領収書に印鑑がない。経理上、税法上で問題はある?正しい領収書のつくり方 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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領収書に印鑑がない。経理上、税法上で問題はある?正しい領収書のつくり方

領収書には、それを作成した会社名や店舗名などの角印や、担当者の印鑑が押されているものというイメージがあります。しかし、押印のないレシートなどが領収書として有効となるケースもあります。

結論からいえば、領収書には必ずしも印鑑が必要というわけではありません。

領収書における印鑑の重要性や、領収書に必要な記載事項、領収書に電子印鑑が使えるのかどうかなどをお伝えします。

関連記事:領収書とは?役割や書き方、代わりになる書類を解説 

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1. 領収書に印鑑がない場合の経理上、税法上の考え方

レシートではなく、わざわざ領収書をもらう理由のひとつに、レシートには発行者の押印がないことが挙げられます。

領収書における印鑑の必要性は、どの程度のものなのでしょうか。

1-1. 経理上、領収書に印鑑は必要ない

2020年6月に政府が「見積書、請求書、領収書等については、押印不要とする」という見解を出したように、領収書には必ずしも印鑑が必要なわけではありません。

そもそも領収書は、帳簿の記載が正しいかどうかを裏付けたり、その支出が経費として認められるものかどうかを確認したりするために使われます。

つまり、領収書の意義は、金銭のやり取りが、いつ、誰から誰へおこなわれたのか、金銭の使途は何か、金額はいくらかといったことを明確にすることです。それらが明確になっていれば、押印されていてもいなくても問題ありません。

ただし、社内規程として押印を必須としているケースもあるため、領収書を受け取る際にはきちんと確認しておきましょう。

1-2. 税法上、領収書に印鑑は必要ない

経理上の扱い同様、領収書に印鑑が押されているのか、押されていないのかは、特段正式な書類としてみなすための要素にはなりません。

税法上重要なことは「経費として認められるための情報」や「仕入税額控除が認められるための情報」になります。

税法上、適切な領収書を作成するためには以下の情報が必要になりますので、領収書を受け取る際はこれらの記載がされているのか確認しましょう。

1-3. 領収書に必要な記載事項

では、税務上もしくは経理上、有効な領収書として認められるためには、どのような事柄が揃っていればよいのでしょうか。

領収書の意義を鑑みれば、以下の項目が記載されていることが必要です。

  • 領収書の宛名(領収書の交付を受ける事業者の氏名・名称)
  • 領収書の作成者(領収書を作成・発行した事業者の氏名・名称・住所)
  • 日付
  • 金額
  • 領収書の但し書き(課税資産の譲渡等に係る資産や役務の内容=使途)

2. 領収書に印鑑があった方がいい理由

書類に印鑑を押す

経理上さらに税法上、領収書への押印は求められません。しかし、一般的に領収書には印鑑が押されています。このように領収書に印鑑が押されるのは次のような理由からです。

  • 偽造防止になるため
  • 取引先に失礼な印象を与えないため

2-1. 偽造防止になるため

領収書に印鑑を押す目的は偽造防止のためです。領収書に印鑑がないと次のような偽造によるトラブルに発展しかねません。

  • 経費の水増しによる脱税する
  • 従業員が架空の経費精算をする

印鑑が押されていない領収書が不正に利用されてしまった場合、発行者側の信用問題にもつながる恐れがあります。このような偽造のリスクを減らすために、領収書に印鑑を押すのが一般的になっています。

なお、企業によっては印鑑が押された領収書のみを経費として認める規程を設けているケースがあります。このような企業の場合、印鑑が押されていない領収書は経費として認められません。領収書を受け取る側であれば、自社の規程をしっかりと確認しておきましょう。また、領収書を発行する側であれば領収書に印鑑を押すことが大切です。

2-2. 取引先に失礼な印象を与えないため

領収書に印鑑を押す理由は偽造防止のためだけではありません。領収書に印鑑を押すのは、領収書を受領する取引先に失礼な印象を与えないためでもあります。

先述のように、領収書に印鑑は不要とはいえ、多くの企業や店舗では押印をしたうえで領収書を発行しています。そのため、印鑑が押されていない領収書を渡してしまった場合、取引先によっては発行元の企業に対して不信感を抱いてしまうかもしれません。取引先に不信感を抱かれてしまうと、その後の取引にも影響が及んでしまいます。このように取引先との信頼関係を構築するためにも領収書に印鑑が押されます。

相手に不信感を抱かれないためにも領収書には印鑑を押すようにしましょう。

3. 領収書の印鑑以外でよくある悩み

経費精算をおこなう中で、「これは経理上認めていいのか、わからない」と疑問に感じるケースに直面することもあるでしょう。

ここでは、よくある疑問と見解を解説します。

3-1. レシートは領収書の代わりにしていいの?

税法上において、特定の事業者が発行したレシートは領収書の代わりとして認めることができます。税務上は改ざんが難しいレシートは証明力が強いので、証憑書類としてしっかりと保管しておきましょう。

しかし、押さえておくべき点として、領収書との唯一の違いは「宛名がない」ことです。

申請の際は使用用途を正確に、細かく記載することで信頼性を保ちましょう。また、高額な費用の際はレシートではなく領収書を発行してもらうようにしましょう。

関連記事:レシートって領収書の代わりにできる?違いや証明力を解説 

3-2. 電子印鑑は使える?

社内規程で領収書に印鑑を必須としている事業者も存在します。事業者によっては、電子印鑑を認めない規定がある可能性もあるでしょう。

電子印鑑導入後も、従来のように「紙の領収書に印鑑を押す」ことができるようにしておいたほうが安心です。

3-3. 宛名が空欄の場合は?

経理上、税法上有効な領収書は下記の情報が必要です。

  • 領収書の宛名(領収書の交付を受ける事業者の氏名・名称)
  • 領収書の作成者(領収書を作成・発行した事業者の氏名・名称・住所)
  • 日付
  • 金額
  • 領収書の但し書き(課税資産の譲渡等に係る資産や役務の内容=使途)

この情報のどれか1つでも記載漏れがあると、正式な書類として認めることができない可能性が高くなりますので、注意が必要です。

3-4. 収入印紙の割印は必要?

紙の領収書を発行する場合、取引金額が5万円以上であれば課税文書に該当します。そのため、金額に応じた収入印紙を購入して領収書に貼り付けなければなりません。この際は割印が必要です。割印がないと納税したと認められず、過怠税として本来納めるべきだった収入印紙の額の3倍もの税金が課せられます。割印を押す位置は収入印紙と領収書にまたがっている必要があります。収入印紙と領収書にまたがって押印されていれば、押す場所は上下左右どこでも問題ありません。

4. 領収書の印鑑の押し方

押印する様子

領収書に印鑑は不要ですが、偽造防止や取引先との信頼構築という点から、押印するのが一般的です。では領収書のどこに押せばいいのでしょうか。

ここでは次の2つについて紹介します。

  • 角印を使用する
  • 領収書の押す場所に注意する

4-1. 角印を使用する

領収書の押印に使用する印鑑は角印です。企業は印影が四角になる角印以外にも、印影が丸くなる丸印も所有しています。両者の違いは次のとおりです。

  • 角印:契約書や請求書、領収書などの認印として使用
  • 丸印:重要な契約や法的手続きなどに実印として使用

上記以外にも、印影、法務局への届出に違いがあります。角印の印影は企業名だけなのに対して、丸印は企業名と役職名もしくは代表者名が記されています。また、領収書に使用する角印は法務局への届出は不要ですが、丸印は法務局への届出は必要です。

角印、丸印の違いを把握したうえで、領収書に押印する際は角印を使用しましょう。

4-2. 領収書の押す場所に注意する

領収書に角印を押す場合、押す場所に決まりはありません。そのため、押す場所に迷ったら、発行事業者名や住所などが記載されている箇所の近くに押印するのが無難でしょう。一般的に発行事業者名などが記載されている欄の右横にある空白部分に押印します。

空白部分以外での押印でも問題はありません。しかし、領収書の文字と印鑑の内容が被ってしまわないように注意しましょう。

5. 領収書を受け取る側に合わせた形で発行できればベスト

領収書には押印されていなければならないという固定観念は、日本に根強く残る押印文化からもたらされているのかもしれません。

しかし、経理上は印鑑のない領収書でも、不備がなければ有効とみなされます。

もちろん、電子印鑑が使われている場合でも問題ありません。

とはいえ、社内規定によっては、押印のない領収書や電子印鑑が使われている領収書は認められないケースも。

領収書は、受け取る側のルールに合わせた形で発行できるようにしておくのがベストといえるでしょう。

関連記事:領収書発行の必要性や書き方など押さえておくべき基礎知識 

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jinjer Blog 編集部

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