試用期間でも雇用保険に加入させるべき?必要性や注意点を紹介 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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試用期間でも雇用保険に加入させるべき?必要性や注意点を紹介

オフィスで人が働いている

試用期間は、企業が採用した人材に対し、一定の能力や適性を持っているかどうかを見極めるために設ける期間です。

試用期間中は解約権留保付労働契約となり、客観的かつ合理的な理由があれば採用を見合わせる(解雇する)ことが可能です。

そのため、試用期間中はわざわざ雇用保険に加入させなくても良いのでは?と思う方も多いようですが、実際には一定の要件を満たしている場合、加入が義務づけられますので要注意です。

今回は、試用期間中における雇用保険への加入の必要性や、加入の必要がないケース、試用期間の雇用保険に関する注意点について解説します。

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1. 試用期間でも雇用保険に加入させる必要はある?

考え事をしている

結論から言うと、試用期間中であっても、一定の加入要件を満たす場合は当該従業員を雇用保険に加入させる必要があります。

そもそも雇用保険に関しては、労働者を雇用する事業は、その事業や規模などを問わず、すべて適用事業とみなされます。(※注1)そのため、適用事業に雇用される労働者は、雇用保険の被保険者となります。

ここでいう「雇用される労働者」とは、事業主の支配下で労働を提供し、その対象として報酬を得ている人のことです。

なおかつ、以下1と2のいずれにも該当する場合は、雇用保険の被保険者となるため、事業主は管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に、当該従業員が被保険者になった日の属する月の翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出する義務があります。

以下いずれかに該当する場合により、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。

  • 期間の定めがなく雇用される場合
  • 雇用期間が31日以上である場合
  • 雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇い止めの明示がない場合
  • 雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

なお、1の4については、当初の雇用時に31日以上雇用されることが見込まれない場合であっても、その後に31日以上雇用されることが見込まれることになった場合は、その時点で雇用保険が適用されます。

焦点となるのは、試用期間中の労働者が上記1と2の要件に当てはまるかどうかです。
まず、試用期間は採用した人材が業務において一定水準の能力や適性を有しているかどうかを見極めるために設けるものなので、労働時間や労働内容は原則として正社員に準じます。試用期間の長さは会社によって異なりますが、おおむね3ヶ月と規定しているケースがほとんどです。

以上の点から、試用期間中の労働者は1および2のいずれの要件も満たしていると考えられ、雇用保険への加入は必須となります。

※注1:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省

2. 雇用保険に加入させる必要がないケース

チェックリストをつけている

試用期間中は原則として雇用保険に加入させる必要があると説明しましたが、以下の要件に該当する場合は雇用保険の適用除外となります。

2-1. 1週間の所定労働時間が20時間未満

1週間の所定労働時間が20時間未満である場合、雇用保険の加入要件である「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」に該当しないため、適用除外となります。

たとえば週5日勤務の従業員の場合、1日あたりの所定労働時間が4時間未満の場合は雇用保険に加入させる必要はありません。

2-2. 同じ職場で31日以上働く見込みがない

雇用契約書に31日未満で労働契約を終了する旨が明記されていた場合は、雇用保険の加入要件である「雇用期間が31日以上である場合」「雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇い止めの明示がない場合」のいずれにも該当しないため、雇用保険の適用除外となります。

ただし、試用期間はもともと人材採用を前提とした制度ですので、あらかじめ31日未満で労働契約を終了する旨を明記することは事実上、あり得ません。

また、試用期間中に客観的かつ合理的な事由とみなされる重大な問題が発生し、やむを得ず解雇することになった場合でも、契約時点で31日以上引き続き雇用することを見込んでいたのなら、雇用保険が適用されるので要注意です。

2-3. 4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業への雇用

雇用保険は原則として31日以上、同じ事業所で引き続き雇用される見込みがある場合に適用となりますが、1ヶ月以上の雇用実績があっても、もともと4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業だった場合、雇用保険の適用除外となります。

たとえば、海水浴場が営業している間だけ海の家で働いている、冬場だけスキー場の運営に携わっているなど。

こうした季節的事業は雇用期間が31日を超えたか否かにかかわらず、短期雇用とみなされるため、雇用保険への加入は不要となります。

3. 試用期間の雇用保険に関する注意点

吹き出しのビックリマークが3つ並んでいる

試用期間中だからといって従業員を雇用保険に加入させないと、会社側にとっても従業員本人にとってもさまざまなリスクがあります。

ここでは試用期間中の雇用保険について特に注意したい未加入のリスクを4つご紹介します。

3-1. 必要な支援を受けられなくなる

雇用保険とは、労働者の生活や雇用の安定、就職の促進のために、失業した人や教育訓練を受ける人に対し、失業給付を支給する制度です。

雇用保険に加入していれば、失業中でも一定の給付金を受け取れるため、その間に次の職場を探すことができます。

雇用保険に加入していないと、失業給付金を受け取ることができず、契約の解除と同時に従業員は収入源を断たれてしまいます。

試用期間を経て、残念ながら本採用を見送ることになったとしても当該従業員が生活に困窮しないよう、雇用保険に加入させて適切な支援を受けられるようにすることが大切です。

3-2. 罰則の対象になる可能性がある

加入要件を満たしていながら、試用期間中の従業員を雇用保険に加入させなかった場合、雇用保険法第7条に規定する「被保険者に関する届出」に違反したとみなされ、労働局から是正勧告や指導を受けるおそれがあります。(※注2)

指導や勧告を受けても改善されなかった場合は、雇用保険法第83条の1に基づき、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。

※注2:雇用保険法|e-Gov法令検索

3-3. 追徴金や延滞金を課せられる

雇用保険の加入要件を満たしている従業員がいるにもかかわらず、保険に加入させていなかった場合、未加入が発覚した時点で追徴金や延滞金を請求される可能性があります。

従業員を雇用保険に加入させるのは事業主の義務ですので、延滞金や追徴金は会社側の負担になることもあります。

3-4. 企業のイメージダウンになる

雇用保険に加入させないまま試用期間中の従業員を働かせた場合、法や規則を遵守しない不誠実な企業として、マイナスイメージを抱かれるおそれがあります。

消費者や金融機関などからの信用が損なわれるのはもちろん、今後の人材募集にも影響を及ぼし、優秀な人材を確保しにくくなる可能性があります。

4. 試用期間でも、加入要件を満たしている場合は雇用保険への加入義務がある

腕を組んでいる

雇用保険は契約形態にかかわらず、加入要件を満たしているすべての労働者に適用されるものです。

たとえ試用期間中でも、加入要件を満たしていれば、雇用保険に加入させる必要があります。

加入要件を満たしているにもかかわらず、雇用保険に未加入のまま働かせた場合、従業員の今後に支障を来すほか、事業主が罰則の対象となることもあり得ます。

新しく人材を採用し、試用期間を設ける場合は、雇用保険の加入要件を満たしているかどうかをきちんと確認しましょう。

雇用契約に工数・時間がかかってしまっている方へ

紙で雇用契約書を取り交わしている場合、以下のような課題はないでしょうか。

・労働条件通知書を交付するために来社してもらったり、郵送したりするのが手間

・早く働き始めてほしいが、雇用契約の締結に時間がかかってしまう

・契約更新の時期になると、大量の労働条件通知書を交付しなくてはならず面倒

そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、雇用契約書の電子化です。システムを利用して雇用契約書を電子化すると、オンライン上で雇用契約書の締結や労働条件通知書の交付ができ、時間と場所を選ばずスピーディーに雇用契約を締結することができます。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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