工数管理とは?メリット・デメリットとツールの選び方をわかりやすく解説
更新日: 2024.12.27
公開日: 2024.12.8
OHSUGI
業務の効率化や適切なコスト管理のために、工数管理の導入を検討している企業も多いでしょう。
「工数管理とは具体的にどのようなものなのか」
「工数管理は自社に合っているのか」
以上のように考え、工数管理に対する知識を深めたいと考えているのではないでしょうか。
工数管理とは、「工数」という指数を使ってプロジェクトの進捗状況やコスト、各タスクを管理することです。従業員のおこなった業務が直接利益に結びつく業種に向いている、業務管理の手法といえます。
本記事では、工数管理の基本情報、メリット・デメリット、ツールの選び方をまとめました。自社の非効率な業務システムに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
人事労務管理のペーパーレス化には、以下のメリットがあります。
- 入社手続きがオンラインで完結し、差し戻しなどやりとりにかかる時間を削減できる
- システム上で年末調整の書類提出ができ、提出漏れや確認にかかる工数を削減できる
- 人事情報がひとつにまとまり、複数のシステムやエクセルファイルで管理する必要がなくなる
このように、システムによってペーパーレス化を進めると、人事労務管理にかかる工数を削減し、注力したい業務に時間を割くことが可能です。
システムを利用したペーパーレス化について気になる方は、こちらからクラウド型人事管理システム「ジンジャー人事労務」の紹介資料をご覧ください。
1. 工数管理とは
工数管理とは、一つのプロジェクトにかかる時間や人数を「工数」を使ってわかりやすく表し、管理することです。
工数とは、ある仕事にかかる時間と必要な人数を表す指標となります。工数の単位は以下のとおりです。
工数の単位 | 意味 |
人時(にんじ) | 1人あたりの作業時間の単位 |
人日(にんにち) | 1人あたりの作業日数の単位 |
人月(にんげつ) | 1人あたりの1ヵ月の作業単位 |
工数は、以下の計算式で求められます。
工数=仕事を終わらせるのに必要な時間×人数
仕事に必要な時間や人数を工数で表すと以下のようになります。
仕事の所要時間と人数 | 工数 | 人数・時間を変えた場合 |
1人で10時間かかる | 10人時 | 2人で5時間かかる |
5人で10日かかる | 50人日 | 2人で25日かかる |
3人で3ヵ月かかる | 9人月 | 9人で1ヵ月かかる |
工数がわかれば、人数や所要時間を変えても、同じだけの仕事量をすぐに算出できるでしょう。工数管理は、専用のツールやExcelなどを使っておこないます。
2. 工数管理の目的
工数管理の主な目的は以下のとおりです。
- 適切な見積りを算出する
- 業務の偏りをなくす
- 各スタッフが受け持つ業務とその進度を把握する
工数管理を活用すれば、プロジェクトにかかる工数を把握でき、精度の高い見積りを作成できます。だれがどのタスクを担当しているかもすぐにわかるので、特定のスタッフに業務が集中することなく、平等に業務を分散できるでしょう。
また、各スタッフが担当しているタスクの進捗状況も簡単に把握できます。作業に遅れが生じている場合でも早めに対処できるでしょう。
3. 工数管理が役立つ業種
工数管理が役立つ業種は、従業員の生産性が企業の利益にそのままつながる業種です。具体的には、以下のような業種が挙げられます。
- システム業
- 広告業
- クリエイティブ業
- イベント業
- 建設業
- 士業
- コンサルティング業
接客業や飲食業など顧客対応が主となる業種は、工数管理に向いていません。
4. 工数管理のやり方
工数管理を取り入れる際の手順は以下のとおりです。
- 工数管理表を作成する
- 工数管理表に進捗状況を入力する
- 工数管理表の集計・分析をする
それぞれの段階を詳しく解説します。
4-1. 工数管理表を作成する
工数管理を実施するためにまずやるべきことは、工数管理表の作成です。
専用のツールを使用する場合には、すでに工数管理表が用意されています。しかし、Excelを使って工数管理する場合には、自社で管理表を作成しなければなりません。
一から作成するのが難しい場合には、Microsoftの公式ページで紹介されているテンプレートを活用するのがおすすめです。
工数管理用表の用意ができたら、プロジェクトに必要なタスクを整理し、タスクごとに必要な時間を算出しましょう。それぞれのタスクに開始日と終了日を設定し、スタッフを配置すれば完成です。
4-2. 工数管理表に進捗状況を入力する
プロジェクトに関わるスタッフは、工数管理表にタスクの進捗状況を入力します。
まとめて入力するのではなく、毎日入力することが必要です。データがずれていると、正確な管理ができず、信頼できるデータが抽出できません。
Excelを使って工数管理をしている場合には、メンバー同士でのリアルタイムのデータ共有ができない点に注意する必要があります。
工数管理表の専用ツールを使えば、いつでも最新の進捗状況が確認できるのでとても便利です。
4-3. 工数管理表の集計・分析をする
データが入力されたらデータを集計・分析し、次のプロジェクトに活用しましょう。各タスクにかかった時間がわかれば、ほかのプロジェクトの工数管理表や見積りを作成する際により精度の高いものを作成できるためです。
スタッフの工数を確認すれば、それぞれのスタッフの作業速度を可視化できます。同一のスタッフがこなしたそれぞれのタスクにかかる工数を比較すれば、そのスタッフの得意分野・苦手分野も把握できるでしょう。
5. 工数管理を取り入れるメリット
工数管理を取り入れる主なメリットは以下のとおりです。
- 業務効率化につながる
- 従業員の時間意識・コスト意識が向上する
各メリットを詳しく解説します。
5-1. 業務効率化につながる
工数管理は、業務効率化につながります。工数管理表を見れば、予定どおりに進んでいるタスクと遅れているタスクを即座に把握できるでしょう。
遅れが生じているタスクに対して早めに対処すれば、全体の遅れを回避できます。予定よりも余裕があるタスクもわかるので、人員の再配置もスムーズに実施可能です。
また、プロジェクトに要する過不足のない人数がわかるので、無駄なく無理もなくプロジェクトを遂行できるでしょう。
5-2. スタッフの時間意識・コスト意識が向上する
工数管理を取り入れると、従業員の時間意識やコスト意識が向上しやすいメリットがあります。工数管理表を使うと、状況を把握しやすいためです。
工数管理表を見れば、各スタッフは自分が一つのタスクに対してどれだけの時間がかかっているのかがわかります。
同時に、ほかのスタッフが同じようなタスクに対してどれだけの時間を要しているのかも把握が可能です。そのため、向上心のあるスタッフは、より効率的なやり方がないか模索する可能性が高くなります。
また、自分が得意な業務と苦手な業務もわかり、自分なりの対策や目標を立てられるようになるでしょう。プロジェクト全体にかかっている人件費もわかるので、一人ひとりが当事者意識をもってコストを気にするようにもなります。
6. 工数管理を取り入れるデメリット
工数管理を取り入れる主なデメリットは以下のとおりです。
- コストがかかる
- 従業員の負担が増える
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
6-1. コストがかかる
工数管理を取り入れた場合、必ず一定のコストがかかります。
専用のツールを取り入れれば各システムの使用料が発生するでしょう。Excelで工数管理をしたとしても、工数管理のための人員を配置すれば人件費が発生します。
Excelの場合、専用のツールよりも手作業で対応しなければならない部分が多く、より人の手が多くかかることも理解しておくべきです。
6-2. 従業員の負担が増える
工数管理を取り入れると、従業員の負担が増えます。
工数管理は管理者による運用だけでなく、スタッフ一人ひとりのこまめな入力が必要です。新しくツールを取り入れる際、スタッフがツールについて学習しなければならないのも、負担の一部と考えてください。
また、工数管理に関するミーティングを実施する場合にも、スタッフへの負担が発生します。工数管理による負担が、スタッフのモチベーション低下につながる場合もあるので注意しましょう。
スタッフの不満が高まらないよう、工数管理を導入する際には目的や必要性を説明することが求められます。スタッフ側にも利点があることをわかってもらえれば、スタッフも進んで工数管理に協力してくれるでしょう。
7. 工数管理ツールの選び方
工数管理ツールを選ぶ際には、以下のポイントに着目しましょう。
- だれでもスムーズに操作できる
- 予算内に収まっている
- セキュリティ機能が備わっている
- 自社にとって適切なサポートが受けられる
工数管理ツールは、だれでもスムーズに操作できるものがおすすめです。スタッフの負担を減らすためには、なるべく少ない操作で入力できるものを選びましょう。
予算内に収まっているのか、セキュリティ面は万全であるかチェックも重要なポイントです。また、操作に悩んだときやトラブルが生じた際に役立つ、サポートサービスについてもよく確認しましょう。
電話での問い合わせに応じてくれるツールや、導入・活用支援が受けられるツールを選ぶと安心です。
8. 工数管理を取り入れて業務を最適化しよう
工数管理は、工数とよばれる指標を使い、1つのプロジェクトにかかる時間や人数を管理することです。工数管理を活用すれば、スタッフにとっても企業にとってもさまざまなメリットを享受できるでしょう。
工数管理は、業務効率化やスタッフの時間意識やコスト意識の向上につながり、最終的には企業全体の利益につながります。
スタッフに大きな負担なく、企業の利益につなげるためには、自社に合ったツールを選ぶことが大切です。工数管理を取り入れて、業務を最適化しましょう。
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