研修報告書とは?目的・作成する際に気をつけるべきポイントをテンプレート付きで解説
更新日: 2024.10.16
公開日: 2024.7.9
OHSUGI
「研修報告書には何を書けばいいの?」「研修報告書を作成する際のポイントを知りたい」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
研修報告書とは、研修を実施した際に目的や概要、学んだことを記載する書類のことです。
本記事ではそもそも研修報告書とは何か、作成する目的、記載すべき項目やテンプレートを解説します。
研修報告書を作成する際に気をつけるべきポイントもお伝えするため、研修報告書について悩んでいる方は最後までぜひお読みください。
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
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1. 研修報告書とは
研修報告書とは研修の目的および概要、習得した内容をまとめた書類です。
研修報告書には以下の2種類が存在します。
- 研修受講報告書
- 研修実施報告書
前者は研修を受けた者が作成して人事部や直属の上司に提出します。一方、後者は研修を企画・実施した担当者(人事担当者や講師など)が作成し、経営陣や管理部門に提出するものです。
どちらの研修報告書も研修の質を向上させるために作成されます。具体的な作成目的や記載内容は異なりますが、ともに研修の成果と課題を明確にするための重要なツールです。
2. 研修報告書を作成する目的
研修報告書を作成する主な目的は以下のとおりです。
研修受講報告書 | 受講者の学びを再確認し、研修内容に対する理解を深めること |
研修実施報告書 | 研修プログラムの内容と効果を評価し、改善点を明確にすること |
研修受講報告書を作成する主な目的は、受講者の理解度を確認し、研修内容の復習を促すことです。報告書の作成を通じて、研修内容を再確認し、自身の学びの深さを把握できます。学びを振り返る機会を提供することで、受講者の理解度向上に期待できるでしょう。
一方、研修実施報告書の作成目的は、研修内容と効果を評価し、改善点を明らかにすることです。「研修が受講者のレベルに適していたか」「各テーマに割り当てられた時間は適切であったか」などを精査し、研修の課題や問題点を特定する際の客観的な資料として重宝されます。
3. 研修報告書に記載すべき項目
研修報告書に記載すべき項目を以下の流れで解説します。
- 研修受講報告書に記載すべき項目
- 研修実施報告書に記載すべき項目
3-1. 研修受講報告書に記載すべき項目
研修受講報告書に記載すべき主な項目は、以下のとおりです。
記載すべき項目 | 内容 |
基本情報 | ・作成日(提出日)
・提出先の名前や役職、部署 ・報告者の氏名・所属部署 |
研修の概要 | ・研修名
・受講日時 ・研修実施場所 ・主催者・講師氏名 ・研修の目的 |
研修内容の詳細情報 | 研修で扱われた具体的なトピックを箇条書きで記載する。
※ビジネスマナー研修を実施した場合の例 ・ビジネスマナーの重要性 ・服装が人に与える印象の変化 ・第一印象が大切な理由 ・正しい挨拶の方法や言葉遣い ・名刺交換や電話応対 |
学んだことと実務への応用 | 研修から得た具体的な学びや新たな気づきを記載する。加えて、学んだ内容をどのように実務に活かすか、具体的な計画を明記。具体的な実務の場面を想像し、どのように実践するかを記述することがポイント。 |
3-2. 研修実施報告書に記載すべき項目
研修実施報告書に記載すべき項目は、以下のとおりです。
記載すべき項目 | 内容 |
基本情報 | ・作成日(提出日)
・研修名 ・研修日時 ・研修実施場所 ・講師名 ・参加者 ・費用(外部委託の場合) |
研修の目的と背景 | ・研修をおこなう目的
・解決を目指す課題 ・研修によって目指す成果 |
研修内容 | 研修で扱われた主なトピックや内容を記入する。 |
受講者からのフィードバック | 受講者から得たフィードバックやアンケートの結果を記載。テスト形式の研修であれば、研修前後のテスト結果など、目標達成度を示す具体的なデータを明記するのもよい。 |
講師からの所感 | 講師による研修の評価と、受講者へのコメントを記載。 |
改善案 | 研修結果にもとづいて改善案を明記。受講者の理解度が全体的に低かった場合は、アンケートを通じて原因を調査し、必要に応じて講師の選定や研修プログラムの内容を再考する。
結果によっては、プログラムの大幅な修正や廃止も検討する。研修が成功した場合でも、さらなる改善のため、コスト管理や内容の見直しをおこなうことが重要。 |
4. 研修報告書テンプレート・例文|研修受講報告書
研修受講報告書のテンプレートおよび例文は、以下のとおりです。
2024年5月1日営業部第一課
田中 太郎 研修受講報告書 下記のとおり、参加した研修についてご報告します。
|
5. 研修報告書テンプレート・例文|研修実施報告書
研修実施報告書のテンプレートは以下のとおりです。
2024年5月1日
総務部人事課 山田 春子 研修実施報告書 下記のとおり、企画・実施した研修についてご報告します。
|
6. 研修報告書を作成させる際に気をつけるべきポイント|研修受講報告書
研修受講報告書を作成させる際に気をつけるべきポイントは、以下のとおりです。
- 読み手を意識させる
- 研修当日に作成してもらう
- 事実と感情を区別させる
6-1. 読み手を意識させる
研修受講報告書を作成してもらう際には、読み手を意識させることが重要です。研修報告者は研修担当者や人事部、関連部署など幅広い人が目を通します。どのような立場の人が読んでもわかりやすい文章で作成するように指導しましょう。
だれでも読みやすく、わかりやすい文章のコツは以下のとおりです。
- 一文は50〜60文字以内と短めにする
- 文章を「です・ます調」あるいは「である調」で統一する
- 結論を先に書く
6-2. 研修当日に作成してもらう
研修当日に報告書を作成してもらうことも大事なポイントです。記憶が新鮮なうちに内容を整理し、報告書を作成してもらいましょう。
研修で得た知見や気付きは、時間の経過とともに忘れがちです。その日のうちに報告書にまとめることで、研修の内容をより深く理解できるでしょう。
6-3. 事実と感情を区別させる
研修受講報告書を作成させる際には、研修中に得た事実や知識と、個人的な感想や気付きを明確に区別して記載させましょう。主観的な意見や感情が交じると、伝えたい事実そのものがあいまいになり、内容が伝わりにくくなるためです。
したがって、まず研修で得た具体的な知識やデータを記載し、その上で感じたことや気付きを別の箇所に区分して記入してもらうように伝えましょう。
7. 研修報告書を作成する際に気をつけるべきポイント|研修実施報告書
研修実施報告書を作成する際に気をつけるべきポイントは、以下のとおりです。
- 研修を実施した目的を意識する
- 多様な視点の意見を取り入れる
- 数字を使用して具体的な結果を示す
7-1. 研修を実施した目的を意識する
研修を実施した目的を意識して研修実施報告書を作成しましょう。
研修実施報告書は、社員が受講した研修の効果の程度を把握する手段の一つです。報告書の内容により今後どのように研修プログラムを運営し改善するべきか理解できます。
具体的には以下のポイントに気をつけ、研修実施報告書を作成するといいでしょう。
- どの対象者に研修が実施されたのか
- どのような目的で研修が実施されたのか
- 実施後にどのような効果が得られたのか
7-2. 多様な視点の意見を取り入れる
研修実施報告書を作成する際には、多様な視点の意見を取り入れる必要があります。受講者や研修担当者、講師など、さまざまな視点からの意見を盛り込みましょう。
例えば、受講者が満足していたとしても、研修の目的と成果との間に大きな差が見受けられる場合もあります。講師側からみれば、話しにくい環境であった可能性も否めません。
さまざまな視点から研修を評価し、改善すべき箇所を特定してください。
7-3. 数字を使用して具体的な結果を示す
数字を使用して結果を示すことも、研修実施報告書の作成には有効です。あいまいな表現を使うと、読み手によって解釈が異なり、正確な情報を伝えることが難しくなります。
例えば「たくさん」や「大勢」などの言葉は、混乱を招く要因となるかもしれません。「受講者20名中5名が内容に満足していなかった」と具体的な数値を用いることで、報告書の信頼性と正確性が向上します。
数値を使用して事実を報告し、より正確な評価や改善策を検討できるようにしましょう。
8. 研修報告書を活用して研修の必要性や効果を高めよう
研修報告書は研修の必要性や効果を向上させるための重要なツールです。研修の目的や内容、得られた成果、改善点をわかりやすく記載することで、研修の必要性を評価できるでしょう。
また、受講者や講師から得たフィードバックをもとに、研修内容を改善できれば、より効果的な人材育成につなげられます。
研修報告書に記載する事項については、厳格なルールはありません。各企業で自由に決定できます。ただし、自由に記述すると、必要な情報が含まれない報告書になる可能性も高まるでしょう。
今回紹介したテンプレートを参考に、だれが読んでも理解しやすい報告書を作成し、研修の必要性と効果を大幅に向上させてください。
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