会計不正が起こる理由は?会計不正の種類・事例や防止対策を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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会計不正が起こる理由は?会計不正の種類・事例や防止対策を解説

がっかり

会計不正とは、財務諸表を意図的に改ざんしたり、経営状態の適切な把握に必要な情報を隠蔽したりすることをいいます。こういった会計不正が発覚すれば、企業の信用やイメージに傷が付くことは避けられません。
企業価値・信頼性の失墜につながり、最悪の場合、企業存続が難しくなることさえあり得ます。企業の健全な経営体制を維持するためにも、徹底した会計不正の防止は必要です。
本記事では、会計不正が起こる理由や会計不正の種類・事例、会計不正防止対策を解説します。

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1. 会計不正が起こる3つの理由

怒り

企業の会計不正は珍しいことではなく、上場企業でも頻繁に不正が報告されています。
会計不正が次々と発生するのはなぜなのでしょうか。

ここでは、会計不正が起こる理由について紹介していきます。

1-1. 経営不振・プレッシャー

最も多い要因は、芳しくない経営状況を隠蔽しようとするためです。
企業は金融機関や株主に対し、経営状況を開示する義務があります。この時赤字決算だったり債務超過していたりすると、相手の心証はよくありません。そのため、「中期計画を達成したい」「赤字修正はしたくない」といった思惑が働いて、意図的な改ざんや不正をおこなってしまうのです。

特に中小企業の場合、経営状況の悪化は取引相手を失ったり、金融機関からの融資を打ち切られたりといった事態につながりかねません。また、建設業界に籍のある企業なら公共工事への入札を外される可能性もあるでしょう。
経営状況の悪化は、企業にとって死活問題に直結するケースもあるため大きな不安を抱えて、不正会計に手を染めてしまったという企業もあります。

1-2. 不正が発覚しにくい環境

監査機関が適切に機能していない場合、会計不正をおこなっても発覚しにくくなります。また企業によっては不正会計が当たり前となっていて、組織的に不正をおこなっているケースもあるでしょう。
「取締役会で追及される心配がない」「社員に反対する者がいない」というような状況なら、会計不正が外部に漏れる心配はないからです。

また、金融機関や株主によっては、「企業が正しい会計をおこなって倒産するよりも、不正会計で長らえてくれた方が利益を得られる」と不正会計を容認するケースもあります。
企業規模が大きいほど社会に与える損失・悪影響は大きいこともあり、不正に気付いても「見て見ぬ振りが賢明」と考える人も多いのです。
「どうせバレないだろう」という安心感があれば、会計不正はますますエスカレートします。

1-3. 会計不正を正当化する倫理観

会計不正について「どの会社でもやっていることだ」という認識が蔓延していれば、不正はいけないというストッパー機能が働きません。悪いことをしているという意識が欠如しているため、会計不正が当たり前のこととしておこなわれます。

また規模が大きな企業にありがちなのが、株価・業績・社外評価を過度に重視する傾向です。
企業文化としてこのような体質を持つ企業は、適切な企業会計よりも体裁を取り繕うことが最優先事項となります。
自社の会計指標が好ましくない状況であれば、「業績を落とすよりはまし」「株価に悪影響を与えてはいけない」と不正会計を容認してしまうでしょう。

2. 会計不正の種類と事例

不正

一口に会計不正といっても、手口は同じではありません。
会計不正の種類と事例を見ていきましょう。

2-1. 売上の水増し

会計不正のうち、とりわけ多く見られるのが売上の水増しです。
業績を下方修正したくない、成長性を止めたくないと考える企業が、架空売上を計上して業績の好調さをアピールします。
大規模な売上の水増しが発覚したメーカーが、上場審査時の売上高の9割以上を架空計上していたとして、上場半年で上場廃止が決定し、そのまま破産となった事例もあります。

2-2. 費用の先送り

費用として処理するべきものを計上せず、利益が上がっているように見せ掛けるパターンもあります。
経費の計上タイミングを遅らせれば、経費分を今期の利益としてすることが可能です。
子会社が複数年にわたり在庫を過剰計上しており、巨額の利益を架空計上していたことが発覚し、親会社の株価が一時大幅に下落したという事例もあります。

2-3. 循環取引

循環取引とは、複数の企業が見せ掛けの商品・サービスの取引をおこない、架空の利益を計上することです。
特に明確な定義は定められていませんが、最初の売主と最後の買い主が同じになる取引形態を指すことが多いでしょう。
循環取引がおこなわれやすいのは、規模が大きくグループ企業や子会社を多く持つ企業です。
子会社やグループ企業が多ければ、グループ内の循環取引で売上を架空計上できます。

架空取引を繰り返して総額数十億円以上を利益としてかさ増しして計上し、複数の証券取引所から「管理銘柄」に指定されることになった企業もあります。

3. 会計不正の防止対策

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会計不正が発生した場合、企業ブランドの失墜や株主からの訴訟・刑事告発といった事態につながる可能性があります。会計不正をなくし、適切な企業会計を維持するためには、どのような対策を取るべきなのでしょうか。

ここでは、会計不正を確実に防ぐための対策を紹介します。

3-1. 内部統制システムの整備

企業の多くは不正防止のための内部統制システムを構築しています。
しかし有効性が認められないケースも多く、内部統制が適切に機能しているとはいえません。

企業は今一度内部統制システムを見直し、不正が起こりにくい企業体質を作り上げる必要があります。

内部統制システム整備のポイントは、以下の2つです。

  • 内部通報制度の匿名性を維持
  • 調査実行部門の独立性・権限の付与

不正会計は内部告発によって発覚するケースが多々ありますが、告発者不利益を被るケースも少なくありません。通報者が不安なく告発に臨める環境作りが必要です。

何があっても、告発者が誰なのかを周囲に知られたり、それによって非難を受けたりするようなことがあってはいけません。

また、不正に対応する調査部門は、会社や役員から独立している必要があります。
会計不正が疑われる場合は、たとえ相手が役員でも、制限なく調査できる権限が必要です。

内部での調整が難しい場合は、外部から監査役を調達することも検討しましょう。

関連記事: 会計監査で行う具体的な内容は?事前に備えるものや受けるときの注意点

3-2. 社員へのコンプライアンス教育

「不正会計は許されない」という雰囲気が薄い企業ほど、簡単に売上や在庫の操作がおこなわれてしまいます。
社員へのコンプライアンス教育を徹底し、不正会計によって企業がどのようなダメージを受けるのか・どのようなペナルティがあるのかを理解してもらいましょう。
具体的なコンプライアンス研修をおこなって、不正に該当する事例、業務との適切な向き合い方を示すことは、社員が誤った方向に舵を取るのを防ぐ上で非常に有益です。
また、内部通報制度があっても、「どのように連絡すればよいか」「誰に話せばよいか」を従業員が把握していなければ適切な運用の効果が見られません。コンプライアンス研修をおこなう際は、もしもの時の相談窓口や告発先についても正しく情報を伝えましょう。
相談窓口や告発先を周知することは、社員の安心につながるのはもちろん、「不正会計をしたら告発される」という意識につながります。

3-3. 内部告発システムの整備

内部統制を整備しても、コンプライアンス教育を徹底しても、完全に不正を防止できるわけではありません。

本来であれば、すべての社員が不正に気がつけるシステムを構築することが理想ですが、やはり隠れておこなわれるものなので、見逃しやすいのが実情です。そこで頼りになるのが、内部に精通している社員の存在です。社員のなかには、顔が広くあらゆる情報が入りやすいという性質を持った人もいるので、内部告発システムをしっかり整備しておきましょう。

内部統制システムを整備することでも内部告発ができる環境はありますが、より情報提供をしやすいのは、通報窓口や内部通報制度など告発できるシステムを独立させることです。内部告発システムを設置しておけば、不正や違法行為などの通報を促す効果が期待できます。

また、内部告発システムを設置することは、不正の早期発見だけでなく抑止力にもなるので、通報者がためらいなく利用できる環境を整えておきましょう。

4. 会計不正の原因を知り適切な防止対策を

セキュリティ

会計不正が発生すれば、企業にとって大きなダメージとなることは間違いありません。無駄なダメージを避けるためにも、企業として長く安定的に経済活動を続けていくためにも、財務諸表の改ざんや売上の水増し・在庫操作等を許さない雰囲気を作りましょう。

会計不正の原因は、売上至上主義による社員への過度なプレッシャーや、不正が許される雰囲気・管理の甘い社内体制などにあります。まずは自社のシステム・社員意識をチェックすることから対策をおこないましょう。

不正会計がおこなわれやすいと判断された場合は、早急な改善が必要です。

関連記事:会計とは?業務の流れや経理・財務・簿記との違いを解説

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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