契約交渉の流れや効率的に進める3つのコツを紹介
更新日: 2024.5.8
公開日: 2022.11.29
jinjer Blog 編集部
ビジネスにおいて、契約は今後の業務内容や業績を左右する非常に重要なものです。
最初の契約で有利な条件を獲得できれば、今後も業務を進めやすくなります。反対に不利な契約をしてしまうと撤回するのが難しくなってしまいます。
今回は、契約交渉の流れ、効率的に交渉するコツ、さらに交渉が難航している場合の対処法を解説します。
「どのタイミングで契約は締結されたことになる?」
「契約書に署名しても無効になることはある?」
「契約書はいつまで保管すればいいの?」
契約書にはそれぞれ目的があり、締結はその目的が果たされる前におこなわなければなりません。
ですが中には「過去の取引内容を契約書に残したい」や「先日取り交わした契約書の内容で認識の相違があった」など、法務担当者が頭を抱えたくなる事案が発生することもあるでしょう。
これらの事象は、取引を担当している従業員自身が締結期限や契約の重要性について理解していないため発生します。
そこで今回、契約や契約締結の意味や契約の有効要件、主な契約書の使用目的などをまとめた資料を用意しました。
また契約に関して従業員から上がってくる質問集や、リーガルチェックを円滑にすすめるためのチェックシートも付いているので、従業員周知用資料としてもご利用いただけます。ぜひご活用ください。
1. 契約交渉の流れ
契約交渉の流れを解説します。
まずは相手の情報を収集し、質問を重ねて双方の妥協点を探ります。一方的に有利な条件を押し付けるのではなく、双方が納得できる契約内容を提案することが大切です。
1-1. 相手の情報を収集する
まずは契約相手の情報を収集します。
企業の規模や他の取引先、株価などを徹底的に調べることで、どのような契約内容にすべきかを考えられます。とくにこれまで取り引きのない企業と契約交渉する場合は事前の下調べは重要です。
契約後こちらが不利になる可能性はないか、今後も成長を続ける企業なのかをしっかり見極める必要があります。大きな金額が動く契約では、さまざまなリスクも想定しなければなりません。
1-2. 質問を重ねる
契約の前に、企業の担当者に質問を重ねます。事前に調べてもわからなかった点、より詳しく確認したい点をピックアップし、まとめておきましょう。
質問内容を事前に用意しておくことで、より詳細な契約内容を固められます。
こちらから一方的に質問を繰り返すのではなく相手にも質問させ、自社の現状などをしっかり話させることも大切です。
話を聞いているうちに、下調べではわからなかった意外な交渉ポイントが見つかる可能性もあります。
1-3. 契約書を作成する
質問内容を確認し契約内容が定まったら契約書を作成します。すでにひな形、テンプレートがある場合でも、契約内容一件一件に合わせた契約書を作成してください。
企業の経営状況や契約先との力関係によって契約の内容は柔軟に変更する必要があります。
きちんと確認しなければ不利な契約を結んでしまう可能性があるため注意してください。契約書の草案を作成したら、社内や弁護士に確認してもらいましょう。
2. 契約交渉を効率的に進めるコツ
契約交渉は慎重に進めなければなりません。自社が有利になる契約をしたいのは契約相手も同じです。最初の契約で不利な条件があると今後覆すのは難しく、負債や負担を抱えてしまう可能性もあります。
契約交渉において重要な点を3つ解説します。
2-1. 妥協点を見極める
契約交渉を重ねるうち、どうしても双方が譲れないポイントが出てきます。その場合、いくら交渉しても相手に引く気がないとわかったら妥協点を見極めることも大切です。
ギリギリ妥協できるポイントを双方で確認し合うことで、スムーズに交渉できます。
強気に条件を押し付けると契約自体が白紙に戻ってしまう可能性もあります。譲れない部分はしっかり見極め、ほかの点で妥協、譲歩できないか考えましょう。
2-2. 即答せず熟考する
契約の条件の変更を提案されたとき、可否に関わらず即答はしないでください。即答すると契約内容が簡単に変わってしまうだけでなく「それならこの条件も変えられるかもしれない」と相手に思われてしまいます。
本気で契約交渉に取り組んでいないとマイナスなイメージを持たれる可能性もあります。変更の提案は即答せず「一度持ち帰ります」「再度検討します」など、時間をもらうようにしてください。
2-3. 粘り強く交渉を続ける
一度交渉を拒否されても、粘り強く交渉を続けることは大切です。
一度の拒否で納得すると「契約内容を本気で考えていない」「こちらの条件を通しやすい」と思われてしまいます。多少無理のある内容であっても、粘り強く交渉すれば相手に妥協してもらえる可能性もあります。
こちらが有利な条件をお願いする場合は相手にとってどのようなメリットがあるか説明するなど、相手に納得してもらえる材料の用意も忘れないでください。
契約交渉は数ヵ月、数年かかるケースも珍しくありません。数回拒否されても譲れない点がある場合は粘り強く交渉を続けましょう。
3. 契約交渉がうまく進まないときの5つの対処法
契約交渉がうまく進まないときの対処法を5つ紹介します。
3-1. 代わりの相手がいるか考える
どうしても譲れない点があり交渉が進まない場合、本当にその取引先でなければならない理由を考えましょう。代わりになる企業が別にある場合は、交渉自体決裂しても構いません。
むしろ、他社と比較することで交渉を有利に進められます。独占的な事業をしている企業と契約したい場合はこちらがある程度妥協しなければならないことも理解しておきましょう。
3-2. 表現方法の交渉はしない
契約書の表現方法に関する交渉は後々トラブルになる可能性が高いです。双方が妥協する表現方法にしてしまうと、イレギュラーな事態が起きたときに契約書に書いてある、書いていないなど、解釈の違いが生まれてしまいます。
明確な表現方法である場合は無理に変更の要望に応じる必要はありません。不明点、曖昧な点は草案の段階で修正しておきましょう。
3-3. ゴールを明確にする
交渉が進まず停滞してしまった場合、契約のゴールを改めて明確にしてください。
ゴールさえ明確にしていれば、契約内容を多少変更しても問題ないケースがほとんどです。反対に、変更してしまうとゴールにたどり着けない、当初の目的を達成できない点は絶対に変更しない意思を明確に伝えることが大切です。
3-4. 相手の重視するポイントを見極める
交渉がうまく進まない場合、社内での話し合いを繰り返すことも大切ですが、相手が重視しているポイントを見極めることも大切です。たとえば、こちらが金額で悩んでいるのに対して相手は量で悩んでいる可能性もあります。
その場合、金額はそのままで量を増やす、または量をそのままにして金額を減らすなどの妥協方法があります。相手が何を重視しているかを理解し、それに応じた提案をすれば交渉が進みやすくなる可能性があります。
3-5. 契約のメリットを明確にする
相手が契約を渋っている場合、メリットを正しく理解できていない可能性もあります。一方的にこちらが有利な条件を押し付けるのではなく、契約によって相手がどのようなメリットを得られるのかを明確に伝えてください。
売上が〇%アップする、作業効率が〇%アップする、人件費を〇円カットできるなど、具体的な数値でメリットを提示することで相手に理解してもらいやすくなります。
相手のメリットばかりを大きくするとこちらが不利になってしまうため、自社のメリットはそのままに、相手にとって大きなメリットを提示できるように資料やデータを用意してください。
これらの交渉をおこなうためには、契約の基本を理解しておく必要があります。とはいえ、普段から契約書に目を通してないと、メリットの提示や妥協点の見極めが難しく、交渉が上手くいかない可能性が高いです。円滑に交渉を進めるためにも、契約書の内容や契約締結の意味を理解することが大切です。当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」では、契約の基本知識から契約締結までの流れ、契約書に記載されている基本項目まで解説しています。契約交渉が上手くいかずお悩みの方は、こちらからダウンロードしてご覧ください。
4. 契約交渉をうまく進めて企業に利益をもたらそう
契約交渉のポイントやうまくいかない場合の対処法を紹介しました。ビジネスシーンにおいて他社との契約は非常に重要です。
契約一つで企業の今後の業績が大きく変わる可能性もあります。できるだけ自社に有利な契約ができるよう、契約内容は慎重に決定しましょう。また、契約時にはじっくり時間をかけて粘り強く交渉を続ける必要もあります。
こちらの要望を通せるよう事前のリサーチやデータの作成など、細かい点まで抜かりのないよう準備を進めましょう。
「どのタイミングで契約は締結されたことになる?」
「契約書に署名しても無効になることはある?」
「契約書はいつまで保管すればいいの?」
契約書にはそれぞれ目的があり、締結はその目的が果たされる前におこなわなければなりません。
ですが中には「過去の取引内容を契約書に残したい」や「先日取り交わした契約書の内容で認識の相違があった」など、法務担当者が頭を抱えたくなる事案が発生することもあるでしょう。
これらの事象は、取引を担当している従業員自身が締結期限や契約の重要性について理解していないため発生します。
そこで今回、契約や契約締結の意味や契約の有効要件、主な契約書の使用目的などをまとめた資料を用意しました。
また契約に関して従業員から上がってくる質問集や、リーガルチェックを円滑にすすめるためのチェックシートも付いているので、従業員周知用資料としてもご利用いただけます。ぜひご活用ください。
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