始末書とは? 例文付きのひな形・フォーマットの書き方を紹介!提出時の注意点まで
更新日: 2026.7.31 公開日: 2024.5.2 jinjer Blog 編集部

従業員が業務上のミスや不祥事を起こした際、反省や謝罪を促し、再発防止を図るために欠かせないのが「始末書」です。
本記事では、始末書の目的や顛末書との違い、提出を依頼する際の流れを詳しく解説します。さらに、遅刻や備品紛失といったケース別の具体的な例文や、そのまま使えるフォーマット(ひな形)も紹介します。
- 「承認者が出張/直行/休暇などの不在で稟議が止まってしまう…」
- 「期日のある申請の進捗状況に関する問い合わせ対応に追われている…」
- 「稟議承認のためだけに出社するのはもうやめたい…」
このような課題は、ワークフローの見直しで解決できるかもしれません。本資料では、紙やExcelでの申請・承認業務が抱える課題と、システム化によって得られる解決策をわかりやすく解説しています。
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1. 始末書とは


始末書とは、業務上のミスや不祥事について、反省や謝罪の意思を示すとともに、原因の分析および再発防止を図るために提出を求める文書です。
あわせて、事実関係や経緯を記録し、本人が事案を振り返ることで問題意識を高め、業務改善につなげる役割もあります。
1-1. 始末書の目的・必要性
始末書の提出を求めることで、従業員が発生したトラブルの経緯や原因を整理し、事実関係を明確にできます。企業側にとっても再発防止策を検討するための重要な材料となるほか、従業員自身が事案を振り返り、謝意や反省の意識を整理することで再発防止にもつながります。
社内におけるミスや不祥事に対して適切な処分をおこなうことは、他の従業員の公平感や納得感を醸成するうえで重要です。その結果として、組織内の規律や秩序の維持にもつながるでしょう。
1-2. 始末書を提出させるケース
始末書は、軽微な注意指導では足りない問題行動が生じた場合に提出を求めることが一般的です。例えば次のようなケースがあります。
- 繰り返す遅刻や無断欠勤
- 貸与物や備品の紛失
- 社内外での交通事故
- 業務上のミスによる損害
- セキュリティ違反
なお、すべてのミスに対して一律に求めるものではなく、事案の内容や影響の大きさ、再発可能性などを総合的に考慮し、個別に必要性を判断することが重要です。
1-3. 始末書と顛末書・反省文の違い
始末書と類似した文書に顛末書や反省文があり、それぞれの違いは次のとおりです。
| 始末書 | 従業員が社内でミスや不祥事を起こした場合に反省の意思を示すために提出させる書類 |
| 顛末書 | 社内でミスや不祥事が起こった際に経緯や発生日時を記録する書類 |
| 反省文 | 従業員が起こしたミスやトラブルが軽微な場合に提出させる書類 |
始末書は、従業員に反省の意思を示させ、再発防止を目的とする書類です。一方、顛末書は、ミスやトラブルの経緯や事実関係を客観的に報告するための書類です。
また、反省文は、比較的軽微な事案において提出を求めることが多いです。しかし、いずれの書類も名称によって法的効果が一律に決まるものではなく、企業の運用や就業規則上の位置付けによって性質が異なる点に留意が必要です。
関連記事:顛末書と始末書の違いは?提出を求めるべきケースや書き方を紹介
2. 始末書の提出を指示する流れ


始末書の提出を指示する流れは、次のとおりです。
- 従業員や関係者から事実関係を確認する
- 問題行動の内容を整理したうえで、必要に応じて始末書の提出を求める
- 提出後は、再発防止に向けた指導やフォローをおこなう
ただし、始末書の提出を求めるには、就業規則上の根拠や対応の合理性などを踏まえておこなう必要があります。また、従業員が始末書の提出を拒否したり、提出後も問題行動の改善が見られなかったりするケースもあります。
ここからは、始末書の提出を依頼する際に押さえておくべきポイントについて解説します。
2-1. 譴責として提出を求める場合は就業規則に根拠を定める
始末書の提出を伴う譴責(けんせき)は、企業がおこなう懲戒処分の一つであり、単なる注意や指導とは性質が異なります。そのため、懲戒処分として実施する場合には、就業規則に懲戒事由や処分内容に関する根拠規定を設けておく必要があります。
例えば「服務規律違反があった場合には、譴責処分として始末書の提出を命じることがある」といった規定を設けておくことが考えられます。
ただし、懲戒処分は企業が自由におこなえるものではなく、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる必要があります。根拠規定や手続きが不十分な場合、懲戒権の濫用として無効と判断される可能性があるため注意が必要です。
2-2. 提出を拒否された場合は顛末書の提出を求める
始末書は、一般的に反省や謝罪の意思を示す文書です。そのため、従業員本人に反省や謝罪の意思がないにもかかわらず、その内容まで強制的に作成させることはできません。
一方で、従業員が始末書の提出を拒否した場合でも、企業は問題行動の内容や本人への確認結果などを記録として残しておくことが重要です。
顛末書は、反省や謝罪を求めるものではなく、発生した事実や経緯、原因などを整理することを目的とした文書です。そのため、業務上必要な範囲で提出を求めることができます。
ただし、顛末書であっても、本人の内心に関わる反省や謝罪を強制したり、過度な精神的負担を与える方法で提出を求めたりすると、パワーハラスメントと評価される可能性があるので注意しましょう。
また、始末書や顛末書の提出は、問題行動への対応手段の一つにすぎません。提出させること自体を目的とせず、その後の改善指導や再発防止につなげることが重要です。
2-3. 提出後も改善されない場合は懲戒処分を検討する
始末書や顛末書を提出した後も、同様の問題行動が繰り返される場合には、問題行動の内容や程度、これまでの指導状況などを踏まえ、懲戒処分を含めた対応を検討する必要があります。
なお、懲戒処分を検討する際は、始末書の提出を拒否したことだけを理由とするのではなく、実際に発生した問題行動や業務上の影響などを踏まえて判断することが重要です。
ただし、始末書の提出を求めたにもかかわらず拒否されたという事実は、本人の問題認識や改善に向けた姿勢を確認するための一つの判断材料となることがあります。
実際に懲戒処分をおこなう場合には、事前に十分な事実確認をおこない、本人から事情を聴取するなど、適切な手続きを踏むことが必要です。こうした対応を適切に進めることで、懲戒処分の客観性や相当性を確保でき、従業員との労務トラブルの防止にもつながります。
関連記事:労働契約法15条に定められた「懲戒」の対象者と懲戒を無効にする権利について解説
3. ケース別始末書の例文


ここでは、始末書作成の参考となる例文を紹介します。
ただし、あらかじめ定めた文言のみで作成を求めると、従業員の意思が十分に反映されない可能性があります。そのため、あくまで参考例とし、本人の言葉で記載してもらうことが重要です。
3-1. 遅刻した場合の例文
○○部 ○○部長 殿
始末書
○年○月○日
○○部○○課 ○○(提出者氏名) 印
この度は9月12日に開催された会議に遅刻してしまい、誠に申し訳ございませんでした。遅刻の原因は、私が乗車していた電車の遅延により、会社への到着が遅れたことにあります。代替の交通手段を探して会社に向かいましたが、結果的に会議の開始時刻に30分遅刻してしまいました。
社会人としての責任を果たせず、非常に反省しております。以前にも同様の理由で遅刻したことがあり、今回が2度目の遅刻となります。再発防止を徹底できていなかったことについて深く反省し、関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。
今後は、同様の遅刻を繰り返さないように、交通情報を常に確認し、スケジュールに余裕を持った行動を心掛けることをお約束いたします。誠に申し訳ございませんでした。
○○(提出者氏名)
3-2. 貸与物や備品を紛失した場合の例文
○○部 ○○部長 殿
始末書
○年○月○日
○○部○○課 ○○(提出者氏名) 印
この度は、会社から貸与された携帯電話を紛失し、誠に申し訳ございませんでした。
紛失の原因は、自宅での管理が不適切だったためです。9月10日の夜、帰宅後に携帯電話を確認したところ、見当たりませんでした。自宅内を捜索し、家族にも尋ねましたが、見つかりませんでした。
貸与品である携帯電話の管理が不適切だったことを深く反省しています。今後は紛失しないよう、特に帰宅時や外出時の管理を徹底し、鍵のかかる場所に保管するなど、慎重に管理します。
この度の件、誠に申し訳ございませんでした。今後同様の事態が発生しないよう努めます。
○○(提出者氏名)
3-3. 交通事故を起こした場合の例文
○○部 ○○部長 殿
始末書
○年○月○日
○○部○○課 ○○(提出者氏名) 印
この度、社用車の運転中に交通事故を起こし、深くお詫び申し上げます。
交通事故の原因は私の信号無視でした。信号無視により発生した事故で直行先のクライアント様にもご迷惑をおかけしました。被害者には個人的に謝罪を行い、誠意を持って対応を進めています。
会社にも運行供用者責任および使用者責任を発生させ、損害賠償や保険等級への悪影響等、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。今後は交通ルールを徹底遵守し、再発防止に努めます。
これまでの業務における運転を改め、社用車を運転する際には交通安全意識を一層高め、事故防止に万全を期します。重ねてお詫び申し上げますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。
○○(提出者氏名)
3-4. 業務上のミスにより自社や取引先に損害を与えた場合の例文
〇〇部長
〇月〇日、私の不注意により取引先へ多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。具体的には、発注業務において入力ミスが発生し、結果として納期が大幅に遅延しました。この出来事により、取引先に深刻な損害を与えてしまったことを深く反省しております。
今後同様のミスを再発させないために、以下の対策を講じることをお約束いたします。
まず、発注業務のフローを見直し、二重確認のシステムを導入します。また、ミスを未然に防ぐためのトレーニングを全スタッフに実施します。これにより、品質管理と業務効率を向上させてまいります。
このたびは、誠に申し訳ございませんでした。今後は信頼回復に努める所存です。
○○(提出者氏名)
4. 始末書の記事項目(テンプレートあり)


始末書のひな形は、次のとおりです。
| 年 月 日________株式会社
________殿 部署_______ 氏名_______ 始末書
|
次の項目別に詳しく見てみましょう。
- 発生日時
- 状況内容
- 反省等
- 今後の対応
4-1. 発生日時・年月日
発生日時には、ミスや不祥事を起こした年月日と時刻を記載させます。右上に記載する始末書を作成した年月日とは異なるため、混乱しないように注意してください。
トラブルが長期間続いたものである場合は、時系列に沿って記載してもらうと後々振り返る際にもわかりやすいでしょう。
4-2. 状況内容
状況内容には、ミスや不祥事が発生した場所・日時・原因・経緯などを簡潔に記載します。何をしたことで、どのような問題が発生したのかを明確にするため、事実関係を整理して記載してもらうことが重要です。
また、文章は一文を短くまとめ、読み手が内容を把握しやすい表現を心がけてもらいましょう。「忙しかったため」「やむを得なかった」などの言い訳や主観的な表現は避け、確認できる事実を中心に記載してもらうことが大切です。
4-3. 反省・謝罪文
本人の受け止め方や改善意識を把握するため、従業員に反省や謝罪の意思がある場合は、その内容も記載してもらうとよいでしょう
ただし、反省や謝罪の文言を一律に強制することは、憲法上保障される「思想・良心の自由」の問題があるため避けるべきです。本人の意思に基づかない反省や謝罪文は形だけのものになってしまうおそれもあります。
反省や謝罪の意思が確認できない場合には、無理に記載を求めず、事実関係を整理した内容のみで提出させる対応も検討しましょう。
4-4. 今後の対応
今後の対応には、同様のミスや問題の再発を防ぐため、具体的な改善策を記載します。始末書は、発生した事実を記録するだけでなく、原因を振り返り、今後の業務改善につなげるための書類でもあります。
そのため、確認手順の見直しや報告体制の改善など、実際に実行可能な取り組みを記載してもらうことが重要です。
5. 始末書に関わるQ&A


始末書について正しく理解するために、関連するQ&Aを紹介します。
5-1. 始末書の提出様式は?
始末書の提出様式に定まった形式はありません。企業独自のフォーマットを用意するとよいでしょう。なぜなら、フォーマットを指定することで情報の漏れや記載ミスを防ぎ、忙しい管理職や人事担当者にとっても確認しやすくなるからです。
5-2. 始末書を書かないとどうなる?
始末書が提出されない場合、問題の経緯や原因、本人の認識を整理する機会が失われ、責任の所在が不明確になる可能性があります。その結果、適切な再発防止策を検討しにくくなり、同様の問題が繰り返されるおそれがあります。
また、始末書の提出を求めたものの拒否された場合であっても、その事実は従業員の対応状況を確認する一つの事情として、今後の対応や懲戒処分を検討する際の判断材料となることがあります。そのため「拒否される可能性があるから」といって、初めから提出を求めない対応は避けましょう。
5-3. 始末書何枚でクビになる?
始末書の提出回数が多いことだけを理由として、直ちに解雇につながるわけではありません。ただし、同様の問題行動を繰り返し、改善が見られない場合には、最終的に重い懲戒処分や解雇が検討される可能性があります。
始末書の提出は、就業規則に基づく譴責や戒告などの懲戒処分の一環として求められる場合があります。一方で、事実関係の整理や再発防止を目的として提出を求めるケースもあります。
そのため、重要なのは始末書の枚数だけではなく、問題行動の内容や頻度、企業からの指導後の改善状況などを踏まえて判断することです。
関連記事:労働基準法で定められた解雇のルールとは?条文や解雇予告について解説
6. 始末書でミスやトラブルの再発防止に努めよう


始末書は、単に従業員のミスや不祥事に対して反省や謝罪を求めるだけでなく、問題の経緯や原因を客観的に整理し、具体的な再発防止策を講じるための重要な書類です。適切に運用することで、当事者自身の問題意識を高めるだけでなく、社内の規律や秩序を維持し、他の従業員の公平感を醸成する効果も期待できます。
ただし、作成を強制することはハラスメントにあたるリスクがあるため、拒否された場合は顛末書の提出を求めるなど柔軟な対応が必要です。提出をゴールとするのではなく、その後の改善指導や仕組みの見直しにつなげ、企業全体の信頼性向上とトラブルの再発防止に努めましょう。



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