目標管理シートの書き方を例文付きでわかりやすく紹介
更新日: 2023.9.1
公開日: 2023.3.10
OHSUGI
目標管理シートは、チームや個人の目標管理に使われるツールです。たとえば、従業員が自分で目標を設定し、セルフマネジメントを行う目標管理制度(MBO)で目標管理シートが使われます。本記事では、目標管理シートに記載すべき項目や、職種別の書き方見本、目標管理シートを書くときの注意点を例文付きでわかりやすく解説します。
1. 目標管理シートとは?
そもそも、目標管理シートとは何なのか疑問に思う人もいるでしょう。目標管理シートは、チームや個人が目標を設定し、達成するまでのプロセスを可視化するツールです。目標管理シートは、ベーシック法と呼ばれるフレームワークを元に作成することが一般的です。
ベーシック法 |
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ここでは、目標管理シートに記載すべき項目を簡単にみていきます。
1-1. 目標管理シートに記載すべき項目
目標管理シートに記載すべき項目は、大きく分けて5つあります。
- 目標設定
達成すべき目標を具体的に書きます。可能であれば「売上を前年比◯%増やす」「顧客満足度のスコアを◯%改善する」など、数値化可能な目標を設定しましょう。
- 達成基準
次に、目標を評価するための基準を書きます。目標管理シートでは、目標達成度を1.0〜10.0のスコアで評価したり、A~Eのアルファベットで評価したりします。目標達成度の評価は、数字やデータなどの客観的な基準に沿って行うことが大切です。
たとえば「10個の新機能をリリースする」というチーム目標を設定する場合、6個リリースできたら6.0(60%)、8個リリースできたら8.0(80%)と数字で重み付けを行いましょう。
- 期限
ベーシック法のフレームワークに基づいて、目標を達成するまでの期限も設定しましょう。上期・下期・四半期など、事業年度の区分に沿って期限を設定する企業もあれば、目標ごとに具体的な日付を指定する企業もあります。
- 成果指標
成果指標は、目標を達成するために取り組むべき課題のことです。課題をひとつずつクリアすることで、自動的に目標が達成されるような成果指標を指定しましょう。成果指標には、チームや個人に対して、目標達成に向けてとるべきアクションを示唆する役割もあります。
- 評価(振り返り)
最後に、目標を達成できたか、達成できなかった場合はどのくらいの達成率だったかを評価します。チームや個人が自己評価を行うための振り返り欄と、管理者がレビューを行うためのフィードバック欄を個別に用意しましょう。
目標設定、アクション、評価、改善のサイクルを繰り返すことで、PDCAを回す習慣が身につきます。
2. 目標管理シートの書き方を例文付きで紹介(職種別)
目標管理シートに記載すべき項目は、業種によって異なります。
たとえば、営業職の場合は、売上目標、顧客単価、案件獲得数といった収益に関わる目標がメインといえます。一方、事務職の場合は職場環境やバックオフィスに関する目標が中心です。
ここでは、営業職、事務職、管理職の3つの業種を例に挙げ、書き方の見本をそれぞれ紹介していきます。
2-1. 営業職の書き方
営業職の目標管理シートには、売上や収益に関する目標を記載することが一般的です。営業職の目標設定と成果指標の例は以下のとおりです。売上目標を設定する場合は、そこから逆算して目標達成に必要なアクションを考えましょう。
目標設定 | 売上を前年比◯%増やす |
成果指標 | ● 1日当たりの架電を◯回増やす ● アポイントを◯件増やす ● メルマガの配信数を月◯回に増やす |
2-2. 事務職の書き方
営業職と違い、事務職は定量的(数値化可能)な目標を設定するのが難しいという特徴があります。たとえば、定量的な目標の例として、コピー用紙やインクなどの印刷コストの削減が挙げられます。
目標設定 | 印刷コストを前年比◯%減らす |
成果指標 | ● モノクロ印刷を推奨する ● 印刷方法を周知徹底し、ミスを削減する ● 純正インクからリサイクルインクに切り替える |
一方「バックオフィス業務のミスや漏れを減らす」など、定性的(数字で表せない)な目標を設定するケースもあります。齟齬が生じないように、明確でわかりやすい言葉づかいを意識しましょう。
2-3. 管理職の書き方
事務職と同様に、管理職も売上に直接つながらない間接部門のひとつです。ほかの従業員を監督する立場として、職場環境づくりや部下のメンタルケアに関する目標設定が中心となります。
管理職におすすめなのが「部下の目標達成率」を目標に設定する方法です。
目標設定 | 部下の目標達成率を◯%増やす |
成果指標 | ● 月◯回の1on1ミーティングを行う ● ◯月◯日までに目標管理ツールの導入を目指す ● ピアボーナス(※従業員が互いに称賛し、報酬を送り合う制度)の制度設計に向けたヒアリングを行う |
3. 目標管理シートを書くときの注意点
目標管理シートを書くときの注意点は2つあります。
- SMARTの法則を意識する
- 目標の数は3~5個に絞る
目標を設定するときは、具体的でわかりやすい言葉を使いましょう。SMARTの法則を意識すれば、明確な目標設定が可能です。また、目標管理シートに記載する目標の数は3~5個が適切です。目標の数を増やしすぎると達成が難しくなるため、優先順位を付けましょう。
3-1. SMARTの法則を意識する
目標管理シートを書くときに役立つのが、SMARTの法則と呼ばれるフレームワークです。
- 具体的でわかりやすく書く(Specific)
- 数字やデータで測定可能なものを書く(Measurable)
- 達成可能なものを書く(Achievable)
- 経営目標と直接関わりのあるものを書く(Relevant)
- 期限を明確に書く(Time-bound)
SMARTの法則には、目標管理シートを書くときに意識したいポイントが網羅されています。目標設定の項目は、具体的でわかりやすい言葉を使って書きましょう。
売上目標、顧客単価、案件獲得数など、数値化可能な目標を設定することも大切です。目標設定が曖昧だと、目標を達成するまでの道のりを具体的にイメージできず、チームや個人のモチベーションが高まりません。本記事で紹介した書き方見本を参考にしながら、目標設定を具体的に行いましょう。
3-2. 目標の数は3~5個に絞る
目標管理シートの書く目標の数は、3~5個が適切だとされています。たとえば、Google社の取り組み事例では、目標を3~5個に絞り、チームや個人の集中力が低下することを防いでいます。
目標は3~5個に絞ります。目標が多すぎるとチームにとって過度な負担になり、気が散って集中できなくなることがあります。
また、目標管理シートの成果指標の欄には、1つの目標につき3個程度の成果指標を指定することが一般的です。目標の優先順位付けを行い、重要性の高い目標のみを記載しましょう。
4. 目標管理シートの書き方を知り、適切な目標設定を
目標管理シートは、目標の設定から達成までのプロセスを1枚のシートにまとめ、見える化したツールです。目標管理シートには、以下の5つの項目を記載することが一般的です。
- 目標設定
- 達成基準
- 期限
- 成果指標
- 評価(振り返り)
目標管理シートを作成すれば、チームや個人のモチベーションが高まるだけでなく、PDCAサイクルを回す習慣が定着します。本記事で紹介した業種別の例文を参考にしながら、目標管理シートの正しい作り方を学びましょう。
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