賃金台帳とは?基本的な作成方法と知っておきたい法的ルール - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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賃金台帳とは?基本的な作成方法と知っておきたい法的ルール

賃金台帳

従業員を雇い入れている企業は、賃金台帳を作成して保存することが義務づけられています。この台帳は労働基準監督署や年金事務所などの調査の際に必要なもので、作成を怠ると罰則が科されることもあるため注意が必要です。

この記事では、賃金台帳の作成方法と法的ルールについて説明します。正しい作成方法と保存方法を押さえて、従業員への支払いを適切に管理しましょう。

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いずれも、雇用形態に限らず、従業員を雇用する際には必要となるうえ、労働基準法で保存期間や記載事項などが決められているため、適切に調製しなければなりません。

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1.賃金台帳とは?

コインを上る男性
賃金台帳とは、労働基準法で作成が義務づけられている帳簿のひとつで、従業員に支払った給与に関する事項を記載しておくものです。まずは、賃金台帳の役割や記載事項、ほかの書類との違いについて見ていきましょう。

1-1.賃金台帳の役割と対象

賃金台帳とは、労働基準法の第108条で作成が義務づけられた書類です。従業員への給料の支払情報を記載するもので、同じ会社でも部門や事業内容が異なる場合、事業所ごとに作成して保存する必要があります。会社の労務管理には欠かせない、非常に重要な書類です。

なお、台帳を作成する対象となるのは、事業所で労働するすべての従業員です。正社員や管理監督者はもちろんのこと、パートタイマーやアルバイト、日雇い労働者も対象となります。個人事業主の場合でも、従業員が1人でもいる場合は賃金台帳の作成が必要になります。

1-2.賃金台帳に記載する事項

賃金台帳に記載する事項は、労働基準法施行規則の第54条で以下のように定められています。[注1]

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外・休日・深夜労働時間数
  7. 基本給や手当の種類およびその額
  8. 控除内容とその額

労働基準法の第109条では、使用者は上記の内容を明記し、最後に書き入れた日から起算して5年間保存しておくことが義務づけられています。使用者は正しく台帳を作成して保存しないと労働基準法違反となり、同法120条に記載の通り30万円以下の罰金に処されるおそれがあります。

関連記事:賃金台帳に必要な記載事項とは?それぞれの意味を詳しく解説

[注1]e-GOV|労働基準法施行規則

1-3.賃金台帳と給与明細の違い

賃金台帳と似た書類として、「給与明細」という書類があります。どちらも従業員に支払った給与について記載した書類ですが、給与明細を賃金台帳として代用することはできないので注意しましょう。なぜなら、給与明細には賃金台帳の要件である法定項目が記載されていないためです。

以下に賃金台帳と給与明細の違いをまとめていますので、ここでしっかりと区別しておきましょう。

賃金台帳と給与明細の違い

関連記事:給与明細とは?発行の必要性や記載する項目を詳しく紹介

2.賃金台帳の基本的な作成方法

書類に記入する様子
役割や記載事項がわかったら、実際に作成に入っていきましょう。この章では、賃金台帳の基本的な作成方法を解説します。

2-1.作成方法を選ぶ

賃金台帳には記載すべき項目が定められていますが、書式についてはとくに定められていません。そのため法定項目さえ満たしていれば、どのような書式でも正式な賃金台帳として認められるのです。

一般的な作成方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • Excelで作成する
  • 会計ソフトを使う
  • 厚生労働省が配布しているテンプレートを使う

参考:厚生労働省|主要様式ダウンロードコーナー

賃金台帳は、上記の方法で企業が自ら作成することも可能ですし、社労士に依頼して作成してもらうことも可能です。従業員数によって費用は異なりますが、社労士に依頼すれば1か月あたり3~5万円程度で作成してもらうことができます。

作成をアウトソースすることには費用がかかりますが、従業員が多い場合は、自社で作成するよりも外注化したほうが時間的・人的コストの削減につながるケースもあります。まずは、自社に合った作成方法を選びましょう。

関連記事:賃金台帳の書き方や注意点・おすすめの書式を紹介

2-2.法定項目を踏まえて記載する

作成方法が決まったら、あとは法定項目を踏まえて記載していくのみです。それぞれの項目のポイントをまとめたので、作成時はしっかりと押さえておきましょう。

  • 氏名・性別
    従業員が特定できるよう、氏名だけではなく性別も記載しておきます。氏名の隣など、わかりやすい場所に性別を記載する欄を作成しておきましょう。
  • 賃金計算期間
    給与が正確に計算されているかどうかを判断するために、働いた期間は必ず記載しておきます。たとえば、「2021年1月10日~2021年10月31日」などと書いておくことで、支払ったのが何か月分の給与かを確認できるようにしておきます。

この項目は正社員でもアルバイトでも記載する必要がありますが、例外として1か月未満の日雇い労働者の場合は記載が不要です。

  • 労働日数・労働時間数
    その期間中に労働した日数と時間数についても記載しておきます。タイムカードを見ながら記載すると、ミスが防げます。
  • 時間外・休日・深夜労働時間数
    時間外労働や休日労働、深夜労働時間数は、残業代や休日手当、深夜労働手当などを計算するときに必要な情報です。それぞれで割増率が異なるため、個別に時間を計算して記載に残しておかなければいけません。

管理監督者や管理職の人は、時間外手当や休日手当に関しては支払いが不要であるため、記載が不要です。ただし、深夜労働手当は支払いが必要なので、記載しておきましょう。

  • 基本給や手当の種類およびその額
    基本給だけではなく、通勤手当や扶養手当などの手当をすべて項目別に金額を記載します。通貨以外で支払われる給与がある場合は、その部分についても記載する必要があります。
  • 控除内容とその額
    給与から差し引く健康保険や雇用保険などについて、その内容と金額を残しておきます。会社が独自で控除している旅行積立金や社宅費、財形貯蓄などについても記載する義務があります。

関連記事:賃金台帳はアルバイトでも必要なの?項目と書き方を解説

3.賃金台帳の法的ルールについて

法律の本
賃金台帳は、労働基準法の108条によって作成が義務づけられている帳簿です。そのため、法的ルールにのっとって管理・保存することが求められています。

この台帳は、先述したように法定項目の記載が義務づけられているほか、同法109条および労働基準法施行規則の第56条により、最後に書き入れた日から起算して、5年間保存することが法的ルールとして規定されています。なお、保存の方法は紙媒体でも電子媒体でも問題ありません。

上記の法的ルールを遵守せずに法定項目の基準を満たしていない場合や、台帳を保存していない場合は労働基準法違反となるため注意しましょう。労働基準監督署から是正監督書が交付されるほか、悪質な場合は30万円以下の罰金が科されてしまう可能性があります。

なお、労働基準法で作成・保存が義務づけられた帳簿はほかにもあり、同法107条に規定されている労働者名簿や、108条に規定されている出勤簿などが挙げられます。これらの帳簿は総称して「法定三帳簿」と呼ばれ、従業員を雇い入れる企業は必ず備えつけておかなければいけません。

関連記事:賃金台帳の保存期間や違反した際の罰則・保存方法を解説

4.ルールを押さえて正しく賃金台帳を作成・保存しよう

書類の保管
賃金台帳とは、従業員を雇用する企業が必ず作成・保存しなくてはいけない帳簿のひとつです。従業員に対して支払った給与を正しく管理するための帳簿で、労働基準監督署や年金事務所などの調査で必要となるものなので、しっかりと備えつけておきましょう。

指定されたフォーマットはありませんが、法定項目を押さえて作成し、最後に書き入れた日から5年間保存することがルールで定められています。正しい取り扱い方を押さえて、適切に管理することを心がけてください。

関連記事:賃金台帳の提出が必要な状況や提出方法をわかりやすく解説
関連記事:賃金台帳の写しが必要な場面や作成時の注意点を解説

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YOSHIDA

YOSHIDA

クラウドサービス比較のメディア運営を経て、jinjerBlog編集部に加入。バックオフィス向けサービス「ジンジャー」を導入いただいたお客様に事例取材をおこない、現場の課題をキャッチアップしながら、人事業務や契約業務に役立つ情報をお届けします。

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