帳簿の締め切りとは?4つの手順を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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帳簿の締め切りとは?4つの手順を徹底解説

帳簿 手順

帳簿は決算期に締め切りをおこなわなくてはいけません。
帳簿の締め切りといっても、どんな作業内容なのかイメージが掴めないという方は多いかもしれません。

会社が正しく税の申告をするためには、決算期の締め切りは欠かせません。

本記事では帳簿の締め切りについて解説します。
具体的な例を用いて表作成の方法についても紹介しているので、帳簿の締め切りが分からないという方はぜひ参考にしてください。

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1. 帳簿の締め切りとは

カレンダーを指す人

帳簿における締め切りとは、決算期を迎えた際におこなう各勘定の残高を締め切る作業のことです。
各勘定の残高を締め切るとは、これ以上残高に変化が起こらないようにするということです。

会社は残高を元にして収入や利益を計算し、法人税を決定しなくてはいけません。
そのため、どこかで残高を確定させる作業が必要になります。

帳簿を締め切ることで、その1年の財務状態を把握したり、事業成績を確認したりできるようになります。
また、会社はお金の流れを明確にしておかなくてはいけません。

会社の予算をどの項目に利用したのか、それを明らかにする必要があります。
例えば、会社のお金を車などに使用した場合は、車も会社の資産となります。

原価滅却が発生したり、会社の資産として税申告に含めたりしなくてはいけません。
1年間おこなってきた会社のお金のやり取りをすべてまとめたうえで、これから先の取引は次年度のものとしておこなうという場合にやらなくてはいけない作業が帳簿の締め切りです。

どんな会社でも帳簿の締め切りは必要です。
収益と費用に関しては、1年ごとの利益や成績を表すものであるため、次期は0から開始します。

資産、負債、純資産に関しては、会社の財政状態を判断したり所有している資産を示したりするのに必要なものであるため、次期へと繰り越します。

帳簿の締め切り方法は大陸式と英米式にわけることが可能です。
まず、大陸式ですが、これは費用や収益などのすべての勘定科目について振分仕訳をおこなう方法です。

英米式は、費用と収益の残高は損益勘定に振り替えて、資産、負債、純資産に関しては仕訳帳を経由せずに総勘定元帳で締め切るという方法となります。

大陸式は手間が多いので、実務で使われることはあまりありません。
そのため、一般的には英米式で締め切りをおこなうことがほとんどです。

英米式の締め切り手順については後ほど解説します。

関連記事:帳簿を作成する理由や各種の特徴・違いをやさしく解説

2. 実際に帳簿を締め切る手順

発注書 手順

英米式で帳簿を締め切る際には、手順が4つあります。
それぞれの手順の内容と作業方法について解説致します。

2-1. 損益振替

まずは損益振替です。
収益と費用の残高に関しては、その1年の状況を把握するためのものなので、次期に引き継ぐことがありません。

そのため、残高を0にして損益という勘定科目に振り替えが必要です。
この作業が振替損益です。

具体的な記載例について紹介します。
まずは仕入に残高が1,000円ある場合です。

借方 貸方
損益 1,000円 仕入 1,000円

次に売上に2,000円の残高がある場合です。

借方 貸方
売上 2,000円 損益 2,000円

残高がある科目があれば、損益と表記して仕訳をします。
これが損益振替の作業内容となります。

2-2. 資本振替

次に資本振替です。
これは利益にどれくらい計上されたのかを記載するものです。

具体的な記載例を紹介します。

まず、当期純利益が100万円計上されたケースについてです。

借方 貸方
損益 1,000,000円 繰越利益剰余金 1,000,000円

逆に、当期純損失が50万円だった場合は以下のように記載します。

借方 貸方
繰越利益剰余金 500,000円 繰越利益剰余金 500,000円

損益勘定を繰越利益剰余金の勘定に振り替えているのです。

2-3. 勘定締め切り

ここで勘定の締め切りをおこないます。
締め切り方についてですが、損益勘定と資産、負債、純資産の勘定で方法が異なります。

まず損益勘定についてですが、先ほど説明した通り残高は資本に振り替えています。
そのため、次期への繰越は発生しません。

収益と費用の勘定についてでは、損益振替と資本振替で賃借の金額が必ず一致します。

記載の方法はいくつかありますが、各勘定の借方と貸方の合計金額を記載するのが一致を確認しやすいのでおすすめです。
これが一致していれば、売上の場合は売掛金と現金の合計、損益の場合は仕入と繰越利益剰余金の合計を計算し、これらがすべて賃借の金額と一致するはずです。
これで損益勘定の締め切りは完了となります。

次に資産、負債、純資産の締め切りについてですが、残高が残っている場合は損益勘定の締め切りに加えて前期繰越と次期繰越を記載しなくてはいけません。

例えば、現金に残高が残っていた場合で解説をします。
1,000円の現金を持った状態で、会社の運営をおこない、500円が余りました。
この場合は、500円が繰越金になり、勘定には、500円をどう使ったのかを記載しなくてはいけません。

詳細に記載をするのではなく、買掛金として500円使用したことになるので、買掛金500円、次期繰越金500円と記載をして、これらを合計します。
すると、必ず元々の残高と一致します。これが現金の勘定の締め切りです。

買掛金の締め切りに関しても同様です。
先ほどの説明では、前期繰越金で500円発生したことになるので、まずそれを記載します。

そして仕入れによって資産が増えている場合は、それを記載します。
今回は200円分の仕入れをおこなったとすると、合計は700円となり、次期に繰り越す買掛金は700円となります。

繰越額がいくらなのか、前期から繰り越している金額と次期に繰り越す金額、そしてその項目でおこなった取引の金額を記載すれば、どういった内訳でお金が利用されたのかがわかります。これで締め切りが完了したということです。

2-4. 繰越試算表の作成

最後に繰越試算表を作成します。
これは借方と勘定科目、そして貸方それぞれの項目を記載します。

勘定科目ごとに借方にいくら、貸方にいくらお金があるのかをわかるようにしたものが繰越試算表です。

具体的には以下のような表となります。

借方 勘定科目 貸方
20,000 現金  
40,000 当座預金  
10,000 売掛金  
180,000 建物  
  買掛金 10,000
  資本金 180,000
  繰越利益余剰金 60,000
250,000   250,000

合計金額は借方と貸方で必ず一致します。
ここで一致しなければ、どこかで計算間違いがある可能性があります。

これまでにおこなってきた内容を見直して、どこかでずれていないか確認してください。

関連記事:青色申告の帳簿の書き方は複式簿記?注意点や帳簿の保存期間も解説

3. 帳簿の締め切りの手順を理解して正しい金額を確定しよう

請求書

帳簿の締め切りをおこわないと、当期のお金と次期のお金を区別することができません。
お金の流れを把握できなくなってしまうので、税務上で問題を抱えてしまいます。

慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、それぞれの項目におけるお金の流れを理解していれば問題なく作成可能です。

現在では会計ソフトなども充実しています。
今回は例としてわかりやすい数字を利用しましたが、実際にはもっと細かい金額になります。

自分で計算をしているとミスが起こるかもしれません。
それを防ぐためにも、いろんなソフトを有効活用して正確に帳簿の締め切りをおこなってください。

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jinjer Blog 編集部

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