人的資源管理(HRM)とは?5つの機能モデルと課題・企業の事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

人的資源管理(HRM)とは?5つの機能モデルと課題・企業の事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

人的資源管理(HRM)とは?5つの機能モデルと課題・企業の事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

人的資源管理(HRM)とは?5つの機能モデルと課題・企業の事例を解説

人材の発見

人的資源管理(HRM)とは、企業経営において人材を単なるコストではなく、経営目標達成のための重要な資源と捉える考え方です。少子高齢化による生産年齢人口の減少や、従業員の中長期的なキャリア形成の重要性が増す現代において、その注目度は高まっています。

この記事では、人的資源管理の目的や進め方、ミシガンモデル、ハーバードモデルなど5つのモデル、そして具体的な企業の取り組み事例について解説します。

人的資本経営って結局なにをすべき? 企業の対応状況や取り組みが知りたい方へ

人的資本の情報開示が義務化されたことで人的資本経営への注目が高まっており、今後はより一層、人的資本への投資が必要になるでしょう。
こういった背景の一方で、「人的資本投資にはどんな効果があるのかわからない」「実際に人的資本経営を取り入れるために何をしたらいいの?」とお悩みの方も、多くいらっしゃるのが事実です。

そのような方に向けて、当サイトでは人的資本経営に関する実際調査の調査レポートを無料配布しています。
資料では、実際に人事担当者にインタビューした現状の人的資本経営のための取り組みから、現在抱えている課題までわかりやすくレポートしています。
自社運用の参考にしたいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。

1. 人的資源管理(HRM)とは

HRMのブロック

人的資源管理とは、経営目標や戦略を達成するため、人材を有効活用する仕組みを運営することです。英語では「Human Resource Management」と表記し、頭文字からHRMと略される場合もあります。人的資源管理は主に次の5要素から構成されます。

  1. 採用・選抜:組織にふさわしい人材を見極め受け入れる
  2. 人事評価:従業員の業務成果や行動を公平に判断する
  3. 処遇・報酬:給与や福利厚生などを通じて適切に待遇を整える
  4. キャリア形成支援:従業員が成長し、昇進や職務拡大の機会を得られるようサポートする
  5. 研修・教育:知識やスキルの向上を目的とした学習の機会を提供する

人的資源管理は、これらの要素を相互に連動させながら運用することで、従業員の能力発揮と組織の成長を両立させる役割を果たします。

1-1. そもそも人的資源とは?

人的資源とは、企業経営における「ヒト」を指し、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」のひとつとして位置づけられます。

企業は、ヒトが意思決定や行動を通じてモノ・カネ・情報などの資源を活用し、価値を創出することで成り立っています。そのため、人的資源は他の資源に比べて戦略的な管理・育成が特に重要です。

人的資源を適切に管理・活用することは、組織の成果や競争力の向上につながるため、人的資源管理(HRM)は現代企業経営において欠かせない活動といえます。

関連記事:人的資源とは?意味や管理の重要性・メリットを解説!企業の活用事例あり

1-2. 人材管理との違い

人的資源管理と混同されやすい言葉に人材管理がありますが、2つの違いは次のとおりです。

人的資源管理 経営目標や戦略を達成するため、人材を有効活用する仕組みを設計し運用する
人材管理 ビジョンの実現のため、人材の採用や配置・育成を管理する

人的資源管理は、人材を経営資源と捉え、一人ひとりがパフォーマンス力を発揮できる仕組みを運用することです。一方で人材管理では、従業員の適性からふさわしい部署への配置をおこない、組織で生産性を向上させてビションを実現します。

そのため人的資源管理の方が、より個人に焦点が当てられているといえるでしょう。

1-3. 人事労務管理(PM)との違い

人事労務管理は、勤怠管理、給与計算、労働条件管理などの基本的な労務業務に重点を置きます。このような業務はPM(Personal Management)とよばれ、従業員をコストとして捉え、労働力として管理・統制することが主な目的でした。具体的には、人事制度や労働環境を整え、それに基づき人材を管理・統制する面が強調されます。

一方、人的資源管理(HRM)は、これらの業務を含むものの、従業員のモチベーション、能力開発、リーダーシップの育成など、より広範な視点で組織の成長を支援する活動を含む点が異なります。HRMは、人材は各個人に合った教育により成長するものであり、その成長を促すことで企業にとって重要な資源となると考えます。つまり、PMが人材の管理統制に焦点を当てるのに対し、HRMは人材の成長を重視するアプローチです。

1-4. 人的資源管理の4つの目的

人的資源管理には、以下の4つの目的があります。

経営的な短期目標 成果により経営戦略を達成し、企業への貢献を高める
経営的な長期目標 戦略の構築に向けて能力を向上する
個人的な短期目標 公平かつ情報開示に基づいた評価と処遇を提供する
個人的な長期目標 キャリアアップを通じた人間としての発達や成長をサポートする

人的資源管理では、経営的な目標だけでなく個人の目標も掲げ、短期・長期と複合的な視点で捉える必要があります。

2. 人的資源管理が注目される背景

人材の木

人的資源管理が注目されるようになったのは1990年代、バブル経済崩壊後のことです。この時期、日本は低成長時代に入り、多くの企業が従来の年功序列型人事制度を見直し、成果主義型の制度へ移行し始めました。この経済・制度の変化が、人的資源管理の重要性を高める大きな背景となっています。

さらに、現代においては、グローバル競争の激化や働き方の多様化なども相まって、人的資源管理への関心はますます高まっています。ここでは、人的資源管理が注目される背景について詳しく解説します。

2-1. 生産年齢人口が減少している

日本では少子高齢化が進み、生産年齢人口(15〜64歳)が減少しています。この影響で、企業は人材の確保が難しくなり、限られた人材を戦略的に活用することが求められています。そのため、人的資源管理(HRM)の重要性は一層高まっているのです。

HRMは、人材を貴重な経営資源と位置づけ、適切な配置や育成、評価・報酬、モチベーション向上などを通じて組織の業績を高めることを目的とします。こうした取り組みにより、企業は持続可能な成長の基盤を築けるようになります。

2-2. グローバル競争が激化している

国際市場での競争がますます激化する現代において、企業は単に人材を確保するだけでなく、戦略的に配置・育成し、その能力を最大限に引き出すことが求められています。

グローバル化や技術革新のスピードが速まる中、組織の競争力を維持・向上させるためには、優秀な人材を適切に活用し、組織の成果やイノベーション創出につなげることが不可欠です。そのため、人的資源管理(HRM)は、企業戦略を支える中核的な経営活動として位置づけられています。

2-3. 従業員の中長期的なキャリア形成が重要視されている

従業員の継続的なスキルアップとキャリア形成が組織の競争力強化に欠かせないため、人事部門にはHRMがそのサポート役として期待されています。特に、昨今の転職市場の活性化により、自社で採用した従業員のモチベーションを高め、離職率を下げることは一層重要になっています。

従業員も自身のキャリアについて深く考えるようになり、企業にとっても従業員のキャリアプランに沿った人材開発が不可欠です。従業員の中長期的なキャリア形成を支援することは、優秀な人材を維持し成長させるための鍵となります。このため、HRMは企業にとって非常に重要な役割を果たすのです。

3. 人的資源管理の具体的な進め方

進める

ここでは、人的資源管理を進めるための具体的な手順について紹介します。なお、人的資源管理のやり方には唯一の正解があるわけではありません。自社の状況やニーズに応じて、最適な進め方を設計していくことが重要です。

3-1. 【ステップ1】人材戦略の策定

人材戦略が明確でない場合は、まず企業の経営目標に沿った人材戦略を策定することが重要です。自社の目標を達成するために必要な人材の要件を定義し、中長期的な視点で人員計画を立てます。人材戦略を明確化することで、採用や育成の方針がぶれにくくなり、人的資源管理の意思決定を一貫しておこないやすくなります。

3-2. 【ステップ2】採用・配置計画

人材戦略に沿って必要な人材を確保し、効果的に活用するために、採用や配置の計画を立てます。近年は終身雇用の形態が変化し、働き方改革の影響もあって、多様な働き方を希望する人材が増えています。

そのため、新卒・中途採用に加え、派遣や業務委託など多様な採用チャネルを活用し、最適な手段を検討することが重要です。また、社内人材の異動や登用を含め、組織全体で適材適所の人員配置を実現することが求められます。

3-3. 【ステップ3】育成・評価制度の運用

採用・配置した人材の潜在能力やスキルを最大限に引き出すためには、体系的な育成・評価制度が不可欠です。企業のニーズのみを重視した制度は、従業員の内発的動機やキャリア志向と乖離し、エンゲージメント低下へとつながり、結果として人的資源管理の効果減少を招く可能性があるため注意が必要です。

具体的な施策としては、計画的な研修(新入社員研修、マネジメント研修、専門スキル研修など)を通じて業務遂行に必要な知識・スキルを習得させます。また、OJTやメンター制度など、実務経験を通じた学習の仕組みを整備することで、知識や技能の定着を促進します。

さらに、公正かつ透明性の高い評価をおこない、報酬や昇進・昇格に適切に反映させることが重要です。評価結果はフィードバックとして提供し、従業員の自己効力感を高め、学習意欲や成長意欲の向上につなげます。

3-4. 【ステップ4】働き方改革・労務管理

育成した人材を自社に定着させるため、労働時間の管理やワークライフバランスの確保、ハラスメント防止などを徹底し、従業員が安心して働ける環境を整えることが重要です。

例えば、育児や介護を理由とした離職が多い場合は、休暇制度など福利厚生の充実が有効な施策となります。また、従業員の働き方への満足度を高めるために、テレワークやフレックスタイムといった多様な働き方の導入も検討するとよいでしょう。

施策を検討する際は、現場の従業員へのアンケートやヒアリングを通じて、正確にニーズを把握することが欠かせません。こうした取り組みによって、従業員の帰属意識を高め、離職率の低下や生産性の向上へとつなげられます。

4. 人的資源管理の5つのモデルと機能

人的資源管理

人的資源管理には、次の5つのモデルがあります。

  1. ミシガンモデル
  2. ハーバードモデル
  3. 高業績HRM(AMO理論)
  4. 高業績HRM(PIRK理論)
  5. タレントマネジメント

これらのモデルを活用することで、HRMを経験や感覚に頼るのではなく、戦略や理論に基づいて体系的に進められます。ここからは、それぞれのモデルの特徴と機能について詳しく紹介します。

4-1. ミシガンモデル

ミシガンモデルとは、1980年代におこなわれたミシガン大学などでの研究をベースにしたモデルです。ミシガンモデルでは、以下の4つの機能を経営戦略に落とし込み、パフォーマンス力を向上させます。

  • 採用と選抜
  • 人材の評価
  • 人材の開発
  • 報酬

個人に限らず、組織と個人の両方でパフォーマンスを高める点が特徴です。

4-2. ハーバードモデル

ハーバードモデルとは、1980年代におこなわれたハーバード大学での研究をベースにしたモデルです。ハーバードモデルでは、以下の4つで人的資源管理の領域が構成されると定義しています。

  • 従業員の影響
  • 人的資源のフロー
  • 報酬システム
  • 職務システム

ミシガンモデルとの違いは、人的資源管理の領域を幅広く捉え、従業員の心理状態にも意識を向けている点です。

4-3. 高業績HRM(AMO理論)

高業績HRMのAMO理論とは、従業員の能力やモチベーション、機会を向上させることで組織の競争優位性を高めるモデルです。

  • Ability(能力)
  • Motivation(やる気)
  • Opportunity(機会)

高業績企業が導入している人的資源管理は幅広くありますが、まとめて「高業績HRM」とよばれています。

AMO理論は高業績HRMの1つで、従業員のモチベーションを向上させる方に作用しやすい点が特徴です。

4-4. 高業績HRM(PIRK理論)

高業績HRMのPIRK理論とは、以下の4つで構成されるモデルです。

  • Power(権限の委譲)
  • Information(情報の共有)
  • Reward(公平な報酬)
  • Knowledge(従業員に帰属する知識)

裁量権を与え、貢献度から適した報酬を設定することでモチベーションが高まり、従業員に公平感覚が生まれます。帰属意識やモチベーションが向上すれば、離職率の低下にもつながるでしょう。

4-5. タレントマネジメント

タレントマネジメントは、人材の素質や能力を積極的に活用するためにおこなうマネジメント手法です。人材採用や人材配置、育成など多岐にわたってマネジメントします。

従業員一人ひとりの能力やスキルを把握し最大限に活用することで、生産性の向上につながり、経営戦略の実現に近づくでしょう。

関連記事:タレントマネジメントとは?目的やメリット、導入方法まで徹底解説

5. 人的資源管理の課題・問題点

問題点

人的資源管理にはさまざまな課題や問題点があります。あらかじめこれらを把握し、適切な対策を講じることで管理の効果を高められます。

5-1. 企業と従業員で対等な立場を築きにくい

人的資源管理は、企業と従業員で対等な立場を築きにくい課題があります。人的資源管理は、組織の経営戦略の達成やビジョンの実現のために人材の管理が実施されるためです。

企業が上位の立場にあると、人材配置や報酬に対する不満など、従業員が意見を言い出しにくい状況が生まれる可能性があります。

不満が溜まりパフォーマンス力が上がらなくなると、人的資源管理の効果を得られない場合もあるでしょう。

5-2. 管理の範囲や程度の判断が難しい

人的資源管理は、管理する範囲や度合いの決め方が難しい点が課題です。もともと人的資源管理には答えがなく、企業と従業員にとっての最適解を導くことが難しい特徴があります。

例えば、あらゆる面から管理しすぎると、従業員の裁量権に影響を及ぼし、主体性が失われる場合もあるでしょう。

従業員がパフォーマンス力を十分に発揮し、生産性の向上につなげられるように管理の範囲や程度には注意が必要です。

5-3. 従業員一人ひとりへの適切なマネジメントの実施が難しい

人的資源管理では、従業員一人ひとりに対する適切なマネジメントの実施が難しい課題があります。従業員は一人ひとり価値観や考え方が異なり、感情のあるヒトを管理することは容易ではないためです。

従業員同士の衝突が起こる可能性もゼロとは言い切れません。

そのため、一人ひとりの能力を把握し、意思を尊重しながら臨機応変にマネジメントする必要があります。

6. 人的資源管理の具体的な施策例

仕事をする女性

企業内で人的資源管理を効果的に進めるためには、どのような施策が考えられるでしょうか。ここでは、具体的な施策例を紹介します。

6-1. 心理的契約の形成をおこなう

心理的契約とは、企業と従業員の間で交わされる公式な雇用契約に明文化されていないものの、双方が互いに期待し合う非公式の義務や信頼関係を指します。心理的契約は、従業員のモチベーションや組織コミットメントに大きく影響するため、人的資源管理(HRM)の施策と密接に関連しています。

具体的には、HRMを通じて従業員との双方向コミュニケーションを促進し、彼らの期待やニーズを把握し対応することが、心理的契約の構築・維持に寄与します。例えば、日本の終身雇用制度は正式契約には明示されていないものの、長期的な雇用継続を期待する心理的契約の典型例です。また、1on1ミーティングやメンター制度の導入・運用も、従業員の信頼を高める施策として有効です。

現代の労働市場では転職が一般的になり、従業員のエンゲージメント向上や離職防止の観点から、心理的契約の重要性はますます高まっています。企業は、従業員と明確な期待関係を築き、双方向の信頼を維持することで、持続的なパフォーマンス向上に寄与できるでしょう。

6-2. インクルージョン施策やダイバーシティトレーニングに取り組む

生産年齢人口の減少に伴い、高齢者、障がい者、外国人などを含めた多様な人材の活躍が企業の発展に欠かせない要素になりつつあります。人的資源管理(HRM)の施策例として、多様性を尊重した施策に取り組むことが重要です。多様な背景や価値観を持つ従業員が共に働ける環境を整えることで、組織の創造性や問題解決能力が向上します。

そのためには、インクルージョン施策やダイバーシティトレーニングが有効です。具体的には、従業員のスキル、性格、仕事観といった個性を理解し、認めることが求められます。また、企業内の他の従業員にも、多様性がもたらすメリットを理解させ、納得感を高めることが必要です。このような施策を通じて、多様な人材の能力を最大限に活かすことが可能になります。

6-3. 個別配慮(I-deals)を取り入れる

従業員一人ひとりの生活状況や健康、キャリア段階に応じた支援は非常に重要です。例えば、優秀な従業員が家庭の事情で短時間勤務を余儀なくされる場合、I-deals(個別配慮)を導入することで、その従業員のモチベーションやエンゲージメントを維持・向上させられます。これにより、企業全体の生産性向上にもつながります。

また、個別配慮は従業員との信頼関係を強化し、職場をより魅力的な環境にするうえで欠かせません。人的資源管理(HRM)の具体的施策として、積極的に個別配慮を取り入れることは、企業の持続的な成長にとって不可欠ともいえるでしょう。

7. 人的資源管理をおこなう企業事例

人と虫眼鏡

ここでは、人的資源管理を実践している企業の事例を紹介します。自社でも有効だと感じる施策があれば実際に取り入れてみるとよいでしょう。

7-1. 人材のスキルや経験を可視化し育成に活用

エンジニアリング事業などを幅広く展開しているA社では、科学的根拠のない人事異動や後継者の育成に課題を抱えていました。

A社は課題解決のため、タレントマネジメントを導入し、従業員の特性や経験を可視化できるようにしたのです。

導入後には、従業員の育成施策への活用も実現しました。

7-2. 組織戦略に向けた人材活用

情報・通信システムの企画や設計などをおこなっているB社では、人事情報の管理方法に課題を抱えていました。

B社は課題解決のため、タレントマネジメントを導入し、評価の履歴や業務経験などの一元管理を実現しています。

導入後は、データを活用した人材配置も可能になりました。

7-3. 一人ひとりが能力を発揮できる環境の実現

国内外で高いシェアを獲得しているメーカーのC社は、一人ひとりが最大限の能力を発揮し活躍できる環境の実現を目指しています。

従業員のキャリアビジョンをもとに、個に寄り添った細やかな人材育成をおこなっているのです。

面談やフィードバックを通し、従業員が納得できる公平な評価制度の実現に取り組み続けています。

7-4. グローバルタレントマネジメントへの取り組み

国際的な物流企業であるD社は、世界中の優れた人材を引きつけるために、グローバルタレントマネジメントシステムを導入しています。D社では、グローバルな組織・人事・文化を基盤に、グループ全体の人材を最適に配置・活用し、パフォーマンスを最大化する取り組みを実施しています。

2002年以降、D社は人材活用のグローバル化が進展する中で、優秀な日本人後継者の不足に直面し、日本人ビジネスリーダーの育成強化に着手しました。採用後は、早期にビジネスリーダー候補者を人選し、育成計画を基に40代でビジネスリーダーに着任できるよう育成しています。この育成プロセスには、人選、アセスメント、育成計画、フォロースルーが含まれており、これによりHRMの考えを実践しています。

さらに、D社では多角的なアセスメントを通じて、従業員のポテンシャルや強みを正確に見極め、課題を分析し、それを育成計画に反映させることで、より具体的で詳細な人的資源管理を実現しています。

7-5. グループ各社の事業に適した人財の育成

E社は企業価値向上を人材によって実現しています。グループ各社の事業特性に適した人材育成プログラムを開発し、それぞれの事業成長を効果的に支援しています。例えば、E社が経営する食品スーパーでは、目標管理カルテを用い、従業員のスキルや技術、今後習得すべき課題と目標を上司と共有しています。業務遂行に必要な項目ごとに6段階で技術と能力を評価し、進捗状況確認と目標設定を年2回おこなうことで、従業員一人ひとりに成長を実感させています。この仕組みにより、従業員のモチベーションを高め、HRMの考えを具体的に実践しています。E社の取り組みは、人的資源管理の先進的な企業事例として、他の人事部門担当者や経営層にとっても非常に参考になります。

8. 人的資源管理で適切に目標を達成しよう

人的資源管理を実施すると、従業員が能力を発揮しやすくなり、パフォーマンス力の向上が期待できます。また、従業員のエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

経営戦略や目標を実現するためには、一人ひとりの適性に合わせ、納得して働ける環境を作ることが重要です。

人的資源管理を適切に活かせば、従業員の能力を最大化でき、より経営目標の達成に近づけます。

なぜ人的資本経営は注目されている? 人材に投資すべき理由を経営者目線で解説

企業価値を持続的に向上させるため、いま経営者はじめ多くの企業から注目されている「人的資本経営」。
今後より一層、人的資本への投資が必要になることが想定される一方で、「そもそもなぜ人的資本経営が注目されているのか、その背景が知りたい」「人的資本投資でどんな効果が得られるのか知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて、当サイトでは「人的資本経営はなぜ経営者から注目を集めるのか?」というテーマで、人的資本経営が注目を集める理由を解説した資料を無料配布しています。

資料では、欧州欧米の動向や企業価値を高める観点から、人的資本経営が注目される理由を簡単に解説しています。「人的資本経営への理解を深めたい」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事