賞与明細とは?給与明細との違いや作成方法を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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賞与明細とは?給与明細との違いや作成方法を詳しく解説

明細を確認している人

「賞与明細と給与明細は何が違うの?」
「賞与明細の項目や作り方は?」

自社の給与体系や賞与体系を整備していくうえで、このような疑問をお持ちになったことはありませんか。

賞与明細とは、従業員に賞与を支払う場合に、会社で発行の義務がある明細書のことです。給与明細には馴染みがあっても、賞与明細について詳細を理解している方は少ないのではないでしょうか。

賞与明細には、支給額や控除額などの記載欄があり、いずれも賞与明細には欠かせない大切な情報です。また、それぞれの項目には、各保険法や税法に基づき、正しい金額を書かなければなりません。

本記事では、賞与明細の概要について、給与明細との違いや作成方法にも触れながら解説します。賞与の支給を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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1. 賞与明細とは

賞与をみて喜ぶ男性

賞与明細とは、期末手当や特別手当など、賞与として支払った賃金に関して、支給額や控除額を通達する明細書のことです。労働基準法では、賞与明細の作成・発行は義務付けられておらず、そもそも賞与を支給しない会社もあります。

しかし、所得税法では以下のように規定されており、会社が従業員に賞与を支払う際は、賞与明細を発行しなければなりません。

国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。
引用:所得税法231条|e-Gov法令検索

賞与明細は、税法上、賞与を支給するうえで欠かせない書類の一つといえるでしょう。

2. 賞与明細と給与明細の違いは?

注意点を解説する

賞与明細と給与明細の違いは以下のとおりです。

賞与明細 給与とは別に支給する賃金について、金額や控除項目を示したもの
給与明細 毎月支給する基本給・各種手当について、金額や控除項目、勤怠状況を示したもの

そもそも賞与とは、業績や能力などに応じて支払う賃金であり、1回の支給につき3ヵ月以上の期間を空けることが原則です。社会保険では、賞与を次のように定義しており、年3回以下で支給した賃金は、名称に関わらずすべて賞与として扱われます。

賞与は、賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他いかなる名称であるかを問わず、被保険者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の支給のものをいいます。
引用:賞与の範囲|全国健康保険協会

賞与は、賃金、給料、俸給、賞与等の名称を問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の回数で支給されるものです。
引用:厚生年金保険の保険料|日本年金機構

上記の定義により、年間で支払った賞与のうち4回目に支給したものは賞与と見なされません。4回目からは給与と同等に扱われ、差し引かれる保険料控除額の算出基準も異なることを覚えておきましょう。

また、賞与は給与と違って住民税控除の対象とならず、賞与明細には住民税控除の項目がありません。給与明細では必須の労働時間や労働日数についても、業績や能力を基準にしている賞与では、明細書での記載は不要です。

3. 賞与明細の4つの控除項目

ポイントを示している

賞与明細で記載が必要となる控除項目は、以下の4つです。

  1. 健康保険料
  2. 厚生年金保険料
  3. 雇用保険料
  4. 所得税

それぞれ詳しく確認しましょう。

3-1. 健康保険料

法人または従業員が常時5人以上の事業所は、原則として健康保険への加入が必要となり、従業員にも保険料納付の義務が発生します。ただし、週の所定労働時間が20時間以下のパート・アルバイトや契約期間が2ヵ月以内の派遣社員は、加入の対象外です。

40歳以上の従業員については、介護保険の加入対象となり、健康保険料に上乗せして介護保険料も納めなければなりません。それぞれの保険料は、事業主と被保険者が等分で負担します。

3-2. 厚生年金保険料

厚生年金も同様に、法人や従業員が常時5人以上の事業所は強制適用事業者で、70歳未満の常時雇用されている従業員が対象です。日雇い労働者や契約期間が2ヵ月以内の派遣社員、一定の条件を満たしていないパート・アルバイトは、対象になりません。

保険料の負担割合は、健康保険と同じく、事業主と被保険者で1/2ずつです。国民年金は、20~59歳の全国民が加入するものの、厚生年金に加入している会社員には、保険料納付の義務がありません。

3-3. 雇用保険料

雇用保険は、業種や規模に関係なく、1人以上の従業員がいるすべての事業所に加入義務があります。対象となる従業員は、31日以上の継続雇用が予定されている、または週の所定労働時間が20時間以上の労働者です。

雇用保険は、失業時に手当金を給付する事業と、能力開発や雇用安定を図る二事業で構成されています。失業給付事業の保険料は、事業主と従業員で等分しますが、二事業分は全額が事業主負担であるため、賞与明細には記載しません。

参照:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか! |厚生労働省
参照:雇用保険二事業について|厚生労働省

3-4. 所得税

賞与からは、通常の給与と同じように所得税が差し引かれます。賞与から各種保険料を控除した額が課税の対象です。

なお、令和19年12月31日までは、復興特別所得税も源泉徴収されることに注意しましょう。

参照:No.2523 賞与に対する源泉徴収|国税庁
参照:復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A|国税庁

4. 賞与明細を作成するための4つのステップ

文字を書いている

賞与明細を作成する際は、以下4つの手順を踏みます。

  1. 必要な書類を準備する
  2. 支給額を算出する
  3. 控除額を算出する
  4. 賞与明細を記入する

詳しく確認しましょう。

4-1. 必要な書類を準備する

賞与明細の作り方としては、まず、賞与明細の作成に必要となる書類を準備します。準備する書類は、以下の3点です。

  • 各保険の保険料率表
  • 賞与を支給した月の前月の給与明細書
  • 賞与の源泉徴収税額表

各保険の保険料率表および賞与源泉徴収税額表は、保険協会や国税庁のホームページから参照できます。

参照:標準報酬月額・標準賞与額とは?|全国健康保険協会
参照:厚生年金保険の保険料|日本年金機構
参照:賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 5 年分)|国税庁

4-2. 支給額を算出する

会社で決められた賞与の算定方法や評価基準により、支給額を確定します。賞与の算定方法として、以下の3つを基本におこなうことになるでしょう。

  • 給与連動型
  • 業績連動型
  • 決算賞与

多くの企業では、基本給をベースにした給与連動型を採用しているケースが一般的です。しかし最近は、エンゲージメントの向上が期待できるとして、業績連動型を導入する企業も増えています。

4-3. 控除額を算出する

準備した書類を参照しながら、各保険料の控除額と所得税額を算出します。各保険料の控除額の計算式は次の通りです。

健康保険料
介護保険料
厚生年金保険料
控除額=標準賞与額(1,000円未満切り捨て)×所定の保険料率
雇用保険料 控除額=賞与額×所定の保険料率

健康保険料と介護保険料、厚生年金保険料は、千円未満を切り捨てた標準賞与額に所定の保険料率をかけることで計算が可能です。雇用保険料だけは、千円未満は切り捨てずに賞与の全額に雇用保険料率をかけて算出するため、間違えないようにしましょう。

健康保険の保険料率は都道府県ごとに異なり、毎年度更新されています。厚生年金保険料率は、平成29年9月以降現在まで、全国一律で18.300%です。介護保険料率、雇用保険料率も年度が変わるたびに改定されているため、最新の情報に注意してください。

所得税は、各保険料を差し引いた賞与の金額に所定の源泉徴収税率をかけて求めます。復興特別所得税は、所得税額の2.1%です。なお、賞与の源泉徴収税率は、賞与を支給した月の前月の給与や扶養家族人数をベースに決定されます。

参照:標準報酬月額・標準賞与額とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
参照:雇用保険料率について |厚生労働省
参照:復興特別所得税の源泉徴収のあらまし

4-4. 賞与明細を記入する

賞与の支給額と控除額を計算したら、賞与明細の書面を作成します。会社によって書き方は異なるものの、以下の3つは最低限記載が必要です。

  • 控除前の総支給額
  • 控除項目および控除額
  • 差引支給額

また、前述したように、賞与明細に出勤日数や有給取得日数などの勤怠欄は必要ありません。銀行振込で支給する場合は、振込支給額も記入するようにしましょう。

5. 給与計算システムなら賞与明細が簡単に作成できる

ガッツポーズをする男性

従業員に賞与を支給する際は、賞与明細も忘れずに作成しましょう。賞与明細には明細書としての機能のほか、賞与の支払いを証明する役割があります。未払い賃金の請求などのトラブルが起きた際も、賞与明細を発行していれば、問題を迅速かつ効率的に解決できるでしょう。

そのためにも、賞与額は会社の規定に基づいて正当に評価した上で計算をおこない、控除額も含めてしっかりと賞与明細に記載することが大切です。

給与計算システムなら賞与明細の面倒な控除額も自動計算できるので、ミスを減らすことができます。また、賞与明細のテンプレートを、自社の賞与体系に合わせて自由に設定できるシステムもあるため、賞与明細を簡単に作成することが可能です。

賞与明細の作成も含めて、経理業務の効率化を図りたいのであれば、給与計算システムの導入を検討してみても良いでしょう。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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