帰属意識とは?エンゲージメント・ロイヤリティとの違いや高める施策を解説
公開日: 2025.3.28 OHSUGI
「帰属意識とは?」
「帰属意識を高める方法は?」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
帰属意識は、企業の成長に影響を与える重要な要素です。帰属意識が高い従業員は、自分の役割を主体的に果たし、企業の発展に意欲的に貢献します。
一方、帰属意識が低いと、離職率が上昇したり生産性の低下を招いたりする可能性があるため、企業は高めるための施策を積極的におこなわなければなりません。
本記事では、帰属意識の定義や似ている用語との違い、高めるための施策について解説します。帰属意識が低下する原因や施策を理解し、企業の成長につなげましょう。
人事労務管理のペーパーレス化には、以下のメリットがあります。
- 入社手続きがオンラインで完結し、差し戻しなどやりとりにかかる時間を削減できる
- システム上で年末調整の書類提出ができ、提出漏れや確認にかかる工数を削減できる
- 人事情報がひとつにまとまり、複数のシステムやエクセルファイルで管理する必要がなくなる
このように、システムによってペーパーレス化を進めると、人事労務管理にかかる工数を削減し、注力したい業務に時間を割くことが可能です。 システムを利用したペーパーレス化について気になる方は、こちらからクラウド型人事管理システム「ジンジャー人事労務」の紹介資料をご覧ください。

1. 帰属意識とは
帰属意識とは、従業員が組織に所属していることを意識・感覚をもつことを指します。企業だけではなく、学校・宗教・自治体など、さまざまな場面で用いられる言葉です。
帰属意識の高い従業員は、組織への愛着や、興味・関心が強くなり、組織の一体感が生まれやすくなります。企業の目標達成に向けて、積極的に貢献しようとする気持ちも高くなるでしょう。
また、企業への満足度や信頼感が高まるため、組織に所属し続けたい気持ちが強くなります。従業員の帰属意識は、企業の継続的な成長のために重要な要素です。
従業員の帰属意識を向上させることは、経営上の重要なテーマといえるでしょう。
2. 帰属意識とエンゲージメントやロイヤリティとの違い
帰属意識とエンゲージメント、ロイヤリティの違いは以下のとおりです。
意味 | |
帰属意識 | ・組織への所属意識や感覚
・従業員から企業への一方的な関係 |
エンゲージメント | ・約束・絆・契約など企業への貢献意欲
・従業員と企業の双方向の関係性 |
ロイヤリティ | ・忠誠心・誠実さなど、企業への信頼や愛着の深さ
・企業と従業員の間に主従関係がある |
エンゲージメントは、帰属意識を確認するための一つの指標といえます。帰属意識が高まれば、エンゲージメントやロイヤリティも向上し、組織のパフォーマンスに寄与するでしょう。
3. 帰属意識が高いメリット
帰属意識が高いメリットは、以下のとおりです。
- 組織力や生産性の向上
- 離職率の低下
- 従業員のモチベーションの向上
3-1. 組織力や生産性の向上
帰属意識が高いと、組織が活性化し組織力や企業全体の生産性が向上します。従業員がより良い職場環境を求め、業務へ積極的に取り組むようになるためです。
また、意見交換も積極的におこなわれるので、改善に向けた議論が活性化するでしょう。コミュニケーションも活発におこなわれるため、チームワークも強化されます。
3-2. 離職率の低下
帰属意識が高いと、離職率の低下につながります。帰属意識が高い従業員は、ワークエンゲージメントが高く、定着率が上昇するためです。
ワークエンゲージメントとは、仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組んでいる状態を指します。厚生労働省は、従業員のワークエンゲージメントが高い企業は、人手不足でも定着率が上昇していることを公表しました。
人材が定着すれば、採用や教育にかかるコストも削減できるでしょう。
3-3. 従業員のモチベーションの向上
帰属意識が高いと、従業員のモチベーションが向上するメリットがあります。企業への愛着や信頼感から、積極的に貢献しようと考えるためです。
企業やチームの一員である自覚を持ち、全体の成功を自分事と考えて尽力しようとします。仲間意識が強く、チームワークの強化が期待できるでしょう。
企業やチームに貢献したい気持ちから成長意欲も高まるため、自らスキルアップに努める習慣がつきやすいです。
4. 帰属意識が低いデメリット
帰属意識が低いデメリットは、以下のとおりです。
- 離職率の上昇
- 生産性の低下
4-1. 離職率の上昇
帰属意識が低いデメリットとして、離職率の上昇が挙げられます。従業員が現職の環境にこだわらなくなり、別の職場環境を視野に入れやすくなるためです。
具体的には「この会社じゃなくてもいい」「別の会社で活躍してみたい」と考えるようになり、そのまま勤め続けたい気持ちが薄れます。終身雇用や年功序列の崩壊など、外部的な要因も相まって、従業員は転職を考えやすくなるでしょう。
帰属意識が低いことでコミュニケーション不足に陥り、人間関係の悪化により離職につながるケースもあります。
4-2. 生産性の低下
帰属意識が低くなることで、企業全体の生産性が低下する可能性もあります。企業や業務に対する愛着が薄れることで貢献意欲がなくなり、生活のために仕方なく働いている状態になるためです。
具体的には組織をより良くしたいという考えがなく、業務改善などの取り組みに対して消極的になるでしょう。業務に対して主体性に欠け、受け身の姿勢になるため、生産性の低下につながります。
5. 帰属意識が低下する原因
帰属意識が低下する原因は、以下のとおりです。
- コミュニケーション不足
- 企業のビジョンが不明瞭
- 待遇や評価への不満
5-1. コミュニケーション不足
帰属意識が低下する原因として、従業員のコミュニケーション不足が挙げられます。コミュニケーション不足だと、良好な人間関係や協力体制を築けず、仲間意識や一体感をもちにくいです。
日頃から不明点などを気軽に聞けず、周囲に頼れないと考えるため、孤独感が生じやすいでしょう。「わからないことばかりで不安」「ここでうまくやっていける自信がない」と感じ、帰属意識の低下につながります。
5-2. 企業のビジョンが不明瞭
企業のビジョンが不明瞭であることも、帰属意識が低下する原因になります。従業員が組織の一員としての意識を持ちにくくなるためです。
例えば、目標を達成しても個人的な達成感を得られるばかりで、企業のビジョンとの重なりを実感できません。自分の仕事が企業の成長にどのように貢献しているのかがわからず、帰属意識の低下を招きます。
5-3. 待遇や評価への不満
従業員が待遇や評価への不満があることも、帰属意識が低下する原因の一つです。「企業は自分のことを大切にしてくれない」と考え、愛着や信頼が薄れるためです。
企業が従業員に対してどのような待遇を提供しているかや、適正に評価しているかは、従業員にとって重要な関心ごとといえます。
従業員の努力に対し適切な評価をしなければ、優秀な人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
6. 帰属意識を高めるための施策
帰属意識を高めるための施策は、以下のとおりです。
- 企業のビジョンや価値観を明確にする
- コミュニケーションの活性化を図る
- 働き方や評価制度を見直す
6-1. 企業のビジョンや価値観を明確にする
帰属意識を高めるためには、企業のビジョンや価値観を明確にすることが重要です。企業文化やバリューを明確にし、従業員に共有することで一体感が生まれます。
すべての従業員が、共通の目標に向かえる環境を整備することが大切です。従業員が企業のビジョンや価値観を捉え、自ら行動し業務に反映できるようにしましょう。
6-2. コミュニケーションの活性化を図る
社内のコミュニケーションの活性化を図ることも重要です。社内の交流が促進されることで、良好な人間関係に役立ち、仲間意識が生まれるためです。
具体的には以下の施策を実施するとよいでしょう。
- 社内イベントの開催
- ランチ会の実施
- ミーティングの実施
- カフェコーナーの設置
業務に関連するコミュニケーションだけではなく、異なる部署やチームメンバーとのコミュニケーションを促すことが有効です。オープンなコミュニケーション文化を醸成することで、従業員同士のつながりを強化できるでしょう。
6-3. 働き方や評価制度を見直す
働き方や評価制度を見直し、適宜改善することも帰属意識を高める施策の一つです。従業員のライフスタイルに合わせた勤務体系を導入すれば、ワークライフバランスを取りやすくなり、満足度が向上します。
また、成果に応じた公平な評価制度を導入することで、従業員の納得感を高め、帰属意識を向上させられます。フィードバックの機会を増やし、努力が正当に評価される環境をつくることを心がけましょう。
7. 帰属意識を高め企業の成長につなげよう
帰属意識とは、従業員が企業に所属していることを意識することです。帰属意識を高めることで、企業の生産性の向上や離職率の低下など、さまざまなメリットが得られます。
帰属意識を高めるためには、企業のビジョンを明確にし、コミュニケーションの活性化や評価制度の適正化に取り組むことが重要です。従業員の帰属意識を高める施策をおこない、企業の持続的な成長につなげましょう。
社会保険の手続きガイドを無料配布中!
社会保険料は従業員の給与から控除するため、ミスなく対応しなければなりません。
しかし、一定の加入条件があったり、従業員が入退社するたびにおこなう手続きには、申請期限や必要書類が細かく指示されており、大変複雑で漏れやミスが発生しやすい業務です。
さらに昨今では法改正によって適用範囲が変更されている背景もあり、対応に追われている労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
当サイトでは社会保険の手続きをミスや遅滞なく完了させたい方に向け、最新の法改正に対応した「社会保険の手続きガイド」を無料配布しております。
ガイドブックでは社会保険の対象者から資格取得・喪失時の手続き方法までを網羅的にわかりやすくまとめているため、「最新の法改正に対応した社会保険の手続きを確認しておきたい」という方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
人事・労務管理のピックアップ
-
【採用担当者必読】入社手続きのフロー完全マニュアルを公開
人事・労務管理公開日:2020.12.09更新日:2024.03.08
-
人事総務担当が行う退職手続きの流れや注意すべきトラブルとは
人事・労務管理公開日:2022.03.12更新日:2024.07.31
-
雇用契約を更新しない場合の正当な理由とは?通達方法も解説!
人事・労務管理公開日:2020.11.18更新日:2024.11.21
-
法改正による社会保険適用拡大とは?対象や対応方法をわかりやすく解説
人事・労務管理公開日:2022.04.14更新日:2025.03.28
-
健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点
人事・労務管理公開日:2022.01.17更新日:2025.02.14
-
同一労働同一賃金で中小企業が受ける影響や対応しない場合のリスクを解説
人事・労務管理公開日:2022.01.22更新日:2024.10.16
タレントマネジメントの関連記事
-
セクショナリズムとは?対義語・弊害・対策をわかりやすく解説
人事・労務管理公開日:2025.03.31更新日:2025.03.28
-
帰属意識がない人の特徴は?主な理由やデメリット・高める方法を解説
人事・労務管理公開日:2025.03.30更新日:2025.03.28
-
帰属意識を高めるには?低くなる原因と改善策を解説
人事・労務管理公開日:2025.03.29更新日:2025.03.28