耐用年数とは?建物や車両の法定耐用年数を詳しく解説
更新日: 2024.1.16
公開日: 2023.1.26
jinjer Blog 編集部
固定資産を減価償却する際は、法定耐用年数が必要になります。この法定耐用年数はどのような資産なのかによって変わってくるため、正しい耐用年数を知っておかなければなりません。
そこで今回は建物・車両・器具の法定耐用年数をそれぞれ紹介します。すべての法定耐用年数を記憶するのは難しいですから、減価償却する際はこの記事をお役立てください。
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1. 耐用年数とは?
耐用年数とは国が定めた特定の固定資産を使用できる期間のことです。土地などの資産は年数が経っても資産価値が変わりませんが、建物や車、電子機器や設備、ソフトウェアなどの資産は使えば使うほど資産価値が下がり、最終的には価値を失ってしまいます。
そのため、減価償却資産の場合、法定耐用年数に従って毎年減価償却費を計上しなければなりません。耐用年数は資産ごとに定められていますが、同じ資産でも用途によって耐用年数が異なるため注意が必要です。国税庁が「主な減価償却資産の耐用年数表」を公開しています。
1-1. 耐久年数との違い
耐久年数はメーカーなどの判断によって定められた「問題なく製品が使用できる期間」のことです。耐久テストなどを行って決められますが、耐久年数を決定するうえでの根拠に一律の決まりはありません。そのため、あくまでおおよそ使用できる期間と考えられます。
2. 建物の法定耐用年数
まずは、建物の法定耐用年数から見ていきましょう。建物の構造は大きく分けて「木造・合成樹脂造のもの」「木骨モルタル造のもの」「れんが造・石造・ブロック造のもの」「金属造のもの」の4種類に分けられ、どのような用途で用いるかによって細目が区分されています。
建物の構造 | 細目 | 法定耐用年数 |
木造・合成樹脂造のもの | 事務所用 | 24 |
店舗・住宅用 | 22 | |
飲食店用 | 20 | |
旅館・ホテル・病院・車庫用 | 17 | |
公衆浴場用 | 12 | |
工場・倉庫用(一般用) | 15 | |
木骨モルタル造のもの | 事務所用 | 22 |
店舗・住宅用 | 20 | |
飲食店用 | 19 | |
旅館・ホテル・病院・車庫用 | 15 | |
公衆浴場用 | 11 | |
工場・倉庫用(一般用) | 14 | |
鉄骨鉄筋造コンクリート・鉄筋コンクリート造のもの | 事務所用 | 50 |
住宅用 | 47 | |
飲食店用(延べ床面積のうち木造内装部分の面積が30%を超えるもの) | 34 | |
飲食店用(その他) | 41 | |
旅館・ホテル用(延べ床面積のうち木造内装部分の面積が30%を超えるもの) | 31 | |
旅館・ホテル用(その他) | 39 | |
店舗・病院用 | 39 | |
車庫用 | 38 | |
公衆浴場用 | 31 | |
工場・倉庫用(一般用) | 38 | |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 事務所用 | 41 |
店舗用・住宅用・飲食店用 | 38 | |
旅館用・ホテル用・病院用 | 36 | |
車庫用 | 34 | |
公衆浴場用 | 30 | |
工場・倉庫用(一般用) | 34 | |
金属造のもの | 事務所用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 38 |
事務所用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 30 | |
事務所用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 22 | |
店舗・住宅用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 34 | |
店舗・住宅用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 27 | |
店舗・住宅用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 19 | |
飲食店・車庫用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 31 | |
飲食店・車庫用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 25 | |
飲食店・車庫用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 19 | |
旅館・ホテル・病院用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 29 | |
旅館・ホテル・病院用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 24 | |
旅館・ホテル・病院用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 17 | |
公衆浴場用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 27 | |
公衆浴場用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 19 | |
公衆浴場用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 15 | |
工場・倉庫用(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 31 | |
工場・倉庫用(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 24 | |
工場・倉庫用(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 17 |
このように細かく定められていますが、たとえば2階建ての一軒家において、一階部分を飲食店・2階部分を事務所として使用する場合、区分ごとの用途で耐用年数を適用させなければならないので注意してください。
3. 車両の法定耐用年数
車両の法定耐用年数は大きく分けて「一般用のもの」「運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用のもの」の二つに分類されており、それぞれ細目ごとに耐用年数が決まっています。
車両の構造・用途 | 細目 | 法定耐用年数 |
一般用のもの(特殊自動車・次の運送事業用等以外のもの) | 自動車(2輪・3輪自動車を除く) 小型車(総排気量が0.66リットル以下のもの) |
4 |
自動車(2・3輪自動車を除く)貨物自動車(ダンプ式のもの) | 4 | |
自動車(2・3輪自動車を除く)貨物自動車(その他のもの) | 5 | |
自動車(2・3輪自動車を除く)報道通信用のもの | 5 | |
自動車(2・3輪自動車を除く)その他のもの | 6 | |
2輪・3輪自動車 | 3 | |
自動車 | 2 | |
リヤカー | 4 | |
運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用のもの | 自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く) 小型車(貨物自動車にあたっては積載量が2トン以下、その他のものにあたっては総排気量が2リットル以下のもの) |
3 |
自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く) 大型車(総排気量が3リットル以上のもの) |
5 | |
自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く)その他のもの | 4 | |
乗合自動車 | 5 | |
自転車、リヤカー | 2 | |
被けん引車その他のもの | 4 |
4. 器具の法定耐用年数
器具の法定耐用年数は、器具の種類によって細かく決めら]れています。
製品の種類・用途 | 細目 | 法定耐用年数 |
家具・電気機器・ガス機器・家庭用品(ほかにあげてあるものを除く) | 事務机・事務いす・キャビネット 主として金属製のもの |
15 |
事務机・事務いす・キャビネット その他のもの |
8 | |
応接セット 接客業用のもの |
5 | |
応接セット その他のもの |
8 | |
ベッド | 8 | |
児童用机・いす | 5 | |
陳列だな・陳列ケース 冷凍機・冷蔵機付のもの |
6 | |
陳列だな・陳列ケース その他のもの |
8 | |
その他の家具 | – | |
接客業用のもの | 5 | |
その他のもの | – | |
主として金属製のもの | 15 | |
その他のもの | 8 | |
ラジオ・テレビジョン・テープレコーダー・その他の音響機械 | 5 | |
冷房用・暖房用機器 | 6 | |
電気冷蔵庫・電気洗濯機・その他これらに類する電気・ガス機器 | 6 | |
氷冷蔵庫・冷蔵ストッカー(電気式のものを除く) | 4 | |
カーテン・座ぶとん・寝具・丹前・その他これらに類する繊維製品 | 3 | |
じゅうたん・その他の床用敷物 | – | |
小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込用・劇場用のもの | 3 | |
その他のもの | 6 | |
室内宝飾品 | – | |
主として金属のもの | 15 | |
その他のもの | 8 | |
食事・厨房用品 | – | |
陶磁器製・ガラス製のもの | 2 | |
その他のもの | 5 | |
その他のもの | – | |
主として金属のもの | 15 | |
その他のもの | 8 | |
事務機器・通信機器 | 謄写機器・タイプライター 孔版印刷・印書業用のもの |
3 |
謄写機器・タイプライター その他のもの |
5 | |
電子計算機 パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く) |
4 | |
電子計算機 その他のもの |
5 | |
複写機・計算機(電子計算機を除く)・金銭登録機・タイムレコーダー・その他これらに類するもの | 5 | |
その他の事務機器 | 5 | |
テレタイプライター・ファクシミリ | 5 | |
インターホーン・放送用設備 | 6 | |
電話設備・その他の通信機器 デジタル構内交換設備・デジタルボタン電話設備 |
6 | |
電話設備・その他の通信機器 その他のもの |
10 | |
時計・試験機器・測定機器 | 時計 | 10 |
度量衡器 | 5 | |
試験・測定機器 | 5 | |
光学機器・写真製作機器 | カメラ・映画撮影機・映写機・望遠鏡 | 5 |
引伸機・焼付機・乾燥機・顕微鏡 | 8 | |
看板・広告器具 | 看板・ネオンサイン・気球 | 3 |
マネキン人形・模型 | 2 | |
その他のもの | – | |
主として金属製のもの | 10 | |
その他のもの | 5 | |
容器・金庫 | ボンベ(溶接製のもの) | 6 |
ボンベ(鋳造製のもの) | – | |
塩素製のもの | 8 | |
その他のもの | 10 | |
ドラム缶・コンテナー・その他の容器 | – | |
大型コンテナー | 7 | |
その他のもの | – | |
金属製のもの | 3 | |
その他のもの | 2 | |
金庫 | – | |
手提げ金庫 | 5 | |
その他のもの | 20 | |
理容・美容機器 | 5 |
5. 減価償却する際は法定耐用年数を確認しよう
今回紹介したとおり、法定耐用年数は細かく決められています。建物や車両の場合は、同じ資産でも用途によって耐用年数が変わるため注意が必要です。減価償却をする際は、その資産の法定耐用年数を必ず確認し、正しく処理してください。
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