雑収入とは?雑所得との違いや仕訳のポイントを詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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雑収入とは?雑所得との違いや仕訳のポイントを詳しく解説

計算する様子

雑収入は、本業以外から得た収入を仕訳するための勘定科目です。

本業以外の収入というのは、保険金や損害賠償金の受け取りや、廃材やスクラップの売却、新型コロナの持続化給付金などが挙げられますが、これらが雑収入として計上されます。同じような勘定科目には「雑所得」というものがあります。

雑収入も雑所得も本業以外の収入があった場合に使用しますが、どちらに分類されるかは条件によって変わるので注意が必要です。

この記事では、雑収入の意味や「雑所得」との違い、雑収入の仕訳方法を具体例を挙げながら解説します。

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1. 雑収入とは?

コインから芽がでている会計帳簿をつけるときに、「雑収入」という勘定科目を使うことがあります。基本的に、本業以外の収入がない場合には使わないため、担当者によってはどのような内容の科目がわからないかもしれません。

しかし、会計帳簿をつける上で、雑収入を使う時もあるかもしれないので基本的な知識は知っておく必要があります。

ここでは、雑収入とはどのような勘定科目を指すのか、意味や具体例を紹介します。

1-1. 雑収入は本業以外の収入(営業外収益)を仕訳するときの勘定科目

雑収入は、本業以外の収入(営業外収益)を仕訳する際の勘定科目です。

営業外収益のなかでも「その他の収入」に該当し、会計上の重要度が低いものや、金額が大きくないものを雑収入として計上します。そのため、似たような営業外収益でも、企業によって雑収入として処理するかどうかの判断が分かれる場合があります。

国税庁のホームページでは、雑収入を以下のとおり定義しています。

空箱・作業くずなどの売却代金、仕入割引、リベート、取引先や使用人に対して事業上貸し付けた貸付金の利子、使用人の寄宿舎の使用料、買掛金の免除益など事業に伴って生ずる収入をいいます。
引用:雑収入とは|国税庁

本業以外の収入ではありますが、雑収入は事業所得の一種になるため、雑収入が発生したら、必ず仕訳をおこなう必要があります。
ただし、勘定科目に「雑収入」と記載するだけでは取引の詳細がわかりません。また、雑収入の勘定科目を多用すると会計処理が不透明になり、税務調査の際の心象を悪化させるリスクもあります。
そのため、雑収入を計上する場合は、摘要に取引に関するメモを記載したり、任意の補助科目を記載したりする必要があります。

1-2. 雑収入の具体例

雑収入の具体例は以下のとおりです。

  • 保険金の受け取り
  • 損害賠償金の受け取り
  • 代理店手数料の受け取り
  • 助成金や補助金の受け取り
  • 新型コロナの持続化給付金の受け取り
  • 還付金や還付加算金の受け取り
  • 取引先からの祝儀や祝い金
  • 自動販売機の設置による収入
  • 本業以外の家賃収入
  • 作業くずやスクラップなどの不用品の売却益
  • 現金過不足の超過分

これらの雑収入には、原則として消費税が課税されます。例えば、作業くずやスクラップなどの不用品の売却益や、自動販売機の設置手数料は課税取引に当たるため、消費税が課税されます。
一方、損害賠償金や持続化給付金、還付金、祝儀の受け取りなど、非課税取引となる雑収入も存在するため、個別に確認することが大切です。

1-3. 雑収入は営業外収益の10%までが目安

雑収入に当てはまるのは、営業外収益のなかでも金額が小さいものに限られます。

雑収入の金額の目安は、営業外収益の合計金額の10%までとされています。
例えば、営業外収益の合計金額が300万円の場合、300万円×10%=30万円までの収入を雑収入として計上できます。また、作業くずやスクラップなどの不用品の売却益のように、発生頻度が低い収入や、帳簿上重要ではないと考えられる収入も雑収入に該当します。

2. 雑収入と雑所得の違い

二つのはてな

雑収入と混同されやすいのが「雑所得」です。雑収入はあくまでも事業所得の一つですが、雑所得は個人の所得のうち、給与所得や事業所得などに該当しない所得区分を指します。

ここでは、雑所得の定義や雑収入との違いを簡単に解説します。

2-1. 雑所得は給与所得や事業所得などに該当しない所得

雑所得は個人の所得区分のうち、給与所得や事業所得などの9つの区分に該当しない所得を指す言葉です。

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。
引用:No.1500 雑所得|国税庁

雑収入との違いは2点あります。

  • 事業所得の一つである雑収入に対し、雑所得は個人の所得の一つ
  • 勘定科目の一つである雑収入に対し、雑所得は課税所得の区分の一つ

このように、雑収入と雑所得はまったく違う言葉です。なお、個人事業主の場合、雑収入に相当する勘定科目として「事業主借」を使用します。仕訳をする際には、雑収入と雑所得や事業主借の違いを知り、言葉を正しく使い分けましょう。

3. 雑収入と雑所得を仕分けるときの注意点

つみき

雑収入と雑所得は、どちらも本業以外の収入を仕分けるときの勘定科目なので、間違えても問題ないと思うかもしれません。

しかし、雑所得は他の所得に該当しない収入のみが該当するため、公的年金や税金の還付加算金などが雑所得に分類されます。一方、雑収入は本業に付随する収入を処理するための科目です。

つまり、厳密にはまったく異なる科目なので、ここでは仕分けるときの注意点を解説します。

3-1. 雑所得は青色申告できない

雑所得は、青色申告対象外なので、特典をうけることはできません。

雑収入であれば青色申告できるので、特別控除を受けられます。しかし、雑所得で計上したものは対象外となるため、最大65万円の特別控除を受けることができないので注意しましょう。

仕訳の間違いにはなかなか気が付きづらいですが、青色申告特別控除を受けられなかった場合は、雑所得が原因の可能性があるので再度内訳をチェックしてみましょう。

3-2. 雑収入と雑所得を間違えると所得税が上がる可能性がある

雑収入を雑所得で処理してしまうと青色申告特別控除を受けられないので、所得税が上がる可能性があります。

なぜ上がるのか、文章だけではわかりづらいので、本業の収入を40万円、本業以外の収入20万円、青色申告特別控除65万円という条件の具体的な計算式を見てみましょう。

【雑収入で処理した場合】

本業の収入40万円+雑収入20万円-青色申告特別控除65万円=0円

合計所得金額 0円

【雑所得で処理した場合】

本業の収入40万円-青色申告特別控除65万円=0円

雑所得=20万円

合計所得金額 20万円

計算式で見るとわかるように、雑収入で処理をすれば所得は0円なので税金はかかりませんが、雑所得で処理をすると所得が20万円となり所得税がかかってしまうので、仕訳をするときには注意が必要です。

4. 雑収入の仕訳方法

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雑収入は事業所得の一つです。そのため、雑収入が発生したら会計帳簿に記入し、仕訳をおこなう必要があります。

雑収入の仕訳パターンは、主に下記の4つが挙げられます。

  • 作業くずやスクラップなどを売却したケース
  • 保険金や損害賠償金が振り込まれたケース
  • 還付金が戻ってきたケース
  • 現金過不足が発生したケース

ここでは、これらのパターンの仕訳方法を解説します。

4-1. 作業くずやスクラップなどを売却したケース

作業くずやスクラップなどの不用品を売却した場合、雑収入として仕分けします。

例えば、スクラップを現金で売却し、20万円の収入を得た場合、以下のとおりに帳簿をつけます。

借方 金額 貸方 金額
現金 200,000円 雑収入 200,000円
借方 金額 貸方 金額
現金 200,000円 雑収入 200,000円

4-2. 保険金や損害賠償金が振り込まれたケース

保険金や損害賠償金を受け取った場合、雑収入として仕分けします。積立保険を解約したときの解約返戻金の仕訳も同様です。

例えば、重いケガにより傷害保険料10万円が振り込まれた場合、以下のとおりに仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 100,000円 雑収入 100,000円
借方 金額 貸方 金額
普通預金 100,000円 雑収入 100,000円

4-3. 還付金が戻ってきたケース

法人税や消費税などの還付金が戻ってきた場合も、雑収入の勘定科目を使うことが一般的です。

例えば、法人税の還付金30,000円が普通預金に振り込まれた場合、以下のとおりに仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 30,000円 雑収入 30,000円
借方 金額 貸方 金額
普通預金 30,000円 雑収入 30,000円

なお、消費税の還付金が戻ってきた場合は、借方の勘定科目を「未収消費税等」とします。

借方 金額 貸方 金額
未収消費税等 30,000円 雑収入 30,000円
借方 金額 貸方 金額
未収消費税等 30,000円 雑収入 30,000円

4-4. 現金過不足が発生したケース

実際の現金残高と帳簿上の現金残高が合わず、現金過不足が発生した場合、過剰分を雑収入として仕訳することができます。ただし、後で現金過不足の原因がわかった場合は、勘定科目の振り替えをおこないます。

例えば、5,000円の現金過不足が発生したとき、まずは以下のとおり仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
現金 5,000円 現金過不足 5,000円
借方 金額 貸方 金額
現金 5,000円 現金過不足 5,000円

現金過不足の原因が不明な場合は、一時的に雑収入として仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
現金過不足 5,000円 雑収入 5,000円
借方 金額 貸方 金額
現金過不足 5,000円 雑収入 5,000円

その後、現金過不足の原因が消耗品費だとわかった場合、以下のとおり振り替えをおこないます。

借方 金額 貸方 金額
現金過不足 5,000円 消耗品費 5,000円
借方 金額 貸方 金額
現金過不足 5,000円 消耗品費 5,000円

. 雑収入の意味や雑所得との違いを知り正しく仕訳しよう

笑顔で仕事をする女性

雑収入は事業所得の区分の一つで、本業とは直接関係のないその他の収入を指す勘定科目です。

雑収入の勘定科目で処理する例としては、各種保険金や損害賠償金、助成金や補助金の受け取り、現金過不足が発生したときの一時的な会計処理などが挙げられます。

似た意味の勘定科目に「雑所得」というものがありますが、これは公的年金や税金の還付金などの個人所得を仕分ける項目なので間違えないようにしましょう。仕訳を間違えると税額などが変わってくるので、雑収入の意味や雑所得との違いを知り、正しく仕訳をおこなうようにしてください。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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jinjer Blog 編集部

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