年度またぎがある場合の前払金の扱い方を具体例と合わせて紹介 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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年度またぎがある場合の前払金の扱い方を具体例と合わせて紹介

前払い

商品やサービスを先払いで購入して代金を支払ったり手付金を前払金として処理したりしたものの、商品の受け渡しやサービスの提供が年度をまたいでしまう場合、どのように仕訳すればいいのでしょうか。

今回は年度またぎがある場合の前払金の計算方法と、年度をまたいだ前払金の具体的な仕訳例を紹介します。手付金を支払ったものの、商品の受け渡しやサービスの提供が年度をまたいでしまうことは珍しいことではありません。しっかり理解して、正しく処理しましょう。

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1. 前払金とは

説明

前払金は、事業で使用する商品やサービスの購入代金を先に支払う時に使用する勘定科目です。支払いをおこなった時点では仕入として計上するのではなく、商品を受け取る権利やサービスを受ける権利が流動資産として増えたとみなします。

関連記事:前払金の基本的な部分を勘違いしやすい勘定科目と比較して紹介

2. 年度またぎがある場合の前払金の計算方法

電卓

今期商品やサービスを購入して手付金を前払金として処理したけれど、決算日までに商品の受け渡しやサービスの提供がおこなわれないということはよくあることです。特に決算日直前に手付金を支払った場合は、高い確率で年度をまたいでしまいます。

商品やサービスに対してお金を支払っても、経費として計上するのは実際に商品を受け取った、またはサービスの提供を受けたタイミングです。年度またぎした前払金は流動資産として次年度に繰越します。

前払金は経費としての計上ではなく、あくまで流動資産としての処理です。そのため、資産として翌年に繰り越すことができます。流動資産とは短期で回収可能な資産のことです。

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3. 年度をまたいだ際の具体的な仕訳例

書類に記入する様子

前払金の年度をまたぐケースは、取引の内容によってさまざまな仕訳の仕方があります。ここでは、代表的な年度をまたいだ際の前払金の具体的な仕訳例を紹介します。

仕訳の流れやポイント押さえて、年度をまたぐどのような取引内容であっても、前払金を正しく仕訳できるようにしておきましょう。

関連記事:前払金の仕訳を混同しやすい勘定科目との違いを踏まえてチェック

3-1. 決算日前に代金を全額支払って備品を購入し、年度またぎをした場合

決算日前に備品の購入代金を現金で先払いした場合は、代金を支払ったときに前払金として処理します。

借方 貸方
前払金 100,000円 現金 100,000円

現金で支払った場合、10万円の現金が資産から減り、備品を受け取る権利である資産が増えたと考えます。この時点では経費計上はおこないません。

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で10万円を記載します。他にも前払金で年度またぎするものがあれば合算してください。

新年度になって商品の引き渡しがされたら、以下のように計上します。

借方 貸方
備品費 100,000円 前払金 100,000円

3-2. 決算日前に代金の一部を支払って備品を購入し、年度またぎをした場合

決算前に備品の購入代金の一部である10万円を支払った場合は、以下のように前払金で処理します。

借方 貸方
備品費 100,000円 前払金 100,000円

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で10万円を記載します。他にも前払金で年度またぎするものがあれば合算してください。

新年度になって備品の引き渡しがされる際、残りの代金を支払う場合は以下のように仕訳します。

借方 貸方
備品費 400,000円 前払金 100,000円
現金 300,000円

商品が引き渡されるときに残りのお金は支払わず、先で支払いをおこなう場合は以下のように仕訳してください。

借方 貸方
備品費 400,000円 前払金 100,000円
買掛金 300,000円

3-3. 会社の設備の修理外注費を先払いし、年度またぎした場合

すでに会社にある設備が故障して修理を依頼するとき、手付金として支払うお金は前払金となります。200万円を前払金として普通預金から支払う場合の仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
前払金 2,000,000円 普通預金 2,000,000円

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で200万円を記載します。新年度になって修理が完了して設備の引き渡しがされる際、残りの代金を支払う際は以下のように仕訳します。

借方 貸方
修繕費 6,000,000円 前払金 2,000,000円
買掛金 4,000,000円

3-4. 出張時のホテル代金を先払いし、年度またぎした場合

出張時に宿泊するホテル代金を先払いした場合は、いったん前払金として以下のように処理します。

借方 貸方
前払金 15,000円 普通預金 15,000円

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で15,000円を記載します。新年度になってホテルに泊まり、サービスを受けたタイミングで旅費交通費として計上しましょう。

借方 貸方
旅費交通費 15,000円 前払金 15,000円

3-5. 不動産購入代金の一部を先払いし、年度またぎした場合

事業で使用する不動産を中古で購入するために普通預金から手付金を払った場合は、いったん前払金として以下のように処理します。

借方 貸方
前払金 2,000,000円 普通預金 2,000,000円

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で200万円を記載します。新年度になって不動産の受け渡しが完了した時点で、残りの代金を支払って計上しましょう。

借方 貸方
建物 12,000,000円 前払金 2,000,000円
普通預金 10,000,000円

ローンで購入して、残りの部分は月々の返済をする場合は、受け渡し時に残りの代金を未払金として処理します。

借方 貸方
建物 12,000,000円 前払金 2,000,000円
未払金 10,000,000円

ローンの場合は、月々の返済時に未払金の代金を仕訳してください。

借方 貸方
未払金 1,000,000円 普通預金 1,150,000円
支払利息 150,000円

中古ではなく新築で不動産の購入費用を先払いした際は、前払金ではなく「建設仮勘定」を使用します。仕訳の際に間違えないように注意しましょう。

3-6. 自社の機械製造工場で使用する原材料費用の一部を支払い、年またぎした場合

機械製造工業で使用する原材料費の一部を支払った場合は、先に普通預金から払った代金100万円を前払金として処理します。

借方 貸方
前払金 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

決算時には貸借対照表の資産の部に前払金の勘定科目で100万円を記載します。新年度になって残金を普通預金から支払い、商品の受け渡しがおこなわれたタイミングで原材費として計上しましょう。

借方 貸方
原材費 5,000,000円 前払金 1,000,000円
普通預金 4,000,000円

4. 年度をまたぐ継続的なサービスの購入費用は前払費用で処理する

処理

前払金と混同されやすい前払費用ですが、前払費用は継続してサービスの提供を受ける際に使用する勘定科目です。保険料やサーバー使用料、レンタルオフィス使用料などの年払いをする場合で、年またぎをする場合の計算方法と仕訳例を紹介します。

例えば、12月1日から利用するレンタルオフィスで1年分の使用料を12月1日年払いし、3月31日が決算日だとします。この場合、まず代金を支払ったタイミングで仕訳をおこないましょう。

借方 貸方
賃借料 240,000円 普通預金 240,000円

代金は1年分支払っていますが、実際にサービスの提供を受けたのは4カ月だけです。残り8カ月分の料金はまだサービスを受けていないので、経費計上できません。そこで、年度末にサービスを受けていない代金を計算して、前払費用として計上します。年払いの料金が24万円で12カ月分なので1カ月2万円、利用していない8カ月分の料金は16万円です。

借方 貸方
前払費用 160,000円 賃借料 160,000円

前払費用にする料金を計算するときは、以下のとおり計算します。

「トータルの代金 ÷ 払った費用でサービスを受けられる期間 x 残りの利用期間」

新年度になったら、期首に前払費用を家賃に振替処理して完了です。

借方 貸方
賃借料 160,000円 前払費用 160,000円

関連記事:前払金と前払費用の違いや長期・短期前払費用について徹底解説

5. 支払った前払金は流動資産として次年度に繰り越せる

カレンダー

前払金は経費ではなく、「商品の受け取りやサービスを受けられる権利」であるため、流動資産となります。資産は翌年に繰り越せますので、そのまま繰り越しをおこないましょう。

継続して受けるサービスの年払いをした場合などで年度またぎをするときは、いったん前払費用として計上し、新年度に元の仕訳に振替処理します。決算前に必ず前払費用で計上し、新年度になったら振替処理を忘れないようにしましょう。

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