新聞図書費に経費計上できるもの・できないものを詳しく解説
更新日: 2024.1.15
公開日: 2022.10.13
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新聞図書費は、事業に関連する書類や雑誌、新聞などを経費計上するための勘定項目です。
電子書籍やメールマガジンの購読料も新聞図書費として仕訳します。
経営ノウハウ本など、直接事業に関係ない書籍や雑誌などの購入費用は経費計上できないので注意しましょう。
今回は、新聞図書費に該当するかどうかの判断基準や、仕訳の際の注意点などを解説します。
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説
「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない」
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」
などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。
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1. 新聞図書費とは?
新聞図書費とは、決済書に記載のない任意の勘定科目です。
事業に必要な知識を身に着けたり、情報収集したりするために購入した書籍や雑誌、新聞などの経費を仕訳するために作成します。
紙媒体に限らず、電子書籍やメールマガジンの購読料に関しても、事業上必要なものであれば新聞図書費として処理できます。
新聞図書費は、書籍を通して従業員が知識を得ることで、会社が成長するために必要な経費として処理されるものです。
そのため、購入した全ての書籍が新聞図書費として経費計上できるわけではありません。
事業に必要な書籍1,200円を現金で購入し、新聞図書として計上する際の記帳例は次のとおりです。
2. 新聞図書費に該当するもの・しないもの
新聞図書に仕訳されるものとしては、書籍や新聞の購入費用のほか、次のようなものがあります。
・新聞購読料
・雑誌購入費用
・書籍購入費用
・専門書や業界紙購入費用
・情報誌購入費用
・官報購入費用
・地図や路線価図の購入費用
・統計資料購入費用
・メールマガジンや有料サイト購読料
・定期刊行物購読料
購入した書籍や雑誌などが新聞図書費として計上できるかどうかのポイントは、事業に関係あるかという点です。
例えば、建築系や医療系、プログラマーなど、専門的な知識を身につけなければ業務に支障をきたす業種・職種の場合、専門書や業界紙は業務上必要なものです。
そのため、新聞図書として計上できます。
では、会社の休憩室に備える新聞や雑誌はどうでしょうか。
直接事業とは関係がないため、新聞図書費として計上できません。
これらは「福利厚生費」として計上します。
専門書に該当しそうな株式投資やFX投資、不動産投資に関連する書籍や雑誌などについては、直接投資に関係している事業者のみ新聞図書費として計上できます。
また、経営ノウハウなどの指南・手引き系のビジネス書については、事業に直接関係する書籍ではないため、新聞図書費には該当しません。
新聞は、法人であれば問題なく経費計上できます。
個人事業主の場合は、事業に関係する場合のみ新聞図書費として計上できます。
なお、法人・個人に関わらず、スポーツ新聞の購入費に関しては経費として会計処理するのは難しいでしょう。
「確定申告について学ぶために、所得税や法人税に関する書籍を購入した」という場合は、事業への関連性が高いことから、新聞図書費として計上できます。
従業員が資格取得のための書籍購入代については、その資格が事業に関係するものであれば、新聞図書費として計上します。
ただし、その資格が医師や税理士、弁護士など、独占業務を行える国家資格の場合、法人・個人に関わらず経費にできません。
3. 新聞図書費に仕訳するときの注意点
書籍や雑誌などを新聞図書費に仕訳する際は、次の4つに注意しましょう。
3-1. 年をまたぐ定期購読の仕訳に注意
通常、定期購読の購読料を前払いした場合、支払いのタイミングで経費計上します。
例えば、専門誌1年分の購読料9,800円を経費計上する場合、次のように記帳します。
しかし、定期購読が年をまたぐ場合は、その年ごとの購読期間に合わせて経費計上しなければならないため、注意が必要です。
12月決算の会社が2021年5月から専門誌の定期購読(月額1,200円)を契約した場合、その年度の5〜12月までの7ヵ月分の購読料を「新聞図書費」として計上します。
残りの5ヵ月分は「前払費用」として計上し、翌年度の会計処理で「新聞図書費」に振り替えます。
なお、「短期前払費用の特例」が適用できる場合は、年をまたぐ定期購読であっても全額支払日に経費計上できます。
短期前払費用の特例が適用されるにはいくつかの要件があります。
短期前払費用の取り扱いについては、国税庁からの「所得税基本通達 37-30の2」に記載されていますが、解釈が難しく、要件を満たしているかどうかを判断するのは非常に困難です。
見極めが難しい場合は、無理をせずにその年度分だけを経費に振り替える会計処理を行うか、要件の判定について一度税務署に相談するとよいでしょう。
3-2. 10万円以上の書籍類は減価償却資産として計上する
百科事典など、全巻セットで10万円以上かかるものを購入し、経費計上する場合は注意が必要です。
10万円の超える経費は、減価償却資産として毎年配分して計上しなければならないからです。[注1]
ただし、青色申告者の場合は、「少額減価償却資産の特例」によって上限30万円を一括で経費計上できます。[注2]
全巻セット10万円以上の書籍であっても、1巻ずつ購入可能で、1冊10万円以下の金額で購入できるものあれば、新聞図書費として計上できます。
3-3. 電子書籍は通信費ではなく新聞図書費に仕訳する
業務に関連するものであれば、電子書籍も新聞図書費として計上します。
電子書籍購入料金やメールマガジンの定期購読料は、「通信費」として計上してしまいがちな経費です。
経費「通信費」はプロバイダ料金や電話料金など、インターネット関連の経費や取引先と連絡するために発生した経費を計上する項目です。
混同しないように注意しましょう。
3-4. 新聞の定期購読には軽減税率が適用される
新聞図書費は基本的に課税対象です。
しかし、週2回以上発行の新聞を定期購読する場合は、8%の軽減税率が適用されます。
売店やコンビニなどで臨時的に購入した新聞は適用外のため、通常の消費税が加算されます。
4. 新聞図書費として計上できるのは事業に関係するもの
新聞図書費として計上できるのは、事業に関わる書類や雑誌、新聞などです。
電子書籍の購入費用やメールマガジンの購読料も、通信費ではなく新聞図書費として計上します。
百科辞典の全巻セットなど、10万円以上する書籍に関しては、減価償却資産として経費計上する必要があるため、注意が必要です。
また、年をまたぐ定期購読を契約する場合は、その年の分の購読料だけを計上して振り替える方法で処理しましょう。
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