研修アンケートとは?目的・効果的な項目を紹介
更新日: 2024.11.15
公開日: 2024.7.10
OHSUGI
「研修アンケートを成功させるためにはどうすればいい?」
「研修アンケートを活かす効果的な設計のやり方は?」
「研修アンケートで回答しやすい設問がわからない」
研修アンケートの作成にあたり、上記のような疑問や悩みをおもちではないでしょうか。
研修アンケートは研修実施後に受講者に回答してもらうものです。研修が効果的であったかどうかの確認や今後の研修内容の改善に役立ちます。
研修の受講者から多くの意見や感想などを得るため、研修アンケートに回答しやすい効果的な質問を含んで設計することが重要です。
本記事では、研修アンケートの目的、実施方法や設計方法を解説します。具体的な質問例や設計のコツを紹介しているため、研修アンケートを設計する際の参考にしてもらえると幸いです。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 研修アンケートとは
研修アンケートは、企業の実施した研修が効果的であったかの確認や今後の研修の改善点を把握することに役立つツールです。研修終了後に、受講者から研修を振り返ってありのままの意見や感想を引き出します。
研修アンケートで集計できた回答結果は、今後の研修をさらに価値のあるものにするでしょう。効果的な研修は、企業の人材育成力を高め、受講者の研修に対する充実度を高めます。
2. 研修アンケートの目的
研修アンケートには以下の目的があります。
- 研修の効果を把握する
- 研修の改善点を把握する
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
2-1. 研修の効果を把握する
研修アンケートの結果から、実施した研修の効果がどの程度あるかを把握できます。受講者からの回答は研修についての意見や感想をありのままに反映しているからです。
例えば、「研修の学びを今後の業務に活かすイメージがあるか」という質問を作ります。業務に活かせるイメージを描いている前向きな回答が多ければ、社員のスキルアップに寄与した有効な研修だったと判断できるでしょう。
2-2. 研修の改善点を把握する
研修アンケートの回答結果は研修の改善点を把握するために重要なデータです。研修担当者は、受講者が研修で感じたありのままの意見や感想をまとめることで、研修の良い点や悪い点を明確に把握できます。
研修を振り返って挙げられた意見や要望において、同じような内容が集まった意見や要望は、今回の研修の改善点であると判断できるでしょう。
回答結果をデータとしてまとめたり、分析したりすることは、研修内容の改善に寄与するとともに受講者の充実度を向上させます。
3. 研修アンケートの実施方法
研修アンケートの実施方法は以下のとおりです。
実施方法 | アンケート用紙 | オンラインアンケート |
依頼方法 | 紙で配布 | URLまたはQRコードを紙またはメールで配布 |
記入方法 | 用紙へ記入 | アンケートフォームへ入力 |
メリット | ・研修後すぐに回収可能
・回答率が高い |
・受講者が自由な時間に回答
・回答を自動集計 ・リアルタイムで分析結果を把握 ・印刷不要 |
デメリット | ・印刷に手間とコストがかかる
・回答の手動入力で時間がかかる |
・回答率が低い
・インターネット環境が必須 |
アンケート用紙による実施は、従来採用されている主流の方法になります。受講者が研修会場から退出する前に配布して、その場で記入した用紙を回収できるため、回答率が高いです。
Webによるオンラインアンケートで実施する方法は、インターネット環境が充実したことにより採用されやすくなり増えてきました。
研修会場から退出後に回答しようとする受講者が多くなるため、回答率が低くなります。退出前の回答を呼びかけることで回答率を高めることが重要です。
オンライン上の回答であるため、自動集計や回答結果をリアルタイムで分析できることは、これまでにないメリットになっています。
4. 研修アンケートの4つの設計方法
研修アンケートを設計するうえで必要になる4つのポイントを紹介します。
- 重要性の高い質問は上部に設置する
- 選択式項目の質問を採用する
- 記述式の質問は最後に設置する
- 評価や今後の行動に対する記述式の質問を設置する
4つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
4-1. 重要性の高い質問は上部に設置する
重要性の高い質問は、研修アンケートの構成として上部に設置します。回答者の集中力は終盤になると落ちていくので、集中力の高い状態で回答できる上部への設置が有効です。
特に、研修の目的に対して達成度合いを確認したい項目や優先的に回答を得たい項目を設置しましょう。
4-2. 選択式項目の質問を採用する
選択式項目の質問を採用することで、回答しやすい研修アンケートになります。選択式項目による質問は決められた中から選ぶため、受講者は回答しやすい質問です。
選択式項目の質問には5段階評価が採用されやすく、中立的な選択肢を用意できるため、回答者の負担を軽減できます。また、定量的なデータであるため、集計や分析がしやすくなるでしょう。
4-3. 記述式の質問は最後に設置する
記述式の質問は研修アンケートの最後に設置しましょう。文章で回答を求める質問は回答者の集中力を落とします。最初に設置すると、ほかの回答が正確性の落ちた内容になりかねません。
記述式の質問への回答は時間がかかり、アンケートの途中にあると残りの質問が気になります。最後に設置することで、ほかの質問を気にすることなく回答できるでしょう。
4-4. 評価や今後の行動に対する記述式の質問を設置する
記述式の質問には、研修全体を通じた評価や今後の行動に関する内容を推奨します。研修を振り返った評価や学びを実務に活かす意見などは、研修の目的を達成できたかを判断する材料になるでしょう。
記述式の回答で得られる、研修を評価した理由や今後の仕事への意欲などの定性的な情報は、選択式の質問では得られません。
5. 研修アンケートの質問の項目例5つ
研修アンケートの質問の項目例として、以下の5つが挙げられます。
- 質問例|研修前の課題や悩みは何でしたか?
- 質問例|研修で学んだことを今後の仕事に活かせそうですか?
- 質問例|研修のスケジュールに満足していますか?
- 質問例|研修の満足度を5段階評価で教えてください
- 質問例|今後の研修に対して改善点やご要望はありますか?
それぞれの質問例について詳しく見ていきます。
5-1. 質問例|研修前の課題や悩みは何でしたか?
受講者が研修前に認識していた課題や悩みを引き出す質問です。研修の内容が受講者の認識していた課題や悩みに対するニーズを解決できたかを検証します。
研修に参加する受講者は、募集要領からの応募が多いでしょう。質問の回答から、受講者が研修に参加した目的と企業が研修を実施した目的をすり合わせます。
5-2. 質問例|研修で学んだことを今後の仕事に活かせそうですか?
研修の学びが今後の仕事にどう活かせるかを考えてもらう質問です。研修内容が仕事の現場での実務に活かせるものか把握できるでしょう。
研修を受講しただけで終わらないようにする意図も含んでいます。また、研修で学んだことを仕事に活かせないと考えている回答が多ければ、研修内容の改善が必要です。
5-3. 質問例|研修のスケジュールに満足していますか?
研修の時間配分や進行について適切であったか検証できます。研修のスケジュールに対する受講者の満足度は、研修の各項目での理解度に大きく影響するでしょう。
例えば、研修が長すぎて疲労もともない集中が続かない場合や、短すぎて理解する時間が十分でない場合です。回答結果を分析することで今後の研修の時間配分を見直し、受講者にとって学びやすいスケジュールを設計できます。
5-4. 質問例|研修の満足度を5段階評価で教えてください
研修全体を通じた成功度合いについて受講者から研修の満足度として5段階で評価してもらいましょう。5段階評価による受講者からの回答は、定量的な把握を可能にします。
一般的な選択肢は、「満足・やや満足・普通・やや不満・不満」です。受講者の研修期間を通じた総合的な評価が簡単に収集でき、会社として研修全体の成功度合いを客観的に把握できます。
5-5. 質問例|今後の研修に対して改善点やご要望はありますか?
今後の研修内容の改善点や希望を収集する質問です。受講者の具体的な意見が、今後の研修の価値を向上させる貴重な情報になります。
記述式の回答は幅広い意見や要望が集まり、今後の研修を価値あるものにするためになくてはならない情報です。
留意点として、全員が意見を持っているとは限りません。回答を必須ではなく、自由記載欄として設計しましょう。
6. 研修アンケートの設計のコツ4選
研修アンケートを設計する際の4つのコツを紹介します。
- 研修アンケートを実施する目的を明示する
- 回答を求めすぎないように質問数を少なくする
- 率直な意見を収集するために匿名で実施する
- 理解度テストとは別々に設計する
それぞれのコツについて見ていきましょう。
6-1. 研修アンケートを実施する目的を明示する
研修アンケートを実施する目的を受講者へ明確に伝えます。目的の明確化は、受講者が研修アンケートの重要性を理解し、真剣に回答する可能性を高めるためです。
研修後の疲れがピークを迎えている受講者にとって、最後に研修アンケートを回答するモチベーションは低くなりかねません。
研修アンケートの目的が明示され、自分の意見が研修の改善に役立つとわかれば、回答へのモチベーションは高まるでしょう。
6-2. 回答を求めすぎないように質問数を少なくする
研修アンケートの質問数はできる限り少なくしましょう。質問が多すぎる研修アンケートは、回答する受講者の負担になり、回答の質が悪化する可能性があります。
質問は具体的には5個が理想ですが、多くても7個までに絞り込みましょう。受講者が短時間で回答できるようになることで、回答率を高めると共に質の高い回答を期待できます。
6-3. 率直な意見を収集するために匿名で実施する
研修アンケートを匿名で実施すれば、受講者からありのままの意見を多く収集できるでしょう。記名式の場合、受講者の心理的に改善点や評価を書きにくく感じます。
例えば、面識がある方が研修の講師や運営に関わっていれば、受講者は素直に意見を書けないかもしれません。受講者の匿名性を確保することで、研修に対するありのままの有益な意見を収集しましょう。
6-4. 理解度テストとは別々に設計する
研修アンケートと理解度テストを別々に設計することが成功のコツです。研修アンケートと理解度テストでは実施する目的が異なります。
研修アンケートの目的は研修の効果と改善点の確認です。一方で、理解度テストの目的は研修内容を理解できているか評価することになります。
もし、研修アンケートの中に理解度テストのような質問や問題が設定されていると、評価を含む研修アンケートと思われかねません。率直な意見や感想を得にくくなります。
別々に設計することで、それぞれの目的にあった回答を収集して今後の研修に役立てましょう。
7. 効果的な設問で研修アンケートを成功させよう
研修アンケートの目的は、研修の効果と改善点を把握することです。
研修アンケートを実施する方法は、アンケート用紙を活用した方法が主流でした。近年ではインターネット環境の充実によりWebを活用してオンラインアンケートでの実施も増えています。
どちらの方法でも研修アンケートを作る研修担当者は、受講者が回答しやすいように設計しなければなりません。研修アンケートの設計は、回答する受講者の負担を軽減させることを意識して作りあげることが重要です。
研修アンケートの目的を達成できるように、効果的かつ回答しやすい質問を採用して、研修アンケートを成功させましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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