迫し、従業員の不満につながりかねません。
また、業績管理に使用するツール次第では、情報を一元管理しにくい場合があります。業務フローによっては、情報が即時更新されないこともあるでしょう。
このような運用方法では、情報の鮮度が保たれずに、経営層が確認した情報と実際の状況との間に隔たりが生じる可能性も否定できません。データの精度が低いと、必然的に業績管理の精度も下がります。
5. 業績管理を実践する手法
業績管理を実践する代表的な手法は以下の2つです。
- Microsoft Excelを利用する
- 社内システムを導入する
具体的に解説していきます。
5-1. Microsoft Excelを利用する
Microsoft Excelを利用し、日々データを入力していくことで業績管理が可能です。
Microsoft Excelは企業のパソコンにインストールされていることが多いため、汎用性が高く、手軽に取り入れやすいメリットがあります。自動集計機能を活用すれば、人為的な計算ミスも防止可能です。
一方で使用方法を誤ると、設定していた関数が消されて正しく処理できないような不都合が生じる恐れがあります。複雑な処理をおこなうには一般的な関数では間に合わず、マクロの作成が必要です。
運用によっては、現場で取り扱うデータとは別に業績管理用のデータをあらためて登録しなければならないなど、二度手間となるケースもあります。
5-2. 社内システムを導入する
社内システムを導入するのも業績管理に有効です。
社内の共通システムで情報を一元管理しておけば、情報の即時性が保ちやすく、経営戦略を練りやすいでしょう。
自社の業務フローに則したシステムを構築しておけば、オペレーターのデータの取り回しが楽になり、スムーズに業績管理がおこなえます。
複雑な処理や計算についても、プログラミングで設定でき、複数行程間や複数システム間の連携も取りやすいでしょう。
一方で、導入には費用と時間がかかります。システムと一口にいっても多様なタイプがあり、自社に合ったシステムを見極めなければなりません。
判断を誤ると、使い勝手が悪く思ったように効果が上がらない可能性があるため注意が必要です。
6. 業績管理を効率化する5つのポイント
業績管理を効率化するポイントは以下の5つです。
- KPIを複数設定する
- PDCAサイクルを活用する
- 定量評価を意識する
- 情報を一元管理できるよう配慮する
- 従業員が主体的に業績管理に取り組むよううながす
具体的に解説していきます。
6-1. KPIを複数設定する
業績管理を効率化するために、KPIを複数の切り口から設定しましょう。
業績管理の肝は、未達成のKPIを分析することにあります。なぜ達成できなかったのかを深掘りしていくことで、自社の業績アップに役立つのです。
例えば、売上10%アップのKGIには「新規顧客を10件獲得」「既存顧客の単価を20%アップ」など複数のKPIを設定します。ECサイトのCVRを20%改善するKGIには「ファーストビューの画像を変更」「LPの操作性を改善」など別の切り口でKPIを設定するとよいでしょう。
複数あるKPIのなかから、問題のあるものや、優先的に評価するべきものに注目して評価すると効率的に業績管理がおこなえます。
6-2. PDCAサイクルを活用する
PDCAサイクルを活用するのも業績管理をおこなううえで重要です。
データをもとに計画(Plan)を立て、施策を実行(Do)し、結果を評価(Check)します。このあと評価をふまえて改善策(Act)を練るところまでを必ずワンセットにしましょう。
6-3. 定量評価を意識する
業績管理は、なるべく定量的な数値に表せるよう意識するのが効果的です。
数字で判断した方が客観的な評価がしやすく、正確な分析につながります。具体的には、売上金額や販売数量、労働時間などを利用して評価しましょう。
経営管理では以下の施策を設定します。
- 企業のビジョン
- 組織戦略
- リソース配分
予算管理で計画するのは以下の指標です。
- 特定期間内の収益目標
- 特定期間内の支出目標
企業全体の管理をおこなうのが経営管理、組織の財務計画をおこなうのが予算管理です。
6-4. 情報を一元管理できるよう配慮する
部門をまたがり情報を一元管理するのも、業績管理の精度をあげるのには大切です。
全社で情報を共有し、常に最新のデータに更新していけば、経営戦略の精度が向上します。部門間の連携が必要なケースも多々あるため、可能な限り部署内に閉じず、全社的な共通システムを導入するのが有用です。
必要なとき、いつでもリアルタイムで情報が得られるシステムを構築しておけば、問題発生時にもスムーズに対処できます。
6-5. 従業員が主体的に業績管理に取り組むよううながす
従業員が主体性をもって業績管理に取り組むよううながしましょう。
実際に業務を遂行するのは現場の従業員です。従業員の当事者意識が芽生えれば、現場ならではの気づきを活かした戦略が練れます。
経営陣からの指示で仕方なく業績管理に取り組んでいたのでは、なかなか自主性は生まれないため、業績管理の意義をしっかり伝えましょう。
7. 業績管理のポイントを押さえ企業の発展に活かそう
業績管理は、企業の目標に対する達成状況を管理することをさします。経営状況の把握や社内リソースの最適化などに有用で、指標にはKGIやKPIを使って判断するのが一般的です。
上手に活用すれば経営の効率化につながります。ポイントを押さえ、企業の発展に活かしてください。
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