地代家賃とは?賃借料との違いや該当する経費、仕訳例も解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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地代家賃とは?賃借料との違いや該当する経費、仕訳例も解説

地代家賃の確認

事業を営む際は、事務所や社宅、店舗などの賃貸が必要になる場合もあります。そういった建物や土地にかかる費用を管理するための勘定科目が、地代家賃です。

この記事では、企業の経営に不可欠な地代家賃について詳しく説明します。地代家賃として計上できない要注意な費用もいくつか存在しているので、適切な会計処理のためにも正しい知識を身につけておきましょう。

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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

勘定科目と仕訳

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1. 地代家賃とは?

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まずは、地代家賃の定義や間違えやすい勘定科目との違いについて説明します。

1-1. 勘定科目「地代家賃」の定義

地代家賃とは、事業に必要な事務所や倉庫、店舗、駐車場などを借りるときの支出を管理する際の勘定科目です。
事務所の家賃や管理費、駐車場の賃料などが発生したときは、経費として計上できます。

なお、自宅と事務所を兼ねている場合は、事業で使っている部分のみ計上する「按分」をおこなうことが可能です。

事業に必要な建物や土地を借りている場合に使用する地代家賃ですが、実はほかの勘定科目に該当する代金もあるため注意が必要です。
何が地代家賃として取り扱えるのか、しっかりと知っておく必要があります。

1-2. 地代家賃と賃借料や家賃との違い

地代家賃と混同されがちな経費として、「賃借料」というものがあります。
賃借料とは、土地や建物、機械などを借りて、賃貸人に使用料を支払うときに使用する勘定科目です。

例えば、以下のような代金は賃借料に該当します。

・OA機器のレンタル代
・会議室の使用料
・家具のレンタル代
・レンタカーの代金
・機械のリース代
・工具のレンタル料 など

企業によっては、建物などの不動産にかかる賃貸料もすべて賃借料として処理してしまう場合もあります。
しかし、事務所や駐車場の費用と機械などのレンタル料を区別して処理することで、より細かく経費の内訳を把握できるというメリットがあります。

そのため、可能であれば賃借料は分けて計上しておくと経費を見直す場合にも便利です。
また、「家賃」の勘定科目を使用する場合は、駐車場などの土地に対する賃料である「地代」と部屋の賃料である家賃とを区別して仕訳する必要があるため注意しましょう。

2. 地代家賃の消費税区分

区分けされるコマ

地代家賃は、支出の内容によって消費税が課税される場合と課税されない場合があります。
消費税の課税事業者の場合、地代家賃にかかった消費税は控除できるため、課税対象となる代金を理解しておくのは大切なことです。

基本的に、建物に関する賃料の消費税区分は「課税」となっています。
事業で使用する建物には消費税がかかると覚えておきましょう。

一方で、土地の貸付に関しては消費税の課税対象にならないと定められてます。
ただし、「貸付期間が1か月以下の場合」や「駐車場として土地が利用される場合」は、課税対象となる点に気をつけましょう。[注1]

また、以下の場合は消費税が非課税となります。[注2]

1. 住居用の建物を借りている
2. 未整備の駐車場を使っている
3. 以下の条件を満たした駐車場を使っている
・1戸あたり1台以上の駐車スペースがある
・家賃と駐車場代金を区別していない

建物に関しては、社宅など住宅として使用することが前提で借りた場合、消費税は非課税となります。

駐車場に関しては、全く整備されていない、いわゆる「青空駐車場」は消費税が課税されません。
また、入居者1戸あたり1台以上の駐車場が確保されている物件、もしくは家賃と駐車場代を区別せずに賃料が設定されている物件の場合は、課税対象となりません。

少し判断が複雑になるため、注意しましょう。

関連記事:地代家賃の消費税区分についてわかりやすく解説

[注1]No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など|国税庁
[注2]No.6226 住宅の貸付け|国税庁

3. 地代家賃に計上できるもの

ビックリマーク

建物や土地に関する代金すべてが地代家賃として計上できるわけではありません。
ここでは、地代家賃として計上できるものとできないものについて説明します。

3-1. 事務所や店舗の家賃

事業場として使用しているオフィスや事務所、店舗の家賃がこれに該当します。レンタルオフィスを利用している場合の利用料や、貸倉庫やトランクルームの利用料も事業で利用しているスペースであるため家賃と同様に地代家賃として計上します。

社宅の賃料や、ウィークリーマンションの料金も地代家賃に計上して問題がありません。

3-2. 駐車場や土地の賃料

事業で利用している自動車やトラックの駐車場の利用料金、自転車の駐輪場料金も地代家賃に含まれる費用です。来客用の駐車場を借りている場合の駐車料金も計上できます。

また、土地を借用してその上に建物を立てて事業をした場合にも土地の賃料は地代家賃に含まれます。

これらは「地代」として家賃と分けて仕訳をおこなう場合もあります。地代だけで仕訳をおこなう場合には、部屋の賃料等は「家賃」のみの勘定科目で仕訳る必要がありますので注意しましょう。

3-3. 管理費や共益費

企業によって使用する勘定科目が異なりますが、借りている事業場や駐車場の管理費や、協同で利用する設備や施設の修繕などのための共益費なども、地代家賃として計上しても問題ありません。
ただしそれらを地代家賃とは別でそれぞれの勘定科目として仕訳することも可能です。

3-4. 20万円以下の礼金や更新料

入居時に支払う礼金や契約更新の際の更新料も20万円以下の少額の場合に限って地代家賃として計上することができます。また、返還されない敷金についても礼金と同じく地代家賃に含めることが認められています。

4. 地代家賃に計上できないもの

賃貸住宅の鍵

地代家賃として計上できそうに思えても、実はほかの勘定科目を用いなければいけない代金も数多く存在しています。下記の代金は地代家賃には該当しないため注意が必要です。

4-1. 仲介手数料

事業に用いる不動産を賃借した場合に仲介業者に支払う仲介手数料は地代家賃ではなく「支払手数料」として計上しましょう。

4-2. 20万円以場の敷金・礼金、更新手数料

20万円以上の敷金・礼金・更新手数料は長期的に事業に影響を与えるものであると判断されるため、繰延資産として「長期前払費用」等の勘定科目で計上しましょう。

4-3. 持ち家の建物の減価償却費

持ち家を事業場として賃借している場合であっても、建物の減価償却費を地代家賃として計上することはできません。また、事業用建物として減価償却費とできる割合も決まっているため注意しましょう。

4-4. 住宅ローンの利息

持ち家を事業場として賃借している場合の住宅ローンにも地代家賃には含めません。事業部分の住宅ローンについては費用の勘定科目である「利子割引料」として計上します。

5. 地代家賃の仕訳例

ヒントを出す男性

ここでは、地代家賃の仕訳例について紹介します。
とくに、家賃を按分するときや家賃を前払いしたときなどは仕訳方法に注意が必要です。

5-1. 基本的な仕訳例

例)事務所の家賃12万円と管理費2万円を支払った

(借方) 地代家賃 140,000 / (貸方) 普通預金 140,000

単に当月分の家賃を支払うときは、このようにシンプルな処理だけで問題ありません。
なお、管理費や共益費などは家賃と合算します。

5-2. 家事按分するときの仕訳例

例)家賃12万円のマンションに住んでいる
  居住スペースのうち、30%の部分を事務所として使っている

(借方) 地代家賃 40,000 / (貸方) 普通預金 120,000
(借方) 事業主貸 80,000

事業主貸は、「事業のお金を事業主に貸し出す」という意味を持つ勘定科目です。
「貸し出す」と言ってはいますが、金銭のやり取りをおこなうはありません。プライベートで借りている物件を事務所としても使用するときは、事業で使っている部分を「按分」して計上することができます。

ただし、経費計上するときは、支払金額の全額を100%として事業で使用する面積や1日に何時間事業で利用しているのかといった時間などの合理的な基準で、事業用とプライベート用の費用を分けて経費精算をする必要があります。

5-3. 家賃を前払いしたときの仕訳例

例)翌月分の家賃12万円を当月振り込んだ

当月の処理
(借方) 前払費用 120,000 / (貸方) 普通預 120,000

翌月の処理
(借方) 地代家賃 120,000 / (貸方) 前払費用 120,000

家賃を前払いするときは、一旦「前払費用」として計上し、翌月に振り替え処理をおこないます。
ただし、継続的に同じ処理を行うことを前提として、支払った月に地代家賃として計上することも可能です。

どちらの方法を採用しても問題ありませんが、一般的には簡単に処理できる後者を採用するケースが多い傾向にあります。

関連記事:勘定科目「地代家賃」に仕訳するときのポイントや注意点を解説 

6. 地代家賃の注意点

注意マーク

親や親族から事業用の建物や駐車場を借りるときは、経費にできるかどうかの判断に注意が必要です。

所得税法 第56条には、以下のような記載があります。

第56条 (事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例の一部を抜粋)
居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、…
引用:所得税法|e-Gov法令検索

この内容を簡単にまとめると、「事業を営んでいて生計を一にしている親や親族がいる場合、その人に対して毎月家賃などを支払っても、その代金は経費にできない」ということです。
反対に、賃料を受け取ったときも収入金額にはなりません。

ただし、借りている建物や駐車場の固定資産税、修繕費、減価償却費などに関しては、事業主が支払っている部分は経費にできます。
また、たとえ親や親族であっても生計を一にしていない場合は、家賃などを経費にすることが可能です。

7. 地代家賃の仕訳方法を理解して適切な会計処理を

会計作業をする人

地代家賃は、事業に必要な建物や土地を賃借するときに用いられる勘定科目です。
建物や土地に関する費用であれば何でも計上できるわけではなく、ほかの勘定科目を使わなければいけないケースも存在しているため、処理をおこなうときは注意する必要があります。

地代家賃を計上するときは、按分が必要な場合や前払いをする場合など、特別な処理をしなければいけないケースに注意が必要です。
正しい仕訳の方法を理解して、適切な支出管理をおこないましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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