稟議書を電子化!システムで決裁するメリットとデメリットとは
更新日: 2024.5.24
公開日: 2022.12.6
OHSUGI
電子稟議を知っていますか。稟議とは会社において何か導入したい事象が発生したときに、その内容を説明する書類を作って関係者や上司などから承認を得ることです。従業員それぞれが勝手にシステムなどを導入すると、組織が崩壊する恐れがあるので会社において稟議は欠かせません。
それを電子化したのが電子稟議です。しかし、具体的にどういったものなのかわからない方もいるでしょう。
本記事では電子稟議について解説いたします。導入する方法やメリット・デメリットについても解説しているので、ぜひご確認ください。
目次
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。 ①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる ②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる ③稟議の紛失リスクがない
ワークフローシステムが自社の課題解決につながるかどうかを知るためには、まずワークフローシステムが何かを知っておく必要があります。
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1. 電子稟議とは?
電子稟議とは稟議の際に使用していた申請書などをクラウド上にデータ化して、オンライン上で申請や承認の業務フローを行うことです。今までは紙の書類を直接回す必要がありましたが、それらがオンライン上でやり取りできるようになります。
オンライン上でやり取りできるのは非常に便利なのですが、デメリットもあります。そのため、導入するかどうかは後述するメリット・デメリットを比較したうえで冷静に考えることをおすすめします。
1-1. 稟議書の種類
稟議書には、予算承認、人事決定、契約締結など、さまざまな用途があります。組織において申請や決裁業務を進めるために必要不可欠な稟議書ですが、近年ではワークフローシステムを利用して電子化を進める企業が増えています。電子化の対象となる稟議書としては、以下の種類があります。
購入/支払い関連:物品やサービスの購入、発注、支払いに関する稟議書。
経理関連:出張費や交通費の申請、精算に関する稟議書。
人事関連:休暇取得、休日出勤、残業、住所・身上変更の申請など、人事・労務に関する稟議書。
総務関連:会社の設備利用届、社宅・寮の借上申請、協力会社との契約、行事連絡表、社内通達書の申請など。
営業関連:見積書、注文書、請求書、業務報告書に関する稟議書。
企業ではこれらの稟議を必要とする多様な申請や精算、報告業務が頻繁に発生します。これらの稟議書を電子化することで、担当者や承認者の手間や時間を大幅に削減し、業務の効率化が図れます。
2. 稟議書の電子化を行うメリット
電子稟議にはメリットとデメリットがあります。それぞれを比較したうえで導入するべきかどうかを判断するのが大切です。
2-1. 稟議にかかるワークフローの時間を削減できる
電子稟議を導入すると、書類の配布や署名の待機時間が大幅に短縮でき、承認を受けるまでの時間が短くなります。紙で稟議をする場合は書類を回す必要があるため、書類を運ぶための時間が必要でした。また、多くの稟議の承認を行っている担当者からすると、1日に何件も案件が回ってくることは珍しくありません。
そのため、早く進めてほしい案件が別の書類で埋もれてしまうというケースもあいます。このような背景から、稟議を完了するまでにはある程度の時間が必要だったのです。
しかし、電子稟議であれば、オンライン上ですぐに確認ができます。書類を探す必要もありませんし、運ぶ時間もかかりません。そのため、承認を受けるまでの時間を短縮することができます。
これにより、稟議書の電子化が実現し、スピーディーかつリアルタイムでの承認も可能となります。
また、承認担当者が出社していない場合でも、電子稟議であれば承認をしてもらうことができます。リモートワークでも会社にいる時と同じように稟議を進められるため、業務が滞る心配もありません。結果として、稟議にかかるワークフロー全体が効率化し、オペレーションスピードが向上します。
2-2. 進捗やステータスを可視化できる
電子稟議システムは、稟議の進行状況や承認ステータスをリアルタイムで表示する機能を備えています。これにより、誰がどの時点で承認を行っているのかを簡単に把握できます。企業の経営者やシステム管理者にとって、稟議書の電子化はプロセスの透明性を高め、意思決定の効率を向上させます。さらに、進捗状況やステータスの可視化により、承認プロセスの遅延を未然に防ぐことができ、迅速な対応が可能です。電子稟議システムの導入は、業務の効率化と生産性の向上に寄与します。
2-3. スペースとコストを削減できる
稟議書の電子化を図ると、紙の稟議書にかかる保管スペースを削減できます。これにより、オフィスを有効に活用でき、他の重要な業務にスペースを割り当てられます。さらに、紙の書類を回すためには、印紙代やインク代が必要です。一つひとつにかかるコストはわずかなものですが、会社全体に目を向けると膨大な費用が発生します。特に大量の稟議書を扱う企業では、これらの印刷コストや郵送費用のコスト削減が大きな経済効果をもたらします。加えて、書類の電子化により紛失リスクも軽減され、情報がしっかり保護されます。
2-4. 改ざんや情報漏えいのリスクを回避できる
最後に内部統制強化につながる点もメリットです。紙による稟議では正規のルート以外で承認を進めることも可能でした。例えば課長が係長の印鑑を勝手に使って、承認を進めるといったこともできてしまいます。
しかし電子稟議システムは、本人がアクセスできるパソコンからしか承認を進めることはできません。加えてアクセス権限管理やログ監視機能を搭載しており、改ざんや情報漏えいのリスクを大幅に低減します。企業の経営者やシステム管理者にとって、稟議書の電子化は非常に重要な選択肢です。アクセス権限を厳格に管理することで内部からの不正アクセスを防ぎ、ログ監視機能によりリアルタイムで不正活動を検知可能です。これにより、改ざんや情報漏えいのリスクを回避し、業務の透明性と安全性を高めることができます。電子稟議システムの導入は、企業の情報セキュリティ対策の一環として非常に有効です。
このように、電子稟議のメリットはいくつかありますが、実際にどのように導入する方法がよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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システムの選び方や導入時の注意点も解説しているので、稟議の電子化について具体的にイメージをつけたい方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
3.稟議書の電子化を行うデメリット
メリットが多い電子稟議ですが、一部デメリットも存在します。
稟議書の電子化におけるデメリットにはいくつかのポイントがあります。まず、システムトラブルやネットワーク障害が発生した場合、一時的に稟議プロセスが停止するリスクがあります。このような状況では、稟議書の確認や承認が遅れ、業務全体に影響を及ぼす可能性があります。
また、電子化に伴う初期導入コストやシステム保守費用も考慮する必要があります。印紙代やインク代を減らせるのでコスト削減効果もありますが、結果としてシステム利用料等で会社の負担が増えてしまうかもしれません。
システム導入によって会社の負担が大きくなり、赤字などの要因になってしまってはいけません。そうならないように導入の際は慎重な判断が求められます。
自社に導入するとどういった結果になるのか冷静に分析しなくてはいけません。一般的には電子化に対して抵抗感が少ないのであればメリットが大きく、抵抗感が大きいのであればメリットは少ないでしょう。
抵抗感が大きいのであれば、それをどのようにして減らしていけるかを第一に考えましょう。
さらに、社員がそのシステムの導入に対応できない可能性がある点です。もちろん、新しいシステムなので対応に時間がかかるのは当然ですが、従業員が新しいシステムに適応するための教育やトレーニングが必要となり、一時的に生産性が低下することも想定されます。今まで紙でやり取りしていたものを急に電子上で行うように指示されると、戸惑う人も多いでしょう。特に昔から働いていた社員に関しては、紙の書類を使用していた時間が長いのですぐに対応させるのが難しいかもしれません。
そのため、電子稟議の導入が社員の生産性を下げることにつながる可能性があることを理解しておきましょう。
対策としては一気にシステムを導入するのではなく、段階的に導入していき徐々に理解を求めていくというものがあります。昨今のIT化によっていろんなシステムが電子化しています。電子化に対する抵抗感をなくすのは、会社にとっての義務です。どのようにすれば社員たちが受け入れてくれるかをよく考えなくてはいけません。
これらのデメリットを理解した上で、慎重に導入計画を立てることが重要です。
4. 電子稟議書を管理するシステムの選び方
電子稟議を導入する方法はいくつかあります。一番シンプルなのはWordやExcelの活用でしょう。ほとんどの会社が導入しているこれらのソフトを利用して、稟議書を作成し、メールやメッセージでやり取りすることで電子稟議の導入ができます。
しかし、これはあくまでも個別の対応です。会社全体でWordやExcelを使って稟議を進めていくのは現実的ではありません。
電子稟議を導入するうえでほぼ必須となるのがワークフローシステムの導入です。さまざまなメーカーがワークフローシステムを展開していますが、具体的にどういったものを選べばいいのか解説いたします。
4-1. 操作が簡単なシステム
まずは操作が簡単であることです。利用するのに専門知識が必要になると、運用のハードルが上がってしまいます。社員たちがシステムの導入に理解を示してくれないかもしれません。
誰でも簡単に使いこなせる直感的にわかりやすいワークフローシステムを選定しましょう。
4-2. 複雑なワークフローに対応可能
組織の承認ルートが多岐にわたる企業では、さまざまな部門やプロセスが連携する複雑なワークフローが求められます。
このような状況で、稟議書を電子化する際は、自社に特定のパターンや業種に対応できる柔軟性が必須です。そのため、導入前にはシステムが自社の複雑な要件に確実に対応するかを検証することが重要です。
4-3. 申請書類の追加が容易
企業の急成長や業務の多様化により、日々新しい申請書類が必要となることがあります。このような状況で重要となるのが、電子稟議システムの中で、簡単に申請書類の追加や修正が行えるのかという点が重要です。スムーズにカスタマイズできる仕組みは業務の効率化に大きく影響します。
特に、異なる部署や複数の業種に関連する添付ファイルやデータベースの内容を一括でアップロードしたり、カスタマイズ可能なテンプレートを利用して新たな文書形式を簡単に追加できる機能は、経理や人事などの部署で重宝されます。これによりITリテラシーが不足しているスタッフでも問題なく操作が可能となり、全体の作業時間削減に寄与します。従って、申請書類の追加や修正が容易な電子稟議システムは、スムーズな業務運営を実現するために不可欠です。
4-4. 無料でデモ体験ができる
文書管理と電子決裁システムの選択では、無料デモ体験が有効な基準です。この体験で、システムの操作感やビジネスプロセスの適合性を直接確かめることができます。また、システム試用により、その機能が自社の要件に合致しているかを具体的に判断できます。特に効率的な文書管理は業務の円滑な運営に直結するため、事前のデモ体験は非常に重要です。無料デモを最大限活用し、最適なシステムを選びましょう。
5. 稟議書の電子化を推奨する法律
2022年に施行された改正電子帳簿保存法は、企業に電子帳簿や電子文書の保存を義務付けています。この改正により、稟議書の電子化が一層推奨されるようになりました。
稟議書の電子化は、日本の企業が法的に求められるだけでなく、多くのメリットを享受できる重要なステップです。
5-1. 改正電子帳簿保存法が施工
電子帳簿保存法は、稟議書を含む書類の電子保存を合法化しています。WordやExcelで作成した稟議書のデータをPDF形式にして保存することが可能であり、この法律は保存の手間を大幅に削減し、検索や管理を容易にするための指針を提供しています。電子帳簿保存法に対応することで、効率的な情報管理や迅速な意思決定、法令遵守の強化が実現します。
また、データのセキュリティやバックアップ対策に関しても、適切なソリューションを選ぶことでリスクを最小限に抑えることが可能です。法整備が進んでいる現代において、企業の競争力を高めるためにも積極的な対応が求められています。
5-2. 政府が電子化を推奨する傾向にある
政府は現在、行政手続きのデジタル化を強力に推進しており、これに伴い企業にも電子化への対応が求められています。特に稟議書の電子化は、法的整合性を確保しながら業務効率を向上させる手段として注目されています。電子化により、書類の紛失リスクが低減され、承認プロセスが迅速化します。また、ペーパーレス化によってコスト削減にも寄与します。システム管理者は、導入に際してセキュリティ対策を考慮し、安心して利用できる環境を整えることが求められます。
6. 電子稟議に関するよくある質問
電子稟議の導入は、疑問や懸念が伴うこともあります。ここでは、電子稟議に関わるよくある質問を紹介します。
6-1. 稟議書の保管期間は法律で定められている?
稟議書の保管期間については、法律で具体的に定められた期間はありません。しかし、稟議書は決裁の履歴を振り返る重要な書類であり、ビジネス上の決定過程を明確に示すため、通常は永年保存されることが推奨されます。そのため、多くの企業では社内規定によって稟議書の長期保管を義務付けています。例えば、株主総会議事録や請求書など、法律による保存期限が設定されている文書を参考にし、稟議書も簡単に破棄しない管理を心掛けることが大切です。文書管理のミスが法的な問題に発展するリスクを避け、効率的で法規制に則した運営を実現するためにも、明確な保管基準を設けることが望ましいです。
6-2. 電子稟議のソフトは無料版でも十分に使えますか?
無料版の電子稟議ソフトは、中小企業や基本機能のみを必要とする場合に十分に活用できます。しかし、大企業や高度な機能やカスタマイズが必要な環境では、有料版の導入が推奨されます。なぜなら、無料版ではサポートやセキュリティ、総合的な機能が制限される場合があり、長期的な運用コストや効率性を考慮すると、有料版の方がコストパフォーマンスに優れることが多いためです。企業のニーズと規模に応じた最適な選択が重要です。
7. 電子稟議のシステムを導入して業務効率化をアップさせよう
電子稟議の導入にはメリットもデメリットもあります。しかし、さまざまな企業が電子稟議の導入を始めており、電子化への抵抗感も徐々に薄れていくでしょう。
今すぐに導入しなくても、将来的には前向きに導入を検討していく必要があります。さまざまな業務の電子化は現代において欠かせません。ぜひ、電子稟議のシステム導入を考えてみてはいかがでしょうか。
稟議の承認をもっとスムーズにしたいと感じていませんか?
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