減価償却の節税効果はあるのか? - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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減価償却の節税効果はあるのか?

節税

減価償却は、現金出費なしで費用を計上できるという特性から、節税効果が期待できる会計処理の一つとして知られています。売上が上がっているのに利益が増えていない、節税をして会社に利益を残したい、そんな悩みを抱える会社の経営者様には減価償却の見直しがおすすめです。 なぜなら、減価償却には租税優遇措置があるため、節税効果をより大きくすることもできるからです。この記事では、減価償却での節税方法をご紹介します。

減価償却は会計独特な考え方をするので処理が複雑です。その上、優遇措置を利用するとなると処理の煩雑さが増してしまうことでしょう。しかし、減価償却を着実に処理することで、会社運営に大切な利益が残るようになります。記事内では減価償却に関する租税優遇措置の詳細もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1. 減価償却は節税効果はあるのか?

疑問

節税とは、法律に則って合法的に税金を減らすための会計処理のことです。 会社の売上が上がってきた際に、会社に利益を残す方法として、まず初めに考えることが節税ではないでしょうか。節税の流れとしては、 資産などを購入して費用を計上し、課税対象となる収益金額を小さくすることで、所得税などの支払い金額を下げる狙いがあります。
100万円の利益に対して、50万円の費用を計上することで、本来100万円の20%=20万円の税金を支払うところ、50万円の20%=10万円に税金の支払い額を下げることが節税の具体的なイメージになります。減価償却は、後方に税金をおさえることができる、節税手段の一つとして利用されています。

関連記事:減価償却の仕訳とは?「減価償却費」 と 「減価償却累計額」の違いや仕分け方法を解説

2. 減価償却の基本

基本

減価償却とは、資産の購入費用を資産の使用可能期間に合わせて分割し、毎年費用計上する会計処理のことです。 業務に使用する資産は数年にわたって利益を生み出し続けるので、特例に当てはまらない限りは、購入した年度に全てを費用計上することはありません。資産の使用可能期間については、税法で定められている法定耐用年数を参考にします。

関連記事:減価償却費とは?メリット・デメリット・計算方法などをわかりやすく解説

3. 減価償却に関する租税優遇措置

重要

減価償却そのものにすでに節税効果を発揮する仕組みがあるのですが、租税優遇措置を利用することで、 節税効果をより大きくすることができます。 具体的には、 租税特別措置法の特別償却を利用します。

3-1. 租税特別措置法

租税特別措置法とは、政府が打ち出している政策の促進を図るため、法人税などの中で例外的に規定した法律のことを指しています。 例外的に設定された法律であるために、 適用される期限が決められている、適用されるための条件が設定されている場合が多いので、条件をしっかりと確認しておくことが大切です。また、当初設定されていた期間が延長される場合もあるので、最新の情報を確認できる体制をとっておきましょう。

3-2. 特別償却

租税特別措置法の中でも減価償却に関するものは、特別償却と呼ばれています。特別償却とは、法人税法で定めた減価償却費を超えた金額を損失に計上するための特例的な措置のことを指しています。 特別償却には政府の政策に合わせて、数多くの特別償却が用意されています。法人税法で定められた減価償却限度額とは別に、特別減価償却限度額を設定しています。
特別償却を利用することで、通常の減価償却する以上の金額を費用に計上できるので、より大きく利益をおさえられ、節税効果も大きくなります。 以下では、特別償却の中でも定番のものと最近注目が集まっているものをピックアップしてご紹介します。

3-3. 中小企業投資促進税制

特別償却の中で 最も定番といえるのが、中小企業投資促進税制です。 特定の事業のために購入した新品で160万円以上の機械もしくは複数で120万円以上の器具備品に対して、 30%の特別償却をすることができます。通常の機械であれば大体8%から15%ぐらいの償却割合になっているので、節税効果の大きさがわかるでしょう。

3-4. 中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制とは、中小企業投資促進税制に並び定番の特別償却のひとつです。青色申告をしている中小企業であれば、 条件に該当する一定規模以上の設備を購入した場合、即時償却もしくは10%の税額控除を受けることができます。
通常資産を購入した場合は、分割して費用計上しなければならないので、即時に全額を費用計上できる中小企業経営強化税制を利用すれば大きな節税効果が期待できます。

3-5. DX投資促進税制

近年新しく制定された特別償却の一つに、 DX投資促進税制があります。 DX とはデジタルトランスフォーメーションの略で、業務のデジタル化を促進する税制になります。具体的には、ソフトウェアの新設やそれに関わる費用に対して、30%の特別償却もしくは税額控除を受けることができます。

3-6. カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

2050年の温室効果ガス排出ゼロ(カーボンニュートラル)に向けた、脱炭素化事業に対しても特別償却が制定されています。脱炭素につながる設備や脱炭素を促進させる設備を購入した場合、50%の特別償却もしくは5%の税額控除を受けることができます。

4. 減価償却での節税法4選

4つの方法

通常の減価償却でも使える節税方法4選をご紹介します。

4-1. 利益が増えている時は減価償却費を増やす

一つ目は、 利益が増えている時に減価償却費を増やす方法です。会社に利益が大きく残っているうちに将来使うであろう資産を購入することで、来年度以降の減価償却費を増やすことができるので、長期的な節税効果を期待できます。

4-2. 使用年数と耐用年数で検討する

二つ目は、使用年数と耐用年数で資産の取り扱いを検討することです。耐用年数が長い資産でも、 生産性を上げるために使用年数を短くして資産を処理することもあるでしょう。また、今後利益の増加が見込まれる場合は、長期的な節税効果を期待して耐用年数を見ながら購入資産を検討していくケースもあります。状況に応じた資産処理をすることで、 効率的な事業運営につながるはずです。

4-3. 中古資産を購入する

三つ目は、中古の資産を購入することです。なぜなら、中古資産は耐用年数の計算方法が新品の資産と異なるからです。 具体的には、新品の資産の耐用年数よりも、中古の資産の耐用年数の方が短くなります。つまり、 短い期間で資産の償却ができるようになるため、その分減価償却費用も大きくなるのです。

4-4. 少額減価償却資産を利用する

四つ目は、 少額減価償却資産を利用することです。 具体的には、 少額減価償却資産の特例というものを利用します。青色申告をしている中小企業であれば、30万円未満の少額資産を購入した場合、減価償却することなく年度内に一括で経費計上することができます。
この特例を利用できる資産は上限300万円と決められていますが少なくはない金額です。減価償却での節税方法4選をご紹介しました。会社の財務状況と今後の事業目的に合わせて、適切な減価償却の利用を進めていきましょう。

5. 減価償却で効率的に事業運営を進めよう

スーツ男性と金色のプラスマーク

減価償却で得られる節税効果について解説しました。租税優遇措置である特別償却の利用や通常の減価償却の使い方を工夫することで、節税効果を最大限活用することができるようになります。事業運営を効率的に進めていくために、ぜひ減価償却での節税を検討してみてください。

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jinjer Blog 編集部

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