契約書の丸印と角印の違いは?丸印の管理方法や押印業務を効率化するコツを解説
更新日: 2024.5.8
公開日: 2022.4.23
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企業の法務部門が取り扱う印鑑(法人印)には、それぞれ異なる用途があります。たとえば、請求書や領収書を発行する際は角印(会社印、社判)、口座開設の際は銀行印を用いるのが一般的です。
法人印のなかでも、個人用の印鑑の「実印」に当たるものが丸印(代表者印、会社実印)です。契約業務をスムーズに進めるには、丸印や角印、銀行印の違いを知り、ビジネスシーンに合わせて使い分けるスキルが求められます。
この記事では、丸印と角印の違いや、丸印の正しい管理方法、押印業務を効率化するためのコツを解説します。
目次
電子契約はコスト削減や業務効率の改善だけがメリットではありません。法的効力を持っていて、安全性が高いことをご存知でしょうか。契約締結や送信の履歴・証拠を残すという点でも、実は書面契約より使い勝手よく運用可能です。
ガイドブックでは、電子契約の仕組みや実際の業務フロー、電子契約の根拠となる法律や電子契約のサービスを導入するまでに準備すべきことまでを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約の仕組み理解から導入まで対応できる資料になっています。興味がある方は、ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。
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1. 丸印とは?「会社の実印」のこと
丸印とは、代表者印や会社実印とも呼ばれ、会社の代表者としての意思表示を行うための印鑑です。
丸印は契約締結や商業登記など、「会社にとって重要な業務」「行政や官公庁への申請業務」といったビジネスシーンに用途が限定されます。言い換えれば、丸印には「会社の実印」としての役割があります。
個人用の実印と同様に、事業所の所在地にある法務局に印鑑届書を提出することで、丸印の印鑑証明書を取得することができます。
1-1. 丸印の5つの活用シーン
丸印の主な活用シーンは5つあります。
・代表取締役を変更するとき
・官公庁の入札に参加するとき
・新株を発行するとき
・企業買収やM&Aを行うとき
・その他の重要な契約を締結するとき
その他の重要な契約の一例として、不動産の売買を行うケースや、連帯保証契約を結ぶケースなどが挙げられます。法律上、丸印を押さなくても契約は成立します。
しかし、印鑑証明書によって名義人の本人確認が可能な丸印を用いることで、より安全に契約を締結することが可能です。
2. 丸印と角印の4つの違い
「会社の実印」としての役割がある丸印に対し、「会社の認印」として広く用いられるのが角印です。丸印と角印には4つの違いがあります。
注意が必要なのが、印鑑登録についてです。これまで、丸印を作成する際は法務局に印鑑届書を提出する必要がありました。
しかし、2019年12月に商業登記法20条が削除され、2021年2月15日以降はオンラインで登記申請を行う場合に限り、印鑑届書の提出が不要になっています。
関連記事:契約書に割印はなぜ必要?|さまざまな押印と比較して徹底解説
2-1. 丸印と角印の兼用は可能?用途に応じた使い分けを
法律上、丸印の代わりに角印を用いても契約は成立します。そのため、企業によっては丸印と角印を兼用するケースがあります。
しかし、丸印と角印の使い分けをしないことで、次のようなリスクが発生します。
・丸印を乱用することで、紛失・盗難に遭う可能性が高くなる
・重要な文書に角印(認印)を押すことで、取引先の印象を悪化させる可能性がある
・契約トラブルが発生したとき、角印を押した結果訴訟で不利になる場合がある
とくに契約トラブルの際、角印は印鑑証明書がないため、印章と名義人の同一性の証明がむずかしい可能性があります。重要度の高い契約を締結する場合は、角印ではなく丸印を押すのがおすすめです。
3. 丸印と銀行印の違いは?使い分けが必要な理由
丸印とよく似ているのが、法人口座開設など金融機関での手続きに使う「銀行印」です。丸印も銀行印も丸形の印影で、銀行印のみ内枠に役職名ではなく「銀行印」と記載します。
丸印を銀行印の代わりに使うこともできますが、丸印と銀行印は使い分けが大切です。もし丸印を銀行印として使う場合、万が一丸印を紛失した際に「会社としての意思決定」「資金繰り」の両方ができなくなってしまいます。
また、金融機関から融資を受ける場合、丸印と銀行印の両方が求められるケースもあります。銀行印は丸印よりも費用が安価なため、両方作成するのがおすすめです。
4. 丸印の4つの規格と作成時のポイント
角印と違い、丸印は商業登記規則によって印鑑の規格が定められています。たとえば、商業登記規則9条の3では、「印鑑の大きさは、辺の長さが一センチメートルの正方形に収まるもの又は辺の長さが三センチメートルの正方形に収まらないものであってはならない」としています。[注1]
丸印の規格や作成時のポイントは次の通りです。
[注1]商業登記規則|e-Gov法令検索
5. 丸印の管理方法と紛失時の3つの対応
丸印は「会社の実印」です。個人用の実印と同様、丸印は厳重に管理する必要があります。「管理台帳を作成して印章の使用履歴を記録する」「印章管理規程を作成して印章の運用ルールを決める」など、丸印の管理方法を改めて見直しましょう。
万が一、丸印や印鑑登録時の印鑑カードを紛失した場合、すばやく対処する必要があります。
5-1. 丸印の管理方法は?管理台帳や印章管理規程の作成が必要
丸印の紛失・盗難・持ち出しを防ぐためには、管理台帳の作成が必要です。管理台帳とは、印章を「誰が」「いつ」「どんな目的で」利用したかを記録する文書です。印章の使用履歴がわかるため、紛失した際にスムーズに原因究明が可能です。
また、丸印を作成するときは印章管理規程を作成し、印章の「代表管理者」「管理場所」などのルールを決めましょう。印章の運用ルールを策定し、社内に浸透させることで紛失や持ち出しのリスクを抑えられます。
5-2. 丸印を紛失した際の3つの対応
もし丸印や印鑑カードを紛失してしまったら、次のような初期対応が必要です。
6. 電子契約の場合は押印不要
丸印、角印、銀行印などの法人印は、ビジネスシーンに合わせて正しく使い分ける必要があります。しかし、複数の印鑑の作成・管理には手間やコストがかかります。
契約業務を効率化したい場合は「電子契約」の導入がおすすめです。電子契約とは、契約書などの文書を電子化し、オンラインで契約を締結する方法を指します。電子契約では押印の代わりに「電子署名」を行うため、丸印、角印、銀行印などの法人印の管理が不要です。印鑑の管理にお悩みの方は、電子契約サービスの導入を検討しましょう。
7. 丸印や角印の違いを知り、ビジネスシーンに合わせた印鑑の管理を
丸印、角印、銀行印はそれぞれ利用シーンが異なる法人印です。「会社の認印」として幅広いビジネスシーンで使われる角印に対し、丸印は「会社の実印」として重要な契約や公的機関での手続きに使われます。
丸印の悪用を防止するため、管理台帳や印章管理規程を作成し、厳重に管理しましょう。印鑑の管理を効率化したい場合は、電子契約サービスの導入がおすすめです。
電子契約はコスト削減や業務効率の改善だけがメリットではありません。法的効力を持っていて、安全性が高いことをご存知でしょうか。契約締結や送信の履歴・証拠を残すという点でも、実は書面契約より使い勝手よく運用可能です。
ガイドブックでは、電子契約の仕組みや実際の業務フロー、電子契約の根拠となる法律や電子契約のサービスを導入するまでに準備すべきことまでを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約の仕組み理解から導入まで対応できる資料になっています。興味がある方は、ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。
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