契約書は印紙が必要?貼り忘れた場合はどうなる? | jinjerBlog

契約書は印紙が必要?貼り忘れた場合はどうなる?

領収書や契約書など、ビジネスに関わる文書の中には作成時に収入印紙の貼り付けが必要なものがあります。

収入印紙を貼ることで印紙税を納めていることは理解していても、どの書類に、いくら分の収入印紙を貼るべきか正確に理解している人は少数ではないでしょうか。

この記事では収入印紙が必要な書類と不要な書類について詳しく解説します。

収入印紙を貼るべき書類か分からない、いくらの収入印紙を貼ればいいか分からない、貼り忘れた時の罰則を知りたい、という方はぜひ参考にしてください。

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1.印紙とは

印紙(収入印紙)とは、印紙税を納付する際に使用する切手サイズの証票のことです。

印紙税法に基づき、課税対象に指定されている書類(課税文書)には既定金額分の収入印紙の貼り付けが義務付けられています。

課税対象となるのは主に経済取引で作成される書類(契約書や領収書)です。

収入印紙は法務局や郵便局、コンビニ等で販売されていますが、購入しただけでは税金を納めたことにはなりません。

課税文書に張り付け、消印をすることで初めて税金を納めたことが証明されます。

また、印紙税は経済取引で用いられる全ての書類を対象とするものではありません。

印紙税法で定められた20種類の文書に該当し、かつ所定の要件を満たした文書のみ課税されます。

印紙税を過不足なく納税するためにも、収入印紙の貼り付けが必要な書類、不要な書類をしっかり区別しましょう。

2.印紙が必要な文書

収入印紙の貼り付けが必要となる文書の要件は以下の3つです。

● 印紙税法別表第1に掲げられる20種類(第1号~第20号)の文書に該当すること
● 当事者間で課税事項を証明する目的で作成されること
● 非課税文書に該当しないこと

ここでは課税文書に該当する要件について解説します。

2-1.印紙税法別表第1に掲げられる文書

収入印紙の貼り付けが必要な課税文書を一覧で掲げるものが、国税庁が発表している印紙税法別表第1(課税物件表)です。

ここに該当する文書は、別途非課税文書の規定がない限り収入印紙を張り付けなければなりません。

別表第1に掲げられる課税文書は以下の通りです。

● 第1号:
不動産・鉱業権・無体財産権・船舶・航空機また営業の譲渡に関する契約書
地上権・土地の貸借権の設定や譲渡に関する契約書
消費貸借に関する契約書
運送に関する契約書

第2号:請負に関する契約書
第3号:約束手形、為替手形
第4号:株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託、特定目的信託若しくは受益証券発行信託の受益証券
第5号:合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書
● 第6号:定款
第7号:継続的取引の基本となる契約書
第8号:預金証書、貯金証書
第9号:倉荷証券、船荷証券、複合運送証券
第10号:保険証券
第11号:信用状
第12号:信託行為に関する契約書
第13号:債務の保証に関する契約書
第14号:金銭又は有価証券の預託に関する契約書
第15号:債権譲渡又は債務引受けに関する契約書
第16号:配当金領収書、配当金振込通知書

第17号:
売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書
売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書
第18号:預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳
第19号:消費賃借通帳、請負通帳、有価証券の預かり通帳、金銭の受取帳などの通帳
第20号:判取帳

[参考]国税庁:印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)

2-2.契約書の種類はその内容から実質的に判断される

印紙税法別表第1に掲げる課税文書に該当するかどうかの判断基準は、文書の名称ではなくその内容(課税事項)です。

契約の当事者が文書に適当な名前を付けて「これは契約書ではない」と言い張っても、その内容から契約書であることが明らかな場合は課税文書として扱われます。

そもそも契約書には法律で定められた形式はありません。

契約の当事者同士でその契約内容(課税事項)が確認できるものであれば文書の名称やフォーマットは自由です。

そのため、該当書類を確実に課税文書として扱うために「当事者間で課税事項を証明するために作成されること」という要件が含まれています。

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3.印紙が不要な文書

課税文書の要件に当てはまったとしても、必ずしも収入印紙が必要になるとは限りません。

ここでは印紙税法における非課税文書と、法律の解釈上収入印紙の貼り付けが不要とされる電子契約について解説します。

3-1.印紙税法における非課税文書

印紙税法では課税文書に対して非課税文書という言葉が使われます。これは課税文書の中で特定の要件に該当することで非課税とする文書のことです。

非課税文書の要件は以下の4つが挙げられます。

● 印紙税法別表第1の非課税物件の欄に掲げる文書
● 国、地方公共団体、または印紙税法別表第2に掲げるものが作成した文書
● 印紙税法別表第3の擾乱に掲げる文書で、道標の下欄に掲げるものが作成した文書
● 特別の法律により非課税とされる文書

実務の上で特に注意すべきポイントは「別表第1の非課税物件」です。

以下、別表第1に掲げられている非課税物件の要件をまとめます。

● 第1号、第2号、15号
記載された契約金額が1万円未満のもの

● 第3号
記載された手形金額が10万円未満のもの
手形金額の記載がないもの
手形の複本または謄本

● 第4号
日本銀行その他特定の法人の作成する出資証券
譲渡が禁止されている特定の受益証券
一定の要件を満たしている額面株式の株券の向こう手段に伴い新たに作成する書類

● 第6号
株式会社又は相互会社の定款のうち公証人法の規定により公証人の保存するもの以外のもの

● 第8号
信用金庫その他特定の金融機関の作成するもので記載された預入額が1万円未満のもの

● 第13号
身元保証ニ関スル法律に定める身元保証に関する契約書

● 第16号
記載された契約金額が3万円未満のもの

● 第17号
記載された受取金額が5万円以下のもの
営業に関しないもの
有価証券、預貯金証書など特定の文書に追記した領収書

● 第18号
信用金庫など特定の金融機関の作成する預貯金通帳
所得税が非課税となる普通預金通帳など
納税準備預金通帳

[参考]国税庁:印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)

3-2.電子契約の場合も印紙は不要

印紙税法における課税文書に該当する文書であっても、電子的に発行されたものや原本を電子データとして保管するものに関しては印紙税が課税されません。

例えば電子契約システムで発行された契約書や、電子メールにより送付された領収書などがこれにあたります。

電子データの文書が非課税となる根拠は印紙税法基本通達第44条における以下の条文です。

“法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。”

[引用]国税庁:第7節 作成者等

この条文では印紙税の課税対象となる文書の作成を「紙の用紙に課税事項を記入し交付すること」と定めています。

電子データは紙ではありませんし、データの送信はしても交付はしません。これを根拠として電子データの文書は課税文書に該当しないと判断されています。

4.印紙を貼り忘れた場合の罰則

契約において契約書の作成は必須ではなく、収入印紙を貼り忘れたからといって契約書自体が無効になることはありません。

しかし、課税文書の作成に対する納税は法律で定められた義務です。

収入印紙の貼り忘れは脱税とみなされ罰則が科される点に注意しましょう。

4-1.税務調査を受ける前に自主的に申し出た場合

税務調査を受ける前に収入印紙の貼り忘れを自主的に申し出た場合、本来納税すべき印紙税の1.1倍の金額が徴収されます。

つまり、200円の収入印紙を貼らなければならない契約書であれば220円の納税が必要です。

税務調査はいつ査察が入るか分かりませんので、印紙の貼り忘れに気付いた場合は即座に申し出ましょう。

4-2.税務調査を受けた際に発覚した場合

税務調査によって収入印紙の貼り忘れを指摘されてしまった場合は、本来納税すべき印紙税の3倍の金額を支払わねばなりません。

1億円を越えるような大型の契約であれば、もともとの印紙税も10万円を越えるものもあります。

罰則の負担が非常に大きくなりますので、契約書作成時は細心の注意を払いましょう。

5.印紙税の金額

最後に課税文書の種類ごとの印紙税の金額について解説します。

印紙税の課税額は一律ではありません。

印紙税法別表第1における分類ごとに課税額が設定されているため、収入印紙を貼る際は作成した書類がどの文書に該当するのか把握することが大切です。

5-1.第1号文書(不動産・運送に関する契約書)の印紙税額

第1号文書は建物や土地などの不動産、船舶や航空機など運送に関する契約書です。

これらは契約金額に応じて課税額が決定されます。

● 10万円以下のもの:200円
● 10万円を超え50万円以下のもの:400円
● 50万円を超え100万円以下の:1,000円
● 100万円を超え500万円以下のもの:2,000円
● 500万円を超え1,000万円以下のもの:1万円
● 1,000万円を超え5,000万円以下のもの:2万円
● 5,000万円を超え1億円以下のもの:6万円
● 1億円を超え5億円以下のもの:10万円
● 5億円を超え10億円以下のもの:20万円
● 10億円を超え50億円以下のもの:40万円
● 50億円を超えるもの:60万円
※契約金額の記載がないもの:200円

5-2.第2号文書(請負に関する契約書)の印紙税額

第2号文書は主に請負に関する契約書です。こちらも契約書の金額に応じて課税額が決められます。

● 100万円以下のもの:200円
● 100万円を超え200万円以下のもの:400円
● 200万円を超え300万円以下の:1,000円
● 300万円を超え500万円以下のもの:2,000円
● 500万円を超え1,000万円以下のもの:1万円
● 1,000万円を超え5,000万円以下のもの:2万円
● 5,000万円を超え1億円以下のもの:6万円
● 1億円を超え5億円以下のもの:10万円
● 5億円を越え10億円以下のもの:20万円
● 10億円を越え50億円以下のもの:40万円
● 50億円を超えるもの:60万円
※契約金額の記載がないもの:200円

5-3.第3号文書(約束手形・為替手形)の印紙税額

第3号文書に該当するのは約束手形や為替手形です。手形に記載された金額により課税額が決められます。

● 10万円以下100万円以下のもの:200円
● 100万円を超え200万円以下のもの:400円
● 200万円を超え300万円以下のもの:600円
● 300万円を超え500万円以下の:1,000円
● 500万円を超え1,000万円以下のもの:2,000円
● 1,000万円を超え2,000万円以下のもの:4,000円
● 2,000万円を超え3,000万円以下のもの:6,000円
● 3,000万円を超え5,000万円以下のもの:1万円
● 5,000万円を超え1億円以下のもの:2万円
● 1億円を超え2億円以下のもの:4万円
● 2億円を超え3億円以下のもの:6万円
● 3億円を超え5億円以下のもの:10万円
● 5億円を超え10億円以下のもの:15万円
● 10億円を超えるもの:20万円

5-4.第4号文書(株券・投資信託等の証券)の印紙税額

第4号文書は株券や投資信託等の証券が該当する文書です。証券に記載された金額に応じて印紙税額が決定されます。

● 500万円以下のもの:200円
● 500万円を超え1,000万円以下のもの:1,000円
● 1,000万円を超え5,000万円以下のもの:2,000円
● 5,000万円を超え1億円以下のもの:1万円
● 1億円を超えるもの:2万円

5-5.第5号文書~第7号文書の印紙税額

第5号、第6号、第7号に該当する文書の印紙税額は一律で4万円です。

なお、第5号は会社の合併・吸収等に関連する書類、第6号文書は会社の定款、第7号文書は取引基本契約書等が該当します。

5-6.第8号~第16号文書の印紙税額

第8号~第16号文書の印紙税額は一律で200円です。
投資信託に関する契約書や金銭の寄託に関する契約書、債権譲渡に関する契約書等が該当します。

5-7.第17号文書(領収書)の印紙税額

第17号文書は売上代金の受取書、つまり領収書のことです。受取金額によって印紙税額が決まります。ただし5万円以下の受取書は課税されません。

● 100万円以下のもの:200円
● 100万円を超え200万円以下のもの:400円
● 200万円を超え300万円以下の:600円
● 300万円を超え500万円以下のもの:1,000円
● 500万円を超え1,000万円以下のもの:2,000円
● 1,000万円を超え5,000万円以下のもの:4,000円
● 2,000万円を超え3,000万円以下のもの:6,000円
● 3,000万円を超え5,000万円以下のもの:1万円
● 5,000万円を超え1億円以下のもの:2万円
● 1億円を超え2億円以下のもの:4万円
● 2億円を超え3億円以下のもの:6万円
● 3億円を超え5億円以下のもの:10万円
● 5億円を超え10億円以下のもの:15万円
● 10億円を超えるもの:20万円
※契約金額の記載がないもの:200円

5-8.第18号文書、第19号文書の印紙税額

第18号文書に該当する文書は預金通帳や信託通帳等です。これらは1年ごとに200円の印紙税が徴収されます。

また第19号文書も消費賃借通帳や金銭・有価証券の受取通帳といった通帳類です(※第18号文書に該当する通帳を除く)。

19号に該当する文書は1年につき400円の印紙税が徴収されます。

5-9.第20号文書(判取帳)の印紙税額

第20号文書に該当する文書は判取帳です。判取帳とは金銭の支払いをした際に、受取人に金額と名前を記入してもらうための名簿です。

判取帳を運用する際は1年につき4,000円分の収入印紙を張り付けなければなりません。

6.収入印紙に関するルールはマニュアルを準備して把握しましょう

収入印紙はその書類がどの課税文書に該当するのか、また文書によってはその記載金額によって張るべき金額が異なります。

その要件は非常に細かく分かれており、全てのルールを正確に把握することは簡単ではありません。

マニュアルや資料を手元に用意しておくことで、収入印紙に関わる業務もスムーズに進められるようになるでしょう。

また、煩雑な収入印紙の貼り付けが不要な電子契約の導入も考えてみてはいかがでしょうか。

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