人材定着とは?メリットや定着率を向上させるための施策を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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人材定着とは?メリットや定着率を向上させるための施策を解説

オフィスで話し合いをしている

人材定着とは、従業員が離職せず長期にわたり安定して働き続ける状態のことです。人材定着率が向上すれば「生産性・効率の向上」「優秀な人材が増えやすくなる」などの効果を得られます。

しかし「人材が定着したほうがいいのはわかるけど、具体的にどうすればよいのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、人材定着に課題を感じている方へ向け、人材定着の現状やメリット、具体的な施策について解説します。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。

1. 人材定着とは

人のピースをあてはめている

まずは人材定着がビジネスにおいてどのような意味を持っているか、重要視されている理由と合わせてしっておきましょう。

1-1. 従業員が離職せずに働き続けている状態

人材定着とは、言葉の通り従業員が定着している状態をいいます。かみ砕いて説明すると、従業員が離職せず長期にわたり安定して働き続ける状態のことという表現になります。

人材が定着している企業や部署は、生産性や業務効率が高くなりやすく、結束も強くなる傾向が表れやすいです。

企業全体へのプラスの効果も大きいため、経営者や人事担当者は人材定着を図ることで優秀な人材の流出を防ぎ、長期にわたり活躍してもらうことを期待します。

1-2. 人材定着を課題にする企業は多い

近年、働き方の多様化や、以前にくらべ起業しやすくなっている点などから、転職に対する抵抗感は低くなっています。優秀な人材の流出は、生産性の低下や採用コストの増加をもたらすため、人材定着を重要な課題と認識している企業も多いです。

休職者にとっても人材定着率は重視したい部分であり、人材定着率を会社選択の判断材料とする求職者も少なくありません。つまり、人材定着率が低いと新たな人材が入ってこない事態につながる恐れがあるのです。

優秀な人材の流出をとどめ、企業を成長させ続けるためにも、人材定着への取り組みは会社規模や業種を問わず不可欠といえるでしょう。

2. 日本における人材定着の現状

グラフ資料を確認している

日本における人材定着の現状を次の視点から解説します。

  • 日本における人材定着率
  • 産業別人材定着率

それぞれ詳しく解説します。

2-1. 日本における人材定着率

厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査の概要」によると、令和4年度の企業全体の離職率は15.0%です。裏を返せば定着率は85.0%となります。

次の表は、厚生労働省が令和3年に実施した「転職入職者が前職を辞めた理由」の調査結果です。

前職を辞めた理由 男性(%) 女性(%)
仕事の内容に興味を持てなかった 5.0 3.8
能力・個性・資格を生かせなかった 4.3 4.8
職場の人間関係が好ましくなかった 8.1 9.6
会社の将来が不安だった 6.3 4.5
給料など収入が少なかった 7.7 7.1
労働時間・休日などの労働条件が悪かった 8.0 10.1
結婚 0.5 2.2
出産・育児 0.1 2.1
介護・看護 0.7 1.5
その他の個人的理由 19.1 24.6
定年・契約期間の満了 16.5 12.3
会社都合 7.3 7.8
その他の理由(出向などを含む) 15.0 8.0

離職理由全体の約4割が、企業の業務内容や評価、労働環境に対する不満を理由に離職しています。

参考:令和4年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

参考:令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

2-2. 産業別人材定着率

厚生労働省によると、令和4年度の産業別定着率は次のようになります。

産業 定着率(%)
鉱業・採石業・砂利採取業 93.7
建設業 89.5
製造業 89.8
電気・ガス・熱供給・水道業 89.3
情報通信業 88.1
運輸業・郵便業 87.7
卸売業・小売業 85.4
金融業・保険業 91.7
不動産業・物品賃貸業 86.2
学術研究・専門・技術サービス業 90.0
宿泊業・飲食サービス業 73.2
生活関連サービス業・娯楽業 81.3
教育・学習支援業 84.8
医療・福祉 84.7
複合サービス事業 89.0
サービス業(ほかに分類されないもの) 80.6

令和4年度においては、金融業や鉱業・採石業などの定着率が高い反面、サービス業の定着率が低い傾向です。

特に「宿泊業・飲食サービス業」は、唯一70%代の定着率となっており、人材定着への取り組みが重要な産業であるといえるでしょう。

参考:令和4年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

3. 人材定着率を高める3つのメリット

ブロックを触っている

人材定着率を高めるメリットは次の3つです。

  1. 採用や教育コストを削減できる
  2. 生産性や効率が向上する
  3. 優秀な人材が増えやすくなる

それぞれについて詳しく解説します。

3-1. 採用や教育コストを削減できる

人材定着率を高めることで採用や教育に関わるコストの削減が可能です。

人材が流出した場合、新たに採用や教育を実施しなくてはならず、教育が完了するまでに多くのコストや時間が必要になります。

反対に、人材の流出を防げた場合、採用機会そのものの減少につながり、結果として採用・教育コストを削減できるでしょう。

3-2.生産性や効率が向上する

2つ目のメリットは、人材定着率が高まると生産性や効率の向上にもつながる点です。

同じ1人でも新人とベテランでは業務スキルが異なります。そのため、長く働き続ける人が多い企業ほど生産性が向上する可能性が高いです。

また、長い期間一緒に働いた従業員同士はチームワークも向上するため、特別な施策がなくとも業務の効率化に期待できます。

反対に、人の入れ替わりが激しい企業では、多くの引継ぎによって、本来の業務がおこなえなくなるケースが少なくありません。結果、本来の業務に取り組むことが困難になり、生産性の低下へとつながります。

3-3.優秀な人材が増えやすくなる

3つ目のメリットは優秀な人材が増えやすくなる点です。

高い人材定着率は「やりがいのある会社」「働きやすい会社」などの印象を与えられるため、求職者に対して強いアピール材料となります。

自社サイトや就職サイトなどに具体的なデータとともにアピールすれば、優秀な人材が応募してくれる可能性が高まるでしょう。

また、自社の環境をよいと感じている従業員が、外部の人材を紹介してくれるケースもあります。

4. 人材が定着しない原因

退職して荷物を移動させている

企業に人材が定着しない理由は、主に5つあります。いずれも重要な原因であるため、見つけた場合は早急に対応するようにしましょう。

4-1. 業務内容が合っていない

人材配置が失敗している場合に多いのが、従業員が希望する部署や得意とする業務と企業が求める業務にズレがあり、それが従業員の不満になって離職につながるケースです。

従業員はほとんどの場合自分のスキルや経験を活かし、活躍したいという希望や、将来を見据えた業務につきたいと考えています。

そのため、業務内容があっていないとストレスや不安を感じ、もっと理想に合う職場を求めて転職を考え始めてしまうでしょう。

4-2. 労働環境に問題がある

長時間労働や休暇が十分に取れないなど、労働環境に問題があるとモチベーションやエンゲージメントが下がり、離職が発生しやすくなります。

労働基準法を守るだけでなく、従業員が心身ともに健康でプライベートも充実した生活が送れるように企業側は努力をしなければなりません。

100%理想的な職場にできなくとも、企業が努力する姿勢を見せれば従業員の不満も溜まりにくくなるはずです。

4-3. 人間関係が悪い

上司や同僚との関係が悪いと、生産性や業務効率が下がります。当然ストレスや悩みも増えるため、メンタル面でも負担が大きくなっていきます。

そのような状態が長く続くと、職場全体への不満や鬱状態につながることが多く、離職を招いてしまう恐れがあります。

転職の理由でも人間関係の問題は常に上位にあるため、十分に配慮する必要があります。

4-4. 評価が適正ではない

企業側が公平な評価をしていたとしても、それが従業員に伝わっていないと「自分は不当な評価を受けている」と感じられてしまいます。

自分を評価してくれる企業は別にあるはずだ、という考えから転職につながることが多いため、従業員の立場に立った適正な評価をするようにしましょう。

評価基準を明確にし、納得感のある評価制度であることが非常に重要です。

4-5. 将来性が見いだせない

会社や部署で長く働き続けても、出世やスキルアップにつながらない、将来に不安がある、と感じた従業員は転職を考え始めます。

自分をより成長させることができ、将来的にも安定している会社を求めるのは当然のことでしょう。

企業側は経営を安定させるだけでなく、従業員個人が将来的に飛躍できるような労働環境やサポート体制を整えることを意識しましょう。

5. 人材を定着させる5つの施策

従業員を表したブロックを動かしている

人材を定着させるためには、5つの施策が有効です。すべてを実施するのは難しいですが、できる範囲で進めて人材の定着を目指しましょう。

5-1. 適材適所の人員配置

1つ目は適材適所の人員配置です。

企業側と求職者の認識がズレたまま採用となった場合、イメージと現実の差によりモチベーションが下がるため、離職に至りやすくなります。

例として下記の施策を実行するとよいでしょう。

  • 社内の様子や業務内容を外部へ発信する
  • 面接時本音で話せる環境を整える

具体的には、公式ホームページやSNSなどを通して発信する、面接はできるだけ少ない人数でおこなうなどです。

5-2.労務環境の改善

2つ目は労働環境の改善です。

長時間労働や休日出勤が多い、有給や育休が取りにくい、など労務環境が原因で離職する人は少なくありません。

上記のような環境がある場合は、自社の状況を把握し改善をおこなう必要があります。具体的には下記が効果的です。

  • 完全週休2日制の導入
  • 相談窓口の設置

ただし、形だけ制度導入をしても意味はありません。労務環境が悪い理由には必ず原因があり、解決しないまま制度だけ取り入れても、近いうちに風化する可能性が高いです。

改善に取り組む際は、根本となる原因を把握し問題を改善していく中で、必要に応じて制度を取り入れていくとよいでしょう。

5-3.柔軟に働ける制度の導入

3つ目は柔軟に働ける制度の導入です。

近年では仕事と生活の両立、いわゆる「ワークライフバランス」を重視する人が増えてきています。

そのため、多様な生活スタイルにあわせられるようテレワークやフレックスタイムを導入すれば人材定着率の向上につながるでしょう。

また、従業員が用意された制度を周囲に遠慮することなく使うことができるように、上司が積極的に推奨するなどの雰囲気づくりも重要です。

5-4.評価制度の見直し

4つ目の施策は、評価制度の見直しです。

従業員が「成果が正しく評価されていない」と感じれば、業務に対するモチベーションの低下を招き、場合によっては離職につながります。

評価方法による人材流出を防ぐためには、適切な評価をおこなえる制度の導入が効果的です。例えば、下記の評価制度があります。

360度評価 上司以外の従業員からも評価を受ける
インセンティブ制度 業績に対して特別報酬を与える

また、評価基準がよくわからないケースも従業員の不満につながりやすいです。そのため、制度の導入だけでなく、評価基準を明確にし周知することも重要になります。

5-5.研修や能力開発の実施

社内研修や能力を開発する機会を作ることも人材定着率の向上に効果的です。

特に、若い従業員はスキルを高めたいという思いが強い傾向にあります。成長できる機会が豊富にあることは、モチベーション向上につながるでしょう。

また、研修や能力開発が多ければフォロー体制も充実するため、早期離職の防止効果も見込めます。

6. 人材定着の重要性を十分に理解して自社の成長につなげよう

会議をおこなっている

人材定着とは、人材の流出を防ぎ、優秀な人材が長期間働き続けられる環境を整える施策のことです。

人材の流動性が高い現在において重要な課題の1つであり、定着率を向上させる取り組みをおこなっている企業も少なくありません。

定着率が低いことには必ず原因が存在します。自社の状況を振り返り課題を明確にした上で必要な施策をおこなえば、定着率は向上するでしょう。

今回の記事を参考に多くの優秀な人材を定着させ、企業を大きく成長させていきましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。

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