360度評価におけるコメントの例文を職種・役職別に紹介
更新日: 2023.11.17
公開日: 2023.3.6
OHSUGI
さまざまな立場から社員同士を評価する360度評価では、コメントの書き方によって相手に与える印象も大きく変わるため、コメントの例文や注意点をきちんとおさえることが大切です。
今回は、360度評価におけるコメントの例文について、職種別と役職別に分けて紹介します。また、360度評価でコメントを書くときの注意点についてもあわせて解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. 360度評価におけるコメントの例文を職種別に紹介
360度評価でのコメントを書く際には、職種別に内容を変える必要があります。
ここでは、360度評価でのコメントの例文を「営業職」「事務職」「技術職」の3つの職種に分けて紹介します。
1-1. 営業職の場合
営業職の評価をする際には、コミュニケーション能力や行動力の評価を大切にしましょう。売上やノルマだけにとらわれた評価となると、被評価者がプレッシャーを感じやすくなります。
取引先との関係や他部署との連携についても評価の目を向けるとよいでしょう。
営業職の上司から部下へのコメント例文
- 人脈の確保に向けて、セミナーや交流会への積極的な参加がうかがえる。
- アポイントの件数については目標を超える数値の達成がみられ、評価できる。契約まで至らなかったアポイントについて分析を行い、今後に活かしてほしい。
営業職の部下から上司へのコメント例文
- 顧客対応時に頂いたフォローにより、商談をスムーズに行うことができた。
1-2. 事務職の場合
事務職の評価をする際には、ミスの少なさや確実性を評価するようにします。
日々の業務における細かい変化も評価対象とすると、被評価者の印象もよくなるため、意識するとよいでしょう。
事務職の上司から部下へのコメント例文
- 作業の効率化アップを目指し、マクロなどを使いこなして日々工夫を行っている。これからは今までに培ったスキルを活かした水平展開を期待する。
事務職の部下から上司へのコメント例文
- 従来から使いづらさを感じていたシステムについて移行を提案してくれたため、業務の効率が上がった。
1-3. 技術職の場合
技術職の評価をする場合には、経験や資格取得といったスキルアップのほか、実際に業務効率化に貢献した内容にポイントを置くとよいでしょう。また、コメントをする際には、技術力のみにとらわれず、業務の進め方についてもチェックしましょう。
技術職の上司から部下へのコメント例文
- 自ら積極的に新しい技術を身につけている。業務で得た技術を活かし、会社の売上にも貢献している。
技術職の部下から上司へのコメント例文
- 開発プロジェクトへの指摘のみではなく、人材の割当や作業の改善案を積極的に行ってくれたため、業務をスムーズに進行できた。
2. 360度評価におけるコメントの例文を役職別に紹介
次に、360度評価での役職別のコメントの例文を紹介します。コメントに記載する内容については、役職によって評価対象となるスキルや行動が変わってきます。
「上司から部下」「部下から上司」「同僚同士」の3つのパターンに分けて解説しますので、参考にしてください。
2-1. 上司から部下への場合
上司から部下に対して評価をする場合には、成績だけをみて評価するのではなく、仕事のスキルやモチベーションを評価するようにしましょう。
成績はもちろん重要な要素ですが、成果に至るまでのプロセスにも目を向けるようにすると、部下のモチベーションアップにもつながります。なお、部下のモチベーションを評価する場合には、日頃から部下の行動をよく観察しておくことが求められます。
コメント例文
- 日々スキルアップに積極的に取り組んでいる様子がうかがえる。これからは習得した知識を活用し実務上成果を出せるよう期待する。
- 目標の達成には至らなかったものの、顧客目線に立った資料を作成するなど、業務を行う上で工夫する姿勢が評価できる。
2-2. 部下から上司への場合
部下から上司への評価を行う際には、上司のマネジメント能力に重点を置いた評価とするとよいでしょう。マネジメント能力を判断するには、部下自身が今置かれている環境に働きやすさを感じているかを基準とします。また、部下の育成姿勢に問題がないか、チーム全体をみることができているかもポイントとなるでしょう。
コメントをするときには、上司の好き嫌いだけで主観的な評価をするのではなく、よいところと悪いところ、双方をみて客観的な評価をすることも大切です。
コメント例文
- 一人ひとりの部下の特性を理解したうえでセミナーや研修の提案をしていただいたため、効率よくスキルアップできた。
- 業務効率化に有効なシステムの導入を提案していただいたため、作業時間の短縮に役立った。
- 定期的にミーティングを開催していただけているため、業務状況の把握がきちんと行われている。
- 他部署と関わりのある業務についても、事前に十分な根回しをしてもらっているため、スムーズに連携できた。
2-3. 同僚の場合
同僚同士で評価を行う場合には、仕事への積極性や意欲を評価するとよいでしょう。同僚の評価は難しさを感じますが、評価することで自分が仕事をするうえで参考にすべき点がみえてくるというメリットもあります。
評価をする際には、馴れ合いや好き嫌いでの評価を避け、客観的な評価をするようにしましょう。
コメント例文
- メンバーの特性を理解しており、共同の作業を行う際の分担をスムーズに実施できる。
- 社内に知り合いが多く、業務に詳しい社員を紹介してくれるため助かっている。
- 社内のイベントに積極的に関わり、コミュニケーションの活性化をはかっている。
3. 360度評価でコメントを書くときの注意点
360度評価でコメントを書くときには、次の3つの点に注意するとよいでしょう。
3-1. 問題点や改善点を具体的に記載する
360度評価でコメントを書く際は、被評価者の問題点や改善点について具体的に記載するようにしましょう。
ただ単によくないところを挙げただけでは、相手を不快にするだけでなく、問題解決に向けた方策もみえにくくなります。
3-2. 仕事ぶりや成果を公平に評価する
360度評価で評価を実施するときは、過剰な評価や誹謗中傷は避け、公平な評価をしなければなりません。そのためにも、一人だけで評価を行うのではなく、複数人での評価を実施するとよいでしょう。
コメントをする際には、あくまでも感情は交えず、客観的なコメントを行うことが重要です。
3-3. 役職に応じた評価でコメントする
360度評価でコメントする際には、役職に応じた評価で行うようにしましょう。
上司に対してはマネジメント能力を評価対象とし、部下に対しては仕事に対する積極性やスキルを評価対象とします。
日頃から部下は上司のマネジメント能力を注視し、上司は部下が成果を出すまでのプロセスにまで目を配っておくようにすると、的確なコメントを行うことができます。
4. 360度評価でのコメントは公平かつ具体的な内容で記載しよう
360度評価を導入することで、さまざまな立場からの評価によって、客観的な評価が可能となります。360度評価でコメントをする際には、被評価者のモチベーションアップにつなげるため、公平かつ具体的な内容で記載するようにするとよいでしょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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