時短勤務における社会保険の取り扱いや間違えやすいポイント - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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時短勤務における社会保険の取り扱いや間違えやすいポイント

時短勤務社員の社会保険

現在では社会保険被保険者の適用範囲が拡大し、時短勤務でも社会保険に継続加入できるケースが増えています。時短勤務者を対象とした保険料減額措置もありますので、時短勤務を希望する従業員委は制度の説明を徹底することが大切です。

この記事では、人事担当者を対象として時短勤務における社会保険の取り扱いや間違えやすいポイントを解説します。より多くの従業員に時短勤務制度の利用を促すため、人事担当者は社会保険の減額措置ついても正しく理解しておきましょう。

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時短勤務とは?導入するための手順と問題点を解説

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1.時短勤務でも社会保険の適用対象となる

時短勤務社員は社会保険の適用対象

もともと社会保険に加入していた従業員が時短勤務を申請した場合、大抵のケースでは引き続き社会保険の適用対象となります。短時間労働者が社会保険に加入するための条件は「1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働時間が通常正社員の3/4以上」であることです。これを4分の3基準と言います。

一般的な正社員の所定労働時間は8時間であるのに対し、時短勤務の所定労働時間は原則6時間です。この場合は時短勤務の所定労働時間が通常正社員の3/4となるため、社会保険の適用要件を満たします。

また、2016年10月1日の社会保険の適用範囲拡大により、4分の3基準を満たしていない時短労働者でも以下5つの要件を満たせば社会保険の適用が認められるようになりました。

● 週の所定労働時間が20時間以上であること
● 雇用期間が1年以上見込まれること
● 賃金の月額が8.8万円以上であること
● 学生でないこと
● 特定適用事業所(※)に勤務していること
※被保険者数の合計が1年のうち6カ月以上500人を超えることが見込まれる事業所。

この制度改正により、従来よりも多くの時短労働者が社会保険の加入資格を得られるようになります。従業員から時短勤務を申請された際は、まず社会保険が適用されるかどうかを確認しましょう。

2.時短勤務時の社会保険料は据え置かれる

社会保険料

時短勤務開始後の社会保険料は従来の金額がそのまま据え置かれます。社会保険料は特定の3ヶ月間の収入から1年間の徴収額を決定するためです。時短勤務開始に伴う給料の低下に合わせて減額されるものではありません。

2-1.社会保険料は4月~6月の標準報酬月額から算出される

社会保険料は毎年4月~6月の標準報酬月額を基に算出され、その年の9月から翌年8月までの1年間に渡り同金額が徴収されます。これは時短勤務を開始する従業員も例外ではなく、何も手続きをしなければ給料のみ下がって保険料はそのままという事態に陥ってしまいます。

2-2.育児休業後の時短勤務には保険料の減額措置がある

育児休業からの復職後そのまま育児時短勤務をする場合に限り、社会保険料の減額措置が適用可能です。ただし、被保険者本人が手続きをしなければ保険料は減額されません。該当する従業員に対しては企業側から手続きの呼び掛けを行うようにしましょう。

なお、介護による時短勤務や育児休業を経ない育児時短勤務には特別な減額措置は用意されていません。ただし、社会保険料の随時改定の制度を利用すれば毎月の徴収額を減額できる可能性があります。

3.育児休業後の時短勤務で社会保険料を減額するための手続き

社会保険料の減額

育児休業から復職後にそのまま時短勤務を開始する場合に限り、以下の手続きを行うことで社会保険の負担軽減が可能です。

● 育児休業終了時報酬月額変更届の提出(社会保険料の減額)
● 厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書(年金受給額の維持)

ここでは2つの手続きの概要や申請方法を解説します。

3-1.育児休業終了時報酬月額変更届の提出(社会保険料の減額)

育児休業終了時報酬月額変更届を提出することで、時短勤務開始から3ヶ月間の標準報酬月額を基準とした社会保険料に変更することができます。ただし、新保険料の適用は時短勤務開始から4ヶ月目となるので、それまでは従来通りの保険料を支払わなければなりません。

【申請条件】
● 育児・介護休業法による育児休業から復職後、3歳未満の子を養育していること
● 従来の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に1等級以上の差があること
● 育児休業終了月以降の3ヶ月間のうち、最低1ヶ月は17日以上の支払基礎日数があること

【申請方法】
事業主経由で育児休業終了時報酬月額変更届(※)を日本年金機構へ提出
※書式は日本年金機構HPでダウンロード可能

【提出方法】
電子申請、郵送、窓口持参

【提出時期】
復職後、速やかに提出

3-2.厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書の提出(年金受給額の維持)

厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書の提出は、育児のための時短勤務等により標準報酬月額が低下した場合でも、将来の年金額を維持するための手続きです。この手続きをすることにより、時短勤務で収入が低下した月でも、従前の標準報酬月額と同等の収入を得たとみなして年金額を計算します。

なお、従前の標準報酬月額とは育児休業に入る直前の報酬月額です。休業直前は社会保険の被保険者でなかった場合は、直近1年間で最後に社会保険に加入していた月の報酬月額が該当します。しかし、直近1年間で被保険者期間がない場合、みなし措置は適用されません。

【申請条件】
● 育児・介護休業法による育児休業から復職後、3歳未満の子を養育していること
● 育児休業前の直近1年間で社会保険の被保険者期間があること

【申請方法】
事業主経由で厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書 (※)を日本年金機構へ提出
※書式は日本年金機構HPでダウンロード可能

【提出方法】
電子申請、郵送、窓口持参

【提出時期】
被保険者から申し出を受けたとき

3-3.介護による時短勤務で社会保険料が減額される条件

介護による時短勤務や育児休業を経ない育児時短勤務であっても、社会保険料の随時改定の要件に該当すれば保険料を減額できます。

社会保険料の随時改定とは、賃金の昇(降)給など、被保険者の固定的賃金に大幅な変更があった場合に、改定月を待たずに標準報酬月額を変更する制度のことです。直近3ヶ月の平均報酬月額がそれ以前の報酬月額より2等級以上の変動があった場合に適用されます。

ただし、該当する3ヶ月全てにおいて17日以上の出勤日数があることが条件です。また、実際に社会保険料の引き下げられるのは時短勤務開始から4か月目となります。

【申請条件】
● 昇給または降給など、固定的賃金に大幅な変動があること
● 変動月から3ヶ月間の標準報酬月額の平均と以前の標準報酬月額に2等級以上の
● 差が生じていること
● 3ヶ月間全ての月で17日以上の支払基礎日数があること

【申請方法】
事業主経由で被保険者報酬月額変更届(※)を日本年金機構へ提出
※書式は日本年金機構HPでダウンロード可能

【提出方法】
電子申請、電子媒体(CDまたはDVD)、郵送、窓口持参

【提出時期】
事由発生後速やかに提出

4.時短勤務時の社会保険で間違えやすいポイント

社会保険料のポイント

ここまでの内容を踏まえ、時短勤務における社会保険の扱いで間違えやすいポイントを改めてまとめます。従業員からの問い合わせも予想されますので、正しい認識を持つようにしましょう。

4-1. 時短勤務開始後も社会保険の加入は可能

時短勤務開始後、1週間および1ヶ月間の所定労働時間が通常正社員の3/4以上であれば社会保険に加入できます(4分の3基準)。4分の3基準を満たさない場合でも、以下の要件を満たしていれば加入対象です。

● 週の所定労働時間が20時間以上であること
● 雇用期間が1年以上見込まれること
● 賃金の月額が8.8万円以上であること
● 学生でないこと
● 特定適用事業所に勤務していること

4-2. 手続きをしなければ保険料は減額されない

社会保険料は毎年4月から6月の標準報酬月額の平均から1年間の徴収額を決定するため、時短勤務で給料が減少しても保険料は据え置かれます。社会保険料の減額を希望する場合は、要件を満たした上で日本年金機構への申請が必要です。申請は全て任意のため、被保険者が申し出ない限り保険料が変動することはありません。

4-3. 育児休業後の時短勤務に限り保険料減額の特例措置がある

育児休業から復職し、そのまま育児時短勤務を申請する従業員に限り、保険料減額と年金受給額維持の特例措置が用意されています。それぞれ個別に申請が必要となるため、該当従業員には申請書の提出を促しましょう。

4-4. 介護による時短勤務は随時改定で保険料減額の可能性がある

介護による時短勤務、または育児休業を経ずに育児時短勤務を取得した従業員は、社会保険料の随時改定の制度で保険料が減額できる可能性があります。年金額維持の措置はないため申請は被保険者の判断に任されますが、該当する従業員には制度の説明を行うようにしましょう。

4-5. 保険料の減額は4か月目の給料から適用される

社会保険料の減額が適用されるのは早くても時短勤務開始から4か月目です。社会保険料は必ず3ヶ月間の標準報酬月額の平均から算出されるため、減額申請後3カ月間は従来の保険料を支払わなければなりません。申請する被保険者にも誤解が生じないよう説明しておきましょう。

5.時短勤務時の社会保険料は減額できる

社会保険料が減額され喜ぶ時短勤務社員

時短勤務によって収入が減少したとしても、従業員が一切の手続きをしなければ従来の社会保険料がそのまま徴収されてしまいます。従業員の負担を軽減し、時短勤務を積極的に利用できる環境を整えるため、保険料の減額措置も忘れずに案内することが大切です。特に育児休業後の時短従業員は年金維持の手続きもあるため、積極的な申請を促しましょう。

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目黒颯己

目黒颯己

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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