退職手続きをミスなくおこなうためのチェックリスト!手続きの流れや注意点も解説
更新日: 2026.1.30 公開日: 2025.7.13 jinjer Blog 編集部
従業員が退職する場合、人事担当者は煩雑な手続きを正確におこなう必要があります。不備や遅れがあると、思わぬトラブルを招きかねません。
ミスなく退職手続きを進めるには、チェックリストを活用して確実に確認を進めることが重要です。
本記事では、退職手続きにチェックリストを活用するメリットや、注意すべきポイントについて解説します。
「急な退職で引継ぎが間に合わない」「有給休暇の消化をめぐりトラブルに…」
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1. 退職手続きでミスが起こりやすい理由


退職手続きは、退職する本人への対応だけでなく、社会保険や雇用保険、源泉徴収票など、行政機関や関係部署への対応が多岐にわたる複雑な業務です。退職日や書類の提出期限もあり、さらに社員ごとに退職時の状況が異なるため、手続き上にミスが生じやすい傾向があります。
こうしたミスは、企業側にとっても大きなリスクをもたらします。たとえば、離職票の発行が遅れれば、社員が失業保険の手続きをできずトラブルに発展する可能性があります。また、貸与物の返却漏れがあれば、セキュリティ上の問題にもつながりかねません。
このようなリスクを防ぐには、手続きを人の記憶や経験に頼らず、抜け漏れを防ぐ仕組みを整えることが必要です。そこで効果的なのがチェックリストの活用です。必要な手続きを一つずつ項目化することで抜けや漏れを防ぎ、誰が担当してもミスの少ない退職手続きを進められるようになります。
2. 退職手続きのチェックリスト【持ち物】


退職時には、会社が支給・貸与した物品を速やかに回収します。退職する従業員から退職日までに受け取るべきもののチェックリストは以下の通りです。
【回収すべき支給品・貸与品チェックリスト】
| No. | 項目 | チェック欄 |
| 1 | 社員証 | |
| 2 | 入館証、鍵 | |
| 3 | パソコン、社用スマートフォン※充電器を含む | |
| 4 | 健康保険証※家族分を含む | |
| 5 | 会社用クレジットカード | |
| 6 | 名刺 | |
| 7 | 作業着、制服 | |
| 8 | その他備品(ヘルメットや名札など) | |
| 9 | 通勤定期券 |
3. 退職手続きのチェックリスト【手続き】


会社側がおこなう退職手続きは以下の通りです。手続きの期限がそれぞれ異なるので、漏れがないように確認しましょう。
【退職手続きチェックリスト】
| No. | 項目名称 | 期限 | チェック欄 |
| 1 | 退職届の受理 | 退職日の14日前まで | |
| 2 | 退職の手続きの説明 | 退職日まで | |
| 3
4 |
年金手帳の返却(会社で保管している場合)
雇用保険被保険者証(会社で保管している場合) |
退職日まで
退職日まで |
|
| 5 | 社会保険資格喪失手続き | 退職日の翌日から5日以内 | |
| 6 | 雇用保険資格喪失手続き | 退職日の翌々日から10日以内 | |
| 7 | 住民税の手続き | 退職月の翌月10日まで | |
| 8 | 健康保険資格喪失証明書の送付 | 退職日からおよそ5日後~ | |
| 9 | 離職票の送付 | 退職日からおよそ10日後~ | |
| 10 | 退職証明書の送付(社員から請求があった場合) | 退職日からおよそ10日後~ | |
| 11 | 源泉徴収票の送付 | 退職日から1ヵ月以内 |
返却物に破損や紛失がないかどうかの確認を徹底してください。後のトラブルを避けるために、返却完了を示す書類や証明を受け取りましょう。
健康保険証は、退職日の翌日から5日以内に保険者へ返却する必要があります。退職者が有給休暇を消化して退職する場合は、郵送などで速やかに会社に返却してもらいましょう。
クラウドサービスのアカウントやパソコンの保存データについても、適切に管理や削除する必要があります。退職後に会社の業務内容を個人利用できないよう、会社側での削除や無効化を徹底してください。
4. 企業側がおこなう退職手続きの流れ


会社側がおこなう退職手続きの流れを解説します。
- 退職日までにおこなう5つの手続き
- 退職後におこなう3つの手続き
- 退職後に渡す5つの書類
社員の退職日までにおこなう手続きと、退職後におこなう手続きに分かれている点に注意してください。退職後に退職者本人に渡すべき書類についてもあわせて説明します。
4-1. 退職日までにおこなう5つの手続き
はじめに、退職日までに会社側がおこなうべき5つの手続きについて解説します。
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退職日までにおこなう手続きは、退職者本人との対応が中心です。後にトラブルを招かないために、丁寧に説明した上で手続きを進めましょう。
4-2. 退職後におこなう3つの手続き
社員の退職後におこなうべき手続きは以下の3つです。
| 手続き内容 |
|
|
| 社会保険脱退手続き |
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| 雇用保険資格喪失手続き |
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|
| 住民税の手続き |
|
|
退職日以降におこなう手続きは、主に行政機関への届出が中心です。提出期限が短いものもあるため、計画的な対応を心がけましょう。
4-3. 退職後に渡す5つの書類
退職後、退職者に渡す5つの書類について解説します。
| 書類名 | 発行・返却のタイミング | 目的 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 会社が資格喪失届を年金事務所へ提出後 | 国民健康保険への加入手続きに必要 |
| 離職票 | 会社がハローワークに書類提出後 | 失業給付の申請、求職申し込みに必要 |
| 雇用保険被保険者証 | 退職時に会社から返却 | 雇用保険の給付手続きに使用(加入履歴・被保険者番号が記載) |
| 退職証明書 | 請求があった場合に会社が発行 | 転職先などから提出を求められる場合あり |
| 源泉徴収票 | 退職日から1ヵ月以内に発行 | 年末調整、確定申告時に必要 |
ハローワークや再就職先での手続きに必要となるため、交付後は速やかに退職者に送付しましょう。
5. 退職手続きにおける企業側が注意するポイント


退職手続きにおいて、企業側が注意すべきポイントは以下の通りです。
- 有給休暇の取得・買い取りの対応
- 貸与物と情報資産の確実な回収
- 退職理由と合意内容の証拠化
- 財形貯蓄の対応
- 外国籍の退職者の対応
- 個人情報の取扱い
5-1. 有給休暇の取得・買い取りの対応
あらかじめ退職希望日と有給の残日数を確認し、有給の取得または買い取りの対応方針を社員とすりあわせてください。退職前に有給休暇を消化する場合、業務引継に支障がないよう気をつけましょう。
5-2. 貸与物と情報資産の確実な回収
貸与物を確実に回収すると共に、セキュリティを保持するために情報資産管理に注意しましょう。貸与しているパソコン・スマートフォンの返却、社内システムやメールなどのアカウントの停止、個人デバイスへのデータ保存禁止を徹底することが重要です。
5-3. 退職理由と合意内容の証拠化
退職理由と合意内容を、書面やメールで記録として残しておきましょう。自主退職か、会社都合かによって、失業給付や社会保険の手続き内容が異なります。後にトラブルを招かないよう、必ず証拠化してください。
5-4. 財形貯蓄の対応
退職者が財形貯蓄をしている場合、希望進路によって手続きが異なるので伝達する必要があります。
社員が継続を希望する場合、退職後2年以内であれば継続が可能です。解約希望の場合は、退職者が金融機関で手続きする必要があります。
5-5.外国籍の退職者の対応
外国籍の場合、退職したらハローワークに「外国人雇用状況届出書」の提出が必要です。雇用保険者の場合は、雇用保険被保険者資格喪失届けによる届出となります。
ビザや在留資格の手続き、税金処理などが関わる場合があるので注意してください。
5-6.個人情報の取扱い
労働基準法では、賃金台帳や労働者名簿などの保存期間は原則5年間と定められています(ただし、経過措置として当分の間は3年間)。雇用保険関連書類は4年間、健康保険・厚生年金保険関連書類は2年間、源泉徴収票などは7年間の保存が必要です。
法定保存期間が終了したら、速やかに廃棄してください。
6. チェックリストを活用して退職手続きを計画的に進めよう


退職手続きは、期限を守って正確に処理することが求められます。
退職者一人ひとりの希望・条件も異なるため、細心の注意が必要です。退職後も、一定期間は退職者との連携が必要となる場合もあるので、連絡先の確認もおこなってください。
退職処理のミスを防ぎ、手続きに遅れがでないようにするために、チェックリストを活用して手続きを計画的に進めましょう。



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