労災保険料とは?料率や計算方法、申告・納付の注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労災保険料とは?料率や計算方法、申告・納付の注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労災保険料とは?料率や計算方法、申告・納付の注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労災保険料とは?料率や計算方法、申告・納付の注意点を解説

職場での事故の様子

労災保険は、業務中や通勤途中のケガ・病気などから労働者を守るための制度であり、その保険料は全額を事業主が負担します。

しかし、労災保険料の算出には業種ごとに異なる「労災保険率」を用い、雇用保険料と合わせた「年度更新」での申告・納付が必要になるなど、実務上の手続きは多岐にわたります。

本記事では、労災保険料の基礎知識から具体的な計算方法、申告・納付時の注意点まで、担当者が押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。

給与担当者向け! 給与計算パーフェクトマニュアル

「自社の給与計算の方法に不安がある」「労働時間の集計や残業代の計算があっているか確認したい」「社会保険や所得税・住民税などの計算方法があっているか心配」など、給与計算に関して不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて当サイトでは「給与計算パーフェクトマニュアル」という資料を無料配布しています。

資料では、労働時間の集計から給与明細の作成まで給与計算の一連の流れをわかりやすく解説しています。
間違えやすい給与の計算方法をおさらいしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 労災保険料は誰が支払う?

書類をみて心配している

労災保険料は、労働者が業務中や通勤途中にケガや病気、障害、死亡などの災害に遭った場合に、必要な給付をおこなうための保険制度に基づくものです。この保険料は、労働者ではなく事業主が負担する点が大きな特徴であり、雇用する側の重要な法的義務とされています。

1-1. そもそも労災保険とは?

労災保険(労働者災害補償保険)の適用単位は、原則として「本社」「支店」「営業所」などの個々の事業ごとです。ただし、事業の種類が同一で労災保険率が同じであるなど一定の要件を満たす場合は、「継続事業の一括」の承認を受けることで、指定された事業にまとめて適用できる場合があります。

また、労災保険への加入は事業主の義務であり、原則として、労働者を1人でも雇用する場合は、雇用形態に関わらず必ず加入しなければなりません。

【加入対象者】

  • 一般労働者(正社員、パート・アルバイト、日雇い労働者などすべて)
  • 派遣労働者(派遣元で加入)
  • 船員保険の被保険者(船舶所有者に雇用されている船員)
  • 海外出張中の労働者

【加入対象外】

  • 法人の役員(ただし労働実態がある場合は加入可能)
  • 事業主の親族(就労実態と賃金支払いがあるなど条件を満たせば加入可能)

法人の役員や事業主の親族など、個別の判断が必要なケースについては、最寄りの労働局・労働基準監督署に確認することをおすすめします。

参考:労働保険の適用単位と対象となる労働者の範囲|厚生労働省

1-2. 労災保険料は全額事業主が負担する

労災保険料は全額を事業主が負担するため、労働者が支払うことはなく、従業員の給与から天引きすることもありません。

また、労災保険料と雇用保険料をあわせて「労働保険料」といいます。このうち雇用保険料は労使で負担割合が定められているので、労働者負担分については従業員の給与から控除する必要があります。

関連記事:【令和7年度版】会社が負担する雇用保険料はいくら?計算方法や納付の注意点解説

1-3. 労災保険給付の種類と申請フロー

労災保険に加入している事業所で労災が発生した場合、労災保険給付の申請をおこなうことになります。労災保険給付にはさまざまな種類があり、主なものは次のとおりです。

種類 概要
療養(補償)等給付 業務災害または通勤災害により負傷したり、病気にかかった場合に、その治療に必要な給付を受けられます。
休業(補償)等給付 療養のために働くことができない期間について、所得の補償を受けられます。
障害(補償)給付 治癒後も後遺障害が残った場合に、障害の程度に応じた給付が支給されます。
遺族(補償)給付 労災により労働者が死亡した場合に、遺族に対して給付がおこなわれます。
葬祭料等(葬祭給付) 労災による死亡に際して、葬儀等に要した費用について給付がおこなわれます。

参考:労災給付の種類|厚生労働省

労働災害が発生した場合、まず労働者は速やかに事業主へ報告します。事業主は状況に応じて応急措置や救護をおこない、事故の状況や原因を把握します。

その後、労働者(または遺族)は労災保険の請求書を作成し、事業主の証明を受けたうえで、管轄の労働基準監督署に提出することで、労災保険給付の申請が可能です。提出された申請内容が確認され、給付の可否が決定されると、給付金が支給されます。

2. 労災保険料の計算方法

電卓とお札

労災保険料は、次の計算式で算出されます。

労災保険料 = 賃金総額(1,000円未満切り捨て) × 労災保険率

そのため、労災保険料を正確に算出するには、賃金総額と労災保険率の内容を正しく理解しておくことが重要です。

2-1. 令和8年度の労災保険の料率(労災保険率)

令和8年度の労災保険率の一例は次のとおりです(単位:千分の1)。

事業の種類 業種 労災保険率
建設業 水力発電施設、ずい道等新設事業 34
道路新設事業 11
舗装工事等 9
鉱業 金属鉱業、非金属鉱業、石炭鉱業 88
製造業 食料品製造業 5.5
木材または木製品製造業 13
林業 林業 52
運輸業 交通運輸事業 4
貨物取扱事業 8.5
電気・ガス・水道・熱供給の事業 電気、ガス、水道、熱供給の事業 3
その他の事業 卸売業・小売業、飲食店または宿泊業 3
金融業、保険業、または不動産業 2.5

参考:令和8年度の労災保険率について(令和7年度から変更ありません)|厚生労働省

危険度の高い建設業や鉱業は保険料率が高く、比較的安全な電気・ガス・水道・熱供給業などは低く設定されています。

これは、業種ごとに労働災害に遭う確率や怪我のリスクが異なるためです。労災保険料の計算にあたっては、自社の業種に該当する保険料率を都度確認することが重要です。

2-2. 労災保険料の計算に含まれる賃金

労災保険料の計算に含まれる賃金とは、名称を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものを指します。計算に含める賃金と含めない賃金の具体例は次のとおりです。

計算に含まれる賃金 計算に含めない賃金
  • 基本給
  • 賞与
  • 通勤手当
  • 深夜手当
  • 休日手当
  • 住宅手当
  • 扶養手当
  • 役職手当
  • 家族手当
  • 前払い退職金
  • 役員報酬
  • 退職金
  • 出張旅費
  • 宿泊費
  • 傷病手当金
  • 出産手当金
  • 寝具手当
  • 休業補償費
  • 見舞金や結婚祝い金など臨時で支払われたもの

なお、労災保険料の計算には、税金や社会保険料を控除する前の総支給額を用いる点に注意が必要です。さらに、労災保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの間に「支払いが確定した賃金総額」を基準として算定されます。

このとき基準となるのは「実際の支払日」ではなく「賃金額が確定した日(賃金締切日)」です。そのため、給与の支給日が翌年度であっても、当年度中に賃金額が確定していれば、当年度分の賃金として取り扱われます。

参考:労働保険料の算定基礎となる賃金早見表【労働保険徴収課】|厚生労働省

2-3. 労災保険料の具体的な計算例と端数処理の仕方

「金融業」と「道路新設事業」の具体例を用いて実際に労災保険料を計算してみましょう。

業種 賃金総額 労災保険率 労災保険料
金融業 50,000,000円 0.25% 50,000,000 × 0.25% = 125,000円
道路新設事業 100,000,000円 1.1% 100,000,000 × 1.1% = 1,100,000円

金融業では、賃金総額5,000万円に対して労災保険率0.25%を乗じると、労災保険料は12万5,000円となります。道路新設事業では、労災保険率が1.1%であるため、賃金総額1億円に対して労災保険料は110万円です。

なお、保険料計算の際に小数点以下が発生した場合は、1円未満を切り捨てます。また、労災保険と雇用保険の算定基礎額が同額の場合は、個別に計算して切り捨てるのではなく、合計の料率を賃金総額に乗じた後に切り捨てる点に注意してください。

参考:年度更新よくある質問|厚生労働省

2-4. 【ポイント】労災保険のメリット制とは?

労災保険のメリット制とは、各事業場の労働災害の発生状況(収支率)に応じて、労災保険料率を上下させる仕組みです。増減の範囲は、原則としてマイナス40%からプラス40%です。

この制度により、労働災害が少ない事業場は保険料が安くなり、逆に災害が多い事業場は保険料が高くなるので、事業主間の不公平をなくすとともに、安全対策の推進を促します。

判定は企業全体ではなく、工場や支店など「事業場ごと」におこなわれます。また、すべての事業場が対象ではなく、一定規模以上(従業員数や保険料額)の条件を満たす事業場のみが対象です。

対象事業場は、事業主の希望に関わらず自動的に制度が適用されます。メリット制による保険料率(メリット料率)は、厚生労働省から送付される「労災保険率決定通知書」で確認できます。

参考:労災保険のメリット制について|厚生労働省

3. 労災保険料を正確に計算するための注意点

積み木

労災保険料は対象となる賃金や労働者の範囲を誤ってしまうと、保険料の申告漏れや過不足につながる可能性があります。ここでは、労災保険料を正確に計算するために押さえておきたいポイントを解説します。

3-1. 労災保険率は3年ごとに見直しされる

労災保険率は、業種ごとの労働災害発生状況などを踏まえて設定されており、原則として3年ごとに見直しがおこなわれます。

そのため、前年と同じ料率で計算してしまうと、保険料に誤差が生じる可能性があります。労災保険料を計算する際は、厚生労働省が公表する最新の労災保険率を必ず確認しましょう。

参考:令和8年度の労災保険率について(令和7年度から変更ありません)|厚生労働省

参考:労災保険率の設定に関する基本方針(案)|厚生労働省

3-2. パート・アルバイト・退職者・日雇い労働者も対象となる

労災保険料の算定対象となるのは、正社員に限りません。パート・アルバイトなどの短時間労働者や、契約社員などの有期雇用労働者に支払う賃金も含まれます。

さらに、年度途中で退職した従業員や日雇い労働者に支払った賃金も対象です。退職済みであっても、在籍中に支払った賃金は算定対象となるため、「すでに退職しているから対象外」と誤認しないよう注意が必要です

3-3. 非課税の通勤手当なども賃金総額に含まれる

労災保険料の計算基礎となる「賃金総額」は労働の対価として支給されるものすべてが含まれます。そのため、基本給だけでなく、残業代や各種手当なども対象です。

このとき注意したいのが、所得税法上は非課税となる通勤手当(現物支給の定期代を含む)であっても、労災保険では賃金として取り扱われる点です。給与計算では非課税扱いになっていて、集計から漏れてしまうケースも少なくないので注意しましょう。

3-4. 役員報酬や同居親族への支払いは原則対象外

法人の役員は、一般的に「労働者」ではなく「使用者」として扱われるため、役員報酬は原則として労災保険料の算定対象には含まれません。

ただし、役員であっても、工場長や部長などとして現場業務に従事し、企業の指揮命令下で従業員と同様に労務を提供している実態がある場合には、「労働者性」が認められ、労働者としての賃金部分が労災保険料の計算対象となることがあります。

また、個人事業における同居親族についても、原則として労働者に該当しないので、その賃金は労災保険料算定の対象外です。さらに、フリーランスや業務委託先に支払う報酬についても、通常は雇用関係がないため労災保険料の計算対象には含まれません。

3-5. 複数事業を兼務する従業員は事業別に算定する

複数の事業を運営している企業では、事業ごとに異なる労災保険率が適用されることがあります。そのため、同じ従業員が複数の事業に従事している場合は、どの事業の業務に従事した賃金なのかを区分して計上する必要があります。

例えば、製造工場と運送事業など、異なる事業区分の業務を兼務している場合、それぞれで適用される労災保険率が異なるケースがあります。この場合は、原則として、出勤簿や業務記録などを基に勤務実態を把握し、従事割合に応じて賃金を按分したうえで、事業ごとに保険料を計算します。

区分が不明確なまま処理すると、誤った保険率で保険料を算定してしまうおそれがあるので、日頃から適切な勤怠管理や業務記録を残しておくことが重要です。

参考:労災保険料の算出方法についての注意|厚生労働省

4. 労災保険料の申告・納付方法【年度更新】

タブレットを操作している

ここでは、年度更新に基づく労災保険料の申告・納付方法について、手順や注意点を詳しく紹介します。事業主にとっては毎年の義務となるため、適切な手続きが重要です。

参考:労働保険料の申告・納付|厚生労働省

4-1. 労災保険料は雇用保険料と一緒に「労働保険料」として申告・納付する

労災保険料は雇用保険料と合わせて年度更新により「労働保険料」として申告・納付します。石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金も、同様に労働保険料と一緒に申告・納付します。

年度更新では、前年度の確定した賃金総額に基づき確定保険料を精算するとともに、新年度の概算保険料をあわせて申告・納付します。ただし、年度途中で次の両方に該当する場合は注意が必要です。

  • 賃金総額の見込額が2倍を超えて増加する
  • 申告済みの概算保険料より13万円以上増加する

この場合、賃金総額と概算保険料が増加した日から30日以内に「増加概算保険料申告書」を提出し、増加分の概算保険料を納付する必要があります。

参考:賃金の見込額が増加したとき(継続事業)|厚生労働省

関連記事:労働保険料とは?計算方法や申告・納付方法をわかりやすく解説

4-2. 労災保険料の申告・納付期間は「毎年6月1日~7月10日」

労災保険料は、毎年6月1日から7月10日までの期間に申告・納付することが義務付けられています。なお、令和8年度の年度更新については、2026年6月1日(月)から2026年7月10日(金)までです。

年度更新申告・納付は、法定期限内におこなわないと延滞金が発生する可能性があります。期限を過ぎるとまず督促状が送られ、督促状に記載された納期限を過ぎても納付しなければ延滞金が加算されます。

延滞金(年率14.6%※最初の2ヵ月間は軽減措置あり)は、法定納期の翌日からの日数で計算されます。さらに、長期間納付しない場合は財産の差し押さえなどの滞納処分がおこなわれることもあるので注意が必要です。そのため、事前に賃金を集計し、申告書の作成や納付方法を確認しておくことが重要です。

参考:確実な納付!「納期限」を守りましょう!|厚生労働省

4-3. 労災保険料の申告方法の種類【電子申請の義務化に注意】

労災保険料に関する年度更新申告書は、「来庁」「郵送」「電子申請(e-Gov)」のいずれかの方法で提出できます。

なお、継続事業(一括有期事業を含む)を営む事業主が提出する年度更新申告書については、特定法人に電子申請が義務付けられています。特定法人とは、次のいずれかに該当する法人です。

  • 資本金等が1億円を超える法人
  • 相互会社
  • 投資法人
  • 特定目的会社

義務化の対象でない場合でも、電子申請を利用することで業務効率化やコスト削減が期待できるため、導入を検討するとよいでしょう。なお、労働保険の電子申請が義務化されている事業場では、令和8年度の年度更新以降、申告書が送付されなくなるため注意が必要です。

参考:申告書の提出、保険料の納付の方法|厚生労働省

参考:2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます。|厚生労働省

4-4. 労災保険料の納付先と納付方法の種類

労災保険料の主な申告・納付先は、「金融機関」「管轄の労働局」「社会保険・労働保険徴収事務センター」です。労災保険料の納付方法には次のようなものがあります。

  • 窓口納付:金融機関などの窓口で納付
  • 口座振替:自動的に口座から引き落とし(※この場合、金融機関の窓口で申告書は提出できません)
  • 電子納付:電子申請と併せてオンラインで納付

口座振替を利用すると窓口に行く手間や待ち時間を省けます。電子納付なら、申告・納付がすべてオンラインで完結するため、さらに便利です。

参考:申告書の提出、保険料の納付の方法|厚生労働省

参考:労働保険料等の口座振替納付・電子納付|厚生労働省

4-5. 労災保険料の延納(分割納付)制度

労災保険料および雇用保険料(労働保険料)は、次のいずれかの条件を満たせば、延納(分割納付)できます。

  • 概算保険料額が40万円以上(ただし、労災保険または雇用保険の一方のみ成立している場合は20万円以上)
  • 労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合

分割納付が認められる場合、保険料は3回に分けて納付できます。ただし、10月1日以降に成立した事業については延納が認められないため注意してください。

関連記事:労働保険の年度更新とは?提出期限や電子申請手続きのやり方をわかりやすく解説!

5. 労災保険料の計算や申告・納付を正確に実施するためのポイント

選択に悩んでいる

労災保険料の計算や年度更新の手続きは、正確かつ期限内に実施することが求められます。

計算ミスや申告漏れがあると、追加徴収や行政指導のリスクにつながるので注意が必要です。ここでは、手続きを効率的かつ正確におこなうためのポイントを紹介します。

5-1. 厚生労働省の最新「年度更新手引き」を必ず確認する

年度更新の手続きをおこなう際は、まず毎年厚生労働省が公表する「年度更新手引き」を確認することが大切です。労災保険料の計算方法や申告書類の記載方法は年度ごとに変更されることがあるので、古い情報に基づくと誤りが生じやすくなります。

最新の手引きを参照すれば、保険料率や適用範囲の変更、申告書類の記載例、提出期限などを正確に把握できます。これにより、正確な計算と申告が可能となり、誤申告・納付によるペナルティを避け、年度更新を円滑に進められるでしょう。

参考:令和8年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方|厚生労働省

5-2. 事前にタスクを整理して余裕のあるスケジュールで進める

年度更新の作業は、従業員情報の収集や保険料の計算、書類の作成・提出など、多くの工程が含まれます。そのため、事前にタスクを整理し、余裕をもったスケジュールで進めることが大切です。

具体的には、まず対象となる従業員の情報を早めに整理します。入退社日、月額賃金、労働日数、各種手当など、年度更新に必要なデータを正確に確認することがポイントです。次に、収集したデータを基に書類を作成し、計算ミスや入力漏れがないか丁寧にチェックします。

書類の提出時には、提出方法や納付方法に応じた手順を確認し、余裕をもったスケジュールで進めましょう。

5-3. 労務管理システムを活用して関連データを一元管理する

労務管理システムを活用して関連データを一元管理することも有効です。システムを利用すれば、月額賃金や労働日数を自動で集計できるだけでなく、従業員ごとの勤怠情報や過去の申告データとの比較も簡単におこなえます。

また、システムから出力されたデータをそのまま申告書に活用できるため、作業効率が向上し、人的な入力ミスや漏れのリスクを最小限に抑えられます。さらに、多くの労務管理システムには提出期限や納付期限を管理する機能が備わっており、リマインダー通知などにより期限の見落としを防止できるでしょう。

加えて、システム化によって複数事業所や雇用形態ごとのデータも統一的に管理できるので、企業全体の労務状況を俯瞰的に把握しやすくなるという利点もあります。

関連記事:労働保険番号とは?わからない場合の調べ方や項目の見方・意味を解説

6. 労災保険料に関連するよくある質問

ブロックで注意点を表している

ここでは、労災保険料に関するよくある質問とその回答を整理しています。

6-1. 出向社員や派遣社員の労災保険料は誰が負担する?

出向社員の労災保険料の負担先は、出向契約の内容や実際の勤務状況などを踏まえて総合的に判断されます。一般的には、出向元が給与を支払っている場合であっても、出向先の指揮命令下で業務に従事している場合には、出向先がその出向社員の労災保険料を負担し、申告・納付をおこなうことになります。

一方、派遣社員については、労災保険料の負担や申告・納付義務は派遣元(派遣会社)にあります。派遣先の企業が保険料を負担する必要はないので、二重に支払わないよう注意しましょう。

6-2. 自営業・フリーランスでも労災保険に加入できる?

労災保険は原則として雇用関係にある労働者を対象とした制度であり、自営業者やフリーランスは通常加入できません。しかし、一定の条件を満たせば、自営業者やフリーランスでも「特別加入制度」を利用して労災保険に加入できます。

特別加入の対象者は、「中小事業主等」「一人親方等」など、区分ごとに細かく定められています。そのため、加入手続きを進める前に、対象に含まれるかどうかをしっかり確認しておくことが重要です。

加入する場合は、特別加入団体(業界団体や事務組合など)を通じて申請し、その団体が労働基準監督署に届け出ることで承認を受けます。保険料は加入者本人が全額負担します。

参考:労災保険の特別加入制度|全国労働保険事務組合連合会

参考:令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました|厚生労働省

7. 従業員を雇用した場合は労災保険料を納めよう

タブレットを操作している

労災保険料を納付することは、労働者を雇用する事業主の義務です。そのため、定められた納付期限までに労災保険料を完納しない場合は延滞金が発生します。さらに、事業主が故意または重大な過失により労災保険の加入手続きをおこなっていない期間中に労働災害が発生した場合には、遡って保険料が徴収されるだけでなく、その災害でかかった保険給付額の全部または一部を別途徴収される「費用徴収」という重いペナルティが課されることもあります。

労災保険料というのは計算方法や納付手続きなど複雑な面もありますが、従業員を守るのはもちろん罰則を課せられないためにも、必ず期限内に納付しなければいけません。

労務担当者は労災保険の制度を正しく理解し、正確な保険料の算出と納付をおこなうことが重要です。

もしも、労災保険に関して疑問がある場合は、厚生労働省が運営する相談ダイヤルを利用するなどして理解を深めましょう。

給与担当者向け! 給与計算パーフェクトマニュアル

「自社の給与計算の方法に不安がある」「労働時間の集計や残業代の計算があっているか確認したい」「社会保険や所得税・住民税などの計算方法があっているか心配」など、給与計算に関して不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて当サイトでは「給与計算パーフェクトマニュアル」という資料を無料配布しています。

資料では、労働時間の集計から給与明細の作成まで給与計算の一連の流れをわかりやすく解説しています。
間違えやすい給与の計算方法をおさらいしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事