賃金台帳とは?給与明細との違いや対象者・記載事項・保存期間など徹底解説
更新日: 2026.3.31 公開日: 2021.11.12 jinjer Blog 編集部

従業員を雇い入れている企業は、賃金台帳を作成して保存することが義務づけられています。この台帳は労働基準監督署や年金事務所などの調査の際に必要なもので、作成を怠ると罰則が科されることもあるため注意が必要です。
この記事では、賃金台帳の作成方法と法的ルールについて説明します。正しい記載事項と保存方法を押さえて、従業員への給与の支払いを適切に管理しましょう。
目次
- 「賃金台帳の作成方法や保管期間などがあっているか不安」
- 「賃金台帳を作成していない場合のリスクを知りたい」
など賃金台帳の取り扱いに関して不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、必要な項目や具体的な記入例を交えながら、作成手順を詳細に解説した『賃金台帳の作成ガイドブック』を無料で配布しています。
「法律に則って適切に帳簿を管理したい」「賃金台帳の基本を確認しておきたい」という担当者の方は、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。
1. 賃金台帳とは?


賃金台帳とは、労働基準法第108条で作成が義務づけられている帳簿で、従業員に支払った給与に関する事項を記載しておくものです。まずは、賃金台帳について、役割や対象者など概要を詳しく見ていきましょう。
1-1. 賃金台帳の役割|法定三帳簿のひとつ
賃金台帳は、従業員への給与の支払情報を記録するもので、労働者の権利や労働条件を保護するための措置の一環として作られます。
給与の労働時間に対する支払い情報や、休暇、控除などの情報を正確かつ透明に記録し、法的要件を遵守するための根拠となります。また、給与支払いのトラブルがあった際の情報源や、経営における支出管理のデータとしても活用できます。
さらに、賃金台帳に記載された賃金情報は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件の判定や標準報酬月額の決定、労働保険(雇用保険・労災保険)の保険料算定の基礎資料として活用されることもあるので、内容を正確かつ適切に管理することが不可欠です。
なお、賃金台帳は法定三帳簿のひとつでもあります。
法定三帳簿とは、労働基準法によって作成が義務付けられている3つの帳簿を指します。これには「賃金台帳」をはじめ、従業員に関する情報を記載する「労働者名簿」、および「出勤簿」が含まれます。これらの帳簿は、法律に基づいて作成・保存が求められ、企業は労働者を雇用した際に、必ず整備しておく必要があります。
(賃金台帳)
第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
関連記事:法定三帳簿とは?記載事項や保存期間・作成しない場合の罰則を解説
1-2. 賃金台帳は事業場ごとに備え付ける必要がある
賃金台帳は同じ企業であっても、事業場ごとに作成して保存する必要があります。なお、各事業場とは「労働者が使用者の指揮命令に従って労働をおこなう場所または施設」を指します。
例えば、東京に本社、大阪に支社があり、それぞれが独立した組織単位として運営されている場合は、東京と大阪でそれぞれ賃金台帳を作成・管理しなければなりません。つまり、1つの企業であっても2つの事業場があれば、賃金台帳も2冊必要です。
また、労働基準監督署も事業場所在地ごとに管轄を分けており、原則として各事業場を個別に指導監督します。なお、独立した事業場として認められない場合には、直近上位の事業場を管轄する労働基準監督署が指導をおこなう取り扱いとされています。
1-3. 賃金台帳と給与明細の違いとは?代用できる?
|
– |
賃金台帳 |
給与明細 |
|
記載事項 |
労働基準法により法定項目が定められている |
給与の金額や出勤日数など、当月の勤怠情報を記載する |
|
保存義務 |
労働基準法により5年間(当面の間は3年)の保存が義務づけられている |
給与支払いの際に発行するが、企業の保存義務はない |
|
作成の目的 |
従業員への給与支払を管理するため |
従業員に給与を通知するため |
賃金台帳と似たような項目を管理する書類に、給与明細があります。給与明細は、賃金台帳の代わりになることはありません。給与明細と賃金台帳は、異なる目的と役割を持つ文書だからです。
給与明細には、従業員の給与額や控除額、支給内容に特化した情報が記載されているので、従業員に対する具体的な給与通知の役割を果たします。一方で、賃金台帳は、法的に定められた項目を含むより包括的な記録であり、企業が労働者の賃金支払い状況を正確に管理するための重要なツールです。
給与明細の保存は義務付けられていませんが、所得税法第231条により、給与を支払う際には従業員に明細を交付する義務があります。また、給与明細の電子化も認められており、専用システムなどを通じて電子的に交付することで、業務の効率化やペーパーレス化を進めることが可能です。電子交付を導入する場合は、従業員が内容をきちんと確認できる環境を整えることが重要です。
関連記事:給与明細とは?保管期間や注意点、記載項目までくわしく解説
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2. 賃金台帳の記載対象者となる従業員


賃金台帳は、原則として、事業所で労働に従事するすべての「労働者」を対象として作成します。正社員や管理監督者だけでなく、パートタイマー、アルバイト、日雇い労働者も含まれます。
派遣社員についても労働者に該当しますが、賃金台帳の作成義務を負うのは派遣先企業ではなく派遣元企業です。この点は誤りやすいため注意が必要です。
一方で、役員やフリーランスなど、労働基準法上の「労働者」に該当しない者は賃金台帳の記載対象にはなりません。ただし、個人事業主であっても従業員を1人でも雇用している場合は、使用者として賃金台帳を作成する義務が生じます。
ここからは、例外的な取り扱いが必要となるケースについて解説します。
2-1. 日雇い労働者
日雇い労働者は、賃金台帳の作成対象者に含まれますが、注意点として継続勤務が1ヵ月を超えない場合、「賃金計算期間」を記載する必要はありません。
短期的な雇用形態においても、適切な記録を保持し、法的要件を満たすことが求められます。正確な記載をおこなうことで、将来的なトラブルを防ぎ、労働者の権利保護につながります。
2-2. 管理監督者
管理監督者は、労働基準法第41条に基づき、特定の労働時間や休憩・休日の規定が適用されない重要な立場にあります。そのため、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の支払い義務は生じません。
この取り扱いを踏まえると、賃金台帳においても、管理監督者については「時間外労働時間数」や「休日労働時間数」の記載は通常想定されません。一方で、深夜労働に対する割増賃金の規定は適用除外とならないので、深夜労働時間数およびそれに対応する賃金額については記載が必要です。
なお、働き方改革関連法により、2019年から管理監督者に対しても「労働時間の状況」を把握する義務が課されています。したがって、労働時間が適用されない管理監督者についても、賃金台帳を通じて労働時間を把握するためには、タイムカードなどの客観的な記録と併せて管理することが求められます。
関連記事:労働基準法第41条第2号に規定された管理監督者について詳しく解説
2-3. 高度プロフェッショナル制度対象者
高度プロフェッショナル制度とは、高度な専門的知識を有し、一定の年収要件などを満たす労働者を対象に、労働基準法の「労働時間、休憩、休日、深夜の割増賃金」規定を適用除外とする制度です。
この制度の対象者は、労働時間規制の枠外で働くことになるため、これらの時間管理に関する項目については賃金台帳へ記載しなくても差し支えありません。ただし、基本給や各種手当、控除額などの賃金に関する事項は、他の労働者と同様に賃金台帳へ正しく記載する必要があります。
また、高度プロフェッショナル制度では、健康確保措置の一環として「健康管理時間」の把握が義務付けられており、これは自己申告だけでなく、入退館記録やPCの使用記録などの客観的な方法により把握しなければなりません。
関連記事:賃金台帳はアルバイトでも必要なの?項目と書き方を解説
3. 賃金台帳に記載すべき必須項目と書き方


賃金台帳に記載する事項は、労働基準法施行規則第54条で次のように定められています。
- 氏名
- 性別
- 賃金計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 時間外・休日・深夜労働時間数
- 基本給や手当の種類およびその額
- 控除内容とその額
これらの項目は、賃金の透明性確保や従業員の権利保護のために重要であり、企業は法令に従って適切に記載する必要があります。
特に、労働時間や賃金に関する詳細な記録は、トラブル回避や税務調査においても役立ちます。誤りや漏れがないように記載することで、従業員および企業双方の信頼関係を築くことができます。それぞれの項目のポイントをまとめたので、詳しくみていきましょう。
3-1. 氏名・性別
従業員が特定できるよう、氏名だけではなく性別も記載しておきます。氏名の隣など、わかりやすい場所に性別を記載する欄を作成しておきましょう。
また、役職や社員番号を併記することも推奨されます。これにより、同姓同名の従業員がいる場合でも、混乱を避けられ、記録の正確性が向上します。正確な情報は、今後の労務管理や各種手続きにおいて非常に重要となるため、しっかりとした記入を心がけましょう。
3-2. 賃金計算期間
例えば「2026年1月11日~2月10日」などと記載し、支払った給与がいつからいつまでの分なのかわかるようにします。この項目は正社員でもアルバイトでも記載する必要がありますが、例外として1ヵ月未満の日雇い労働者の場合は記載が不要です。
加えて、賃金計算期間は、労働基準法に基づき、企業が適切に給与を支給するための重要な情報です。このため、期間を明確に示すことで、透明性の確保や、後々のトラブルを避けることにもつながります。特に月末締めや特定の休日に合わせた給与支払いをおこなっている場合は、正確な計算期間を明記することで、倍払いの防止や、税務上の整合性を保つためにも重要な役割を果たします。
3-3. 労働日数・労働時間数
その期間中に労働した日数と時間数についても記載しておきます。タイムカードを見ながら記載すると、ミスが防げます。
また、労働時間数には、有給休暇を取得した日や休憩時間なども適切に管理したうえで、実際に働いた時間を正確に記録することが重要です。これにより、従業員の労働状況が把握しやすくなり、適正な賃金計算にもつながります。
さらに、労働時間の集計をおこなう際には、残業や休日出勤など特別な働き方に関する情報も別途明記することで、適正な賃金を確保するための基礎データとして活用できます。
3-4. 時間外・休日・深夜労働時間数
時間外労働(1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えた労働)や休日労働(法定休日の労働)、深夜労働(原則22時~翌5時の労働)の時間数は、残業代や休日手当、深夜手当といった割増賃金を計算するときに必要な情報です。それぞれで割増率が異なるため、個別に時間を計算して記載しておかなければいけません。これにより、適切な賃金の算定をおこなうことが可能となります。
また、勤務シフトによっても働いた時間が変動するため、労働時間の記録は正確におこない、労働者が適正な手当を受け取れるように配慮することが求められます。このような記録は、万が一トラブルが発生した場合にも、証拠として活用できるので、注意深く管理しておくことが望ましいです。
関連記事:労働基準法第37条とは?割増賃金の計算方法や注意点を解説
3-5. 基本給や手当の種類およびその額
賃金台帳には、各手当の詳細を明確に記載することも大切です。手当には、職務手当、役職手当、成績手当など、企業ごとにさまざまな種類があるので、各手当の支給額を個別に記載することで、賃金体系の透明性を高められます。
また、法定最低賃金を下回ることがないよう、基本給や各種手当が適正であることを確認するために、必要に応じて過去のデータと比較することも効果的です。これにより、労働者の権利を守りつつ、企業側でも不正支給やトラブルのリスクを回避できます。
関連記事:労働基準法に基づく最低賃金とは?その基準や違反への罰則を解説
3-6. 控除内容とその額
給与から差し引く社会保険料や税金などについて、その内容と金額を残しておきます。
企業が独自で控除している旅行積立金や社宅費、財形貯蓄などについても記載する義務があります。これにより、賃金の透明性を確保し、後々のコンプライアンス問題の防止にも役立ちます。
特に、控除項目が多様である場合には、従業員への説明責任にも配慮することが重要です。
関連記事:賃金台帳に必要な記載事項とは?それぞれの意味を詳しく解説
3-7. 【ポイント】賃金台帳のフォーマット(様式)に決まりはある?
賃金台帳のフォーマット(様式)については、法令で記載すべき項目は定められているものの、具体的な書式までは決められていません。ただし、労働基準監督署の調査などで提示を求められることもあるので、内容を正確に管理し、いつでも確認・出力できる状態にしておくことが大切です。
ここまでで、賃金台帳の役割や対象となる従業員、必須項目について紹介してきましたが、実際の作成方法にご不安はありませんか?当サイトでは、賃金台帳の基本的なルールや作成方法を一つひとつ解説した「賃金台帳の作成ガイドブック」を配布しております。本資料ひとつで賃金台帳に関しては網羅的に理解できる資料となっているので、法律を順守した賃金台帳をミスなく作成したいとお考えの方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
4. 賃金台帳の保存期間と保管方法


賃金台帳は、労働基準法第108条によって作成が義務づけられている帳簿です。法的ルールに則って管理・保存しなければなりません。
前述のとおり、帳簿に記載する項目が指定されていることに加え、保管期間にもルールが設けられているので注意しましょう。
4-1. 5年間(当面の間は3年)の保存期間
賃金台帳は、先述したように法定項目の記載が義務づけられているほか、労働基準法第109条および労働基準法施行規則第56条により、原則最後に書き入れた日から起算して、5年間(当面の間は3年)保存することが法的ルールとして規定されています。なお、最後に書き入れをおこなった日よりも、当該記録に関わる賃金の支払期日が後にくる場合、その賃金の支払期日が起算日となります。
また、賃金台帳と源泉徴収簿を兼ねて管理しているケースもあるかもしれません。その場合、「その申告書等の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間」の保存が義務付けられます。つまり、5年間から7年間に保存期間が延びるので気を付けて管理しましょう。
参考:労働基準法第109条|e-Gov法令検索
参考:労働基準法施行規則第56条|e-Gov法令検索
参考:No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間|国税庁
関連記事:賃金台帳の保存期間は5年!起算日や保存方法、違反した際の罰則を解説
4-2. 賃金台帳の保管方法
賃金台帳は支社や事業所ごとの保存が必要です。賃金台帳の具体的な保管方法に定めはありません。ただし、紙での保管、データでの保管どちらの場合であっても、いつでも提出できるようにしておくことが大切です。
賃金台帳は、労働基準監督署などの行政機関から提出を求められることがあります。その際にすぐ対応できるよう、日頃から整理・保管しておくことが重要です。データで保管している場合は、検索性も高く、迅速に提出しやすいでしょう。紙で保管している場合でも、年単位などで整理しておけば、スムーズに対応できます。
4-2-1. 賃金台帳を電子保存・保管する際の要件
賃金台帳は電子保存が認められています。賃金台帳を電子保存するには、次のような要件を満たす必要があります。
(1)法令で定められた要件を具備し、かつそれを画面上に表示し印字することができること。
(2)労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること。
(3)誤って消去されないこと。
(4)長期にわたって保存できること。
これに加えて、特に賃金台帳と源泉徴収簿を兼用している書類を電子化している場合は、電子帳簿保存法の要件にも注意が必要です。保存形式や要件を満たしていないと、法的に認められない可能性があります。また、賃金台帳の保存方法や保存期間について不安がある場合は、社会保険労務士や税理士などの専門家に相談し、適切に管理することが大切です。
5. 賃金台帳に関する法的罰則とルール


続いて賃金台帳の作成、保管における具体的なルールやそれに対して不備があった際に、どのような罰則があるのか解説していきます。
5-1. 賃金台帳に不備があった場合の罰則
賃金台帳の法的ルールを遵守せず、法定項目の基準を満たしていない場合や、正しい期間保存していない場合は労働基準法違反となるため注意しましょう。労働基準監督署から是正監督書が交付されるほか、悪質な場合は同法120条に記載のあるとおり30万円以下の罰金が科されてしまう可能性があります。
賃金台帳がない場合は、まず法令の遵守を優先し、迅速に賃金台帳の作成に取り掛かることが重要です。労働基準法に基づき、この台帳は企業にとって必須の記録なので、未作成の場合は法的なリスクを伴います。
作成にあたっては、必要な記載項目を確認したうえで、電子形式での保存も可能であるため、便利なシステムやテンプレートを利用して効率よく進めましょう。早急に対策を講じることで、企業の信頼性を保ち、問題を未然に防げます。
関連記事:賃金台帳の提出方法を解説!賃金台帳がない場合の対応も紹介
5-2. 賃金台帳に提出・開示義務はある?
賃金台帳について、一般的に法的な提出義務はありません。労働基準法などの労働関連法令では、賃金台帳の作成と保存が義務付けられていますが、その提出に関しては明確な要件はありません。
ただし、労働監督官庁や税務当局など、特定の機関からの要請や監査に対しては、賃金台帳の提出が求められる場合があります。これは、労働条件や給与に関する情報の確認や評価を目的としたものです。
また、労働組合や労働者本人からの要求に応じて、賃金台帳の開示や提供が求められることもあります。労働者への直接的な開示義務はありませんが、労働者の権利保護や労務管理の透明性を確保するためにも、正確かつ迅速に対応できるよう、日頃から適切に管理しておくことが重要です。
6. 賃金台帳の作成方法


賃金台帳の役割や記載事項を理解したら、次は実際の作成に進みましょう。賃金台帳には法律で定められた記載項目がありますが、様式そのものに決まった形式はありません。ここでは、賃金台帳を作成するための手法を紹介します。
6-1. 手書きで作成する
賃金台帳は記載事項を正しく守れば、手書きで作成しても問題ありません。紙に手書きで記入して作成すれば、簡単に賃金台帳を管理できます。
しかし、手書きで賃金台帳を作成する場合、時間と手間がかかるうえ、ミスも発生しやすくなります。また、経年劣化、紛失・盗難のリスクもあります。賃金台帳の作成・管理を効率化したいのであれば、デジタルツールを活用するなど、他の方法も検討してみましょう。
6-2. エクセルで作成する
賃金台帳は、エクセルなどの表計算ソフトを使って管理することもできます。普段から業務で利用し、使い慣れているエクセルであれば、新たなコストをかけずに、賃金台帳を作成し、管理を効率化することが可能です。
また、インターネット上にある無料の賃金台帳テンプレートを活用すれば、作成の手間を削減できます。ただし、法律で定められた記載事項がきちんと網羅されているか確認することが大切です。
6-3. 厚生労働省のフォーマット・テンプレートを使う(無料)
厚生労働省は賃金台帳のフォーマット・テンプレートを無料で公開しています。常時労働者用と日雇い労働者用の2種類が用意されていて、法定項目もきちんと網羅されているので、安心して賃金台帳の作成に役立てられます。
厚生労働省の賃金台帳のフォーマット・テンプレートを用いる際は、主にダウンロードして印刷する方法と、内容をコピー・カスタマイズしてエクセルで管理する方法が考えられます。自社のニーズにあった方法で上手に活用しましょう。
参考:主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)|厚生労働省
6-4. 会計ソフトを使う(勤怠管理・給与計算との連携がおすすめ)
賃金台帳は、会計ソフトを活用して作成することも可能です。勤怠管理システムや給与計算ソフトと連携させることで、賃金データを自動で反映でき、効率的に賃金台帳を作成できます。また、会計ソフトで作成した賃金台帳は、PDFやCSVなど複数の形式で出力できるので、保存や提出にも便利です。
さらに、会計ソフト上で賃金台帳を管理すれば、経理業務と労務管理を一元化でき、事務作業の効率化につながります。なかには法令改正に自動対応する機能を備えた製品もあり、最新の法令に沿った運用をおこないやすい点もメリットです。
6-5. 社労士など専門家に依頼する
賃金台帳の作成するやり方には、自社で作成する方法以外に、社会保険労務士(社労士)などの専門家に依頼して作成する方法もあります。従業員数によって費用は異なりますが、社労士に依頼すれば1ヵ月あたり3~5万円程度で作成してもらえるケースが多いです。
作成をアウトソースすることには費用がかかりますが、従業員が多い場合は、自社で作成するよりも外注化したほうが時間的・人的コストの削減につながる場合もあります。まずは、自社に合った作成方法を選びましょう。
関連記事:賃金台帳の書き方やおすすめの書式・注意点から保管期間まで解説
7. 賃金台帳の作成から管理までを正しく理解しよう


賃金台帳とは、従業員を雇用する企業が必ず作成・保存しなくてはいけない帳簿のひとつです。従業員に対して支払った給与を正しく管理するための帳簿で、労働基準監督署や年金事務所などの調査で必要となるものなので、しっかりと備えつけておきましょう。
指定されたフォーマットはありませんが、法定項目を押さえて作成し、原則最後に書き入れた日から5年間(当面の間は3年)保存することがルールで定められています。賃金台帳の正しい取り扱いを理解し、適切に管理することを心がけてください。



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