付き合い残業とは?発生する原因や問題点・対策を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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付き合い残業とは?発生する原因や問題点・対策を解説

付き合い残業

「付き合い残業の意味とは?」

「付き合い残業が横行している原因は何?」

「付き合い残業をなくすための取り組みの具体例は?」

労務担当者の中には、上記の疑問を抱えている方も多いでしょう。

付き合い残業は、周囲に合わせて残業することです。無駄な残業代を発生させ、企業の生産性を低下させる原因となるため、適切に防止しましょう。

本記事では、付き合い残業の概要と発生する原因、付き合い残業の問題点について解説します。また、付き合い残業をなくすための主な対策、有効なツールについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。


1. 付き合い残業とは

付き合い残業とは

付き合い残業とは、自分の業務が完了しているにもかかわらず、同僚や上司に合わせて退勤せずに残業することです。自発的な業務ではなく、職場の空気や同僚との人間関係が原因といわれています。

厚生労働省の調査によると、従業員の残業時間を削減するために必要な取り組みとして、「付き合い残業を無くし、上司が早く帰らせるようにする」と回答した方は12.8%です。付き合いが原因の残業が全体の1割以上を占める結果となっています。

付き合い残業は、労働時間が延長されることで企業の生産性が低下するだけではなく、従業員の疲労やストレスが蓄積するマイナスな行為です。

参考:労働時間制度等に関するアンケート調査結果について(速報値)|厚生労働省

2. 付き合い残業が発生する3つの原因

付き合い残業の原因

付き合い残業が発生する主な原因は以下3つです。

  1. 上司や同僚が帰らない
  2. 残業が当たり前の社風がある
  3. 業務量が多い・偏っている

ここからは、それぞれの原因について解説します。

2-1. 上司や同僚が帰らない

付き合い残業が発生する原因として、上司や同僚が帰らないことが挙げられます。日本の企業ではチームワークや和を大切にする風潮が強く、先に退社すると協調性に欠くと捉えられがちです。

周りに合わせようとする心理は、特に若手社員や部下が強く感じる傾向があります。部署の上司や先輩が残業している場合、帰りにくさや罪悪感を感じて、付き合い残業する従業員は多いでしょう。

2-2. 残業が当たり前の社風がある

残業するのは当たり前と捉える企業の雰囲気が、付き合い残業の原因の一つです。日本では長時間労働が努力や貢献のあらわれと見なされ、残業することが評価の対象であると信じている方も少なくありません。

例えば、実際に長時間労働を評価されて出世している人が部署の上司である場合は、その傾向が顕著です。長時間労働が常態化している組織では、新入社員や若手社員はその暗黙のルールに従って付き合い残業するケースがあります

2-3. 業務量が多い・偏っている

業務量の多さやバランスの不均衡が、付き合い残業の原因になることもあります。特定の従業員や部署に業務が集中すると、業務を引き受けるために残業するケースが増えるためです。

例えば、企業の繁忙期や急な業務の増加、プロジェクトの遅延などが原因となります。業務量が偏らないように配分し、一人ずつ従業員の業務を明確化することが重要です。

3. 付き合い残業の3つの問題点

付き合い残業の問題点

付き合い残業の問題点は以下の3つです。

  1. 残業代のコストがかかる
  2. 長時間労働が生産性を下げる
  3. 人材の維持・確保が難しい

ここからは、それぞれの問題点について見ていきましょう。

3-1. 残業代のコストがかかる

付き合い残業は、企業の人件費を圧迫します。担当業務が終わっているにもかかわらず、周囲に合わせて残業することで、生産性に見合わない支出を増やすことになるためです。

例えば、一人の従業員が一日1時間付き合い残業した場合、月に20時間もの無駄なコストが発生します。従業員数が増えるほど、企業の経営を圧迫する可能性が出てくるでしょう。

3-2. 長時間労働が生産性を下げる

付き合い残業など、やる必要のない残業が長時間労働を招き、企業の生産性を低下させます。長時間におよぶことで時間あたりの従業員のやる気や集中力が下がるためです

限られた時間内に終わらせるという意識が薄くなり、だらだらと仕事をする姿勢につながります。業務のパフォーマンスが低下しやすいです。

また、必要のない残業は、従業員の疲労やストレスを貯めさせる原因にもなります。所定労働時間を厳守することで、従業員のパフォーマンスを最大化し企業の生産性を高めましょう。

参考:労働時間と労働生産性|労働者健康安全機構

3-3. 人材の維持・確保が難しい

付き合い残業が常態化している企業は、人材の維持・確保が難しくなります。長時間労働は、従業員のワークライフバランスを崩し、離職率を高めるためです。

特に若手社員や優秀な人材は、働きやすい職場環境を求めます。厚生労働省の調査によると、再就職先を決める際に重視したことの理由として、「残業がない、もしくは少ないこと」と回答した方は51.3%を占めました。

優秀な人材の採用を強化し、社内の人材の流出を防ぐためには、付き合い残業を含む長時間労働を減らすことが有効です

4. 付き合い残業をなくすための3つの対策

付き合い残業をなくす方法

付き合い残業をなくすための主な対策は以下の3つがあります。

  1. 定時退社を推奨する
  2. 時間外労働は事前承認制にする
  3. フレックスタイム制やテレワークを導入する

ここからは、それぞれの解決策について紹介します。

4-1. 定時退社を推奨する

付き合い残業をなくすためには、企業や上司が定時退社を推奨する必要があります。定時退社を当たり前の社風にすることで、従業員は帰りにくさを感じにくくなるためです。

例えば、毎週決まった曜日を定時退社の日としたり、毎日定時に上司や管理職が退社する姿勢を見せたりすることが有効です。「ノー残業デー」を企業文化の一部とすることで、従業員のプレッシャーを緩和できます。

4-2. 時間外労働は事前承認制にする

必要のない付き合い残業を減らす対策として、時間外労働を事前承認制にすることが有効です。上司が業務量や残業の内容を把握することで、業務量の調整ができるためです。また、従業員も残業の必要性を慎重に判断するようになります。

報告内容の具体例はこちらです。

  1. 業務内容
  2. 残業が発生した理由
  3. 残業時間の目安

事前承認制を導入することで、時間外労働の透明性が高まり、企業の生産性も向上します。

4-3. フレックスタイム制やテレワークを導入する

付き合い残業を解消する対策として、フレックスタイム制やテレワークを導入することが効果的といえます。どちらの制度も、従業員が自分のペースに合わせて働くため、無理に残業する必要がありません。

例えば、テレワークを導入して社内コミュニケーションをチャット上で行えば、生産性の低い「付き合いの時間」を減らせます。企業が柔軟な働き方を導入することで、業務効率を高めるだけではなく、従業員満足度も向上させることが可能です。

5. 付き合い残業をなくすために有効なツール

付き合い残業をなくすためのツール

付き合い残業をなくすためには、社内制度を整えるほかに、DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールを活用することも効果的です。具体的には以下のツールが挙げられます。

勤怠管理システム ・従業員の労働時間を正確に把握・管理するためのツール

・残業時間を視覚的に把握できる

業務管理ツール ・プロジェクトごとにタスクを分けて管理するツール

・担当者や進捗状況を共有できる

コミュニケーションツール ・メッセージやタスクの共有がリアルタイムで行えるツール

・業務指示の遅延や不必要な会議を防げる

DXツールを導入することで、残業をなくすための環境を整えられます。労働時間の管理や業務の効率化を図り、従業員の負担を軽減しましょう。

6. 付き合い残業をなくして生産性を高めよう!

生産性を高めよう

付き合い残業は、人件費がかかるため企業にとってマイナスです。また、従業員にとっても健康被害やモチベーションの低下を招く可能性が高まります。

企業経営者や労務担当者は、まず付き合い残業が横行している原因を特定することが重要です。残業が当たり前の社風がある場合は、評価制度を見直すことで改善されることがあります。

また、そもそも特定の従業員の業務量が偏っている場合は、定時退社ができるように仕事を振り分けることが有効です。ほかにもDXツールや働き方改革を推し進めることで、残業自体をなくし、企業全体の生産性を高めていきましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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