副業禁止は就業規則で定められる?トラブルの対処法も解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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副業禁止は就業規則で定められる?トラブルの対処法も解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

副業禁止は就業規則で定められる?トラブルの対処法も解説

規則

近年は副業を認める会社が増えてきていますが、その一方で、未だに就業規則等で副業を禁じている会社も多く、全体の約8割に上っています。

このように副業の意向は年々増加傾向にありますので、自社で副業のルールをしっかりと策定しておくことが大切です。

今回は就業規則で副業を禁止できるのか、副業で懲戒処分を下せるのかなどを解説します。

参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドライン|厚生労働省

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1. 就業規則に副業禁止を盛り込めるのか?

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日本国憲法第22条では、何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有することができるとして、個人が自由に職業を選択できる権利を持つことが定められています。
そのため、本業とは別に副業を行ったとしても、法律に抵触することはありません。

しかし、企業と従業員との契約においては、就業規則で副業を禁止することが可能です。労働基準法第2条第2項では、「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」と定められています。
そのため、就業規則に「副業禁止」の規定がある場合、使用者および労働者はそのルールを守る義務があり、違反した際は就業規則の規定に基づき、懲戒処分の対象になります。一方、副業禁止の記載が就業規則にない場合、副業をした従業員は懲戒処分の対象にはならないでしょう。

なお、就業規則に副業禁止を盛り込む場合はどこに書いているかを従業員に周知しましょう。従業員が就業規則を読めなかった場合、副業禁止について書いてないものと勘違いしかねません。

参考:日本国憲法|e-Gov法令検索
参考:労働基準法|e-Gov法令検索

関連記事:労働基準法での副業の規定や取り組むメリットについて

2.副業を禁止できる範囲

法律で禁止されていること

原則として企業は従業員の副業を禁止することはできません。しかし、従業員が副業をすることで次のような問題が起きる可能性があります。

  • 従業員の長時間労働につながる
  • 自社の競業避止義務に反する恐れがある
  • 管理部門で労働時間を把握し切れなくなる

上記のような問題を発生させないためには、それぞれに応じて副業禁止の就業規則を設けましょう。例えば、すべての副業を禁止するだけでなく、競業避止義務を守るために競業他社出の副業は禁止、従業員の労働時間を把握するために副業先の労働時間を報告させるなどの就業規則を設けるなどです。

3. 副業をおこなうことで懲戒解雇になるケース

解雇

就業規則違反をおかした従業員に対し、どのような懲戒処分を下すかは会社ごとの就業規則によって異なりますが、直ちに懲戒解雇の判断が下されるケースは非常にまれです。

なぜなら、労働契約法第16条において「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という定めがあり、副業や兼業をおこなったことは、必ずしも「客観的に合理的な理由」に当たらないとみなされるためです。

逆にいうと、「客観的に合理的な理由」があり、かつ「社会通念上相当である」と認められる場合、副業・兼業を理由に懲戒解雇の処分を科すことも可能です。

具体的にどのようなケースで懲戒解雇になるのか、具体的な事例を3つご紹介します。

参考:労働契約法|e-Gov法令検索

3-1. 本業に支障を来す場合

副業をおこなうことによって、メインである本業に支障を来す場合、懲戒解雇の対象となることがあります。

1度くらいの遅刻や居眠り程度の影響なら、ただちに処分されることはありませんが、遅刻や無断欠勤が何度も続いている場合や、本業の勤務時間中に副業をするといったケースは「客観的に合理的な理由」として、懲戒解雇の対象となるでしょう。

3-2. 会社に具体的な損害を与えた場合

同業他社で副業をおこない、本業の勤め先の情報を漏らすなどして会社に具体的な損害を与えた場合は、懲戒解雇の対象となるのが一般的です。

なお、本業の情報を漏えいした事実がなかったとしても、同業他社で復業することは間接的に勤務先の利益損害につながりますので、懲戒解雇に相当する理由があるとみなされます。

3-3. 違法性の高い副業をおこない、会社のイメージや品位を落とすおそれがある場合

一般的な副業であれば、兼業によって直ちに懲戒解雇の処分を受けるリスクは低いですが、従業員が副業によって違法性の高い職に従事している事が発覚した場合に会社のイメージや品位に傷がつくおそれがあります。

会社のイメージや品位は売上・業績に直接影響する要素ですので、著しく会社の印象を損ねるような副業をおこなった場合、懲戒解雇の原因とみなされるでしょう。

4. 労使間でトラブルになったときの労働審判の流れ

裁判

副業禁止について就業規定に定めたにも関わらず副業をおこなった従業員に対しては、就業規則に基づく懲戒処分を科します。しかし、処分を不服とする従業員との間にトラブルが生じることもあります。

労使間のトラブルは、使用者と労働者との話し合いで解決するのが望ましいですが、場合によっては労働審判と呼ばれる法的処置がとられることもあります。

労働審判とは、労使間で発生した問題を審理し、迅速な解決を目指すための裁判手続きのことです。

審理は、労働審判官1名と労働審判員2名の計3名で組織される労働審判委員会によっておこなわれ、原則として3回以内の期日で審理が終結します。

そのため、労働裁判に比べると短期間で労使間トラブルの解決を目指せるところが特徴ですが、労働審判の手続き前には当事者双方が裁判所に呼び出され、答弁を行うことになります。

実際に労働審判の申立てがおこなわれても慌てることのないよう、大まかな流れを事前に把握しておきましょう。
ここからは、労働審判の基本的な流れを6つに分けて解説します。

参考:労働審判手続|裁判所

4-1. 申立て

トラブルの発端となった懲戒処分の内容を不服とする申立者(労働者)が、地方裁判所に申立書を提出します。

4-2. 期日指定・呼び出し

申立てされた日から40日以内に、労働審判官より第1回の期日指定および呼び出しが行われます。
企業には期日呼出状と共に、申立書の写しなどが送付されますので、手元に届いたら中身を確認しましょう。

4-3. 答弁書等の提出

企業は、労働審判官が定めた期限までに、答弁書等を提出する必要があります。
答弁書には、以下6つの事項を記載することとされています。

  • 申立の趣旨に対する答弁
  • 申立書に記載された事実に対する認否
  • 答弁を理由付ける具体的な事実
  • 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
  • 予想される争点ごとの証拠
  • 当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要

答弁書は、労働審判委員会への心証や、証拠調べなどに影響を及ぼす要素のひとつなので、正確な情報や経緯を記載すると共に、反論すべきポイントはきちんと反論することが大切です。

参考:労働審判規則|裁判所

4-4. 期日における審理

労働審判委員会による審理の期日は原則として3回以内で、その期日内に労使双方の言い分を聞き、トラブルの内容や争点を整理します。

必要に応じて、申立人や企業の関係者などから直接事情を聴取することもあります。

4-5. 調停成立

3回以内の期日の中で、話し合いによる解決の見込みがあるとみなされた場合、調停を試みます。労使間の話し合いがまとまったら調停成立となり、手続きは完了です。

調停内容は調書に記載され、条項の内容によっては強制執行を申し立てることも可能となります。

4-6. 労働審判

調停成立の見込みがないと判断された場合、労働審判委員会がおこなった審理の結果をもとに、当事者間の権利関係や、これまでの手続きの経過などを踏まえ、実情に即した判断を下します。

労働審判に対して2週間以内に異議申立がおこなわれなければ、労働審判は確定し、内容によっては強制執行を申し立てることが可能となります。

一方、労働審判に不服がある場合は、2週間以内に異議申立をおこなうことが可能です。労働審判の効力が失われると共に、訴訟手続き(労働裁判)へ移行することになります。

5. 副業を禁止するなら就業規則で副業禁止を定めよう

対象

日本の法律では職業選択の自由が認められているため、原則として副業を行うことは法に触れるわけではありません。

ただ、企業は就業規則で「副業禁止」を規定することが可能です。就業規則で副業を禁止しているにもかかわらず、副業をおこなった従業員は懲戒処分の対象となりえます。

ただちに重い処分を科すケースはまれですが、会社に著しい損害を与えた場合や、本業に支障を来す場合などは懲戒解雇を科さざるを得ません。

労働者が懲戒処分を不服とした場合、労使間トラブルに発展し、労働審理に移行することもありますので、大まかな流れを把握しておきましょう。

労働時間の管理を適切に行いたい方へ

タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。

・労働時間をリアルタイムで把握できず、月末に集計するまで残業時間がわからない/気づいたら上限を超過していた

・客観的な記録による労働時間の把握ができていない

そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムです。システムであれば客観的な勤怠記録を残せるほか、労働時間をリアルタイムで把握できるため、残業の上限規制など法律に則った管理を実現できます。

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YOSHIDA

YOSHIDA

クラウドサービス比較のメディア運営を経て、jinjerBlog編集部に加入。バックオフィス向けサービス「ジンジャー」を導入いただいたお客様に事例取材をおこない、現場の課題をキャッチアップしながら、人事業務や契約業務に役立つ情報をお届けします。

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