法人税申告書とは?提出に必要な明細書や作成方法、提出方法を紹介
更新日: 2023.9.1
公開日: 2022.8.2
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株式会社や合同会社などの法人が事業で所得を得たときには、法人税と呼ばれる税金が課せられることになります。
そして法人税の申告のためには、法人税法に定められた正しい形式の法人税申告書を作成しなければなりません。
法人税申告書の作成方法は複雑で手間がかかるため、作成には十分な知識が必要です。
そこで本記事では、法人税申告書の作成方法や手続き方法を紹介します。
法人税申告書の提出に必要な明細書の種類についても解説していきます。
1. 法人税申告書とは?
法人税申告書とは、法人が各年度の事業で得た所得に応じて支払う法人税の内容を記載する書類のことです。
その課税対象は株式会社や合同会社のほか、協同組合や公益法人、公共法人なども含まれます。
法人税の金額は、各法人の規模や経営成績に大きく左右されます。
そのため、各法人はどのような税金が課せられるのかを法人税申告書の提出によって明確に示さなければならないのです。
法人が決済の際におこなう納税申告には法人税のほか、消費税や地方法人税、法人事業税、法人住民税といった種類があります。
地方法人税と法人事業税、法人住民税は法人税の申告と連動しているということもあり、法人税申告書は法人の納税すべてを取りまとめる基本的な書類といえるでしょう。
法人税申告書には正確な会計帳簿に基づいて作成された決算書や科目明細書などを添える必要があります。
法人税申告書を正確に作成するためには、日々丁寧に帳簿を作成しておくことが肝心です。
2. 法人税申告書において提出が必要な明細書
法人税申告の際には多くの明細書を提出しなければなりません。
明細書は「別表」と呼ばれ、それぞれ番号で管理されています。
別表は、別表一と呼ばれる法人税額の申告書から始まり、別表十九までの項目に分けられています。
別表ごとに付表や各種明細書、届出書が指定されており、全てを合わせると書類の種類は100種類以上です。
主な別表には以下のような種類があり、このうち、別表一は確定申告書とも呼ばれます。
別表一以外の別表は確定申告書の明細書に位置づけられています。[注1]
提出する書類は各法人の決済内容によって異なり、明細書の全てを必ず提出しなければならないというわけではありません。
重要度の高いもののみを添えることになり、中には、多くの企業において提出の必要がない書類もあります。
[注1]国税庁|令和2年4月以降に提供した法人税等各種別表関係
3. 法人税申告書の作成方法
法人税申告書の作成は法人の決算の流れと並行しておこないます。
正しい法人税申告書を作成するためにも、決算を正確に終わらせることが大切です。
まずは法人の帳簿をもれなく正確に記帳し、内容が正しいかを残高試算表で確認しておきましょう。
勘定科目内訳明細書を正しく作成すれば、決算内容に間違いがないかをチェックできます。
法人税申告書を作成する際のポイントは、別表一から手を付けるのではなく先に別表六以降の表を作ることです。
別表六以降の表とは減価償却費や交際費、繰延資産といった個別の事項の関する計算書です。
これらを先に作成しておけば、損益などの情報を正確に把握できます。
続いて、これらの情報を別表四「所得の金額の計算に関する明細書」にまとめていきます。
その後、別表七「欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書」を作成し、損失の処理をおこないましょう。
さらに、別表五(1)「利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書」への記載もしておきます。
ここには、別表四の会計と税務の内容の違いを調整したもののうち、将来解消されるものについて記載します。
これらの書類を選考して作成しておけば、別表一をスムーズに作成できます。
法人税の金額を算出して確定し、法人住民税や法人事業税などについても計算して記載していきましょう。
法人税申告書を正確に作成するためには、決算書の内容を間違いなく転記することがなにより大切です。
しかし作成する書類が多いため、手作業で転記をおこなうとどうしてもミスが生じてしまいます。
法人税申告書を作成するために専用のシステムを導入する企業は少なくありません。
企業の会計システムと連携できるクラウドシステムを導入すれば、転記ミスや計算ミスを防ぐことが可能となります。
また、税理士など専門家のアドバイスを受けながら法人税申告書を作成するのもいい方法です。
関連記事:法人税申告書の書き方とは?作成に必要な書類や具体的な作成手順、ポイントを解説
4. 法人税申告書の提出方法、提出期限
法人税には税法に基づいた納付期限が定められているので、必ず期間内に提出するよう心がけたいものです。
基本的には、法人税の申告期限と納期限は事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内となっています。
例えば事業年度を3月いっぱいとする場合には、5月31日が法人税申告書の提出期限及び法人税の納付期限ということになります。
ただし、この期限が土日祝日に該当するときには、その翌日が期限です。
法人税の納付期限または法人税申告書の提出期限を過ぎてしまうと、延滞税や無申告加算税、重加算税が課せられる可能性があります。
さらに、滞納が長期間続いた場合には法人の財産を差し押さえるなどの処分を受けることもあるので気をつけたいものです。
何らかの事情で法人税の納付または法人税申告書の提出ができないときには早めに税務署に相談しましょう。
法令に定められた条件に該当していれば、猶予の期間を得られることがあります。
関連記事:法人税の申告期限はいつ?期限を過ぎてしまった場合のペナルティも確認
5. 法人税申告書の作成は時間に余裕を持ってすすめよう
法人税申告書の内容は非常に複雑で、作成には大きな手間がかかるでしょう。
また、法人の事業内容によって必要となる別表の種類も異なります。
別表は、付表や各種明細書、届出書などを含めると100種類以上と膨大な量に及ぶので、必要な書類を見極めた上で細心の注意を払って作成したいものです。
法人税申告書の提出が遅れるとペナルティを課される可能性もあるので気をつけましょう。
決算の内容に応じて書類を作成する十分な作業時間を確保することや、専用のシステムを上手に活用することが大切です。
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