表彰制度はモチベーションが下がる?逆効果になる理由や見直すべきポイントを解説
更新日: 2024.11.13
公開日: 2024.6.4
OHSUGI
表彰制度は、従業員の優れた成果や業績アップに貢献したことなどを讃えるための制度です。従業員の日々の頑張りを労う制度ですが、やり方次第ではモチベーションを下げる可能性があります。
最悪の場合、離職率の増加につながるため、受賞者の選び方に注意しなければなりません。しかし「表彰制度を実施して従業員のモチベーションが下がる理由はなんだろう」と、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、表彰制度で従業員のモチベーションが下がる理由と見直すべきポイントを解説します。設計するコツも紹介しているので、表彰制度で従業員のモチベーションアップを図りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。
当サイトでは、「モチベーション管理において、まず何から始めていいのかわからない」「具体的にどのような分析・活用をすべきなのか知りたい」という人事担当者の方に向けて「従業員満足度調査のハンドブック」を無料配布しています。
ツールの選び方から調査方法、結果の活用方法までわかりやすく解説していますので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 表彰制度で従業員のモチベーションが下がることがある
表彰制度を実施すると従業員のモチベーションを下げる可能性があります。不公平な評価に納得できず、やる気をなくす従業員が出てくるためです。
「表彰された従業員より自分のほうが頑張っている」「結果を出している」と、評価した企業に不信感を持つようになります。
最悪の場合、納得のいかない従業員が離職する可能性もあるでしょう。そのため、表彰制度を導入する際は評価基準をきちんと定めて公平に評価する必要があります。
また表彰に対して従業員同士の競争意識が高まり過ぎて、コミュニケーションの悪化を招きかねません。気の合う仲間との関係が悪くなり、従業員のモチベーションが下がる可能性があります。
表彰制度を実施する際は、従業員が仕事への意欲をなくさないように、さまざまな対策が必要です。
2. 表彰制度で従業員のモチベーションが下がる3つの理由
表彰制度で従業員のモチベーションが下がる理由は以下の3つです。
- 受賞できなかった従業員のやる気がなくなる
- 不公平に感じる
- コミュニケーションが悪化する
それぞれの理由を詳しく掘り下げて考えていきましょう。
2-1. 受賞できなかった従業員のやる気がなくなる
表彰制度を実施すると、受賞できなかった従業員のやる気がなくなる可能性があります。
「受賞した人より自分のほうが頑張っているのに、評価されなかった」と考える従業員がいるためです。受賞できなかった従業員は仕事に対するやる気が低下する可能性があります。
従業員のモチベーションが下がると、仕事の生産性が落ちたり離職したりする可能性が高まるでしょう。
しかし、受賞できなかった理由や表彰の基準が周知されていれば、このような問題は起こりにくくなります。反対に、評価されなかった理由を活かし、会社が求める人材になれるように努力する従業員もでてくるでしょう。
2-2. 不公平に感じる
表彰制度をおこなうと、従業員が不公平だと感じる可能性があります。部署によって評価がしやすい場合と、しにくい場合があるためです。
例えば、営業部門は契約を取った数で評価できます。成果がわかりやすいため、表彰の対象になりやすいです。しかし人事部は従業員の勤怠管理などをおこなう部署のため、はっきりとした成果がわかりません。
部署によって対象にならない表彰制度を実施すると、従業員が不公平感を感じ仕事に対する意欲が失せます。だれしも受賞される可能性がある表彰制度を取り入れることが大切です。
また、そうした目立たない部署での活躍の他にも、成果を出した従業員をサポートした人を表彰する項目もあるとより納得感が生まれやすいでしょう。
2-3. コミュニケーションが悪化する
表彰制度を取り入れることで、従業員同士のコミュニケーションが悪化する可能性があります。従業員同士の競争意識が高まりすぎて、協力体制が上手く取れないケースが出てくるためです。
コミュニケーションがうまく取れないと、業務が思うように進まず残業が発生し、定時で帰れないケースも出てくるでしょう。思う通りに仕事が進まない日が続くと、仕事へのモチベーションは下がります。
連絡や必要な情報共有がなされないことも出てくるため、ミスやトラブルが発生するリスクも高まるでしょう。
こうした問題を予防するには、個人だけでなく、部署ごとに表彰制度を設けるなどの工夫が必要です。
3. モチベーションを下げない評価制度にするには
従業員のモチベーションが下がる表彰制度で見直すべきポイントは以下のとおりです。
- 評価基準を明確にする
- 全員が受賞できる可能性のある制度を取り入れる
それぞれ解説します。
3-1. 評価基準を明確にする
評価基準を明確にすることは、従業員のモチベーションが下がる表彰制度で見直すべきポイントの一つです。表彰者がなぜ選ばれたのかがわからないと、受賞できなかった従業員から不満が出てくる可能性があります。
具体的な数値目標や改善効果の判断基準を設けておくことで、従業員の評価に対する不満が軽減されるでしょう。
表彰者の選考理由を社内で共有したり表彰される従業員を毎回変更したりして、全員が納得できる表彰式を実施することが大切です。
3-2. 全員が受賞できる可能性のある制度を取り入れる
従業員すべてが受賞できる可能性がある制度を取り入れることも、表彰制度を見直すべきポイントの一つです。部署によって受賞できない制度を実施すると、対象外の従業員の不満が募り、モチベーションの低下につながるためです。
例えば、目標達成賞はすべての従業員を対象にできる表彰制度です。会社や部署単位で達成したい目標を決めておき、達成されれば受賞できます。
いろんな部署の従業員が活躍を評価できる賞を取り入れることで、公平感のある表彰制度を実施可能です。
4. モチベーションを向上させる表彰制度のやり方のコツ5選
従業員のモチベーションを向上させる表彰制度をやり方のコツは以下の5つです。
- 導入目的を明確にする
- 社内規定で評価基準を定める
- 公平にチャンスのある賞・ユニークな賞を用意する
- 従業員からの意見や要望も取り入れる
- 表彰後に振り返り・改善を実施する
設計段階できちんと考えておけば、表彰制度で従業員のモチベーションアップが狙えます。
4-1. 導入目的を明確にする
従業員のモチベーションをアップさせる表彰制度を設計するためには、導入目的を明確にしなければなりません。
「表彰制度を取り入れたらきっと喜ぶだろう」と、安易な考えで取り入れると、逆にモチベーションを下げる危険性があるためです。
例えば、会社の業績アップを目的として表彰制度を導入する場合、MVP賞を設けて会社に貢献した従業員を讃える方法があります。
また長く働いてもらいたいなら、永年勤続表彰を贈ることで、生涯勤務してくれる可能性が高まるでしょう。導入目的を明確にすれば、取り入れるべき表彰制度がみえてきます。
4-2. 社内規定で評価基準を定める
表彰制度で従業員のモチベーションアップを狙うなら、社内規定で評価基準を定めることが大切です。人事部が定めた社内規定に該当していない従業員を受賞すると、周囲から不満が出る可能性があります。
例えば営業成績が良い従業員を表彰する場合、社内規定で「〇件の契約を取った人から選考する」などのルールを決めておきましょう。
社内規定に沿った受賞理由なら、周囲からの不満も軽減されるはずです。受賞した人が周囲から「この人は受賞されるべきだ」と、思われる賞を整備する必要があります。
4-3. 公平にチャンスのある賞・ユニークな賞を用意する
誰にでもチャンスがある「賞」を用意することは重要です。従業員全員が評価される機会を持つことで、モチベーションが向上します。たとえば、バックオフィスの従業員やサポート役として動いている人々にスポットライトを当てる賞を作ることも有効です。加えて、ユニークな賞を取り入れると社内の雰囲気が明るくなり、全員の関心を引くことができます。例として、「いつも笑顔が素敵で賞」や「ナイス失敗で賞」など、工夫次第で多様な賞が考えられます。
4-4. 従業員からの意見や要望も取り入れる
従業員のモチベーションを維持し、表彰制度が常に新鮮で効果的であるためには、従業員からの意見や要望を取り入れることが不可欠です。毎年同じ形式の表彰では、やがてマンネリ化してしまう恐れがあります。例えば、アンケートを実施して従業員の声を反映させる、新しいメンバーに表彰の企画を任せるなど、柔軟に対応することが大切です。このようなアプローチは、従業員が表彰制度に対して積極的に関与する機会を提供し、全体のモチベーションを維持するのに役立ちます。”
4-5. 表彰後に振り返り・改善を実施する
表彰制度で従業員のモチベーションアップを図るためには、表彰後に振り返り・改善を実施しましょう。導入した表彰制度が、必ずしも喜ばれるとは限りません。
従業員から表彰制度に関するフィードバックをもらうことが大切です。例えば、簡単なアンケートを実施し、表彰内容についての意見や次回の表彰に向けた決意表明を記載してもらう方法があります。
振り返り・改善をおこない、従業員から喜ばれる表彰制度を整備できれば、モチベーションアップを実現できるでしょう。
5. モチベーション低下を招く表彰制度は制度の内容や運用方法を見直そう
表彰制度の導入により従業員のモチベーションが下がるケースは実際にあり、必ずしもプラスに機能するわけではありません。
従業員が不公平だと感じる制度では、モチベーションの低下や離職率が高くなる可能性があるため注意が必要です。
従業員のモチベーションが下がる表彰制度を導入している場合は、見直し・改善を実施しましょう。見直し・改善する際には、表彰制度について従業員からフィードバックをもらうことが大切です。
従業員からの意見を取り入れ、モチベーションがアップする表彰制度を整備しましょう。
人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
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