職種別・職業別の人事評価に対するコメントの例文をご紹介
更新日: 2024.10.11
公開日: 2022.5.9
OHSUGI
企業が人事評価を実施する際には、仕事の成果や能力、意欲などを評価するためのコメントを記入する必要があります。コメントが批判的であったりマイナス面ばかりを指摘していたりすると、従業員のモチベーションが下がってしまう可能性が考えられるので気をつけましょう。
実際に使用された例文や過去のデータを参考にしながらコメントすると、人事評価を上手に伝えることができます。この記事では、職業や職種別にコメントの例文をご紹介いたします。
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人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
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1. 職種別・職業別の人事評価コメント例文
職業別・職業別の人事評価コメントを紹介します。
1-1. 営業職の人事評価コメントの例文
営業職の人事評価では売上や利益を具体的な数字で表しながら評価していきましょう。
コメントでは、良かった点と問題点を端的に表現することが重要です。問題点を指摘するときには結びの文で激励するなど、モチベーションの向上を促しましょう。
営業目標120%を達成したことで営業部全体の目標達成にも貢献した点を評価したい。顧客分析を徹底的におこなったうえで十分な戦略を立てアプローチできている。 ただし、自身の考え方ややり方に固執する傾向も見受けられるため、広い視野を持ち周囲との連携を意識しながら業務に臨んでもらいたい。 |
ほかの従業員とうまく連携しながら営業を進めるなど、チームワークを大切にして仕事をしている。営業部の雰囲気が非常によくなっており、士気向上に寄与している点を評価したい。 来期はさらに目標の達成率を更新できるよう取り組んでもらいたい。 |
目標未達ではあるが常に前向きな姿勢で営業に取り組んでいた点が評価できる。前半期にペースが伸びなかったことが結果に影響しているが、後半期の追い上げは素晴らしかった。 月間の目標を意識し、計画的な営業活動で自己記録の更新を目指してほしい。 |
1-2. 事務職の人事評価コメントの例文
事務職の業務はルーティンワークとなるため、ミスや問題が起きていないかを重点的にチェックする必要があります。また、日々の業務を効率的に進めているか、情報を周囲と共有できているか、問題が起きた際に素早く対応できているかといった点も重視しましょう。
ダブルチェックを徹底するなどの方法を導入し、前年度に比べて書類の不備が大幅に減少した点を評価したい。経費削減についても積極的にアイディアを出し、会社全体の利益を考えながら行動できている。 電子データの扱いに慣れていない点が見受けられるため、ミスなく迅速にデジタルデータの事務処理ができるよう技術力向上を目指してほしい。 |
日々のルーティン業務を効率的に進めるよう工夫している。また、財務の専門的な知識を得るために資格取得を目指している点も評価できる。事務処理の余剰を省いて業務の短縮化を実現し、効率アップに寄与した点もすばらしかった。 ただし、経理処理のミスがあり全体の数字が崩れてしまったため、来期は再発防止に努めてほしい。 |
採用難が続く中で、採用ページの定期的な更新や応募者へのフォローメールなど細やかに対処できていた点が結果につながった。オンラインツールを使った面接の導入を部署内で協力しながら効率的に進められた点も評価できる。 事前に計画したスケジュールに追いつけていない点については、周囲とのコミュニケーションを密にするなどの方法で的確に対処してもらいたい。 |
1-3. エンジニアや技術職の人事評価コメントの例文
エンジニアや技術職の人事評価は、貢献度や達成度をある程度数値で表すことが可能です。具体的な数字を出して人事評価コメントをすれば良かった点や改善点が伝わりやすくなります。
また、大きな成果を出した場合にはコメントでぜひ触れておきましょう。
設計方法の見直しに着手したことで結果的に15%のコストダウンが実現できた点が大きかった。ただし、新製品設計の進捗に遅れが出てしまったのが残念だった。進捗の遅れについてはチーム内で問題の洗い出しをおこない、改善につなげてほしい。 |
現場で求められていることを即座に判断して臨機応変に対処できる点がすばらしい。十分な技術力を持ち合わせており、高い意識を持ってプロジェクトに対応できている。後輩の指導に積極的に当たっている点も評価できる。 後輩の仕事を自分でこなしてしまうことがあるが、育成のためには後輩に任せる意識も持ってほしい。 |
1-4. サービス業の人事評価コメントの例文
サービス業の人事評価では、お客様の目線に立って行動できているか、あいさつや気配りができているかといった点を中心に評価していきます。また、スタッフ間のコミュニケーションや業務効率にも着目してコメントしましょう。
積極的にあいさつをおこない、お客様に対して笑顔ではきはきと対応できている。店内の清掃や消毒をこまめにおこなうなど環境を良くしようと積極的に行動している点も評価できる。 今後は単独で業務をこなそうとするのではなく、全体を見て臨機応変に動けるよう意識してもらいたい。 |
接客ではきびきびと対応でき、店内のムードが非常によい。部下が自分だけで対応できないときに率先してサポートをする姿勢が評価できる。 店舗全体の効率を考えて行動するなどの工夫で、さらなる売上向上を目指してほしい。 |
1-5. 公務員の人事評価コメントの例文
公務員は評価者と被評価者の間で評価面談をし、具体的な業務目標を設定することと定められています。公務員の業務は数値化し評価できるものばかりではないので、プロセスや対応力などを総合的にチェックしていくことが肝心です。
プロジェクトの進行において、メンバーのフォローをきめ細やかにおこなうなどの対応が評価できる。プロジェクトマネジメントができ、ミスを減らし生産性を高めるための提案もできている。 他部署との情報共有や密なコミュニケーションを意識し、プロジェクト進行のさらなる効率アップにつなげてもらいたい。 |
指針やマニュアルの作成が迅速で、部署全体の業務効率化に寄与している。集中力が高く、事務処理を単独でスムーズに進められる点やミスが少ない点も評価できる。 ただし業務に遅れが出るケースがあるため、来期は定められた期限内に確実に業務を終えることを意識し、さらなる成長につなげてもらいたい。 |
1-6. 看護職・介護職の人事評価コメントの例文
看護職や介護職においての人事評価では、ルーティンワークの中で患者や利用者に寄り添っているか、コミュニケーションを十分に取れているかといった点をチェックします。
また、突発的な事態が起きたときに柔軟に対処できる能力も評価の対象となります。
日頃から患者さんと密なコミュニケーションを取って寄り添い、患者さんの不安や抱える問題の解消を手助けできている。患者さんの家族に対しても、普段の様子や気付いた点を細かく伝えるなどの対応で上手に信頼関係を構築している。 |
利用者さんやその家族の視点に立って先回りし、対処や情報共有をしている点が特によかった。 また、利用者さんとのやり取りで気付いた点や問題点をこまめに記録し、ほかのスタッフと共有できている点が評価できる。ほかのスタッフと連携しながら、質の高い介護を実現している。 |
1-7. 保育士の人事評価コメントの例文
保育士は売上や営業成績といったように、具体的な数値を評価しづらい職業です。そのため、保育士の人事評価コメントは子どもへの対応や保護者とのコミュニケ―ション、行事への取り組みなどを日頃の仕事への姿勢を具体的なエピソードを交えて評価しましょう。
子どもの気持ちを読み取るのに長けていて、丁寧な対応が好印象だった。 特に泣いている子どもへ優しく言いかけるような対応は高く評価したい。 行事のスケジュール進行に遅れが発生したこともあったため、今後は周囲と協力してスムーズなスケジュール管理を期待したい。 |
保護者の方に対して気遣いのある一言を伝えられていた。 特に子どもが体調不良になってしまった保護者の方にどうすればいいのかを丁寧に伝えられていた。 今後は経験を活かして後輩への教育にも注力してほしい。 |
1-8. 管理職の人事評価コメントの例文
管理職への評価は担当している部署やチームの成績に着目します。管理職は従業員の教育も担うため、管理者個人の成績だけに着目してしまうと、公平性に欠ける可能性があります。
本人の営業成績は低下してしまったが、部下の営業成績は多くが上昇していて部署全体の成績が向上した。このことから十分にマネジメントを果たしていると判断できる。 今後は成績が落ちてしまった従業員へのフォローアップをより積極的に取り組んでほしい。 |
2. 人事評価方法別のコメント
人事評価は方法別でもコメントのポイントが異なります。ここでは次のような評価方法別にコメントを紹介します。
- 360度評価
- 業績評価
- 能力評価
2-1. 360度評価
360度評価は評価者だけの評価だけでなく、上司や部下なども評価する方法です。360度評価では上司について評価することがあります。上司に対して評価する際は個人の業績よりもマネジメント力に着目しましょう。一方、部下に対して評価をする際はスキルや仕事への熱意などを評価してみましょう。
2-2. 業績評価
業績評価は成果評価とも呼ばれる評価方法です。業績評価におけるコメントで大切なのは数字を基準とするという点です。例えば従業員が目標を達成したのであれば、評価を数値化して、どれだけ目標を上回っているのかを伝えましょう。一方、目標を達成できなかった場合、数字をもとに原因と改善点を伝えます。
2-3. 能力評価
業績評価に対して、能力評価は数値化しづらい企画力や実行力などを評価します。数字に基づいた客観的な評価を下しづらいため、評価期間に設定した基準に基づいて評価をしましょう。
3. 従業員一人ひとりに適切な人事評価コメントを書こう
人事評価のコメントでは、良かった点や問題点を具体的かつ客観的に述べる必要があります。マイナス点を指摘する場合には表現に十分配慮し、結びで激励するなどの方法でモチベーションアップを狙いましょう。
日頃からこまめに従業員の仕事ぶりを観察しておくことが、適切な人事評価コメントを書くためのポイントです。
関連記事:評価者や上司が行う人事評価のコメントは公平性や具体性が重要
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
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