相対評価と絶対評価の違いや使い分けのポイントを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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相対評価と絶対評価の違いや使い分けのポイントを解説

アイコンにチェック入れる男性

相対評価や絶対評価は、人事評価の手法として多くの企業で採用されています。これらの評価制度は評価方法が異なるため、どちらが良くてどちらが悪いということはありません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、まずは自社にとってどちらの方法がメリットが大きいのか、ということを知っておく必要があります。

「評価が簡単そうだから」「導入している会社が多いから」などの理由で導入してしまうと、自社に合わず評価制度の効果が得られない可能性があるので注意しましょう。

この記事では、相対評価と絶対評価の違いや使い分けのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。

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1.相対評価と絶対評価は何が違う?

グループに分かれる

相対評価と絶対評価は人事評価制度の手法になります。

相対評価は、部署やチームなどにおける「相対的」な位置づけにより、個人の能力や成績を評価する手法です。絶対評価というのは、決められている目標基準の達成度を「絶対的」に評価する手法です。どちらも「従業員を評価する」という点は共通していますが、手法には違いがあるのでチェックしておきましょう。

1-1.相対評価とは

相対評価とは、個人の成績や能力を他者と比較することで、相対的な位置を明らかにする手法です。ランクの人数の割合を決めてから、上位の成績からランクを割り振っていきます。ランクの数や表記に決まりはありませんが、例えば、Sランクは3人、Aランクは5人、Bランクは10人というように決めて、成績上位2人がSランクというように割り振ります。

相対評価では、基本的に成績や成果などに決められた基準はなく、その集団内での成績が上位であれば高い評価を得られるというのが特徴です。つまり、目標となる明確な数値がないため、ランク上位の評価を得るために何をすれば良いのかがわかりにくいというのも特徴といえるでしょう。

1-2.絶対評価とは

絶対評価とは、あらかじめ会社や管理者が決めた目標数値やノルマの達成度によって、従業員を評価する手法です。例えば、営業部で「個人販売目標100万円」という目標を設定した場合、100万円達成した営業部員を評価できます。

この手法は、部署やチーム全体の成績ではなく、個人が目標数値をクリアすることで評価されるので、個人レベルのモチベーションを上げることができます。

評価基準が明確に数値化できる職種もしくは業務に向いており、目標数値をクリアすれば評価されることから、公平性が高く不満が出にくい評価方法となっています。

1-3.相対評価と絶対評価の違い

相対評価と絶対評価の大きな違いは、「集団内で総体的に評価する」か「個人レベルで評価する」かということです。

相対評価の場合、例えばAさんが100、Bさんが120、Cさんが60という成績だった場合、1位はBさん2位がAさん、Cさんが3位になります。しかし、Aさんが50、Bさんが40、Cさんが60だとCさんは1位になります。つまり、同じ成績であっても、他の人が低ければ自分の順位が上がり、高ければ順位が低くなるというのが相対評価なのです。

一方、絶対評価は決められた基準を満たしているかどうかで評価が決まります。評価基準が100の場合、成績が100を越えれば評価されますし、基準以下なら評価されません。他の人の成績も、自分の評価にはまったく影響しないので、頑張りがそのまま評価されるのが絶対評価となります。

2.相対評価のメリット

ビジネスパートナーのグループ

相対評価の主なメリットは、以下のとおりです。

2-1.評価の主観が入らず公平性が保てる

評価者の主観が入りにくいことも、メリットのひとつです。

人は、好き嫌いや仲が良い悪いなど主観で評価してしまことがあるため、評価者によって結果がばらつくこともあります。しかし、相対評価は成果や業績などで順位を付けていくだけなので、従業員に対する主観が結果に関与することはありません。そのため、評価者が変わっても、基本的には同じ評価になるのが大きな特徴です。

2-2. 評価の格差がつけやすい

相対評価は、他の人と比較して評価をするため、格差がつけやすいというのもメリットです。「格差」はネガティブなとらわれ方をされやすいですが、上位者にとっても下位の従業員にとっても、この「格差」はモチベーションになります。

上位者は上位を保つために努力をしますし、下位の従業員も上位になるための努力をすることが期待できます。

絶対評価は、基準をクリアすればすべての人が評価されるので、格差はつきません。格差がつかないと競争意識が生まれず、業績が停滞してしまう可能性もあります。

ただし、従業員によっては格差のせいで落ち込んだり、開き直ったりすることもあるので、面談やフィードバックでしっかりサポートすることが重要です。

3.相対評価のデメリット

落ち込む男性

相対評価にはさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあるため、評価方法を見直す企業も増えてきました。

3-1.個人の努力を評価しにくい

相対評価は、チーム内のレベルで評価が決まるため、個人の努力を評価しにくいというデメリットがあります。当然ですが、従業員の中には、どんなに頑張っても成績が上がらないという人もいます。

このような場合、チームの全体成績レベルが低ければ、努力によって高評価を取ることも可能です。しかし、レベルが高いチームだと、努力の結果だとしても評価が低くなってしまいます。

仕事は結果が大事ですが、真面目に頑張っている従業員を適切に評価できない可能性があるというのは、大きなデメリットといえるでしょう。

3-2.チームの和が乱れる可能性がある

頑張っても報われないケースがあることは、社員にとっての大きなデメリットです。相対評価では所属しているグループ内での順位によって評価が決まるため、それなりによい成果を出していても、ほかの社員より劣っていると評価が下がってしまいます。このような評価は、社員のモチベーション低下につながる可能性もあるため注意が必要です。

また、頑張らなくても報われてしまうこともあります。グループ全体のレベルが低い場合は、成果が出ていなくても他者との比較で高い評価になるケースもあるでしょう。そうなると、頑張る必要がなくなってしまい、働く意欲の低下につながる可能性もあります。

4.絶対評価のメリット

ゴールにたどり着く

絶対評価とは、グループ内の順位とは関係なく、個人の能力や成果を評価する手法です。目標数値や評価項目を決めておき、どのくらい達成できているかを個人ごとに判断します。ここでは、絶対評価のメリットを解説します

4-1.個人の成長を促進できる

絶対評価は、個人の成績によって評価が決まるため、モチベーションの向上が期待できます。自分の頑張りが正当に評価してもらえると、満足度や働く意欲が向上するでしょう。

満足度や働く意欲というのは、個人の成長にもつながります。評価に満足すれば、それを維持するために勉強をしたり、スキルを身につけたり、自発的な行動を取る人はとても多いです。

普通であれば、会社の方針や上司の命令でおこなうことを、自分から実践できるようになるというのは、企業にとっても従業員にとっても大きなメリットです。

4-2.従業員の納得が得やすい

評価される社員側の納得感を得やすいことは、絶対評価の大きなメリットです。相対評価の場合は頑張っても報われないケースもありますが、絶対評価の場合は、基本的には頑張った分だけ高い評価を得られます。

評価の理由までしっかりと説明すれば、社員の納得感をより得られるでしょう。

また、個人にフォーカスして評価をおこなうため、各社員の能力やスキルをしっかりと把握できることから、優秀な人材を把握しやすいというのもメリットです。

5.絶対評価のデメリット

膝を抱えて落ち込む男性

絶対評価のデメリットは以下のとおりです。

5-1.結果が評価者に左右されやすい

絶対評価は、明確な評価基準が決まっているものの評価者の主観が入りやすいため、結果が評価者によって左右されやすいというデメリットがあります。

業績や成果だけの評価であれば結果が左右されることはありませんが、コミュニケーション力や勤務態度など数値化数値化しにくい評価項目というのは、評価者によって判断が異なります。

同じような態度で働いていても、上司が変わると異なる評価をされるケースもあるかもしれません。評価者による結果のゆらぎは、従業員の不満を招きやすいので注意が必要です。

5-2.評価基準を決めにくい

絶対評価を採用する場合は、適切かつ明確な評価基準を設定しなければなりません。この評価基準は簡単に決められない、というのはデメリットです。

達成しやすい基準にすると高評価を得る従業員が増えすぎてしまい、報酬アップによる人件費の高騰が起こるリスクがあります。逆に達成しにくい基準にすると、低評価ばかりになってしまいますし、従業員のモチベーションを上げることができません。

評価基準を決めるには、過去のデータなどを参考にするのが一般的ですが、社会情勢や景気によって業績は変わるので、バランスのよい評価基準を設定することが重要です。

6.相対評価と絶対評価を使い分けるポイント

メリットとデメリットのコメント

相対評価と絶対評価には、ともにメリット・デメリットがあります。

しかし、どちらが適しているかは企業の状況や目的などによって異なります。ここでは、相対評価と絶対評価をどのように使い分ければ良いのか、一例を紹介していきます。

6-1.評価者の負担を減らしたい場合は相対評価

評価者が少ない、他の業務と兼務しているという場合は、相対評価にするのがベストです。相対評価であれば、順位を付けるだけで評価できるため、評価者の負担を減らせます。

ただし、社員が納得感を得られるよう、しっかりとコミュニケーションを取るようにしましょう。事前に不満が出ないための対策をしておけば、相対評価のメリットが得られます。

6-2.モチベーションアップを狙うなら絶対評価

従業員のモチベーションアップのために評価制度を導入する場合は、絶対評価を採用するのがベストです。相対評価は、他者との比較で自分の順位が決まってしまうため、頑張っても評価に反映されないことでモチベーションが下がってしまうことがあります。

しかし、絶対評価は他者がどんな成績であっても本人には関係なく、自分の努力によって評価が決まるため、自己研鑽に励む従業員も増えますし、モチベーションアップも期待できます。

6-3.2つの評価方法を組み合わせるのもおすすめ

評価制度を導入する場合、1つの手法しか選べないというイメージがあるかもしれません。しかし、相対評価と絶対評価を組み合わせることを検討してみるのも良いでしょう。

例えば、1次評価は絶対評価、2次評価は相対評価というように複数の視点で評価を実施したり、部署ごとに評価手法を変えたりすると、従業員の納得感が得やすくなるケースがあります。多角的に評価をおこなえば、特定の従業員に不利になることがないので、バランスよく評価することが可能です。

担当者には手間がかかりますし、完全に周知させるのにも時間がかかるかもしれませんが、不満を生まないようにするには評価方法を組み合わせるのもおすすめです。

7.相対評価と絶対評価の違いを把握して適切な方法を選ぼう!

絵で電球に光をつける

今回は、相対評価と絶対評価の違いや使い分けのポイントを解説しました。2つの評価手法には、それぞれメリット・デメリットがあるため、組織の人数や状況に合わせて最適な方法を選択することが大切です。

また、どちらか1つの手法に限定しなければいけない、ということはありません。さまざまな部署がある企業であれば、相対評価と絶対評価を組み合わせるのもよいでしょう。

ただし、どの方法で評価をおこなう場合でも、従業員の納得感を得られるようにすることが大切です。そのためには、評価基準を明確にしたり、適切なコミュニケーションを取ったりするなど、運用方法も工夫していきましょう。

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人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。

しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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