請求書に源泉徴収額を記載する必要性や基本的な書き方・計算方法を解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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請求書に源泉徴収額を記載する必要性や基本的な書き方・計算方法を解説

計算

個人事業主の発行する請求書に源泉徴収額を記載する義務はありません。しかし、所得税の納税漏れを防ぎ、双方がスムーズに取引を行うためにも、源泉徴収税額は記載してもらいましょう。

この記事では、請求書に源泉徴収額を記載する必要性や基本的な記載項目と書き方、計算方法を解説します。

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1. 請求書に源泉徴収額を記載する必要性

請求書 ポイント

源泉徴収制度とは、会社が特定の業種の個人事業主やフリーランスに報酬を支払う際、所得税を差し引いて代わりに国に納付する仕組みです。
個人事業主に代わり所得税を納付する会社を源泉徴収義務者といいます。

源泉徴収義務者は、仮に請求書に源泉徴収税額の記載がなくても、計算したうえで、間違いなく所得税を納付しなければいけません。

1-1. 請求書の源泉徴収額は記載するのが通例

なお、法律上、請求書に源泉徴収額を記載する義務はなく、商習慣として明記しているのが現状です。
しかし、源泉徴収税額が明記されていないと、所得税の支払いを忘れ後日徴収する必要が出るなど、トラブルに発展する恐れもあります。

もし、源泉徴取額の記載されていない請求書が個人事業主から発行されているなら、双方の利便性のためにも記載してもらいましょう。

1-2. 源泉徴収が必要な報酬

なお、源泉徴収は全ての業種で必要なわけではなく、約8種の報酬に対して必要です。[注1]
ここでは、会社で処理することが多い報酬を紹介します。

・原稿料や講演料、デザイン料、作曲料など
・弁護士、公認会計士、司法書士など、特定の資格を持つ者への報酬
・プロスポーツ選手やモデル、外交員などに支払う報酬
・映画や演劇、その他芸能、テレビジョン放送などの出演報酬
・バー、キャバレーなどのホステス、コンパニオンに支払う報酬

なお、謝礼、研究費、取材費、車代などの名目で請求書が発行されていても、上記に該当する報酬なら、源泉徴収が必要です。

[注1]No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

1-3. 源泉徴収が不要な報酬

なお、源泉徴収は、あくまでも個人に対する報酬に発生するため、法人への報酬には発生しません。
特に、士業では、契約先が個人か法人かの違いに気を付けましょう。

また、プログラマーへの報酬の中でも、WEBサイトのデザインには源泉徴収が発生します。
しかし、コーディングやプログラミングのようなWEBサイトの作成は源泉徴取の必要がないため業務内容に注意しましょう。

2. 請求書の源泉徴収の基本的な記載事項と書き方

悩み

源泉徴収ありの請求書を依頼するときは、少なくとも下記の項目を記載してもらいましょう。

1. 請求書の発行者
2. 取引先事業者の名称
3. 取引年月日
4. 取引内容
5. 振込先口座
6. 小計
7. 消費税
8. 源泉徴収税
9. 合計
10. 請求額

特に、6~9は源泉徴収をおこなう際の基本事項となります。
それぞれの項目を詳しく解説します。

2-1. 請求書の発行者

請求書を発行する個人事業主の氏名・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。

2-2. 取引先事業者の名称

仕事を依頼した企業の会社名を略称なしのフルネームで記載します。

2-3. 請求書発行日

請求書の作成日ではなく、仕事を依頼した企業の締め日を記載します。

2-4. 取引内容

内容・数量・単位・単価・金額などを記載します。
取引内容が多岐に渡る場合は、「原稿料として」など、一括りにしても問題ありません。

2-5. 振込先口座

報酬の振込先口座を記載します。

2-6. 小計

取引内容で記載した金額の合計を記載します。
この段階では、消費税や所得税を含みません。

2-7. 消費税

小計に税率を掛けて、消費税額を記載します。
例えば、小計が100,000円なら、消費税額は10,000円です。

なお、分かりやすいように消費税率も記載します。

2-8. 源泉徴収税

小計に源泉徴収税率を掛けた金額をマイナス表記(-や△など)で記載します。
例えば、小計(税抜き)が100,000円なら源泉徴収税額は10,210円となります。

計算方法は後ほど解説します。

2-9. 合計

小計+消費税-源泉徴収税が合計金額です。
先ほどの例では、100,000円+10,000円-10,210円=99,790円が合計金額となります。

2-10. 請求額

請求額には、合計額と同じ金額を記載します。

3. 請求書の源泉徴収税額の計算方法

考える様子

源泉徴収税額は請求金額により税率が異なります。
なお、平成25年1月1日から令和19年12月31日までは、東日本大震災の復興財源確保を目的とした「復興特別所得税」を合わせて徴収します。

3-1. 支払金額が100万円以下の場合

支払金額が100万円以下の場合、所得税率は10%、復興特別所得税は0.21%です。
税額は下記の式により計算します。

支払金額×10.21%

例えば、35万円の場合、350,000×10.21%=35,735円が源泉徴収税額となります。

3-2. 支払金額が100万円を超える場合

支払金額が100万円を超える場合、所得税率は20%、復興特別所得税は0.42%です。
税額は下記の式により計算します。

(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円

例えば、200万円の場合、(2,000,000-1,000,000)×20.42%+102,100=306,300円が源泉徴収税額となります。

3-3. 端数の扱い

源泉徴収税額に1円未満の端数があれば、切り捨てて計算します。
例えば、1,000.99円なら1,000円として問題ありません。

3-4. 消費税の扱い

請求書に税込み合計金額しか書かれていないときや、税込みか税抜きか判断できないときは、原則、消費税込みの金額が源泉徴収の対象となります。

例えば、請求書に原稿料165,000円としか記載がない場合は、165,000円×10.21%=16,846円(端数切捨て)が源泉徴収税額です。

ただし、報酬や料金の額と、消費税の額を明確に分けて記載しているときは、消費税を含まない報酬や料金が源泉徴収の対象となるため注意しましょう。

例えば、原稿料150,000円、消費税(10%)15,000円と記載されているなら、150,000円×10.21%=15,315円が源泉徴収税額となります。

4. 支払調書の発行義務

提出する様子

支払い調書とは、企業が1年間(1~12月)の間に、個人事業主に対しいくら報酬を払い源泉徴取をしたか報告するための書類です。
源泉徴収義務者である企業は税務署に対し、支払調書の提出が義務付けられていますが、写しを個人事業主に交付する義務はありません。

交付を求める理由としては、確定申告の際に報酬を確認したり、請求額に誤りがないか確かめるためです。
義務ではないものの個人事業主の便宜を計り、慣例として交付するケースが多いでしょう。

ただし、支払調書の写しを交付する際は、本人宛てであったとしても、マイナンバーは記載してはいけないため注意が必要です。

5. 正しい事務処理のためにも請求書には源泉徴収税額を記載してもらおう

記入している様子

個人事業主の発行する請求書に源泉徴収税額を記載する義務はないものの、書かれていないことで、所得税の納税漏れなどにつながりかねません。また、記載がなくても、会社には源泉徴収分の所得税を正しく納税する義務が生じます。

双方が安心して取引を続けられるよう、請求書には源泉徴収税額を明記してもらいましょう。

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YOSHIDA

YOSHIDA

クラウドサービス比較のメディア運営を経て、jinjerBlog編集部に加入。バックオフィス向けサービス「ジンジャー」を導入いただいたお客様に事例取材をおこない、現場の課題をキャッチアップしながら、人事業務や契約業務に役立つ情報をお届けします。

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