介護休暇の給与は有給か無給か?給与計算・注意点・介護休業との違いをわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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介護休暇の給与は有給か無給か?給与計算・注意点・介護休業との違いをわかりやすく解説

「介護休暇の給与は有給か無給かを知りたい」

「介護休暇の給与計算について知りたい」

上記のようにお困りの方も多いでしょう。

介護休暇の給与が有給か無給か、また介護休暇期間を含む給与計算方法は、企業ごとに異なります。

本記事で紹介する内容は、介護休暇中の給与の有無を判断する基準・給与計算に関わる介護休暇の基本・介護休暇の給与計算方法や留意点です。

そのほかに、介護休暇と介護休業の違い、また欠勤・有給休暇との違いについても解説しているためぜひ参考にしてください。

1. 介護休暇中の給与の有無は会社規程による

介護休暇中の給与の有無は、それぞれの会社の会社規程によります。会社規定は社内規程とも呼ばれており、会社が独自に決める自社の規則やルールのことです。

介護休暇中の給与の有無については法による定めがないため、介護休暇中の給与を支払うかどうかは各企業が自由に判断・決定しています。

なお介護休暇中の給与の有無については、会社規定の一つであり賃金についてのルールが記載されている就業規則で確認できる場合も多いです。

常時10人以上の従業員を雇用する会社は、労働基準法により就業規則の作成および届出の義務があります。

なお介護休暇制度自体は、法律で定められた福祉制度の一つです。

介護休暇中の給与の有無について知りたい場合は、自社の会社規程を確認しましょう。

参考:労働基準法 第九章 就業規則|e-Gov法令検索

参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律|e-Gov法令検索

2. 給与計算に関わる介護休暇の基本

給与計算に関わる介護休暇の基本は、以下のとおりです。

概要 要介護状態にある家族の介護のために取得する休暇
対象者 要介護状態にある家族をもつ労働者、※かつ勤続6ヵ月以上の労働者(※は2025年3月まで)
従業員の家族の対象範囲(同居の有無は関係ない) ・配偶者(事実婚も含む)

・父母(養父母も含む)

・子(養子も含む)

・配偶者の父母

・祖父母

・兄弟姉妹

・孫

取得単位 ・1日単位

・半日単位

・1時間単位

年間取得可能日数 ・介護対象の家族1人につき5日まで

・介護対象の家族が2人の場合は10日まで

申請方法 ・書類の提出

・口頭での申出

介護休暇中の給与の有無 会社規定による

また、以下の労働者は対象外となります。

  • 日雇いで働いている労働者
  • 週あたりの労働日数が2日以下の労働者

介護休暇における要介護状態とは、2週間以上にわたり常時介護が必要な状態で、介護保険制度の要介護認定の有無は関係ありません。

ただし介護休暇の規則は会社が独自で決めるため、上記の内容と異なる場合があります。自社の会社規定を確認し、自社の介護休暇のルールについて把握しておきましょう。

参考:介護休暇について|厚生労働省

3. 介護休暇の給与計算方法

介護休暇の給与計算方法は、会社規定に従います

一般的な介護休暇の給与計算方法では、以下のいずれかの金額を支払う年次有給休暇の給与計算方法と同様の場合も少なくありせん。

  • 平均賃金
  • 通常賃金
  • 健康保険法の標準報酬月額の30分の1

一方、介護休暇が無給の場合の給与計算方法は、欠勤控除の給与計算方法と同様の場合が多いです。まず、以下の計算式で1日分の給与を算出します。

月給/所定労働日数=1日分の給与

続いて、1日分の給与に介護休暇の取得日数を乗じて介護休暇の取得分の金額を割り出し、月給から控除しましょう。例えば、1日分の給与が1万円で介護休暇を2日取得している場合は、月給から2万円を差し引きます。

介護休暇の取得単位には、1日単位以外に半日単位や時間単位もあるため、慎重に給与計算しましょう。また介護休暇中の給与が無給の場合も、欠勤扱いにはなりません。

4. 介護休暇の給与計算の留意点

介護休暇の給与計算の留意点は、育児・介護休業法施行規則などの改正により、2021年1月から介護休暇の取得単位に時間が加わったことです。

改正前の介護休暇の一般的な取得単位は1日もしくは半日単位でしたが、改正後は時間単位でも取得できます。

2024年現在は勤続6ヵ月未満の労働者は介護休暇の利用対象外ですが、2025年4月からは例外を除くすべての労働者が利用対象です。

つまり、2025年4月に入社する新入社員は入社後すぐに介護休暇を利用できます。

ほかにも、2025年4月からは介護休暇においても以下の義務が生じることを覚えておきましょう。

制度の周知と意向確認の義務化 ・家族の介護の必要が生じた労働者に各種の両立支援制度(介護休業・介護休暇・残業免除・深夜業の制限など)の伝達および働き方の意向の確認

・40歳など、一般的な家族の介護の必要が生じる以前での両立支援制度の情報提供

・両立支援制度に関する研修の実施や介護の相談窓口の設置など、雇用環境の整備

両立介護期のテレワークの努力義務 現在も家族を介護する労働者に対して始業時刻の変更などの措置を講じる義務があるが、措置の1つとしてテレワークの追加

加えて、介護休暇の給与について、各会社が独自のルールを定めている場合があります。

介護休暇の給与計算の留意点として、給与計算前に必ず会社規定でルールを確認することを覚えておきましょう。

参考:⼦の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになります︕|厚生労働省

参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 及び

次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要|厚生労働省

5. 給与計算前に理解したい介護休暇と欠勤・有給休暇の違い

給与計算前に理解しておきたい、介護休暇と欠勤・有給休暇の違いは以下のとおりです。

介護休暇 欠勤 有給休暇
対象者 要介護状態の家族をもつ労働者、※かつ勤続6ヵ月以上の労働者(※は2025年3月まで) すべての労働者 雇入日から6ヵ月間継続勤務し、かつ全所定労働日の8割以上出勤した労働者
取得可能日数 ・対象の家族1人につき5日まで

・対象の家族が2人の場合は10日まで

決まりはない ・一般労働者は勤続勤務年数0.5年~6.5年以上に応じて、10日~20日付与される

・週あたりの所定労働時間が30時間未満の労働者は、週および年間の労働日数と継続勤務年数により1日~20日付与される

取得可能期間 1年ごと 決まりはない 1年ごと
期間中の給与の有無 会社規定による
出勤率の算定での出勤日数における扱い 出勤日数に含む 出勤日数に含まない 出勤日数に含む
査定への影響

介護休暇は有給休暇とは別に取得でき、無給であっても欠勤扱いにはなりません。

参考: [ 年次有給休暇 ]|厚生労働省 香川労働局

6. 給与計算前に理解したい介護休暇と介護休業の違い

給与計算前に理解しておきたい、介護休暇と介護休業の違いは以下のとおりです。

介護休暇 介護休業
取得単位 ・1日

・半日

・1時間

・数週間

・数ヵ月

取得可能日数 ・対象の家族1人につき5日まで

・対象の家族が2人の場合は10日まで

対象の家族1人あたり通算93日まで、もしくは通算3回の分割取得を終えるまで
取得可能期間 1年ごと 期間の制限無し
申請時期 当日でも可能 原則2週間前まで
申請方法 ・口頭による申出

・書類の提出

・書類の提出
期間中の給与の有無 会社規定による 会社規定による

一般的に介護休暇の取得期間は短く、介護休業の取得期間は長いです。介護休業も1日単位で取得できますが、1人の家族につき通算3回までしか取得できないため、現実的ではありません。

例えば、同じ家族に対して介護休業の1日利用を3回繰り返した場合です。介護休業の取得可能日数は90日残っているものの、3回の利用を終えているため残りの90日分の利用ができません。

またどちらの場合も法的な給与の支払い義務はないため、会社が自由に給与の有無を決定しています。

介護休業の取得において条件を満たすと、雇用保険の介護休業給付金により賃金の約67%分の給付金を受け取れるでしょう。

ただし管轄のハローワークに申請書を提出する必要があります。一般的には、申請者が会社に必要書類を提出し、会社がハローワークでの手続きを代行するケースが多いです。

7. 介護休暇の給与について理解を深めよう

介護休暇中の給与の有無や計算方法については、法による決まりがないため、それぞれの会社規定によります

また介護休暇の基礎知識として、時間単位で利用できることや1人の家族につき年間5日まで取得できることを覚えておきましょう。

なお法改正により、2025年4月からは対象者の勤続年数によるしばりがなくなり、制度の周知と意向確認の義務化もはじまります。

2025年からの変更前に介護休暇と介護休業・欠勤・有給休暇との違いなども把握しつつ、介護休暇に対する理解を深めておきましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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