小規模企業や中小企業におすすめの勤怠管理システムとは?選び方を詳しく解説
更新日: 2025.7.18 公開日: 2023.11.30 jinjer Blog 編集部

小規模企業や中小企業が勤怠管理システムを導入する場合は、自社の規模や勤務形態に適しているものがおすすめです。
なかには「システムの選び方を知りたい」「小規模企業で導入するメリットはあるの?」など、疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、小規模企業や中小企業向けの勤怠管理システムの選び方、導入するメリットを解説します。
最後まで読むと、自社に適した勤怠管理システムの特徴や、導入後のメリットが把握できるでしょう。
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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1. 小規模企業にもおすすめの勤怠管理システムとは


勤怠管理システムとは、パソコンなどから従業員の労働状況を確認、管理できるシステムです。
システムによって管理できる項目は異なりますが、基本的に従業員の出退勤状況や労働時間、残業時間をリアルタイムで確認できるので、適切な勤怠管理が可能になります。特に、勤怠状況の把握が難しいリモートワークや複雑なシフトを管理しなければならない場合は、業務負担を大幅に軽減できます。
昨今は、法定労働時間や残業時間の上限が細かく決められているので、小規模企業であっても適切な勤怠管理をするのは難しくなっているかもしれません。
勤怠管理システムは、出退勤を正確に打刻できたり、残業時間の上限を超えた場合はアラーム機能で通知をしてくれたりするので、勤怠管理の課題解決に役立ってくれます。
2. 小規模企業で勤怠管理システムの導入が進みにくい理由


中小企業は、大企業と比較して勤怠管理をシステム化していないケースが多いことが想定されます。 中小企業で勤怠管理システムの導入が進んでいない理由としては、以下が考えられます。
- 導入コストがかかる
- 新しいシステムの導入に対する抵抗感
勤怠管理システムを利用すると初期費用や月額料金がかかるため、予算がなければ導入が進みません。 また新しいシステムを導入する際には、操作方法を覚え、社内で新たに業務プロセスを構築する必要があります。
このように勤怠管理の担当者をはじめ、社員が抵抗感をもっていれば、システムの導入は進みにくいといえます。
3. 小規模企業に勤怠管理システムが必要な3つの理由


小規模企業に勤怠管理システムが必要な理由は、以下のとおりです。
- 業務における属人化を解消できる
- 従業員のモチベーション向上につながる
- 経費を削減できる
ここでは、これらの理由について解説していきます。
3-1. 業務における属人化を解消できる
勤怠管理システムを導入すると、業務の属人化を解消できます。システムに沿った方法で運用することで、担当者以外も管理方法を把握しやすくなるからです。
勤怠管理システムの導入により、以下の課題も解決しやすくなるでしょう。
- 担当者以外が運用方法を把握していない
- 勤怠管理の担当者が退職すると対応できない
小規模企業の場合は、担当者が独自の方法で勤怠を管理するケースが多いです。特に、Excelシートや紙などで管理していると、ほかの社員が運用方法を把握しにくい可能性があります。
勤怠管理システムの導入で属人化を解消できれば、あらゆる状況に対応できるでしょう。
3-2. 従業員のモチベーション向上につながる
勤怠管理システムを導入すると、従業員のモチベーション向上につながります。
その理由は、システム導入により勤怠情報の透明化が実現することで、以下の効果を得られるからです。
- 帰属意識や社員同士の信頼性が向上する
- 過重労働を防止でき生産性が向上する
透明性が確保されると社員同士で不公平さを感じにくくなるため、帰属意識や信頼性の向上が期待できます。また、勤怠管理システムは労働状況を可視化できるため、過重労働を防止し社員の生産性を向上させられるでしょう。
一人ひとりのモチベーションが向上することで、人材の力が十分に発揮されます。
3-3. 経費を削減できる
勤怠管理システムを導入すると、あらゆる経費を削減できます。
その理由は、これまで勤怠管理にかけていた経費をシステムに一括化でき、初期費用や月額料金のみで済むからです。
具体的には、以下の経費を削減できます。
- タイムカード、印刷用のトナー代
- 管理するファイル代
- 勤怠管理に関わる人件費
また、勤怠の書類を管理するためのスペースも必要なくなるので、保管場所という空間の削減も可能です。
4. 小規模企業向けの勤怠管理システムの選び方


小規模企業向けの勤怠管理システムの選び方は、以下のとおりです。
- 自社の規模や勤務形態に適しているか
- サポート体制が整っているか
- 必要な機能が搭載されているか
- 長期間利用できるか
- 費用に見合った効果が見込めるか
4-1. 自社の規模や勤務形態に適しているか
勤怠管理システムを選ぶ際には、自社の規模や勤務形態に適しているか確認しましょう。
規模や勤務形態に合っているシステムでなければ、十分に活用できない可能性があります。規模や勤務形態の例は、以下のとおりです。
| 規模 | ・従業員数
・事業所数 |
| 勤務形態 | ・リモートワーク
・フレックスタイム制 ・変形労働時間制 ・裁量労働制 |
勤怠管理システムには、「利用者数によって料金が変動するタイプ」や「機能によって料金が変動するタイプ」などがあります。
中小企業や零細企業は従業員数が少ないため、利用者によって料金が変動するタイプの方がコストを抑えられる可能性が高いです。
そのため勤怠管理システムを選ぶ際には、まず規模や勤務形態を基準に検討してください。
4-2. サポート体制が整っているか
勤怠管理システムを選ぶ際には、サポート体制が整っているか確認しましょう。小規模企業では勤怠を管理する担当者が限られているため、トラブルが起きた際の対応が難しい場合があります。
予測していなかったことが起きた際にも対応できるように、サポート体制が整っている勤怠管理システムがおすすめです。
4-3. 必要な機能が搭載されているか
勤怠管理システムを選ぶ際には、担当者にとって必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。また、必要な機能だけでなく、従業員が使いやすいシステムであることも重要です。
使いやすさを検討する際は、運用方法にも着目してください。勤怠管理システムの運用方法には、以下の3つがあります。
| クラウド型 | インターネットを経由してITツールを利用する |
| オンプレミス型 | 自社で設備を構築、管理する |
| パッケージ型 | システムやソフトをPCにインストールして利用する |
中小企業は、大企業と比較すると就業ルールがシンプルな場合が多いです。オンプレミス型のようにカスタマイズできなくても運用できるため、クラウド型をおすすめします。
4-4. 長期間利用できるか
勤怠管理システムを選ぶ際には、数年にわたり長期間利用できるかも確認しましょう。その理由は、中小企業や零細企業というのは、近い将来に従業員増加や事業規模拡大の可能性があるためです。
あらかじめ将来的な社内状況の変化を見越して勤怠管理システムを選ぶことで、システム変更のコストをかけずに済みます。
企業の数年後の見通しをもとに、幅広い機能や柔軟な対応力がある勤怠勤務システムを選びましょう。
4-5. 費用に見合った効果が見込めるか
勤怠管理システムを選ぶ際は、費用に見合った効果が見込めるか確認しましょう。ランニングコストが高額で必要のない機能が搭載されているシステムでは、費用をかけても十分に活用できません。
費用対効果の有無を検討する際は、以下にも着目する必要があります。
- 自社の課題を解決できるか
- 必要な機能が備わっているか
- 従業員の満足度は向上するか
まずは自社の課題を洗い出し、課題を解決するために必要な機能が備わっている勤怠管理システムを選びましょう。
5. 小規模企業が勤怠管理システムを導入する3つのメリット


小規模企業が勤怠管理システムを導入するメリットは、以下の3つです。
- 業務の効率化につながる
- 法律の改正に対応できる
- 給与計算システムと連携できる
ここでは、これらのメリットについて解説します。
5-1. 業務の効率化
勤怠管理システムを導入すると、勤怠管理を自動化させられるため、業務の効率化につながります。
効率化できる具体的な理由は、以下のとおりです。
- 確認作業や集計作業に時間がかからない
- 打刻漏れがなくなることで確認作業が不要になる
- 社員が打刻のために出社する必要がない
- 単純作業に生産性を奪われない
特に、時間外労働や深夜労働がある場合は、労働時間や残業時間の集計が複雑になります。勤怠管理システムであれば、複雑な勤務形態にも対応できるため、勤怠の締め作業もスムーズになるというメリットが得られるでしょう。
5-2. 法律の改正に対応している
勤怠管理システムを導入すると、勤怠管理に関する法律が改正された際にもスムーズに対応できるというメリットがあります。
勤怠管理システムは、法改正があった場合に自動でアップデートされるため、煩雑な対応が必要ありません。
また、勤怠管理システムには以下の機能もあります。
- 所定の労働時間を超えた場合にアラートで知らせる
- 残業や有給休暇を申請できる
このように、法律への適切な対応が自動でできるというのは、担当者の業務負担を軽減するメリットにもつながるでしょう。
5-3. 給与計算システムと連携できる
勤怠管理システムには、給与計算システムなどの社内システムと連携できるものもあります。中小企業や零細企業の場合は、給与計算の作業に多くの時間をかけられない場合も多いでしょう。
給与計算システムと連携すると、以下が可能になります。
- 給与計算作業が容易になる
- ほかのコア業務に集中できる
計算作業の工程が省けると、ほかの人手が足りない業務やコア業務に時間をかけられるため、生産性の向上が可能です。
関連記事:中小企業向け勤怠管理システム|導入前の課題、導入後の効果とは
6. 小規模企業が勤怠管理システムを導入する際の注意点


勤怠管理システムは、勤怠の管理業務負担を軽減してくれます。ただし、導入するためには少なくない費用がかかるので、小規模企業の場合は下記のような注意点があります。
- 無料の勤怠管理システムは機能をしっかり確認する
- 導入後のコスト負担を確認しておく
- 担当者に操作性を確認してもらう
ここでは、これらの注意点について解説していきます。
6-1. 無料の勤怠管理システムは機能をしっかり確認する
勤怠管理システムの中には、無料で利用できるものもあります。
無料であればリスクがないとおもうかもしれませんが、費用がかからないシステムは必要な機能が搭載されていない可能性があります。例えば、出退勤の管理機能があっても、残業時間の管理機能がない場合は、担当者がその部分だけ定期的に確認をして上限を超えていないかチェックしなければなりません。
出退勤の管理をしなくていいとしても、残業時間のチェックをしなければいけないのであれば、結果的に管理の負担を減らせないので、システムを導入しても無駄になってしまいます。
無料の勤怠管理システムの場合、オプション機能のコストが高額になることもあるので、必要な機能が搭載されているかをしっかり確認しましょう。
6-2. 導入後のコスト負担を確認しておく
費用対効果を得るには、導入後のコスト負担の確認も欠かせません。
勤怠管理システムは、「業務負担を軽減する」「業務効率をアップさせる」などの目的だけで導入すると、後々費用負担が問題になってくることがあります。そのため、事前に導入後のコスト負担がいくらぐらいになるのか算出しておくことが重要です。
システムを選ぶうえでは機能や使いやすさも大事ですが、導入前にはいろいろな勤怠管理システムのコストを比較して、コストと機能性、使いやすさのバランスがとれているものを選びましょう。
6-3. 担当者に操作性を確認してもらう
導入前に大事なのが、担当者に操作性を確認してもらうことです。
決済を出すのは管理職かもしれませんが、実際に運用する担当者が使いにくいシステムでは、スムーズな活用が難しくなってしまいます。導入をしても、正確に操作できるようになるまでに時間がかかってしまうと、それまでの勤怠管理と並行して業務をおこなうことになるかもしれません。
勤怠管理システムによっては、無料のトライアル期間が設けられているものがあるので、導入後のコストが適正であればトライアルから始めてみるのも良いでしょう。
また、システム関連の専門担当者がいない小規模企業の場合はサポートも重要なので、必要に応じてサポートサービスをおこなっているシステムを選ぶようにしてください。
7. 自社に適した小規模向け勤怠管理システムを選ぼう


小規模企業や中小企業にとって、ランニングコストがかかる勤怠管理システムの導入は負担に思えるかもしれません。しかし、勤怠管理システムを導入すると、業務効率化や法律改正へのスムーズな対応が可能などあらゆるメリットが得られるので費用対効果が実感できるでしょう。
ただし、勤怠管理システムにはクラウド型やパッケージ型などの種類があり、それぞれに発生するコストは異なります。中には、メリットよりも費用負担の方が大きくなってしまうシステムもあるため、自社の規模や勤務形態を考慮して選ぶことが大切です。
自社に適した勤怠管理システムを選び、労務の業務改善を実現しましょう。



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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