賃金台帳に必要な記載事項とは?8つの必須項目と書き方を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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賃金台帳に必要な記載事項とは?8つの必須項目と書き方を詳しく解説

賃金

賃金台帳は、法律によって作成が義務付けられている書類のひとつです。従業員を雇用している企業は、必要な項目がすべて記載された賃金台帳を作成し、管理しなければなりません。

この記事では、賃金台帳に記載すべき事項やその意味、賃金台帳を作成する際の注意点などについて詳しく解説します。違反すると罰則が科せられる可能性もあるため、正しく理解しておく必要があります。

▼賃金台帳とは?という方はまずはこちらをご覧ください。

関連記事:賃金台帳とは?給与明細との違いや対象者・記載事項・保存期間など徹底解説

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1. 賃金台帳に記載すべき8つの項目と書き方

チェックリスト

賃金台帳には、労働者ごとに記載しなければならない項目があります。まずは、労働基準法施行規則第54条で定められている8つの記載事項を確認しましょう。

記載事項

書く内容

氏名

労働者本人の氏名

性別

労働者の性別

賃金計算期間

給与計算の対象期間

労働日数

実際に労働した日数

労働時間数

実際に労働した時間数

時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数

時間外労働時間数、休日労働時間数、深夜労働時間数

基本給・手当など賃金の種類ごとの額

基本給、手当、賞与、臨時給与、現物給与など

控除項目とその額

所得税、社会保険料、雇用保険料、住民税、労使協定による控除など

参考:労働基準法施行規則 第54条|e-Gov法令検索

賃金台帳は、企業における法定三帳簿のひとつとして位置付けられており、従業員の給与や労働状況を正確に把握するために欠かせない記録です。

また、賃金台帳が整備されていない場合、法令違反として罰則が科せられることもあります。企業は労働基準法に従い、従業員一人ひとりの情報を適切に管理し、必要に応じて使用することが求められます。

1-1. 氏名

賃金台帳には、賃金を支払う労働者本人の氏名を記載します。実務上は、氏名だけでなく一意の従業員番号も併記すると、同姓同名の従業員がいる場合や、人事管理システムと照合する場合に管理しやすくなります。

改姓や通称使用がある場合は、社内の氏名管理ルールを決め、労働者名簿などとの不一致が起きないようにしましょう。

1-2. 性別

性別も、労働基準法施行規則第54条が定める法定記載事項です。賃金計算そのものに直接影響はしませんが、記載漏れがないようにしましょう。

人事情報や労働者名簿と表記がずれないように管理することが大切です。性別は重要な個人情報であり、労働者が性別変更をおこなうケースもあるため、情報の更新や閲覧権限の管理には注意が必要です。

1-3. 賃金計算期間

賃金計算期間とは、給与計算の対象となる期間です。例えば、月末締めであれば「4月1日から4月30日まで」、15日締めであれば「3月16日から4月15日まで」のように記載します。

注意が必要なのは、賃金計算期間と支払日を混同しないことです。賃金台帳で支払日や支払月だけを記録してしまうケースがあります。しかし賃金台帳では、どの期間の労働に対する賃金なのかを確認できる状態にする必要があります。

1-4. 労働日数

労働日数には、賃金計算期間中に実際に労働した日数を記載します。

例えば、所定労働日数が20日でも、欠勤や休日出勤があれば実際の労働日数は増減します。有給休暇、休業、振替休日、代休などがある場合は、勤怠データと給与計算結果を照合し、賃金台帳の記載と矛盾がないようにしましょう。

1-5. 労働時間数

労働時間数には、賃金計算期間中に実際に労働した時間数を記載します。タイムカード、出勤簿、勤怠管理システムなどの記録と一致していることが重要です。

給与計算では、休憩時間、遅刻・早退控除、勤怠の修正、端数処理などを正しく反映しなければなりません。勤怠確定後に修正が入った場合は、賃金台帳の労働時間数にも反映されているか確認しましょう。勤怠記録と賃金台帳がずれていると、労働基準監督署の調査が入った際などに未払い賃金の発生が疑われます。

1-6. 時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数

労働時間数のうち、時間外・休日・深夜労働に該当する数値を記載します。

労働基準監督署の調査では、これらの項目も労働時間数と同様、適正な管理がおこなわれているか重点的にチェックされます。

従業員に対して休日労働や時間外労働を命じるためには、36協定を締結して労働基準監督署へ届け出なければなりません。さらに時間数に応じて割増賃金を支払う必要もあるため、間違いのないように記載しましょう。

1-7. 基本給・手当など賃金の種類ごとの額

賃金台帳には、総支給額だけでなく、基本給、手当その他賃金の種類ごとの額と、時間外割増賃金を記載します。住宅手当、通勤手当、家族手当などは、種類とそれぞれの金額を記載しましょう。現物給与がある場合は、その評価総額も記載が必要です。

そのほか、賞与や臨時の給与などがある場合はそれぞれ記載し、合計額も記載します。

1-8. 控除項目とその額

控除項目には、給与から控除されるものを記載しましょう。一般的には、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが該当します。企業独自のルールで控除している費用がある場合は、忘れずに記載しましょう。

労働基準法第24条は賃金の全額払いを原則としているため、税金や社会保険料など法令に定めのあるもの以外を控除するには、原則として労使協定が必要です。社宅費、食事代、親睦会費、駐車場代などを天引きしている場合は、賃金控除に関する協定の有無も確認しておきましょう。

関連記事:賃金台帳の書き方やおすすめの書式・注意点から保管期間まで解説

参考:賃金台帳|厚生労働省

2. 賃金台帳とは?作成義務と運用ルール

チェックボックス

賃金台帳は、企業が従業員に支払う賃金を記録するための帳簿です。ここでは、賃金台帳の作成義務、給与明細との違い、記載タイミング、手書き・電子作成の可否など、運用上の基本ルールを整理します。

2-1. 賃金台帳は労働基準法で作成義務がある

労働基準法第108条では、使用者は各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項や賃金額などを、賃金支払の都度、遅滞なく記載しなければならないと定めています。

賃金台帳は、労働者名簿、出勤簿とあわせて法定三帳簿といわれることがあります。労働者名簿は従業員の基本情報、出勤簿は勤務実績、賃金台帳は賃金計算の結果を記録する帳簿です。それぞれ役割が異なるため、3つの情報が整合していることが重要です。

また、賃金台帳は各事業場ごとに作成できる状態にしておく必要があります。本社で給与計算を一括処理している企業でも、労働基準監督署の調査などで必要になった場合に、事業場ごとの賃金台帳を確認・提出できるようにしておきましょう。

賃金台帳は、普段は社内で保存する帳簿ですが、労働基準監督署の調査や年金事務所の社会保険の調査で確認されることがあります。また、傷病手当金、出産手当金、育児休業給付など、社会保険・労働保険の給付に関する手続き書類に添付が求められる場面もあります。

そのため、賃金台帳は勤怠記録、給与明細、社会保険料、税額、控除額との整合を後から説明できる状態にしておくことが大切です。特に、複数拠点を持つ企業や本社で給与計算を一括している企業では、事業場ごとに必要なデータを取り出せるかを確認しておきましょう。

解説:大手外資企業HRCoE/社会保険労務士 迫 まり恵

2-2. 一般的な給与明細では代用できない

給与明細は、従業員に支給額や控除額を知らせるための書類です。一方、賃金台帳は、企業が法令にもとづいて作成・保存する帳簿です。目的が異なるため、一般的な給与明細だけでは賃金台帳の代わりにならないことが多いです。

例えば、給与明細には性別や賃金計算期間などが記載されていないことがあります。このような場合、給与明細だけでは法定記載事項を満たせません。

ただし、8項目すべてを網羅し、事業場ごとに保存・表示・印刷でき、必要なときに提出できる状態であれば代用できる余地があります。名称が「給与明細」かどうかではなく、法定の記載事項を満たしているかで判断しましょう。

2-3. 給与を支払うたびに記載する必要がある

賃金台帳は、給与を支払うたびに遅滞なく記載する必要があります。月給制の従業員であれば毎月の給与支払後、賞与を支払った場合は賞与支払後にも、必要事項を反映させることが基本です。

実務では、給与確定後にシステムから賃金台帳を出力するケースが多いでしょう。ただし、出力して終わりではなく、給与明細や振込データと整合しているかを確認することが重要です。

2-4. 賃金台帳は手書きでも問題ない

賃金台帳は、法定記載事項を網羅していれば手書きで作成しても問題ありません。

ただし、手書きの場合は、記載漏れ、転記ミス、計算ミスが起きやすくなります。従業員数が増えてきた企業ではExcelや給与計算システム、勤怠管理システムとの連携を検討するのがおすすめです。

3. 賃金台帳に記載すべき対象者と注意点

デバイスを操作してチェックしている人賃金台帳は、雇用形態にかかわらず、賃金を支払う労働者ごとに作成します。ただし、日雇い労働者、管理監督者、出向者、役員兼従業員などは、記載項目や作成主体の確認が必要です。

ここでは、賃金台帳に記載が求められる対象者と間違いやすいポイントを解説します。

3-1. 雇用形態にかかわらず記載が必要

賃金台帳は、正社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイト、嘱託社員など、賃金を支払う労働者ごとに作成が必要です。週1日勤務や短時間勤務のアルバイトであっても、労働者として使用し賃金を支払っている場合は対象です。

派遣社員については、派遣先ではなく派遣元が賃金を支払うため、賃金台帳も原則として派遣元が作成します。

3-2. 日雇い労働者は勤務期間に応じて内容が異なる

日雇い労働者でも、賃金台帳の作成対象です。ただし、1ヵ月を超えて引き続き使用されない場合、賃金計算期間の記載は不要です。

3-3. 管理監督者は記載項目が通常の従業員と異なる

管理監督者に該当する従業員は、労働基準法第41条により、労働時間、休憩、休日の規定が適用されません。そのため、賃金台帳には「労働時間数」「時間外労働」「休日労働」の記載は必要ありません。

ただし、深夜労働に関しては、深夜手当の対象となるため、深夜労働時間数は記載しなければなりません。

関連記事:労働基準法第41条第2号に規定された管理監督者について詳しく解説

3-4. 出向者・役員兼従業員は実態に応じ要否を確認する

出向者については、出向元と出向先のどちらが賃金を支払い、どちらが勤怠を管理しているかを確認する必要があります。在籍出向では、出向元との雇用関係が残りつつ、出向先で指揮命令を受けるケースがあります。出向契約書、給与負担、勤怠管理の主体を確認し、賃金台帳をどちらで作成・保存するか整理しておきましょう。

役員は、会社法上の役員としての報酬だけを受ける場合、労働基準法上の労働者に該当しないことが殆どです。一方、兼務役員として従業員部分の給与を受けている場合は、その労働者部分について賃金台帳の対象となる可能性があります。

役職名だけで判断せず、雇用契約、職務内容、給与の性質を確認することが大切です。

4. 賃金台帳の保存期間・電子保存・罰則

ビックリマーク

賃金台帳は、作成するだけでなく、一定期間保存する義務があります。電子保存も可能ですが、必要なときに表示・印刷・提出できる状態にすることが大切です。

ここでは、賃金台帳の保存期間や保存方法、罰則を解説します。

4-1. 保存期間は5年(当面の間は3年)

賃金台帳の保存期間は、労働基準法第109条により原則5年です。ただし、経過措置により、当面の間は3年とされています。実務では、少なくとも3年間は確実に保存し、未払い賃金請求や社会保険調査、税務書類との関係も踏まえて、社内ルールとしてより長く保存するか検討するとよいでしょう。

保存期間の起算日は、原則として最後に記載した日です。ただし、記録に係る賃金の支払日が最後の記載日より遅い場合は、その支払日が起算日です。早く破棄してしまわないよう、保存期間の管理方法も明確にしておきましょう。

4-2. Excelやシステムで電子保存する場合の注意点

賃金台帳は、Excelや給与計算システムで作成・保存することもできます。画面表示と印字ができ、労働基準監督署の調査などの際に直ちに必要事項を明らかにして提出できる状態であれば、電子保存が可能です。

本社などで一括してパソコンで作成・保存すること自体は差し支えないものの、閲覧や提出が必要な場合に、事業場ごとにデータを取り出せる仕組みにしておく必要があります。

4-3. 作成・保存に不備がある場合の罰則

賃金台帳を作成していない場合や、必要事項を記載していない、虚偽の労働時間数を記載した、保存期間中に破棄してしまった場合などは、労働基準法違反として30万円以下の罰金が科される可能性があります。

実務上は罰則だけが問題になるわけではありません。賃金台帳に不備があると、労働基準監督署の調査や従業員からの給与問い合わせ、未払い賃金トラブルなどで対応できなかったり、行政指導を受ける可能性があります。

賃金台帳は、給与を支払うたびにその内容を記載し、更新していかなければなりません。毎月1回は給与を支払う必要があるため、基本的には賃金台帳も毎月更新していく必要があります。勤怠管理システムやタイムカードなどの情報を確認しながら正確な情報を記載していきましょう。

当サイトでは「賃金台帳のガイドブック」という資料を無料配布しております。本資料では、賃金台帳の作成方法はもちろん、記載するべき項目を実際の記載例をまじえて解説します。興味のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

5. 賃金台帳の記載事項を正しく管理し労務管理の精度を高めよう

従業員の管理

賃金台帳は、給与計算の結果を残すだけの帳簿ではありません。法定の項目を正しく記載することで、企業が適切に賃金を支払っていることを説明できる重要な記録です。

まずは、労働基準法施行規則第54条で定められた8つの記載事項を満たしているか確認しましょう。そのうえで、日雇い労働者、管理監督者、派遣社員、出向者、役員兼従業員など、対象者ごとの扱いを整理することが大切です。

賃金台帳を正しく管理できれば、給与計算のミス防止だけでなく、労働基準監督署の調査や従業員からの問い合わせ対応にも役立ちます。作成・確認・保存ルールをそろえ、労務管理の精度を高めていきましょう。

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